南の海に浮かぶこの小さな島には、不思議な話が一つある。南東の岬にぽつんと建っている朽ちかけた木造の小屋、そこから夜な夜な歌が聞こえてくるという。
最終更新:2025-07-28 01:58:22
37517文字
会話率:49%
南の海に浮かぶこの小さな島には、不思議な話が一つある。
南東の岬にぽつんと建っている、朽ちかけた木造の小屋、そこから夜な夜な、歌が聞こえてくるという。
最終更新:2024-03-16 01:31:25
2248文字
会話率:30%
気付いたら、姉と木造ボートに乗っていた。ボートは静かに川を下っていく。
此岸に行けるのは一人だけ
最終更新:2025-07-26 08:07:31
2474文字
会話率:52%
アメリカ合衆国 ユタ州 セントジョージから、北西に伸びる一本の道路があった────。
───2025年────
町の名はアダマ=エロヒート
そこには19世紀を思わせるような街並みが広がっている。
その地に住む17歳の青年ニック・テ
ネットは、10年に一度行われる儀式に連れられていた。
町の中央に置かれた大釜、そこから天に向かって燃え盛る赤き紅蓮の炎──。
かつて、暗闇の中猛獣に襲われていた時代に、ギリシャ神話の火の神プロメテウスがその地に永遠と燃える炎を与え、暗闇の中光を灯したとされている。
そこからプロメテウスへの敬礼の儀として、大釜に入れられたその炎に、食物や高価な品を投げ入れるという習慣が生まれた。
だが、時は経ち18世紀、この頃聖なる炎がその勢いを落としていた。
人々は炎へとより多くの品物を投げ入れたが、それでも炎は縮まっていくばかり。
そこである聖職者が、自らを生贄に大釜の中へと飛び込んだところ、大釜の炎は再び燃え盛ったというのだ。
このことから、この町では10年に一度『誰か1人をプロメテウスへの生贄として捧げる』という儀式が行われるようになったのだ......
テネットは唇を縫われ、目隠しをされ耳栓も付けられ、両手にロープを繋がると2人の聖職者に炎の元へと連れられた。
大釜の前には木造の階段と、その横で神への祈りの言葉を捧げる神父がいる。
炎のバチバチという弾ける音が辺りに響くが、テネットにはそれを聞くことも許されなかった。
聖職者2人に体を持ち上げられると、テネットは階段を上がるのだと理解し、その瞬間...その心は激しい恐怖に襲われた。
炎の温かみを感じる。
同時に、死の冷たさも感じていた......。
神父が言葉を終えると、抵抗虚しく、ロープを掴んだ2人の聖職者はテネットの肉体を炎の中へと投げ入れた。
テネットは瞬間、燃え盛る炎に全身を燃やされその苦しみで酷くのたうち暴れ。
大釜の外にも響くほどの重厚な金属音が広がった。
その時、目隠しが焼け落ち、テネットは大釜の中で目を開ける。
するとそこには、同様の儀式により焼け死んだ人間の遺骨が積み上がっていた。
テネットは恐怖で目を閉じ、燃える涙を流しその生涯を終えた────。
完結するかは分かりません。
飽きたらすみません。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-25 21:07:18
21511文字
会話率:24%
病葉楓は、都会の学校生活で精神を病み、母方の実家に当たる、四国地方の山間部のある村で、療養生活を送ることになった。
山紫水明の自然に囲まれたその村は、かつては楓のように、心や体の病を抱えた人間が足を運んでいたらしく、村の外れには今はもう使わ
れていない、木造二階建てのサナトリウムが建っていた。
ひょんなことから、サナトリウムに足を運ぶことになった楓は、サナトリウムの窓に白い人影を見つけて、吸い込まれるように建物の中へと入っていく……
【登場人物】
病葉 楓(わくらば かえで)
高校2年生。内気な文学少女。高校生活に馴染めず、心を病む。療養のために、関西から母の実家である四国の田舎へ移る。
ルカ
楓が田舎のサナトリウムで出会った少女。透き通るような、色素の薄い肌をしている
