お決まりの婚約破棄シーン。
そして王子に腕を絡め勝ち誇ったように公爵令嬢を見る男爵令嬢。
しかし、逆ざまあ展開により男爵令嬢は追放、王子は廃嫡となってしまった。
しかし――
少女は嗤う。
目的が達成されたと。
最初から全部全部仕組んだこと
だったと。
ただ、少女はそれすら教えない。
滅びゆく人々にそれすら教えるのはぬるいとでもいう様に。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-12-01 13:40:59
4624文字
会話率:11%
「あれ? 私どうなったのかしら?」
私は、メイドとして働いていた伯爵家で倒れていた。
正確に言えば、ここの家のお嬢様に足をかけられて、転んだのだ。
私はリビドー・ダンロ男爵の庶子アガサ。
母が亡くなり引き取られたが、男爵夫人マーブ
ル様は優しい人だった。
「女はいつの時代でも生き辛いわね。私も父の言うままにここに嫁ぎ、夫になった男には何も言えないのよ」
なんて疲れた顔をして、明け透けな話もしてくれていた。気心が知れる程好きになり、私は本当の母のように家事や身の回りのことを手伝い尽くした。一人でも味方がいるのは、とても嬉しいことだった。
逆に血の繋がった筈の、リビドー様の顔を見たのは数える程度だ。
リビドー様はマーブル様のことはほったらかしで、多くの愛人を囲っている。本邸であるここに、戻ることは殆どない。
領地経営はマーブル様が行い、本人は社交と言って遊んでいるだけ。親に決められた結婚を嫌がり、マーブル様には指一本も触れていないそうだ。当然子供もいない。
かと言って平民庶子の私が、後を継ぐことはないと思う。
きっと政略結婚と言う駒に使うつもりだろう。
そうでなければ、今まで歯牙にもかけず祖母と暮らしていた私を、15歳になってから引き離すことはない。
そのことをマーブル様も気づいているのだ。
何か月か過ぎた頃、マーブル様がこう告げてきた。
「貴女は外で働いて、お金を貯めなさい。いつでも此処から逃げられるように。大丈夫よ、リビドー様には学校に行ってるとでも言っておくから」
私は瞬いてマーブル様を見た。
頷くマーブル様は言う。
「貴女は逃げなさい。何の誓約もないのだから」
その話をした後、伯爵家への仕事の紹介状を渡してくれたのだ。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-07-24 13:45:51
24074文字
会話率:27%
ある国の平民街のアパルトマンの一室で貴族や王族まで通う予約がなかなか取れないと有名な恋愛相談所がある。貴族の恋に悩む乙女とその親が足繁く通うそこの主はピンクの髪をしたメアリーと言う女性だった。相談者にむけて彼女はあるカップルの恋の顛末を語っ
て聞かせるのであった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-05-29 16:03:06
6614文字
会話率:31%
田舎男爵の庶子が光魔法に目覚め、聖女見習いとなって王立学園にやってきて半年。
王太子の婚約者であるセラフィーナは、聖女と比べる周囲をよそに、誰よりも清廉であった。
子爵令嬢であるサンドラは、聖女に夢中な婚約者に呆れながらも気高かった。
宰
相の娘であるベルナルデッタは、聖女の後見人となった家の中でますます居場所を失ったが、聡明であった。
聖女側から「悪役令嬢」と呼ばれる3人の令嬢のお話。
メンタルつよつよ女子とまともな王太子が書きたかった。
各2話ずつくらいで終わる予定です。
ラブがうすめかも。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-10-14 18:41:39
79819文字
会話率:36%
エストレア王国の地方男爵の庶子である“ジルベルト=フレイレ”は、王立学園に入学する直前、突然起こった頭痛とともに、この世界が乙女ゲーム“束縛のアゼリア”の世界であることを思い出す。
だけど、この世界はそのゲームと明らかに違う点があった
。
それは……キャラクターの性別が男女逆転していること。
その事実を知り、困惑の表情を浮かべるジルベルト。
自分がヒロイン(男)であることに、不安しかないジルベルト。
男なのに“聖女”にならないといけないのかと、思わず頭を掻きむしるジルベルト。
それより何より、彼にはどうしても看過できないことがあった。
それは……推しの悪役令嬢までもが悪役令息となってしまったこと。
しかも、その顔や性格、仕草に至るまで悪役令嬢そのままで。
これは、性別が男女逆転してしまった乙女ゲーの世界でヒロイン(男)で聖女(男)として生まれ変わった一人の男が、推しの悪役令息(男?)の尊さに負け、結局は溺愛ムーブしてしまい、ゲームのように不幸になるのを阻止するために奮闘する物語。
※BL要素は一切ありません。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-02-05 21:00:00
119239文字
会話率:44%