恩師の告別式での出来事を書きました。
最終更新:2025-01-01 18:21:20
2216文字
会話率:28%
ポン ポン ポン……
ああそうか、俺はもう独りなわけか。
静かな部屋に響く木魚の音は、恋人の|橘《たちばな》|緋奈《ひな》がもういないという事実を、ただ海斗の心に強く、残酷に刻みつけていた。啜り泣く声が微かに響く中、海斗は涙に袖を濡らす
ことはなかった。なぜなら。
——俺もすぐそっちに行くからさ…だから安心しろよ、緋奈。
心の中でそう唱えて少し口角を上げる。葬式中に笑っているなんて周りに気づかれたら、きっと気味悪がられる。でも。
そんなこともう、どうだっていい。
緋奈のいない世界に、自分に、何の価値があるというのか。この先生き続けたとして、何の希望があるのか。暗闇が待つ世界に身を委ねるくらいなら、いっそ。そう思ってしまうのも無理はなかった。
1週間前に緋奈が突然の心筋梗塞で亡くなったその時から、緋奈の魂を弔ったあとに自分も着いていく決心はついていた。どうして突然。どうして自分ではなく緋奈が。無力な自分の不甲斐なさに身を焦がすが、どれだけ願っても結末は変わらない。
「これにて葬式を終えさせていただきます。」
さっきまで念仏を唱えていたお坊さんの声が耳に入る。どうやら、くだらないことを考えている間に葬式が終わったらしい。司会者の案内があり、続々と参列者が退出していく。結局悔やんでばかりでろくに弔えてもいなかった自分に気づき、最後までどうしようもないなと|嗤《わら》いながら海斗も葬式部屋を後にした。
最期にちょうど一年前のこの日に告白した公園に行こう、そう思った。今日3月25日は海斗と緋奈が結ばれてから丁度1年目。
「好きだ、緋奈。だから俺と………」
「あーーーもういいよっ!!」
少し堅いベンチに腰をかけ、咲きかけの桜に見舞われながら言った1年前。最後までセリフが出ずにカッコつけきれず、フォローすらされてしまった、ちょっぴり苦くて甘い記憶を同じベンチで思い返す。隣にはもう、誰もいないが。
独り家に帰り|そ《・》|の《・》|時《・》のための身支度をしていると去年のカレンダーを見つけた。ぱらぱらとめくっていると、3月25日の欄に何やら書いた覚えのない文字が書かれてあることに気づく。
私 を 救 っ て
「あーーもういいよっ!!」
「……は?」
「あれ海斗、どうしたの??もしかして〜嬉しすぎて固まっちゃった〜?」折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-12-02 18:04:58
914文字
会話率:36%
ある日、釣り嫌いな男があの世に落ちた。
三途の川を渡った先は地獄。
地獄からあの世へ還る手段は、たった一つ。
三途の中心にある池、そこに住む伝説の木魚を釣り上げ、木魚に乗って三途の川を渡ることであった。
最終更新:2024-11-14 19:30:28
1957文字
会話率:51%
雲の上にあるお寺の住職が、お気に入りの木魚を庭の池に落としてしまい?!
そこから始まる猟奇的? ストーリー。
最終更新:2023-05-10 06:36:58
1337文字
会話率:4%
暴風雨が窓を叩くと、何だか飆靡様にお呼ばれしている気がするのです。
ですからお参りへ。先に別の寺院にお邪魔をさせていただきますね。
注意事項1
起承転結はありません。
短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。
注意事項2
今回は二つの事
象をかなりぼかして繋がりを書いてます。
物凄く分かりにくいと思います。
ただ繋がりはあります。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-04-15 15:32:32
1216文字
会話率:35%
ツッコミ子はツッコミを入れられなかった。
ボケ子のドヤ顔をどうしても壊したく無かったから……
ツッコミスキルそのものも……持ち合わせていないのもあったが。
最終更新:2022-03-09 21:11:01
1633文字
会話率:100%
週に一度、練習を兼ねて400字詰め原稿用紙一枚前後で短編小説を書いております。長編のワンシーンを切り取ったようなイメージで書いているので、様々な世界を覗き見ていただけたらと思います。
はてさて、今回は、木魚が好きな“彼”の物語――――。
最終更新:2022-01-30 18:00:00
339文字
会話率:0%
高木魚住は普通の生活を送っていますが、ある日目を覚ますと巨大なネズミの体に運ばれます! 彼は1000ステージダンジョンのレベル1にいて、それを終えるまで彼は去ることができません! 何よりも悪いことに、彼はモンスターの1人であり、レベルアップ
することができません。
This replay is "Need to win as a Grand Rest RPG Level 1 Dungeon Rat? Another world?The official scenario of """Recorded""Is used.
