この小説を読む前に言っておくッ!
俺は今この小説の内容を、ほんのちょっぴりだが読了した。
い……いや……読了したというよりは、全く理解を超えていたんだが……。
あ……ありのまま今読んできた事を話すぜ!
『俺はハードな目に会うヒロインたち
を、キスすることで仮面に変えて強くなって、異世界の救世主となっていくシリアスな物語を読んでいたと思ったら、いつの間にかメインヒロインがボケまくり、剽軽な主人公も芸人さながらのツッコミを繰り広げ、遂には敵まで巻き込んでしまうほど全力のギャグを繰り広げるコメディライトノベルを読んでいた』
な……何を言っているのかわからねーと思うが、俺も何を読んでいたのかわからなかった……
頭がどうにかなりそうだった……
異世界無双だとかチートだとか、
そんなチャチなもんじゃあ断じてねぇ。
もっと恐ろしい性癖の片鱗を味わったぜ……折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-10-07 07:00:00
262675文字
会話率:29%
「君に必要なのはそう…………ハーレムを維持する力だ」
見えない脅威によって人類のほとんどが消えて各所の城塞都市に籠る僅かな人類のみが生き残る世界。都市に迫る見えざる獣と呼ばれる存在から都市を守る防衛隊に所属する昼月陽はある日の防衛線で死の
淵に立った時に宙を舞って獣を屠る一人の少女を目撃する。
生還した陽はその時見た少女を死の淵で幻視した天使かと思うが、予想に反してそれからすぐに少女と再会する…………但しその天使は公衆の面前でで全裸で興奮していた。
「ろ、露出狂…………」
「ち、違うの…………わ、わたくしは変態ではないの!」
これは長い孤独の中で戦い続ける見えざる魔女と呼ばれる少女達と、彼女たちの心のケアをしつつ内ゲバを防がないと人類が滅亡するという重責を押し付けられた一人の少年のお話。
※小説家になろうでも連載しております。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-10-06 18:02:31
487324文字
会話率:56%
魔法高等学校に入学した魔法士アルト・シュナイドは、同じく新入生である少女エミリーが男子上級生に襲われている現場に遭遇した。嫌がるエミリーを無理矢理物陰に連れ込もうとする上級生を止めるべく、アルトは間に割って入って説得を試みるも、邪魔されて
激怒した上級生は攻撃魔法を繰り出したのである。
しかし、アルトは魔法士の中でも最上級の才覚を持つS級で、上級生の魔法を簡単に打ち消して反撃し、一瞬にして相手を気絶させる事に成功した。
だが、この一件は学校内で権力を握る令嬢系生徒会長リンザローテに目撃されていて、無許可で魔法を行使したとして追放処分を言い渡されてしまう。当事者であるエミリーからの必死の訴えも虚しく、校則違反だと取り合わないリンザローテだが、アルトは機転によって校長の手助けを取り付けて一時的に退学は保留となり、処分が完全に撤回されるようリンザローテに改めて立ち向かう決意をするのであった。
S級ならば別に学校に通う必要は無いのではとも思うが、胸の内に秘めたとある夢と目標、そして約束のためにも退学になるわけにはいかないのだ。
が、リンザローテとの因縁など序の口で、闇魔法士と呼ばれる無法者の襲撃に遭ったり、暴走する魔法生物に襲われたりと、波乱万丈な学校生活が待ち受けているのであった……
果たして、アルトは無事に学校を卒業して夢へと近づけるのか? そして、彼を取り巻く恋愛事情の行く末はいかに…?
