――その日、伯爵令嬢ツェツィーリア・グレーシェルは人が恋に落ちる音を聞いた。
十二の精霊の加護を受ける世界で、ツェツィーリア・グレーシェルとエリオット・ベルトランは生まれる前からの婚約関係にあった。しかし過去一度、グレーシェルとベルトラン
の婚約はスキャンダルで破談になっており、そのやり直しのために結ばれた二人の婚約関係は、世間から“尻拭い婚約”と後ろ指を指されていた。
ツェツィーリアは婚約者エリオットを好ましく思う一方で、“尻拭い婚約”から彼を解放してやりたいという思いを強めていく。そんな中で迎えた高等部二年の春、廊下で偶然エリオットと一人の少女がぶつかりそうになってしまう。その瞬間、ツェツィーリアは婚約者が少女と運命の恋に落ちた音を聞いて――
婚約者エリオットを“尻拭い婚約”から解放するため、ツェツィーリアは最高の当て馬を演じきってみせると決意する。そしてエリオットと少女をくっつけようと様々な作戦を企てる、当て馬令嬢(自称)としての日々が始まったのだった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-03-13 19:00:00
116671文字
会話率:31%
俺と幼なじみの瑞希は、同い年の十六歳。
姉か妹のように思っていた瑞希への恋を自覚したとき、俺は恋に落ちる音を聞いた──よな?
最終更新:2021-06-15 21:38:13
994文字
会話率:40%
「カナリア、君との婚約は破棄させてもらう」
「ねえ、お姉さま。嫁入り先を取り替えっこしませんか?」
家督を継ぐ長男と愛され子の妹に挟まれ、使用人のようにこき使われていた令嬢カナリア。彼女は両親の愛、婚約者全てを妹に奪われてしまった。
代わりに彼女が嫁ぐようにと押し付けられたのは、『人狼様』と呼ばれる神様のもとである。彼が治めているのは国最大のダンジョン……魔窟が存在し、あまりにも危険なため禁足地とされているレングラント山脈。
しかし、カナリアは知っている。かつて人狼様に嫁入りをした娘達は口々に「怖くて逃げ出してきた」と言って帰ってきていることを。
曰く、冷たく暗い人。
曰く、化け物のよう。
曰く、人間を憎んでいる。
悪い噂ばかりが行き交う『人狼様』の元へ一人で嫁入りさせられ、逃げ帰る場所もないカナリアは悲観する。
これではまるで、生贄のようじゃないか、と。
しかしいざ、人狼様のいる山脈までやってくると、迎えにきたのは銀色の毛並みと、赤い宝石のような美しい瞳を持った、馬ほどの大狼。食べられてしまうのかと思えば、大狼は彼女を背に乗せて屋敷まで駆けた。
屋敷に着く前に気絶した彼女は、気がついたそのときにはお屋敷の布団の中だった。そばには文机で眠っている銀髪の美青年。
布団に寝かせてくれたのでは? とカナリアはお礼と名乗りをする。
しかし彼は『クチナシ』と己の名を口にした以外はほとんど話さず、おまけにフードで自分の髪を隠していて、その美貌に似合わず陰気な雰囲気を纏っていた。
なにひとつ喋らずに過ごす毎日。
とうとう耐えられなくなったカナリアは、彼から渡された便箋を使って食事を運ぶ際にメッセージを送ることにした。
彼へ送るメッセージは短い一言から始まった。やがて手紙の内容は「おかえりなさい」「本日の献立は」と増えていく。
それでも来ない返事に落ち込んでいたカナリアは、ある日彼の部屋で「こちらこそ」と書きかけた便箋を発見する。
――もしかして、この人はただ「無口」で「口下手」で「不器用」なだけなのかもしれない。
不器用な優しさと、溺愛。それに気がついたときカナリアは恋に落ちる音を聞いた折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-06-08 21:45:56
51557文字
会話率:36%
同じ高校を受験した2人の物語
最終更新:2018-05-06 02:05:57
1866文字
会話率:39%
就職してから中学の時の同級生と再会した「俺」
変わらない「彼女」の様子にほっとして友だち付き合いが再開される。
「女」だと意識していなかった相手に「女」を意識する出来事があって、気持ちが動き、胸を撃ちぬかれる音がした。
男性視点、ハッピーエ
ンドです。
桂木千歳さんの「あなたの恋に落ちる音企画」遅刻作品です(汗折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-03-01 00:44:30
4253文字
会話率:43%
僕は、親友の片思いを邪魔する存在だ。
自分の立場をはっきりさせられない僕たちに、1年に1度のXデイが迫り来る。
その名も、バレンタインである。
最終更新:2018-02-14 00:31:16
20367文字
会話率:56%
悲恋の縁を持った者にのみ使える、たった一度だけ過去へ戻るための神具【悲恋の鈴】。
その鈴を授ける神様『櫛形』と、鬼の子と呼ばれたとある男の人生の噺。
3話完結です。
最終更新:2018-02-13 23:31:13
16902文字
会話率:38%
臆病な私が、彼女に思いを伝えるまでの心の揺れ動きを言葉にしました
最終更新:2018-02-11 17:51:18
1182文字
会話率:0%
一族のおちこぼれのわたしは、たまに与えられる食事で食べつなぐ生活を送っていました。そんなわたしにおとずれた転機とは……。あなたの恋に落ちる音企画参加作品。
最終更新:2018-02-07 07:00:00
6155文字
会話率:21%
物悲しい一軒家から一人庭を眺める男。夕日に照らされた顔は何かを待ちわびていた。
最終更新:2018-02-04 16:05:42
2172文字
会話率:52%
"恋の音"と聞いて皆様が想像する音はどんな音でしょうか?
