行き場を無くした怪異が集う神秘の街・ルヴィリア。
煌びやかな領主屋敷の厨房にて、貧乏錬金術師・アルフレッドはなぜかカカオをすりつぶしていた。立て続いた不幸の結果、吸血鬼・シンに隷属契約を結ばされ、「究極のチョコレートを作れ」と命じられた
故だ。
幸福な生の実感が唯一の弱点である奴は、長い生に飽きており、死ぬほど甘美なエクスタシーをご所望なのだ。嫌々始めたチョコレート作りだが……ナッツ、ラム酒にオレンジピール、何にでも合うその無限の可能性を知りのめり込む。
究極の一粒を生み出すのが先か、下僕になるのが先か……チョコレートに魅了された男二人の攻防の行方やいかに?
「殺意に満ちた顔もそそるね?」「さっさとくたばれ、クソ吸血鬼!」
甘くとろける探求よ永遠に──絶対主従ゴシック・スイーツ・ファンタジー!
錬金術師アルフレッドは旧友に愛想をつかされ、工房から追いだされた。
夜の町をさまよった果てに美しい貴族と出会い、チョコレートドリンクを奢ってもらう。
アルフレッドは金払いのいいその青年に目をつけ、近づこうとするが……。
貴族の正体はなんと最強の吸血鬼、シン。アルフレッドは血を吸われ、屋敷に囚われてしまう。
家畜同然の身分から解放される条件は、ただひとつ。
「――私のために、最高のチョコレートを作っておくれ」
アルフレッドは錬金術師としての尊厳と矜持を賭け、チョコレート作りをはじめるのだった。
【キャラ紹介】
アルフレッド
王立アカデミーに通う留学生。天才錬金術師。金髪眼鏡。自信過剰で女好き。しかし根は真面目で人一倍好奇心や探究心が強く、やると決めたことはとことん突き詰める職人肌の男。軍人の家系に生まれ幼い頃から鍛えられてきたため、射撃の腕は一流、
シン
最強の吸血鬼。神秘の町ルヴィリアの支配者。黒髪黒目、正体を明かすと目が赤く光る。
チョコレート好き。優男に見えるが腹黒、というより邪悪。人間のことは犬や猫のように可愛いと感じていて、とくにアルフレッドに対しては苦しめたいほど好き。歪んだ愛情の持ち主。
彼の目的はチョコレートという『快楽』の探究。
参考文献
『チョコレートの手引』蕪木祐介/雷鳥社
『チョコレートの歴史』ソフィー・D・コウ/マイケル・D・コウ/樋口幸子訳/河出文庫
『図解錬金術』草野巧/新紀元社
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-10 18:10:00
63347文字
会話率:31%
高校生の黒沢誠也は、いつかゾンビが現れるという妄執に囚われて一般的な生活を送ることができなくなっていた。
来たるべきゾンビの出現に備えて食料を備蓄し身体を鍛える黒沢を周囲は笑っていたが、ついにその日がやってきた。
突如として発生した
原因不明のゾンビパンデミックは、世界中で急速に拡大することとなった。
世界が震撼する一方で、黒沢は対ゾンビ仕様の要塞と化した自宅に悠然と立て篭もり、水を得た魚のように活き活きとゾンビを始末しながら生の実感を得る日々を過ごしていた。
そんなある日、高校の担任教師と数名のクラスメイトが避難してきたことで黒沢の生活は一変するのだった。
※ゾンビ好きによるゾンビ好きのための物語折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-12-30 02:10:00
100055文字
会話率:36%
人生で一度も生の実感を得られなかった人間が、異世界にいって初めて生の実感を得るお話
最終更新:2024-12-30 01:49:03
7900文字
会話率:32%
蔵前から銀座までの道をただ歩き続ける主人公が、失恋の痛みと生の虚無を抱えながら、街の景色や人々に対して執拗に嘲りと劣等感を抱く。昭和の香りを残す銀座の夕暮れ時、痛みや汚穢の中に生の実感を見出す彼は、最終的に銀座のマンションから身を投じること
で、その虚無に終止符を打つ。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-10-06 20:17:04
2047文字
会話率:0%
これは夜明けの物語。今ここから旅立とう――
エルディネ王国の北端、ルーベン辺境伯領にそびえ立つ黒い塔に住む錬金術師ナサニエルは、ある日塔の裏手の森で光の精霊に育てられた白い髪の幼子を拾う。その国では白髪の子は呪い持ちとして捨て子となる
運命にあったが、稀に精霊がその子を拾い上げて育てることがあった。かつて愛した人の言葉を思い出し、その子を育てることにしたナサニエルは、光を意味するレイリアと名付けてリアと呼ぶようになった。
魔法と錬金術の研究に明け暮れて独り塔の中で孤独に過ごし、子育てどころか人とあまり触れ合うことなく生きてきたナサニエルにとっては、何もかもが初めてで大変な日々。それでもリアとの触れ合いの中で少しずつ表情を取り戻し、家族や愛、生の実感、拾い上げた初めての感情を一つずつ理解し始める――
精霊の祝福によって動物の心が分かるリアは、ダイアウルフやイヌワシを始めとする森の生き物に囲まれ、自然の論理に従って育っていく。世界とズレて生きるナサニエルとリアは、森と塔と言う広く平和な箱庭から、外の世界へとやがて踏み出し道を分かつその時を、覚悟しながらゆっくりと寄り添い歩いていく。