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-24 17:00:00
2435文字
会話率:18%
この星には精霊が存在しスキルという魔法がある、何故か自分の属性が解らず使える者はわずか。当然科学はない。下水道は完備しているのに温かいお風呂がない。え!?家も王城も木造平屋!?スローライフを満喫するにはとっても良い環境なのに、謎の“精霊の鍛
錬所送り“なるものが存在して…前世、地球での記憶を鮮やかに思い出せる主人公のルークが穏やかに楽しく、家族と精霊獣と共に暮らす、のんびりライフ。ゆったりした気持ちで読んでもらえると嬉しいです。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-22 00:05:51
1866664文字
会話率:36%
獣が車輪を牽き、風が帆船を走らせ、川が水車を回す原始的な社会。そこには、魔法使いと呼ばれる特殊なちからを持った人間が存在しています。その一人を求めて、主人公は旅立ちました。物語は、魔法使いが棲むという噂の深い深い森に、もっとも近い宿場町に
到着したところから始まります。主人公の視点で描かれます。そこに生まれ、そこで見るもの。旅人は、重い荷物を背負っていました。──以下、本編【1】の冒頭をご紹介。
* * * * *
最終便で到着し、疲れもあって目を覚ましたのは、翌日の午後だった。携行食の調達が必要だったが市場を見てまわるのはあとにして、おれは地図を売る店を探しに出た。碁盤割りの区画に腰折屋根の木造家屋が井然と並んでいる。公共の施設や商店はそれなりに独自の外観を見せていたが、一般住宅に至っては見事に画一的で、せいぜい軒先の趣にわずかの違いを見いだすのみだった。店の場所はあらかじめ聞いてはいたものの、あちらこちらの筋道を何度も行ったり来たりしてしまって、通行人の助けを借りてようやく見つけ出すことができた。地図を売る店は、通りに面した古書店の真裏にあった。棟続きだったのでどうやら地図屋の店主は古書店の店主でもあるようだった。斑のある硝子窓から中を覗くと、真正面の机に向かっている初老の男と目が合った。白髪まじりのあご髭をたくわえた店主然とした男だった。ためらいがちに扉を叩いてすぐ、背の高い細身の青年が顔を出し、どうぞ、と身をひらいた。こじんまりとした店内の壁一面に、町全体の大きな鳥瞰図が貼り出してあった。世界各地の精細な地形図も十枚ほど貼られており、その中にはロヴリアンス地方の宇宙船古跡の地図まであったので、おれは少し驚いた。青年が言う。「ご入り用は」
* * * * *
※本作品はエブリスタにも掲載しています折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2025-07-21 20:20:00
647352文字
会話率:27%
ブラックすぎる現場。寝る間もなく続く工程。
――それでも俺は、建物を完成させる瞬間が、好きだった。
ゼネコン勤務10年、施工管理技士・神原匠(かんばらたくみ)、32歳。
超過密スケジュールの現場で倒れ、目を覚ますと――そこは、見知らぬ異世
界の草原だった。
文明レベルは中世ヨーロッパ並み。
石造や木造の家はあれど、水道も電気もなく、図面という概念すらない。
さらに、この世界では「魔法」が存在するが、構造物に魔力を流すと不安定になるため、建築に使われることはないらしい。
……おいおい、なんだこの未開ぶりは。
しかし匠には、「現実世界の道具・資材」を呼び出せるチートアイテムボックスと、
「なぜか周囲が従ってしまう」カリスマ性(実は異世界スキルだった)が備わっていた!
最初の村で家を直し、魔物を建築知識で撃退。
職人にもギルドにも「そんな職業は存在しない」と嘲笑されたが、
俺は異世界で【ゲンバカントク】として、建築の力で人々を支え、世界を変えていく。
魔法と建築が融合したとき、常識を超えた街づくりが始まる!