本日の演目は、そそっかしい男と惚れっぽい女のやり取りを描いた演目『恋の音』でございます。
おや、本日はどうやら変わったお客様が来ているようですね?
もしかしたら、
本来の演目通りに噺が進まないかもしれませんが、どうぞ本日は皆々様には温かい目で見守って頂けるように宜しくお願い致します。
それでは、創作落語の演目『恋の音』をどうぞお楽しみ下さいませ……。
※『あなたの恋に落ちる音企画』参加作品です折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-01-31 08:44:59
6469文字
会話率:13%
寒い、寒い冬の夜。
どこか重苦しい雰囲気の男女。
彼らは冬の寒さに言葉を失われたかのように静かに並んでいる。
女性を幸せにしたい男性と、幸せの在り処に迷う女性は、何も言えずに、それでも共にいる。
雲は暗く、夜は冷たく二人を包む。
そ
こへ、音もなく雪が降る――折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-01-30 20:17:02
2425文字
会話率:2%
平塚愛梨のことが大好きな八坂翔太は、文句を言いながらも今日も彼女の無理難題に付き合わされる。
今回の難題は『私に恋に落ちる音を聞かせて見せろ』――つまりそれって、私を惚れさせてみろってことか! よ、よし、頑張るぞ!
舞い上がる単純な翔太を、
隣で笑いながら見る愛梨。
そんな二人のほのぼのとしたラブコメ、開幕です。
※本編は恋に落ちる音企画の作品です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-01-14 10:10:53
10123文字
会話率:50%
私は殺人鬼である。本能で人を殺す殺人鬼である。
ある日、親友をうっかり殺してしまって、そろそろ死んでしまおうかと思ったとき、私と同じ殺人鬼である彼と出会った。
最終更新:2018-01-09 11:12:38
18147文字
会話率:36%
初めて聴いたジャズは、まるで初恋に落ちる音に似ている。電車内のほんの少しの時間に起こる、小さな青春の物語。
最終更新:2017-10-01 21:20:47
3425文字
会話率:32%
席替え時 ドキドキ時 恋に落ちる音がする
この詩花は2011/07/15の「詩花の花畑」にも掲載しています。
http://ameblo.jp/mayoeru-apostle/entry-10954367192.html
最終更新:2017-07-26 22:16:57
510文字
会話率:0%
辻村亮介、今日から高校一年生。俺はこの日、人が恋に落ちる音を聞いた。それは同時に、俺の世界から色が奪われた音だった。ーー何のドラマも起きず、恋に落ちた瞬間に失恋してしまった俺の、この片生りな恋情はどこへ向かうのだろうか。
最終更新:2014-07-22 00:00:00
12505文字
会話率:23%
お題はフリーワンライ企画(https://twitter.com/freedom_1write)様からお借りしました。
今回も10分遅れで始め、10分程時間オーバーしました。
時間守れないにも程がありますね……。
お借りしたお題:列車(
電車)
外部サイト「小説家になろう」「Privatter」にもUPしています。
あらすじ
2人の先輩と残業帰りに、終電に滑り込む。
もどかしい先輩たちのやりとりに内心身もだえていると、電車が大きく揺れ、バランスを崩す。
俺を支えてくれたのは、美しい女性だった。
ああ、これが一目惚れというやつか。一体どうしたらいい?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2014-07-20 01:02:01
2510文字
会話率:46%