人は死ねば終わるという。
だが、それを証明した者が、この世にいただろうか。
死は終わりか、救いか、それとも――始まりか。
宗像志貴にとって、「死」とは、他人事ではなかった。
*
黄泉使い――
死後に「問答」を受けられなかった魂を、
悪鬼化から救う者たち。
宗像志貴は、その中でも最も古き宗家の直系に生まれ、
右肩に“王の痣”を宿していた。
だが、術も矛も使えない。
誰よりも脆く、誰よりも危うい少女だった。
そんな彼女の前に、神の獣が現れる。
白銀の狼。
あらゆる術を凌駕する力を持ち、志貴の前にのみ姿を現す存在。
その声は、骨の奥を震わせ、痣を疼かせる。
――懐かしさと痛みを帯びた声。
「壊したいものがあるなら、壊せばええ。
でも、お前に手ェ出す奴は――俺が殺す」
志貴はまだ知らない。
けれど、どこかで知っている気がする。
忘れたくない誰かの匂い。届かない過去の温度。
そして、痣が語る――まだ触れていない真実。
*
これは、「千年王」と呼ばれた少女と、
その命を代償に炎を纏う宿命を背負った者たちの物語。
恋とも言えない。けれど、愛よりも重い執着が、そこにはある。
燃えるように美しく、
終わることすら許されない魂たちの軌跡。
『黙の月 ― 千年の孤独に咲いた紅』
どうか、この焔の奥に、触れてほしい。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-07 21:30:00
89174文字
会話率:21%
★レビュー数74件【約84万作品中で15番目】(R3.11.11時点)
★注目されにくい英語短文タイトルでありながら、一部の読者を熱狂させるエンタメ小説
藤堂頼助(とうどう らいすけ)は、ゲームセンターで出会った女子高生・凛子(りんこ)
を助けるために、現実世界を完璧に再現したゲーム『Fake Earth』(フェイク・アース)に挑戦する。
忘れたくない思い出も、未来を自由に生きる権利も失うリスクを背負って。
もしもゲームオーバーになれば、「生まれたときからゲームオーバーになるまでの記憶」を消され、さらに別人の記憶を組み込まれ、『Fake Earth』の住人として寿命が尽きるまで生かされつづけるルール。
このゲームは「死ぬこと」すら許されない。
【小説家なろうランキング】
9/11 日刊ランキング 異世界転生 文芸SFその他8位(2/25,10/26同順位)
3/2 週間ランキング 異世界転生 文芸SFその他16位(12/21同順位)
12/27 月間ランキング 異世界転生 文芸SFその他21位
【追記】
感想・ブックマークをいただければ幸いです。
また各話のページの後書きの下より、星で『ポイント評価』できます。星1つにつき2点で、10点満点でポイントを入れることができます。
みなさまのご評価をいただければ、執筆の励みとなりますので、ぜひ応援をよろしくお願いします。
※カクヨム、ノベルアップ+でも連載をしています。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-06 23:56:54
507932文字
会話率:13%
名前を忘れていく病にかかった高校生・透は、転校先で出会った少女・詩と心を通わせていく。
「この人だけは忘れたくない」と願うが、記憶の空白は容赦なく彼女の名前すら奪っていく。
詩もまた、誰かに忘れられる痛みを知っていた――。
そして訪れる“最
期の一日”、透はもう覚えていないはずの彼女の名前を、一秒だけ呼ぶ。
その一秒が、永遠になる。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-04 22:45:02
4576文字
会話率:16%
「あなたの大切な記憶は、何ですか?」
「その記憶と引き換えに、死者と再会できる迷宮があるとしたら――あなたは、挑みますか?」
絶海の孤島、クレーター島。
そこには“記憶を代価に死者と会える”と語り継がれる禁忌の迷宮が存在する。
忘
れたくない感情。忘れられない後悔。伝えられなかった最後の一言。
それぞれの想いを胸に、冒険者たちは命と記憶を賭けて、迷宮の深淵へと足を踏み入れる。
生きて戻れる保証はない。失われた記憶は二度と戻らない。
それでも、彼らは選択する。
これは命と記憶を賭けて挑む者たちの、再会と喪失の物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-01 09:22:01
17353文字
会話率:35%
日々考えること思いついたこと
忘れたくないこと忘れてはいけないこと
キーワード:
最終更新:2025-05-23 15:50:34
1372文字
会話率:0%
目覚めたとき、名前も記憶もなかった。
ただ、心の奥で何かが呼んでいた。
夢の中で聞こえた声。白い光の中に残された、誰かの想い。
──ここは、《MNEMORIA(ネモリア)》と呼ばれる場所。
