かつて「赤の騎士団」に所属し、戦場を駆けた男――カッサーノ。
そして、彼に敗れ、すべてを失った敵国の女騎士――アレッサ=グリマニ。
時が過ぎ、剣を置いた二人は、静かな再会を果たす。
傷つき、罪を背負い、それでもなお「愛」と呼ぶにはあまりに
哀しいものを、
剣越しに確かめ合うように――。
憎しみと赦し、戦火と祈り。
剣と心が交わるとき、彼らの物語は「終わり」ではなく、「始まり」となる。
これは、かつて“敵同士”だったふたりが辿る、赦しと再生の十章。
――「俺の肩の傷は、まだ疼く。けど、それでも――お前を忘れたことはなかった」
死地に咲く、ひとひらの恋と救いの物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-28 22:23:24
6389文字
会話率:29%