弥生下旬早朝。古隅田川に隅田村の世話人弥助の斬殺死体があがった。検視の結果、下手人は二人で一人は左利きだ。
天下普請で江戸に職人が増え、野菜が大量生産され下肥が値上がりした。下肥を買う百姓を気遣う肥問屋の大番頭仁吉は、弥助と石田浪人に、
吉田屋を通さず直に下肥を買いつけさせが、その際、弥助が、肥問屋の主の廻船問屋吉田屋吉次郎の奉公人に顔を見られていた。特使探索方は、下肥商いの縄張り争いで吉次郎が弥助に刺客を放ったと推察した。
弥助の葬儀の日、肥問屋の仁吉が、吉田屋吉次郎のさし向けた浪人三人を伴って弥助の葬儀に現れた。浪人が特使探索方の藤兵衛に因縁をつけて斬ろうとしたが三人は唐十郎と石田に捕えられた。吉次郎は甥と偽って、亡き香具師の元締の藤五郎の跡目を継いでいたが、実際の相続権は藤五郎の養女のお藤が持っていた。この事もあり、吉次郎が、下肥商いの縄張りを荒した肥問屋の仁吉とお藤に、五人の刺客を差しむけるが、刺客はお藤が仕込んだ眠り薬入りの酒を飲んでたやすく唐十郎と石田たちに捕えられ肥樽に入れられた。
唐十郎は与力藤堂八郎と肥問屋に、翌早朝、浪人たちを舟で茅場町の大番屋へ移送すると告げると、肥問屋の裏から、奉公人が吉次郎に事の成り行きを知らせに走った。
ただちに唐十郎と藤堂八郎は捕縛した刺客たちを舟で茅場町の大番屋へ移送し、翌朝の吉次郎が放つ刺客の襲撃に備えた。
その夜、吉田屋の奥座敷で吉次郎が鎌鼬に殺害された。
翌早朝、刺客七人が新大坂町の吉田屋の蔵を出て舟で大川を溯った。刺客たちの舟を囲んだ十艘の部切船から、船頭と人足たちに扮した特使探索方と町方が肥柄杓で刺客に下肥を浴びせ浪人たちは下肥まみれになって捕縛された。
朝五ツ半(午前九時)。検視方の日野徳三郎と町医者竹原松月は吉田屋吉次郎を検視し、鎌鼬の仕業と判断した。検視の場で与力藤堂八郎は刺客に下肥を浴びせて捕縛した唐十郎の奇策を話し、こたびの下肥騒動に下るであろう沙汰を説明した。廻船問屋吉田屋は取り潰し。家族は島流し。奉公人は所払い。刺客は打ち首を免れない。
お藤は亀甲屋の奉公人を守るため香具師の元締藤五郎の養女であることを隠していたが、こたびの下肥騒動解決に夫仁吉とともに協力したこともあり、御上は肥問屋吉田屋を存続させてお藤に香具師の元締め、藤五郎の跡目を継がせる策を講ずるらしかった。
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最終更新:2024-06-21 08:35:22
40275文字
会話率:37%
みじかくてまっすぐな道でも、それなりにやりきったならかまわない。
最終更新:2024-05-24 07:00:00
311文字
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右手でウサギ、左手でキツネをつくりましょう。
最終更新:2024-01-07 07:00:00
333文字
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正気を疑うことがあっても、疑ってはならないものもある。
最終更新:2023-01-15 07:00:00
323文字
会話率:0%
昔むかし、ある浜の漁師が、お盆の夜に漁をしていますと、急に海上が荒れ出してきました。するとそこへ万灯(まんどう)をこうこうと点けた大きな船が近付き言ったのです。
「柄杓(ひしゃく)を貸してくれー。」
なんだか恐ろしくなった漁師が、言われるま
まに柄杓を渡しますと、それで海水をいっぱいに汲み込まれ、漁船が沈没しそうになってしまいました。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-04-24 23:06:38
2486文字
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文明の始まり、文化の起こり、原始の時代。
神として、その世界を統治することを義務付けられた主人公。
義務として都市運営、国家運営。果てには世界を運営していく物語。
最終更新:2023-03-20 18:55:50
8439文字
会話率:35%
錆びた柄杓
最初の3行は芥川龍之介「侏儒の言葉」より抜粋
最終更新:2021-01-15 12:02:39
239文字
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青銅器時代の地中海東部クレタ島で繁栄したミノア文明に関し、未解読の線文字Aやクレタ聖刻文字が音声上、日本語に酷似しているのは明らかです。
そこで文字を分析し原典を解読してみれば、ミノア人が北極星について北斗七星(辰)とこぐま座の柄杓(巳)
に囲まれた天空の支配者と見做し、更にその他の星座から12支の動物まで考案していた事が彷彿とします。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-11-09 12:20:06
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納豆を広めることに失敗した水戸洋一(みとよういち)と女神は部屋にこもっていた。そんな時別の世界の女神から助けを求める手紙が届き、水戸洋一と女神は納豆が全ての世界で、納豆勝負を行い、納豆四天王と戦い、最強の納豆料理人を探すことになる。
前回雑
に終わったやつの続編です。
納豆の日なので投稿しました!
前回https://ncode.syosetu.com/n4420fi
よろしくお願いします!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-07-17 19:00:00
6315文字
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主人公の佐藤は父親が過労で倒れたショックから暴走トラックに轢かれて異世界に転移する。その異世界では名字大戦というバトルが行われていて、優勝するとなんでも願いが叶う。佐藤は名字大戦を優勝し、父親を助けるために戦う!
最終更新:2019-04-26 20:52:55
280文字
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女子高生AとBがホラーな体験をします。
怖い話です。
800〜2000字程度の短めの怖い話です。
最終更新:2019-02-24 21:04:37
4304文字
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お藤(ふじ)はひとりで小舟を押し、勢いをつけて海岸に突っ込み、小舟が浮いた所で飛び乗った。ひとりで乗り込んだのは初めてだった。
最終更新:2018-07-23 18:52:18
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女は恐ろしい欲求を持っていた。
殺してみたい、どんな感触なのか。味わってみたかった。
やっと待ちわびたこの日ついに女は自分自身の欲求を叶えるための生贄を捕まえることが出来る。
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最終更新:2015-08-24 23:52:24
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男は頭痛に悩まされていたのです。
最終更新:2010-08-08 22:37:18
703文字
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