“記憶”を癒す仕事をしている、不思議な組織らし
い。
導かれるままに、
見知らぬ誰かの「記憶の世界」へと足を踏み入れていく主人公・ユウ。
けれど、自分の中にも触れてはいけない“記憶”が眠っていることを、
このときの彼はまだ知らなかった。
失った過去、癒えない痛み、忘れたくない想い。
記憶に迷い、記憶を旅する物語が、いま静かに始まる──折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-24 07:00:00
22747文字
会話率:21%
元暗殺者の上村翔(かける)は、趣味のゲームをして、高校生活を一人で送る自堕落な生活をしていた。
ある夢を見た次の日、攫われそうになっていた仮面をつけた少女――財閥のお嬢様、西風こと西園寺咲夢(さくら)を助けたのが始まりだった。
迎えが
来るまでの日を部屋に居候させる、という名のお持ち帰りで共に過ごした結果、逆にお持ち帰りされる事態にまで発展する事に。
そして咲夢からのある依頼を断った日の夢……咲夢が人の夢と繋がる力をもっていると知り、翔はどこに行っても逃げられない、寧ろ外壁を埋められる事態にまでなりかねないと悟った。
彼女の愛でられたいは、暗号なのかもしれない。
これは、元暗殺者の過去を持った翔と、人の夢と繋がる力がある咲夢の、現実と夢をかけて繋がっていく一風変わった恋の物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-11 21:01:10
86538文字
会話率:34%
出会いと別れの春ですね。
忘れたい出来事、忘れたくない人、想い。
いろんなものを抱えて生きていく私とあなたへ。
ちょっとしたつぶやきです。
最終更新:2025-03-29 10:22:02
256文字
会話率:25%
扉をくぐるたびに、世界が変わる。
時計の針が逆に進む中、旅は終わりも始まりもなく、ただ続いていく。
異世界を渡り歩く旅人『メイ』は、「白く、小さな鈴のような花」を探している。
それは、彼女が“元いたはずの世界”を思い出す、唯一の手がかり。
そして、異世界を渡るための時間を逆に刻む懐中時計。
滞在時間は最短1日、最長12日――世界に入る前、針が決まり、それ以上は留まれない。
誰かの戦いが続く国。
魔法がなかったことにされた街。
仮面をつけて生きる住人たち。
彼女が訪れるのは、どこかおかしく、けれどどこか現実めいた「異世界」たち。
自分の記憶を完全には取り戻せないまま、メイは今日も“扉”の向こう側へと歩いていく。
その旅に、目的はあるのか――
自分は何者だったのか――
「誰かが咲かせた花を、私は忘れたくないから」
記憶と意思と偶然が交錯する、静かで不思議な異世界旅譚。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-26 07:04:21
12330文字
会話率:36%
この国では、死者は花に変わり、遺された者たちの祈りを受け止める。
主人公の少女・想花(そうか)は、一週間前に母親を失い、深い悲しみに沈んでいた。母親は通勤途中に事故で亡くなり、想花が病院に駆けつけた時には、すでに赤い花となって「壊れた時計塔
」に飾られていた。想花は、母親との最後の日々に後悔を抱え、喧嘩別れしたまま「いってらっしゃい」を言えなかったことを悔やんでいた。
青い蝶。彼らは生きた人間の「負の感情」を食べ、前向きに生きられるように導く存在だ。しかし、想花は自分の悲しみを奪われることに抵抗し、蝶を振り払い続けた。彼女は、母親への想いを忘れたくないと願う。
※主題小説コン葬華参加:テーマ『葬華イラスト』折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-18 00:49:51
5443文字
会話率:34%
橘颯太は、大学四年の秋、カフェで美琴と出会った。静かな空間で読書に没頭する彼女に惹かれ、二人は自然と親しくなっていく。美琴は「忘れたくない記憶と、忘れたほうがいい記憶、どちらを選ぶ?」と問いかける。不思議な言葉を残しながらも、彼女は優しく、
颯太にとってかけがえのない存在になった。
しかし、美琴の過去には謎が多かった。美琴は決して過去を語ろうとせず、やがて彼女の様子は不安定になっていった。ある夜、届いたメッセージは「助けて」。
颯太が美琴の家へ駆けつけた時、彼女は震えながら言った。「私、忘れたくなかった。でも……忘れなきゃいけなかったの。」
彼女の記憶の奥に眠る秘密とは?そして、颯太がたどり着く真実とは——。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-02-23 07:38:25
19115文字
会話率:31%
2000年に社会人として歩き出した大学時代の同級生。
青春を抜け出して、大人になっていく時間の中での迷い、仲間、初めての恋愛。いつからが大人なんだろう?