Please note that those who have not played are touching the contents of the corresponding scenario.折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-03-28 12:12:13
919文字
会話率:7%
中ノ村にやって来た、不思議な薬屋。
薬屋の本当の目的は?
最終更新:2020-12-10 14:05:59
22890文字
会話率:34%
むかしむかしのお寺は、現代の神社が担う神事もしてただろうなぁ
と思って書きました。
キーワード:
最終更新:2020-05-25 18:27:58
3231文字
会話率:12%
私、福沢幸美!
眼鏡がトレードマークの女子高生(17歳)!
つい昨晩、その愛用の眼鏡を壊してしまってさあ大変!
仕方なくコンタクトレンズで学校には来てみたけれど、私、どうなっちゃうのーっ!?
……分かってましたよ。自分が可愛い顔じゃない
ことくらい。
(この作品は、締切を大いにブッチしましたが、一応は『眼鏡娘とコンタクト企画』の参加作品です)折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-09-02 00:00:00
31265文字
会話率:44%
12歳だった僕に、絡んできたやんちゃな男たち。絶体絶命になった僕に訪れた結末。
そして、本当の後悔とは。
最終更新:2019-04-13 21:19:49
2846文字
会話率:50%
タビビターのギャラクシー・カイドウは地球を飛び出し、宇宙の彼方に向かう。
宇宙で驚愕の展開が起こり、カイドウは驚きを隠せない。
さらに締切まで15分という現実に驚きを隠せない。
最終更新:2019-01-31 23:46:43
3823文字
会話率:6%
空飛ぶ少年が女性を空へといざないます。雲の上で、女性は自身の願いをかなえようと試みます。
最終更新:2017-09-19 23:58:08
3223文字
会話率:38%
男の作家が女のインタビュアーからインタビューをうける。作家が語る。えらそうに語りたがるやつほど中身がないことを言いたがる、そんな代表例のような、もうどうしようもない感じの、よくある、もうすり減りまくった、そんな、物語。
最終更新:2017-06-14 23:44:16
12913文字
会話率:84%
彼氏とハイキックと私の続編!
結局芸能界を追放された木魚は、大好きな空手と早助に全力投球していた。
だけど元の所属先の社長に嵌められて、再びラウンドガールをすることになる。
例によって変な男に言い寄られる木魚。何とかかわそうとするが、その
男の対戦相手が木魚の知り合いで……?