これは、現場監督だった男が、
図面も施工図も存在しない世界で、建築の革命を起こす物語――。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-20 23:03:15
42411文字
会話率:35%
古びた木造アパートの屋上。主人公は、天高く昇る満月を見上げながら、高校時代から忘れられない「高嶺の花」――透き通る白い肌と吸い込まれるような青い瞳を持つ彼女を想っていた。彼女はいつも人々の中心にいて、平凡な自分には手の届かない存在。卒業して
数年経った今も、あの時一歩踏み出せなかった後悔が、夜ごと彼を窓辺へと誘っていた。
しかし今夜、満月の光の中に、彼女の姿が重なって見えた気がする。心臓が大きく跳ねる中、月の光が生き物のように揺らめき始め、細い螺旋を描きながら一点に集まっていく。微かに聞こえる鈴のような澄んだ旋律と共に、光の中心からぼんやりとした人影がゆっくりと、しかし確かな輪郭を伴って現れた。
それは信じられないほど美しい女性だった。月光を吸い込み微かに輝く銀色の長い髪、風もないのにふわりと宙に浮く純白の衣。そして何よりも、その瞳の色は、あの日の彼女と同じ深く澄んだ青色をしていた。儚げな微笑みと憂いを秘めた眼差しは、まさに彼が心の中で想い続けてきた彼女の面影そのもの。「月のプリンセス」としか言いようのないその存在に、彼は夢なのか幻なのかと混乱しながらも、抗いようのない力で見入っていた。
プリンセスは、確かに彼と目が合い、その表情には誰にも理解されない深い孤独が滲み出ているように感じられた。まるで「誰かに気づいてほしい」と願っているかのように、彼女は静かに右手を差し伸べる。その指先から放たれる淡い光が、彼の胸に触れる錯覚に囚われるほど、彼女の存在は鮮烈だった。
夜風が運ぶ甘く澄んだ香りと共に、満月の中に見た幻影は、彼の心に深く刻まれる。それは、届かないと分かっていても手を伸ばさずにはいられない、眩いほどの憧れの象徴。そして、彼がずっと忘れられずにいた、大切な人の面影だった。
彼はただ、手を伸ばしたまま、夜空の光を見つめ続けた。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-19 18:00:19
1532文字
会話率:0%
古ぼけた木造アパートで共同玄関、共同トイレ、共同風呂。
でも、どこも清潔でとっても綺麗。洗濯機には乾燥機までついている。
レトロだけど設備はしっかりしたこのアパート、『空室あり』です。
最終更新:2025-07-14 17:00:00
3054文字
会話率:20%
心をほどくのは、癖しかない人たちでした。
《※アルファポリス・第8回ほっこり・じんわり大賞エントリーの為、アルファポリスで先行して公開しています》
舞台は、茨城県の最北端──北茨城市・平潟温泉。
太平洋を望む小さな港町の外れに、ひっそり
と佇む一軒の宿がある。
その名は、「椿屋(つばきや)」。古びた木造建築に、赤い椿が咲く石畳の玄関。
一見、ごく普通の昔ながらの温泉宿。だがその実態は、ちょっと──いや、かなりおかしい。
宿主を務めるのは、元銀行マンの郷原悠真(ごうはら・ゆうま)、29歳。
激務に心を擦り減らし、社会から逃げるようにこの地へ帰ってきた男だ。
女将は実妹の郷原 灯(ともり)。だが彼女は、成長してなお“中二病”をこじらせたままの和服美少女。
仲居の斎木 咲良(さくら)は悠真の幼なじみ。天真爛漫な笑顔の奥に、病的なまでの執着を隠している。
料理長の雪村 柚葉(ゆずは)は、寡黙で天才肌の料理人。料理は正統派なのに、
「白身魚の塩焼き」に『孤独に濡れた魚の最期』と名付けてしまう詩人めいたサイコパス。
そんな一癖も二癖もある彼らが運営する椿屋に、今日もまた一人、旅人がふらりと現れる。
人生に迷った者、何かを失くした者、誰にも言えない痛みを抱えた者──
この宿に来る客は皆、どこか「何か」を引きずっている。
けれどこの宿は、それを暴こうともしないし、癒そうともしない。
女将は唐突に「その魂、前世では海に沈んだな」と呟き、
仲居は「悠真くんの前で涙なんて……あんまり好きじゃないな」と刺すように笑い、
料理長は“なぜか刺さる”名を持った料理を無言で差し出す。
それでも、宿の朝は優しく、風呂の湯はあたたかく、誰かが黙って隣にいる。
ここは何も解決しない宿だ。だけど、たしかに心を軽くしてくれる宿だ。
帰る朝、客たちは決まって言う。