これは、一人のS級魔法士を中心とした学校系魔法ファンタジー。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-10-06 13:14:27
543539文字
会話率:53%
ある夜、妖精と身体が突然入れ替わった。
何を言っているか分からないと思うが、それが純然たる事実だ。
理由も原因も意味もまったく不明ではあるが、その謎を解いて元に戻らなければならない。
問題は妖精という種族が気まぐれで不可解で制御不能なこと
であり、妖精全般についてまったく知識がないことだ。
かくして、妖精と人間の種族の壁を削りながら、気苦労の絶えない元の自分に戻る旅が始まった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-10-06 10:00:00
1046143文字
会話率:31%
世界最大級の国家であるヴァレリア王国における最大の軍保有領である、ボルベルク公爵領の次期領主である僕、フリード・ボルベルクは頭脳も運動神経も良好で性格においても申し分ない、領民からの期待を一身に引き受ける若手の星である。
全てを兼ね備えてあ
るそんな僕であるが、とりわけ容姿の一点においては他の追随を許さない圧倒的なものであった。
そんな僕にも思い人がいる。家の格は同格でこれまた美しい心を持った僕に匹敵する美貌を持つミライム・スタローンだ。そんな彼女を僕のお嫁さんにしたいと思い、日々、領主になるために努力している僕であるが、ある日女王制であるわが国の時期女王に僕が惚れられてしまい、僕に婿に来るように促され、時期領主は僕の妹にするようになりそうになる。正直、ボルベルク家のことは思い入れがあるものの僕の妹も僕と同じくらい優秀であるし、それでもいいかと思うが、僕はミライムさんと結ばれたい。
結ばれるためにはミライムさんほどの優秀な人材をわざわざ送り込んででも関係を持ちたいと思われるような人物になる必要があり、ボルベルク家の次期領主になるほかない。僕が時期女王の婿養子になることを断り、ボルベルク家の次期領主となるために父上から提示された条件はただ一つ。ボルベルク家の軍の幹部全員から認められること。
僕は思い人と結ばれるために日々努力する。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-10-05 21:00:00
276435文字
会話率:30%
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目が覚めたら、宇宙船の中だった。
何を言っているかわからないと思うが、俺も自分で何が起こっているのかわからない。
意味がわからなすぎてパニックになりそうだが、幸いなことにこれは最近やっていたゲームの世界であるように思える。
なんだ、夢か。いや夢じゃないぞ。異世界転移ってやつか?
そういうのってこう、剣と魔法の世界でエルフとかドワーフとかドラゴンがいる世界にするもんじゃないのか!?
とにかく、原因はわからないが、俺はこの世界で生きていかなきゃならないようだ。
大丈夫、愛機もあるし金も稼げる。なんとかなる! なれ!
これは愛機と共に宇宙に放り出された男が宇宙を股にかけて女の子を助けたり、イチャついたり、傭兵業でお金を稼いだり、ゲーム知識を利用したえげつない手を使ったりして割と自由に生を満喫する物語である。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-10-05 18:09:36
2081535文字
会話率:65%
二〇一二年から一六年までの四年間、スキマだらけの状態で「なろう」上に連載していた「青い三角地帯」というエッセイがあった。
初期は執筆ウラ話やら何やらを書きつらねていたのだが、いつの頃からか時事ネタやしょうもない小ネタの載ったイマイチな
エッセイになってしまった。
そのことに対する一念から、第四八回を持って「三角地帯」は終了となり、こうして新たなエッセイ「日々徒然」をスタートさせたワケであるが、正直なところを言えば名前が変わっただけで特に中身に代わり映えはない。
なるべく更新ヒン度を高めにして連載を続けてゆきたいと思うが、果たして……?