卑怯な手段を用いる男に、木魚の怒りの鉄拳が炸裂する!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-12-24 00:48:58
5721文字
会話率:57%
私は白雪木魚《しらゆききお》。
あるキックボクシング団体のラウンドガールをしている現役女子高生。
私は長年続けていた空手を辞めた。
その理由は、空手がイヤにやったんじゃなく。
まして芸能界で生きていくためでもない。
その理由である彼氏は
…なんか鈍いというか何というか…。
そんなウヤムヤな状態が続くなか、“運命”の事件が起きる…。
そんな“運命”を爽快にハイキックで蹴り飛ばす!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-03-02 17:54:27
8997文字
会話率:38%
私は現役JKの白雪木魚(しらゆききお)。
私は大好きだった空手をある理由から辞めた。
それは…巨乳になってしまったこと。
ある日、芸能事務所にスカウトされた私は格闘技団体のラウンドガールに採用された…。
年下の彼氏と仕事と。
迷う私
にあの日“事件”が起きた…。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-02-22 01:15:03
4472文字
会話率:34%
「俺は何のために生きている?」
戦闘はからっきしだが頭脳明晰な「黒髪」の「影月要」。容姿端麗、家柄良好、その気になれば軍の要職に就けるが、やる気が全くない「金髪」の「神崎アキラ」。正反対だが何故か二人は無二の親友だ。
戦火に包まれようとして
いる時代に生きる二人は、人々の感情という色彩に飲み込まれていく。激動の時代の中、二人は何を思い、何を感じるのか。そして、己が生に何を見出すのか。
全ての人間にこの物語は問います。
注意⚠ この作品は「カクヨム」でも連載しています折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-04-23 14:39:32
3736文字
会話率:68%
「僕」のかんさつにっき。
クセになっちゃうんだよね、これが。
最終更新:2017-05-20 23:22:50
809文字
会話率:24%
住職と猫が繰り広げる、元気いっぱいにはしゃぎまわる重金属。
最終更新:2017-03-12 00:05:37
960文字
会話率:15%
かつて神殺しの名を持った、初代魔王の血を限りなくうすーく引く魔王後継者候補、アレン。突然やってきた魔族に魔王になれと言われるが、その強さは全百人の候補者中――『最弱』だった。理不尽だとは思いながらも、アレンは魔王になるための闘いに、身を投
じることになってしまった。※この作品は『ほんのわずかしか血を引き継いでないけど、どうやら魔王候補になってしまったようです。』のリメイク版です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-06-21 12:00:00
284364文字
会話率:50%
世界に絶望した非凡な少年、悠馬はある時自らの手で命を絶った。……はずなのだが、おかしなことに彼は意識を保っていた。どうやら悠馬は異世界に「転生」したようだった。赤ん坊になって。しかも、この世界には光る卵から生まれる不思議な生命体、通称タクト
と呼ばれるモンスターがいるらしい。ひょんなことからタクトとの契約者となった悠馬は、契約者たちが集う学園に入学。ゲスい戦略を取ることで有名になっていく。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2013-08-27 15:00:00
88889文字
会話率:53%
ある日、ある時、人類は超能力を手に入れた。そして、超能力者を育成する学園もつくられた。それから数百年と経った世界で、幼馴染の三人組はそろって超能力育成学園に入学する……が、そのうち二人はエリート街道A組へ。残った一人は――学園の落ちこぼれ
集団E組へ入ることになってしまった。
思わず気を落としてしまうが、そんな時に一筋の光が差し込む。なんと生徒会長が現れ「生徒会に入らない?」と軽ーい感じで勧誘を受けたのだ。これはまたとないチャンス、と思い入会するがそこはいろいろ訳ありで……?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2013-02-23 12:00:00
14313文字
会話率:55%
この世界には、一つのルールがある。死者と、死者を想う生者が己の足を以て競い合い、勝利することができれば蘇らせて貰えるという仏の采配。それが、死者蘇生の『徒競走』である。最愛の兄を亡くした少女七穂は、兄を蘇らせて共に生きるために徒競走に望む。
霊柩車に引かれたライン、鳴り響く木魚、煌めく袈裟を着たお坊さん。般若心経をBGMに、生と死を賭けた一騎打ちが幕を開ける!//この物語は、兄妹の絆を描いたハートフルコメディです。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2011-03-05 13:48:31
13621文字
会話率:30%
若くて"ハンサム"な曹洞宗の僧侶でございます。
お寺さんの息子に生まれたので将来の名僧を期待されるは…まずはなく(笑)
愉快なお寺ライフを満喫をする若い僧侶さま。
爆笑和尚を目指し一般大衆に親しまれる僧侶を目指すお
坊さんでございます
合掌折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2006-11-11 17:47:02
71420文字
会話率:32%