「……なんかよく分からないけど、来てよかった」と。
そして、少し笑って、心だけをそっと置いて帰っていく。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-07 08:00:00
44004文字
会話率:25%
魔法学院最後の一幕
ネーデラ王国魔法学院の広場には、卒業生たちの笑顔が溢れていた。その中央で、ひとつだけ異様な空気が漂っていた。
「これ以上、婚約関係を続けるつもりはない。悪いが、今日で終わりだ」
その言葉に、会場の空気が凍りついた。
「なに言ってるの?」
ロッテ伯爵令嬢。理知的な眼鏡越しに目を見開いていた。彼女の横に立つのは、かつての婚約者ハーグ。式典の途中、突然の婚約破棄宣言だった。
「俺様、もうアインと付き合ってる。あいつの方が魅力的さ」
そう言って彼が肩を抱いたのは、ピンクの髪を軽やかに揺らした少女。アイン。男爵家の令嬢。にやりと笑って言う。
「だってぇ、ロッテってお堅いん。男の人、楽しませなきゃ♡」
「一年後に、結婚って」
「気が変わったんだよ。俺様のせいにすんな」
「やめて」
振り返り、駆け出した。銀髪が宙に舞い、ドレスの裾が風を切る。群衆の視線を引き裂くように、ロッテは会場から飛び出して。
誰かに思い切りぶつかった。
「あっ、だ、大丈夫ですか?」
低く、どこか気の弱そうな声。ぶつかった相手は、金髪に分厚い眼鏡をかけたマルセルだった。物静かで目立たない、けれど学院でも知る人ぞ知る天才魔術師。実は隣国の伯爵家の三男だ。
「ご、ごめんなさい。いま、わたしっ」
「足をひねったみたいですね。すぐに医務室に」
「ダメ、式場に戻るなんていやなの」
「わかった。外に出ましょう。ボクが支えますから」
学院の門を抜けると、夕暮れが街を金色に染めていた。ロッテの歩幅に合わせて、マルセルはゆっくりと歩いた。街角に立つ、木造の看板。その文字がマルセルの視界に飛び込んだ。
魔酒とハーブの宿酒場
マルセルが小さく喉を鳴らした。無意識に、口元がゆるむ。彼の頬がわずかに赤くなる。
「飲みたいの?」
ロッテがふと、尋ねた。マルセルは慌てて視線を逸らした。
「い、いえっ、そんなことは!た、ただ、ちょっと看板が……気になっただけで!」
「ふふ。いいよ、わたし、おごってあげる」
「えっ?」
「わたしも今日はボロボロになって飲みたい気分なの。だから、付き合ってよ。先に酔いつぶれたら許さないから」
「は、はい!」
チリン、と澄んだ鈴の音が鳴った。夕暮れと、木の香りと、ほんのりと漂うハーブ酒の香りが、彼らを迎え入れた。
不思議な二人の、忘れられない夜が始まろうとしていた。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-30 07:40:00
84538文字
会話率:44%
祖母の死をきっかけに、大学生の「俺」は神奈川の古びた家へと移り住むことになった。そこに遺されていたのは、築120年の木造住宅と、一羽のセキセイインコ──名を「みどり」。
引っ越してからも、インコは一切鳴かず、ただじっとこちらを見つめるだけ
。不気味さを感じつつも、俺は彼女の世話を始め、家の整理と共に祖母の過去を探り始める。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-27 23:03:34
7349文字
会話率:8%
幼い頃、僕はとある村に住んでいた。そこには、とある噂があった。『立ち入り禁止の山には、絶対に入ってはいけない。』と。
幼かった僕達は、好奇心に負け、立ち入り禁止の山へと入ってしまう。そこにあったのは、古びて荒廃した、木造建築の空き家だった
__。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-27 11:31:11
8496文字
会話率:53%
噂の日が近づいてきました。いい機会なので備えの点検をしておきましょう。
ついでに建築士による、既存木造住宅の応急危険度判定の話についても簡単に説明させて頂きます。
いつものエッセイだと目の止まらないかもしれないので、独立した話としました。
折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2025-06-26 12:00:00
1016文字
会話率:0%
既存木造住宅の耐震性能には大きな二つの節目があります。