不器用な父娘は出会いと別れを繰り返し、寂しさと温もりを抱えて、今日もその塔で生きている。
注)本作品は別筆名にて掲載されたものとその続きです。火曜日 朝7時更新。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-12-19 07:00:00
581112文字
会話率:36%
大慶という国では人間は石を持って生まれてくる。二胡弾きの少女、苑円は赤子の頃に石を盗まれて以来、生の実感を得られずに過ごしていた。ある日夏の夜、一人の少女と出会い……。
最終更新:2022-12-07 22:02:50
8121文字
会話率:34%
かつて大企業でエリート街道を突っ走っていた男は外資企業の買収によってその座を追われ、その挙句強盗に腹を刺されて死んでしまった。だが彼は戦国乱世の時代に小国の王女として、異世界にて新たな生を受け転生する。魔法に優れ、前世の記憶によって他人を蹴
落とす快感を知っていた彼女は、内に秘めていた殺人欲求に目覚め、前世で満たせなかった生の実感を満たすために第二の人生を歩みだす。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-02-21 00:04:01
95962文字
会話率:32%
生の実感とはなにか、、
生きるとはなんなのか、、、
作者が考える
現代と空想の話
最終更新:2021-03-27 08:25:21
4790文字
会話率:34%
苦しい、空っぽだ。
これは本当に生きているのか?
痛みとは違う。
最終更新:2020-09-26 17:29:06
328文字
会話率:0%
天才的スパイを自覚する奇妙な男の妄想を通してシニカルな笑いとメタ認知を提供するショートストーリー。
最終更新:2020-06-03 17:32:00
1200文字
会話率:25%
魔界にて異世界から魂を召喚する儀式を経て生まれた四天王たち。だが記憶を失って生まれて転生の実感はない。四天王たちはそれぞれの世界征服の道を模索していく。その中でも一番弱いイングリッドは布教で世界を統一することを選ぶ。
最終更新:2020-06-02 16:43:12
5619文字
会話率:59%
台風の直撃を体験した男子高校生の感想です。
最終更新:2019-02-13 16:24:46
1684文字
会話率:0%
積もり重なり、深刻化する環境汚染・資源枯渇に対し。新たなる世界秩序と、洗練され複雑高度化した科学技術による。世界の根本的な合理化・画一化が押し勧められた「世界」で、「低規格労働者」として生きる男――"安堂(あんどう) 礼儀(れい
ぎ)"は。
とあるVRゲーム――『リアリテーション・ダイヴ』を手にした事で、その日常に新たな彩を得たと同時に。知らずしらずの内に、最早VRから逸脱した本物の異世界へ独り迷い込みむ…。
その事実を知り葛藤、苦悩しながらも。そのまた新たな世知辛い世界ながらも、そこに確かな生の実感を感じた安堂は…。時折チラつく、異世界の不穏な影に首を傾げながら。
新たな自分、プレイヤーネーム――"レギ・アンド"は、新しき人生を歩んでゆく。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-08-26 04:27:40
3888文字
会話率:19%
日常に退屈していた少年は日々に折り合いをつけ生きていた。
だがそれは己を騙す生き方、そんな事では破綻する事は知れており生の実感すら乏しい。
そんな、ただ漫然と生きる中で唯一生を実感する“未来視”の光景。
そこに映り込んだ少女を助ける為、行動
した結果、残酷な運命として彼を殺す。
突然降りかかった死より目覚めると、そこは見知らぬ森の中。
一体何が起こったのか? 現実を理解する為に己の手を見て絶句する。
それは、犬のような手で。
少女を守る為、殺された少年のセカンドライフストーリー。
人より魔獣と呼ばれる存在へと成り代わった自身の境遇に順応しつつ魔獣として生きて行く。
そんな物語。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-08-23 16:56:47
185987文字
会話率:34%
最初は、咳をしただけだと思った。
ただ茶を飲んで、咽せただけだと、そう思った。
最終更新:2017-02-09 00:09:24
1079文字
会話率:0%
僕はその歌声に“勇気”をもらった。生と死の狭間で疲弊していく僕の幽鬼としての日々は終わることのない悪夢そのものだった。そんな時、僕は彼女の歌声を聴いて、唯一の生の実感を抱いたのだった。
最終更新:2016-12-31 01:03:26
1541文字
会話率:0%
僕は病院の屋上で、素足のまま煙草を吸っていた。そのひんやりとした足の感覚は、僕へ生の実感をもたらしてくれた。そうして喫煙厳禁と言われていた僕の元に、一人の女性がやって来る。彼女はふと不敵に笑いながら言った。「馬鹿じゃないのか」――これは僕と
先生の、ある一つの約束についての小話である。(以前、習作として書き綴ったものに、少し修正を加えたものです)折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2016-11-02 15:37:47
2614文字
会話率:53%