中国が隋にとって統一されようとされている時、大和の大王家に一人の王が生まれた。その名は厩戸王、即ち聖徳太子である。
彼は南中国・陳の高僧である南嶽大師・慧思の転生であった。天界より祝福されて生まれてきた厩戸王であるが、産まれた瞬間から世俗
の政治に巻き込まれることとなる。
※極力史実に反しないように書いていますが、聖徳太子が慧思の転生であるという伝説を始め、スピリチュアル要素のある伝承についても作中に取り入れています。
※「九州王朝説」「十二年後差説」「多元王朝説」を採用しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-10-05 10:00:00
66722文字
会話率:68%
飛鳥時代。大和朝廷では、仏教の伝来を機に、物部(もののべ)氏と蘇我氏の権力争いが激化していた。当初は、仏教排斥派の物部氏が優勢だった。しかし、仏教を崇敬する用明(ようめい)天皇が即位した後は形勢が逆転。用明天皇の外戚にも当たる蘇我氏が台頭し
、物部氏は本拠地の阿都(河内国)へ退かざるをえなくなる。
そして、用明天皇の死後起こった皇位争いで、蘇我氏は皇族までも味方に取り込み、物部氏を逆賊として討伐しようと試みる。進退窮まった物部氏は、ついに蘇我氏・朝廷連合軍との全面戦争に突入する。
そんな混乱の最中、一人の若者が歴史の表舞台に躍り出る。物部氏の兵、捕鳥部万(ととりべのよろず)。彼は主君を失い、たった一人取り残され、逆賊として追われながらも、朝廷軍に真っ向から対峙する。
後に、日本史上最初の「武士道」を体現した武将と言われた男に待ち受ける運命とは。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-06-22 23:20:31
6613文字
会話率:40%