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-10-05 12:00:00
13051文字
会話率:19%
母子家庭の歩は、虐めにあい孤立するが、それでも力強く生きて行く中、進学、母の死等を乗り越え、結婚を考える程の女性、真由美と出会う。
しかし彼女は、バツイチ子持ちの女性であり、歩の保護者である母が務めていた会社の社長は反対する。
血の繋がりが
無い事から、気にせず結婚をすれば良いかとも思うが、これ迄の恩を考えれば無下にも出来なかった。
二人して、何とか社長を説得し結婚の許しを得るが、実際に結婚をするのは歩が大学を卒業してからだと約束する。
だが、社長は真由美に許嫁として共に住む事を勧め、一家として一つ屋根の下で暮らす事に成る。
そうして始まった暮らしであったが、歩の素性や社長家族との関りから、歩達の将来に迷いが生じる事に成る。
そうした中で、歩が仕事中に事故に遭ってしまう。
そうした彼らは、この先どうなって行くのか!?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-10-02 13:00:00
114720文字
会話率:18%
『能力』
それは誰もが一度は考えたことの有るような人智を超えた異色なもの。
――――銃撃、治癒、剣撃、読心、転移、睡眠、最小化、勇者、念動力、浮遊、透明、斥力、重力場、伝心、強化、怪力、俊敏、聖女、千里眼、発炎、威圧、電撃、天候、温度、裁判
、守護、予感、過敏、発光、解答、召喚、祝福、探索、暗視、不眠、不老、分離、合成、隕石、反発、脱出、投影、複製、偽造、清浄、陽炎、遮断、言葉、闇夜、一閃、審判、停止、永遠、果断、怪傑、変身、金剛、紅蓮、降臨、再生、黄金、時空、神威、深淵、静謐……………………
様々な能力が思いつくと思うが、僕のちっぽけな望みはこの中のただひとつ。
―――高校からの帰り道、誘拐された少年は目が覚めるとある部屋で座らされていた。プロジェクターが光を放ち、ひとりの男性を映し出す。不気味にそしてどこかけだるげに彼は言う。
「僕が求めることは唯一つ、魔王を倒してくれ。そのために君にあらゆる【試練】をクリアしてもらう。」
「そこで、君の一番望む能力をあげよう。」
これは、人に優しくするとその人が死ぬ『呪い』を持っている少年が人の中身を見失わないように愛を求めるただの物語。
能力を与えられた少年は一体何を見て何に会い何を「知る」のか。
「僕はもう……失敗を選ばないっ!」折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-09-20 13:51:18
4589文字
会話率:46%
諸君。正義とは何だと思う?
国 自分 理想。人によってそれぞれだとは思うが、これはヒーローにあこがれた男の物語である。
これはそんな男の「ヒーロー的正義」を胸に歩む物語である。
「テメェ!逃げてんじゃねぇぞ!」
……多分?
最終更新:2024-09-19 20:00:00
18031文字
会話率:53%
もっと本気で生きたいとも思うが、今はその時ではないように思うから。
(そのうちスイッチが切り替わるのだろうな)
キーワード:
最終更新:2024-09-19 12:47:37
584文字
会話率:0%
班目隆は気が付けば真っ暗な洞窟の中にいた
出口もない土の中で、光り輝く石だけが目の前にある
石に触れると、文字が浮かび上がりこう書かれていた
『ようこそ、ダンジョンマスター様』
なぜかダンジョンマスターになった俺は、とりあえずダンジョンを運
営していこうと思うが、ダンジョンにはよくわからにルールばかりがあって、がんじがらめ
しかも近くにはでかい街があって、このままだとすぐに攻略されそう
元の世界ではギャンブル中毒だった俺は、ダンジョンではなく、別のものを攻略してもらおうと考えた折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-09-10 00:00:00
658543文字
会話率:32%
人の妻を奪うというのは、奪われた側の言い分で、女がもとの夫を見限ったものと思うが、プレスマンは、奪われてしまったわけで、少なくともそれはよくない。
最終更新:2024-09-09 00:00:00
218文字
会話率:0%
俺は忘れたかったのだろうか、愛の呪縛を。
思い返せばいつの日も大切な彼女が側に居た。学校に行くにも、狩りに行くにも、仕事に行くにも、俺の身を案じて寄り添おうとしてくれた。
自分でも思うが、俺はすごくだらしない男でさ。何をするにも決める
にも、あーだこーだと時間が掛かる。だからか、あまり友達や仲間が多い方ではないけれど、失いたくない人は誰よりも多かった。
今の俺は、血は繋がっていないが二人の妹が居る。五七【いつなの】と流魅果【るみか】、とにかく可愛い女の子でさ。凄く優しいのに、俺なんかがいるからか周りとはあまり関らず、いつも俺に付いてくるんだ。
最近じゃ心巳【うらみ】っていう綺麗な女の子と仲良くてさ、一緒に居ると不安や苦痛を忘れられて、胸の中が楽になる。
普通の人間とは言えないだろう。それでも俺は恵まれている方なんだろうなと思う。このままみんなと一緒に居られるとしたら、どれだけ良かったか。
しかし、平穏はすぐに消えて無くなる。空から嫌な奴ばかり降って来て、俺を殺しに来るんだ。
なぁ、ベノルリル。外の世界ってどうなってんだ?