まっすぐだった。一生懸命だった。不器用だけど嘘はなかった。
仲間達に囲まれて、あなた
と一緒にゆっくり大人になっていったあの日々を私は忘れたくない。
たとえ、あなたが忘れてしまったとしても。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-02-10 22:16:44
3244文字
会話率:23%
昔から眠れない子だった。
大人になってからはさらにひどくなり、不眠症を発症したこともあった。
3時間の睡眠で、本当に夢の中で3時間ほど過ごしたように、夢を覚えていることがよくあった。
でも、それは、数時間もすればどんどん忘れてしまう。
夢の中で感じた、忘れたくない思い。
大事な記憶。
これは、夢の物語…折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-01-31 09:42:27
269文字
会話率:14%
(完結済、全14話。)
2年前に恋人の智紀を亡くした私。失ったショックで昨年大学も中退した。
彼との思い出は一人暮らしには広すぎる六畳二間のアパートだけ。12万8000円の家賃を払うために、今は御茶ノ水にある『ゆうcafe』で働いている
。
“先輩”の迫田さんや“幼馴染”のナツキとは機会がある度に食事を重ねているが、彼らに抱く感情は、智紀へのそれとはまったくの別物だ。早く忘れたいのに毎夜智紀の贋物が現れて私に話しかけてくる。
京都の実家では祖母の認知症が進んでいる。同じ話を何度も繰り返し、物忘れがひどくなっている姿を目の当たりにして、自分も同じように忘れられたらいいのにと思う。忘れたくないことはいずれ忘れてしまうのに、忘れたいことは簡単には忘れられないことがもどかしい。
ついに祖母が私のことを思い出せなくなった。このことをきっかけに、大きな不安に襲われる。周りの人々に忘れられる恐怖、周りの人々がいなくなることへの恐怖である。
ある朝、突然思い立って智紀が死んだ場所である鳥取へ向かう。勢いに任せて今月分の家賃を交通費に充てる。鳥取砂丘では、部屋中からかき集めた智紀の残滓を散らして、自分の気持ちに区切りをつける。
風邪をひいた時に無意識に選んだ通話相手はナツキだった。いま自分に必要な人が誰なのかを自覚する。ナツキは今年から就職で東京へ来る。智紀が死んでも、熱を出しても、私の人生は続いていく。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-01-13 14:05:37
26743文字
会話率:27%
これは自分の能力に葛藤する1人の女の子のお話です。
最終更新:2025-01-03 00:49:11
521文字
会話率:23%
2023年の夏に父、私、息子の男3人3世代でアメリカ東海岸の2都市旅行に行って来たお話。
でもそのプランは元々2019年に企画スタートして、翌2020年には実行されるはずだったのですが、コロナ禍と親族の大病によって、延期&プランの練
り直しを余儀無くされたものでした。
今回、備忘録として書き記しておこうと思い投稿する事になりました。
あと数年もしたら、ああ、そんなことあったっけ?あの頃って私はそんな思いでいたんだっけ?って意外に重要な忘れたくない事柄を本人自身が断片的にスポスポと忘れそうなので。
まあ、こんな家庭もあるんだね、世間は広いもんだ、あっしにゃ関係無いけど、位の広い御心で御笑読頂ければ幸いです。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-01-02 00:00:00
328591文字
会話率:22%
己の無能など人に言われずとも、己自信が一番よく知っている。
まして後悔など、いくらしても意味が無い。
だからこの痛みだけは忘れたくない。かつて愛した者を、ひたむきに向かった情熱の日々を。
灰色の冬空を見て、そんな事を考えていた。
行こう。あの天涯の果てにある輝かしい太陽のもとへ。
多分、それしかないのだから。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-12-23 21:19:36
971文字
会話率:13%
遠くても、忘れたくない人。
最終更新:2024-12-06 19:31:18
1000文字
会話率:10%
退屈な日常のもとに転校生が現れて、日常が大きく変わっていく物語。
最終更新:2024-11-21 19:20:00
54237文字
会話率:58%
幸せなきみも、不幸せなきみも、忘れたくないから。
キーワード:
最終更新:2024-11-04 20:38:16
478文字
会話率:0%