1981年の新耐震の話ばかりが注目されますが、木造住宅の場合2000年にも節目があります。中古住宅を買ったり、築年数が25年以上の木造住宅にお住まいの方はご一読いただければ幸いです。
キーワード:
最終更新:2024-01-15 12:05:33
1113文字
会話率:0%
火をかけるというのは、木造建造物には有効過ぎるほど有効で、現行法でも重罪である。
最終更新:2025-06-16 00:00:00
208文字
会話率:0%
薄暗くも、どこか懐かしい、夏の終わりのような空気。
古びた木造の部屋、畳の香り、障子の外に揺れる夕陽の赤。
小さなちゃぶ台を挟んで、ひとりの子どもが座っている。
和服に身を包み、長い髪、笑ったような顔。けれど、どこか透明で、触れられない存
在。
「……もう、いっちゃうの?」
子どもは問いかける。けれど、その声は空気を震わせる音ではなく、頭の中に直接響いてくる。
「きみがいなくなったら、また……ひとりになるのかな」
子どもの目が、すこしだけ揺れる。悲しみとも、寂しさとも、言えない何か。
「きみは、ぼくを……ちゃんと見てた?」
……どうして、その問いが胸に突き刺さるのだろう。
君はなにも言えない。ただ、この場所が終わってしまう予感だけが、確かにある。
ふと、子どもが微笑む。
「じゃあ、さいごに――」
その瞬間、君の頭上から、奇妙な声が響く。
「……カァァ……」
鳥のような、風のような、何かの鳴き声。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-14 23:41:55
506文字
会話率:35%
自然豊かな丘の裾にある古い木造アパート。持ち主から大事にされなかった家で、ある日、騒音による住民トラブルが起こる。
騒音被害者となった人間、騒音加害者・家に好かれた人間、そして第三者の話。
※同作品を、pixiv、アルファポリスにも投稿し
ています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-05 14:29:00
15185文字
会話率:12%
古びた木造の四階建て旧校舎には、かつての記憶が静かに染み込んでいる。
東棟と西棟を結ぶ渡り廊下は迷路のように複雑で、訪れる者の心をざわつかせる。
新学期が始まったばかりのある日、冷静で少し内向的な女子学生・川島詩織は、校舎内で奇妙な違和感
を覚える。
時間が不規則に流れ、誰もいないはずの場所から足音が聞こえ、音がまるで消えたかのように静寂が訪れる。
やがて、学校内で不可解な事件が続発し、詩織はその謎に巻き込まれていく。
過去の秘密、隠された因縁、そして校舎そのものが抱える闇。
階ごとに異なる時間の歪みと、東棟・西棟に隠された謎が交錯し、彼女の心を追い詰める。
人と物の境界が曖昧になった校舎で、詩織は「木霊」の声に導かれ、真実を探る決意を固める。
木霊がささやくのは、ただの思い出か、それとも――。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-04 07:30:50
14128文字
会話率:26%
2030年、東京の商店街近くの木造一軒家。2歳の佐藤美月は、毒親・佳奈に放置され、孤独と空腹に震える。派遣メイドの奈央が現れ、温かな手で美月を抱きしめ、心の傷を癒す。成長する美月は奈央に依存し、やがて恋心を自覚。17歳、ギターコンテストでス
カウトされた美月だが、佳奈が利己的に戻り、二人の愛を引き裂く。警察沙汰を経て再会した美月と奈央は、恋人であり母親のような絆で結ばれる。商店街の温もりに見守られ、ギターの音と共に永遠の愛を誓う、切なくも温かなユリ恋愛物語。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-26 15:22:12
2093文字
会話率:0%
田上耕輔は二十八歳のフリーエンジニア。そこそこのIT企業に勤めていた彼は、体をこわしてリタイヤし、下町の路地の奥にある古い木造住宅に住み暮らしている。つましい生活ながらも、いつしか親しくなった気の合う隣人、蕪井姉弟との交流を深めながら、気ま
まに楽しく暮らしている。そんな何気ない夏の盛りの物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-11 23:10:00
53159文字
会話率:54%