かつて「赤の騎士団」に所属し、戦場を駆けた男――カッサーノ。
そして、彼に敗れ、すべてを失った敵国の女騎士――アレッサ=グリマニ。
時が過ぎ、剣を置いた二人は、静かな再会を果たす。
傷つき、罪を背負い、それでもなお「愛」と呼ぶにはあまりに
哀しいものを、
剣越しに確かめ合うように――。
憎しみと赦し、戦火と祈り。
剣と心が交わるとき、彼らの物語は「終わり」ではなく、「始まり」となる。
これは、かつて“敵同士”だったふたりが辿る、赦しと再生の十章。
――「俺の肩の傷は、まだ疼く。けど、それでも――お前を忘れたことはなかった」
死地に咲く、ひとひらの恋と救いの物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-28 22:23:24
6389文字
会話率:29%
――それは誰がための銃創か――
永久中立国ランダーンは、二つの大国に挟まれる形で独立した。
豊富な資源ゆえに、昔世界を巻き込むほどの大きな大戦に巻き込まれた。
西の宗教大国ヴァミリアと東の武装大国ユニクス。平和を唱えたランダーン国王は、こ
の二つの大国と不可侵の平和条約を結んだ。
しかし、その恒久的に続くと思われた平和は音もなく崩れ去るのだった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2016-02-27 13:32:22
96192文字
会話率:31%
今宵も、闇に断末魔が響く。自らの片割れを捜しながら、女侍・香炎が闇を切り裂く。本業は侍。一族を皆殺しにした双子の片割れを捜しながら陽の光の許では一介の女中を演じている香炎だが……。女ながらに、侍である彼女の生き様を描いていこうと思います。
最終更新:2006-11-20 15:46:45
6954文字
会話率:41%