終と始シリーズ【1】折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2024-09-08 08:13:47
45188文字
会話率:49%
絵に描いたようなガリ勉の見た目だった中学生の代々木拓実が、ある日突然、普通の姿になる。ありがちな恋が理由ではとクラスメイトたちは思うが、どうも違うようだという話から、何やら危ない展開に至る可能性も出てきて……。
カクヨムにも掲載しています
。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-08-31 15:50:00
79817文字
会話率:44%
「被告人キスカを殺害の容疑により、ダンジョン奥地に追放する」
そう裁判官が告げた。
キスカは冤罪により、転移陣でダンジョン奥地へと追放されることになった。
キスカは人間を裏切った一族と同じ髪の色をしているということで、村では迫害され
ていた。
果てには、村長の子供に好きな人を殺され、その罪をキスカがかぶることに。
憎い。自分を貶めた村人たち全員この手で殺してやりたいほど憎い。
そう思うが、スキルを持たず冒険者でもないキスカにとって、ダンジョン奥地に追放されるのは、死刑宣告と同様だった。
だけど、
「助けてあげる」
魔物に襲われ、自分の死を予感した瞬間、何者かがそう告げた。
「あなたにあげるスキルの名は〈セーブ&リセット〉」
何者かによって、スキルを手に入れることができた。
このスキルによって、キスカは魔物に殺されても、その直前まで時間を巻き戻る力を手に入れる。
これで死を回避できるかに思われたが、それは地獄の始まりでしかなかった。
これはなんの力も持たない男が、死に戻りの力だけで、最難関ダンジョンを踏破しようと、何度も死ぬ物語である。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-08-16 13:03:11
409676文字
会話率:36%
この世界には人を主食として食べる一族がいる。一見物騒にも思うが、そんなことはない。何百年か前に俺たち人間側と人喰い一族が協定のようなものを結んだらしく、今は高さ10mもあろう塀の中で暮らしているそうだ。俺の住む水入町の中にも人喰い一族の集落
がある。こう言った集落は全国に何ヶ所かあるらしいが、俺はこの街を出たことがないため、この集落以外見たことがない。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-08-08 09:17:31
2860文字
会話率:22%
草薙弘樹、中学生、無口、無愛想、事故で家族を失い、一人で生きて行こうと思うが、上手くいかず、公園で男に買われたのをきっかけに売春を初めてしまう。
そんな時、親友の龍也の兄に連れて行かれたジャズバー『シャドウ』でオーナーの木島と出会う。
続
編…道化師、血の鎖に繋がれて 折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-08-01 03:17:57
40474文字
会話率:42%
しがない楽器職人の父と元酒場の歌手だった母に愛され、小さな村で幸せに暮らしていたオリヴィアは、流行り病によって突如、天涯孤独の身となった。
遠縁の女性に引き取られたオリヴィアは、そこで美声を持つ少年リオと出会う。
歌が大好きなリオと過ごす
うち、オリヴィアもまた亡き母と歌った記憶を思い出し、音楽への情熱に目覚めてゆく。
だが教会の聖歌隊で歌えるのは男子のみ。充実した音楽教育をほどこしてくれるナポリの音楽院も、一般的には男子の入学のみ許可されていた。
オリヴィアはリオをうらやましく思うが、声に恵まれたせいでリオには危険が迫っていた。
この時代――18世紀のイタリアでは、ボーイソプラノの高い声を保つため少年に去勢手術をほどこすという恐ろしい習慣が存在したのだ。
大人たちの計画に気付いたオリヴィアはリオを守ろうと誓う。
しかし守られているのはオリヴィアの方だった。
リオの深い愛に気付いたオリヴィアは彼と共に歩むため、またナポリの音楽院で高度な音楽教育を受けるため、男装して歌手を目指そうと決意する。
やがて才能を開花させたオリヴィアは、リオと二人、ヨーロッパ中の劇場で名声を得ることとなる。
そして二人が声を合わせて歌ったとき、聖なる力が声に宿るという事実を知っていく。
