堅洲町の最端にある集落多胡部。深きものの末裔達が農業で生計を立てるこの小さな集落では、近場の森からやってくる獣による食害が悩みの種になっていた。
折しも今は夏野菜の収穫時期真っ最中。魔王の力で豊作の野菜を全て胃の腑に収めようと、食欲に導
かれて人里に降りてくる獣達。畑を狙う猪達は牙を研ぎ澄ませ、実り稔った夏の恵みに舌なめずりを見せている。
無法者の盗人共に対処すべく、集落の猟師達は定期的に総出で山狩りをしなければならない。
そうなると困るのが人手である。収穫を担当する者が山狩りにとられている以上、畑仕事は遅々として進まない。
そんな同胞の悩みを解決するべく、堅洲町のダゴン秘密教団は毎年団員を手伝いに出していた。
教団の代表である真宗老人に頼まれた響達もまた、夏休みを利用して緑豊かなこの集落にやってきた。
一仕事終えた真夏の夜。休息をとっていた響達の耳に、番犬の声が鳴り響く。闇夜に隠れて暗躍する不審な人影。野菜を狙っているのはどうやら獣だけではないようだ。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-01-15 14:45:19
21188文字
会話率:43%
『山の声に耳をかたむけて』あらすじ
高山地帯に暮らすクレルヴァ村の人々は、自然と山神に深い信仰を抱いている。村には50年に一度、山神の祝福を受けた「実り手」が現れる伝承があり、その存在は村の未来を左右する大きな希望とされている。
主人公
エリオ・ヴァルカスは、幼い頃に全ての山神の祝福を一身に受けた特別な存在として、村の未来を託されていた。彼の能力「恵みの息吹」は病や怪我を癒し、「風見の導」は自然の兆しを読み取る。そして「山智」は山岳知識と前世の記憶が融合した能力であり、村を導く鍵となる。
エリオは村人たちと交流し、彼らの期待を感じながらも、自分の果たすべき役割に葛藤する。許嫁候補たちや、旅の行商人との出会いが彼に新たな視点を与え、村の未来を考えるきっかけとなる。
仲間たちとの絆、信仰の再確認、そして村の未来への希望を描く『山の声に耳をかたむけて』。エリオの成長と、クレルヴァ村が迎える新たな時代への挑戦が交差する、自然と人間の繋がりを紡ぐファンタジー小説。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-12-21 12:50:16
85371文字
会話率:44%
四人の旅人する神が季節を運ぶ世界。一国の策略により恵みの春と実り秋を失ったその他の国々は、夏と冬だけを繰り返す死の世界。そんな世界で眠りを司る死神、冬の悪魔と出会った少女。夏の悪魔の呪いを受けている彼女は、明日のない未来に横たわる死に怯え…
…穏やかなる死を求めて冬の悪魔を追いかける。老衰以外の死には関わらないと逃げ続ける悪魔だが……
悪魔が触れれば少女は死んで、少女が触れれば悪魔が滅ぶ。そんな相殺関係の人と悪魔の恋物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-06-28 01:31:21
59504文字
会話率:43%
種を植えよう。
見渡す限りの荒野に。
最終更新:2021-10-31 18:00:00
201文字
会話率:0%
秋。実りの秋。
祭りもするし、きのこも食べる。山の恵みを拾ったりもする。
そんな秋の日の小話3話。
最終更新:2021-10-16 14:00:00
3779文字
会話率:18%
雨の子どもと呼ばれた聖女、聖人は、荒れ果てた土地に降り立ち、恵みと実りをもたらした。しかし、長い刻の間にその意味を失い迫害されてしまった。
そのため今代の聖女は役立たずとして、森へと捨てられてしまった。
捨てる神あれば拾う神あり。
拾われた雨の子どもと、砂漠に飲まれた国の話。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-09-09 00:00:00
23518文字
会話率:57%
その世界は広大で果てしない。
そんな世界を歩き続ける一人の若者。
その名は、サク・ラシード。
彼はどこを目指し、どこへ行こうとしているのか。
祈りは巡り、実りと供に、恵みは廻る。
ようこそ、ハーベストの世界へ
最終更新:2018-06-11 20:00:00
18162文字
会話率:20%
ここは〈自然の恵み〉を体現する能力を持った者たちが暮らす『東ガラット村』。
異能力を操って己の肉体を強化し、驚異的な身体能力を発揮する〈狩り人〉たち。彼らは山の獣と森の実りを日々の糧にしていたが、狩りの獲物も草木の収穫も減る冬が訪れた。
春先まで細々と暮らす彼らの娯楽の一つが、新年に開かれる武術大会だった。日頃の鍛錬の成果を存分に発揮する狩り人たち。
武技を競う熱き戦いが凍雲(いてぐも)を吹き払う。
★シリーズ序章 『空に月がかかるとき』と同じ年の冬のおはなし。
*イラストは把 多摩子さまのご厚意によって使わせて頂いています。無断使用や複製は固くお断りします。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-08-08 20:00:00
53219文字
会話率:37%
ここは〈自然の恵み〉と呼ばれる力を体現する能力を持った者たちが暮らす『東ガラット村』。
異能力を操って己の肉体を強化し、驚異的な身体能力を発揮する〈狩り人〉たち。彼らは山の獣と森の実りを日々の糧にしていた。
その中の一人、テンは狩り組
の頭をしている若者だった。新たな仲間ミアイが加わってから二度目の夏を迎えたある日、彼らの縄張りに『聖地の王』と称される四本の牙を持つ巨大な猪が現れた。
テンたちはその猪を狩る事にしたが、老獪な獣の足取りは杳として知れなかった。狩り場に潜む獣王の居場所が掴めず、焦りを募らせるテン。しかし、ようやく発見した獣王は強大な〈恵みの祝福〉で彼らを窮地に追い込む。
小山のような巨躯を持つ『聖地の王』に、若者たちは死力を尽くして立ち向かう。狩り人の誉れ『王狩り』を目指してテンは仲間と共に奮闘する。
★シリーズ本編1
*動物の解体描写があります。そういった内容を含む話はサブタイトルに表記してあります。狩猟や食肉に対して抵抗のある方は閲覧をご遠慮下さい。
**挿し絵は絵師様方(霧明さま、和泉ユタカさま、yamayuriさま)のご厚意によって使わせて頂いています。無断使用や複製は固くお断りします。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2014-09-30 20:00:00
103142文字
会話率:32%