神が降りた島で あらすじ
目に見えぬものに、あなたは耳を澄ませたことがありますか――。
ある日、視覚障害のある男性・山下良寛は、なぜか導かれるようにひとり静かな浜辺を訪れる。潮風に吹かれながら、彼がたどり着いたのは海辺の拝所(うがんじゅ
)だった。
古より祈りが捧げられてきたその神聖な場所で、彼は、そこで不思議な雰囲気をまとう女性に出会う。名前は、なっちゃん。彼女は、天の声を聞き、気配を感じ取り、人の痛みや喜びにそっと寄り添う力を持っていた。
偶然とも必然ともいえるその出会いから、良寛の世界は静かに揺れ始める。なっちゃんに誘われ、彼は気功の集いに参加し、土地に根ざした祈りの文化に触れていく。拝所をめぐる中で出会う仲間たちは、目に見えない「気」や「想い」の存在を信じ、それを日々の中で大切にしていた。
やがて良寛は、かつての喪失や心の奥底に沈めてきた感情と向き合うことになる。見えないことが、逆に見えてくるものがある。耳を澄まし、肌で感じ、心で受け取る。そんな日々のなかで、彼の中にある世界が少しずつ、しかし確かに変わっていく。
神々が今なお息づく久高島。詩のように語られる魂の声。自然と人、そして見えない世界との深い結びつきのなかで、良寛は再び自分自身の「光」を見いだしていく――。
これは、癒しと再生の物語。祈りが静かに息づく沖縄の拝所を舞台に、見えるものと見えないものの間にある「なにか」をめぐる、心の旅の物語である。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-19 13:42:59
47280文字
会話率:31%
目に見えぬものに、あなたは耳を澄ませたことがありますか――。
ある日、視覚障害のある男性・山下良寛は、なぜか導かれるようにひとり静かな浜辺を訪れる。潮風に吹かれながら、彼がたどり着いたのは海辺の拝所(うがんじゅ)だった。
古より祈りが捧げ
られてきたその神聖な場所で、彼は、そこで不思議な雰囲気をまとう女性に出会う。名前は、なっちゃん。彼女は、天の声を聞き、気配を感じ取り、人の痛みや喜びにそっと寄り添う力を持っていた。
偶然とも必然ともいえるその出会いから、良寛の世界は静かに揺れ始める。なっちゃんに誘われ、彼は気功の集いに参加し、土地に根ざした祈りの文化に触れていく。拝所をめぐる中で出会う仲間たちは、目に見えない「気」や「想い」の存在を信じ、それを日々の中で大切にしていた。
やがて良寛は、かつての喪失や心の奥底に沈めてきた感情と向き合うことになる。見えないことが、逆に見えてくるものがある。耳を澄まし、肌で感じ、心で受け取る。そんな日々のなかで、彼の中にある世界が少しずつ、しかし確かに変わっていく。
神々が今なお息づく久高島。詩のように語られる魂の声。自然と人、そして見えない世界との深い結びつきのなかで、良寛は再び自分自身の「光」を見いだしていく――。
これは、癒しと再生の物語。祈りが静かに息づく沖縄の拝所を舞台に、見えるものと見えないものの間にある「なにか」をめぐる、心の旅の物語である。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-19 13:29:44
50369文字
会話率:36%
出雲市大社町杵築東。
ワープして辿り着いたのは出雲大社の宇迦橋の第一の鳥居(石製)の上空だった。
ときは旧暦神無月の十月の十一日。
新暦では霜月の十一月。出雲地方ではまさに今が『神在月(かみありづき)』である。
夜七時。稲佐の浜では御神火
が焚かれ神迎えの神事『神迎祭(かみむかえさい)』が厳かに執り行われた。
『龍蛇神』が先導となって参集した八百万の神々と『神迎の道』(浜から大社)へと進む。
そうして『神在祭』の祭典では幸縁結びを祈る祝詞が高らかに奏上される。参集した八百万の神々による七日間神議『カミハカリ』が始まる。
『神在祭』の神事によって。全国の八百万の神々によって。森羅万象の今後の『未來』や『本物縁』が清々粛々と決定されていくのだ。
出雲に迎えられた神々たちは長屋造りの『十九社(じゅうくしゃ)』にて七日間滞在する。普段は扉は閉じられ遥拝所になっている十九社は神々の宿所として使われ、この七日間だけは扉が開かれる。
七日間のカミハカリ(神議)を終えると神々を見送る『神等去出祭』が執行され、神在祭は終了する。
カミハカリでは、人々の明暗分かれたる『未來の審判』が知らぬ間に下されている。
カミハカリによって人々の良縁幸縁が知らぬ間に決定されている。折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2025-06-18 09:15:29
146136文字
会話率:15%
下級聖職者のマルクが、普通の人には見えないモノが「視える」祓魔師の先輩達と、わちゃわちゃしながら成長していく物語。
異世界転生・転移なし、RPG要素なし、魔法ありの世界を舞台とした、多分ほのぼの日常系ファンタジー。
真面目なあらすじ:マ
ルク・ファルベルはクレア王国における下級聖職者である。複数の都市を束ねる大祭司を目標としていた。ある夏の日、マルクは昇進と共に大都市への転任を言い渡されたが、実は街外れの小さな礼拝所であった。果たして、彼は立派な聖職者になれるのだろうか……。
カクヨムでも掲載しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-06-24 19:00:00
254274文字
会話率:52%