愛し合う二人の歌こそが、中世の錬金術師が残した悪魔召喚術を蘇らせた悪魔崇拝者たちから、この世を救うことになるのだった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-07-19 12:24:54
166438文字
会話率:45%
最近、我が家の床下からやたらと物音がすると妻がしきりに言うので、駆除業者を呼ぶことにした。
休みを取って、おれも立ち会った。やって来たのは初老の小柄な男。グレーの作業着と帽子を被っている。「はいはい、どうもすみませんねぇ、上がらせてもら
いますよ。へっへっへ」と男は慣れた様子だったので、特に不安は感じなかった。
「床下にね、入って調べてみますんでね。点検口はどちらかわかりますかね」
「あら、うちにそんなのあったかしら。まあ、外から見てもわかる通り、古い家なので、あるとは思いますけどねぇ」
男が訊ね、妻が答えた。わざわざ古い家などと貶さなくていいじゃないかと、おれはむっとしたが、仕方がない。夏は暑く冬は寒い。屋根がボロボロで天井にシミがあり、壁のペンキは剥がれ、妻はまだ知らないと思うが、おれの部屋に白アリが住み着いている。だが、妻が何よりも気に入らないのは、この家が姑、つまりおれの母親が昔、おれのために建てたということだ。
この家は、おれの実家から歩いて十分程度の距離にある。それもまた、妻が気に入らない理由の一つなのだろう。もっとも、今は父は死んで、母は老人ホームにいるが、それでも何かと母から意地悪されたとかで根に持っているらしい。おれに対しても同様に思っているようだ。仕事を言い訳にかばってくれなかったとかなんとか、妻は被害妄想の傾向があるから、おれは話半分に聞いていただけなのだが。折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2024-07-09 11:00:00
4838文字
会話率:56%
……助かった。安堵と嬉しさに体が震え、おれは思わず涙をこぼしそうになった。ヘリだ、救援のヘリが来たのだ!
おれは立ち上がり、ヘリを視界に捉えながら、まばたきを繰り返した。ああ、夢じゃない。向こうも確実にこちらの存在に気がついている。いや
、当たり前だ。石で作ったこのSOSの文字が、あの距離で見えないなら馬鹿もいいとこだ。
社会学者であるおれは、テレビやネット番組のコメンテーターをメインの仕事の他に執筆や講演会で全国を飛び回っていた。しかし、船で移動中に難破し、この孤島に流れ着いた。どうせすぐ助かるだろうと思っていたので、正確な日数は数えてはないが、数ヶ月経ったことは間違いない。
そう考えると、おれのような著名人が行方不明になったのだから、もっと早く見つけるべきだ。何をしていたんだ。と思うが、ここは抑えることにしよう。今は――と、どういうわけだ。ヘリが遠ざかっていく……。燃料切れ間近だったのだろうか。なんて無能なんだ。いや、しかし、見つかったことは間違いない。助かることに変わりはないのだ。
おれはそう考え、再び浜辺に腰を下ろした。それから待つこと二時間。思ったとおり、再びヘリがやってきた。
折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2024-06-16 11:00:00
3569文字
会話率:43%
あの大手チェーンのハンバーガー屋の気が狂った。
地域ごとに、商品の価格を変えることにしたのだ。都市部、空港など土地の賃料が高いゆえに生まれた差だとは思うが、狂ったというのはそれが理由ではない。
この町の店だけ、ハンバーガー一個の価格が
、なんと驚異の一万円にまで跳ね上がったのだ。
学校帰り、俺は親友の大下と一緒に様子を見に、と、あれは……
「お、おい! 小坂! お前、なにしてんだ!」
「そうだぞ、正気か? 今、お前、中に入ろうとしたんだぞ」
ふらふらと弱った蚊のような動きで店のドアに向かっていた小坂を見つけた俺と大下は慌てて小坂を引き留めた。
小坂は「あ、あ、あ、あ」と両手を前に出し、震わせた。
「お、おれ、ただ、気になって、でも、見てたら、きゅ、急に食べたくなってぇ……」
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-01-17 11:00:00
3993文字
会話率:49%