――その窓を覗いたとき、世界の向こう側が、こちらを見ていた。
夏の黄昏、黒猫を追いかけて入り込んだ、ビルとビルの狭間。
その奥に、取り残されたように朱色の鳥居と小さな祠が佇んでいた。
ふと頭をよぎったのは、親友が昼休みに話していた都市伝説
。
「両手で“狐”の形を作って、輪の中を覗くと――妖怪の正体が見えるんだって」
信じるつもりなんてなかった。ただ、ちょっと試してみたくなっただけ。
だけど、その瞬間、耳元で声が囁いた。
「おまえ……今、我の正体を暴こうとしたな……?」
窓の向こうにあったのは、“あちら側”――この世の理が届かない世界だった。
静かに崩れ始める日常、身体の奥に疼く違和感。
これは、ひとりの女子高校生が“見てしまった”ことで始まる、ちょっと不思議で、ちょっと危ない、ひと夏の冒険譚。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-03 19:26:25
13597文字
会話率:35%
千年の孤独を抱く、少女神の物語。
悠久の時を生きる神、瑞葉(みずは)。
その見た目は十三、四の愛らしい少女。だが、彼女の瞳には、千年以上もの間、無数の人々の喜びと悲しみ、出会いと別れを見つめてきた深い叡智と、拭いきれない寂しさの色が宿って
いる。
自然発生的にこの世に生まれ落ち、とある古社の小さな祠に宿り続けて幾星霜。瑞葉は、訪れる人々のささやかな願いを、人知れず叶えてきた。その力は時に奇跡と呼ばれ、神社は「願いがよく叶う」と評判になることも。しかし、彼女自身が本当に願うのは、ただ一つ――誰かと心を通わせ、その温もりに触れること。
けれど、神であるが故に人とは異なる時を生き、あまりにも多くの別れを経験してきた瑞葉は、深く関わることを恐れ、一歩踏み出すことを躊躇してしまう。助けた相手とほんの少しでも触れ合いたいと願いながらも、その想いを胸の奥に押し込め、そっと背中を見送る日々。
これは、そんなさみしがり屋の神様・瑞葉が、様々な時代、様々な場所で出会う人々との、束の間の触れ合い、心のすれ違い、そして避けられない別れを、一話読み切りで綴っていく物語。
第一話『縁日の影、神様の吐息』では、現代の賑やかな神社の例大祭を舞台に、瑞葉が人知れず小さな奇跡を起こしながら、その胸に秘めた切ない想いを垣間見せる。
彼女の数千年の孤独は、いつか癒される日が来るのだろうか。
そして、彼女が本当に叶えたい「願い」とは――。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-27 18:10:00
23263文字
会話率:14%
森の奥、小さな祠に眠っているのは、誰にも見えない記憶と、消えかけたぬくもり。
ミレナのいなくなった世界で、少女はそっと、小さな包みを胸に歩き出す。
苔むした石段、夢に似た 風のささやき──
祈りの声が、胸の奥に静かに灯をともす。
これは、
祈りからはじまる、小さな旅立ちの記憶。
(全40話+α)折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-20 17:00:00
88727文字
会話率:14%
ある地方の山里には、伝説の神様が祀られている小さな祠(ほこら)があった。しかし、その神様は他の神々とは少し違うー噂では「おっちょこちょい」で「なまけもの」、さらには「ただのボンクラ」という評だった。そんな無能と言われる神様が、村に降りかかっ
た大きな災厄をどうにかしなくてはならなくなる。信仰心を失いかけた村人たちと、頼りない神様が挑む少し変わった奇跡の物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-11 18:25:36
649文字
会話率:87%
「里山ダンジョンの主 ~コツコツ努力で築く理想の国~」
の外伝です
古来より人々の暮らしと深く結びついてきた里山。その豊かな自然と神秘的な伝承をモチーフにした新感覚のアドベンチャー「里山ダンジョン」が、いま解き放たれます。本作は、竹林に覆
われた迷宮や、苔むした石畳の回廊、小川のせせらぎが響く洞窟など、まるで実在するかのような里山の風景を舞台に、プレイヤーを未知の冒険へ誘います。
主人公は、古い民家に伝わる古文書を手がかりに、失われた「山の神の宝」を探す若き探検者。里山に棲まう妖怪や精霊、時折現れる隠れ里の住人たちとの出会いを通じて、忘れられた伝承や風習の謎を解き明かしていきます。竹藪の奥で光る妖しい目、落ち葉に埋もれた古代の石像、苔の隙間から覗く小さな祠──どこか懐かしく、どこか不気味な風景が、あなたの探究心を刺激します。
ダンジョン内には、里山ならではの仕掛けが満載。川を渡るには丸太橋を組み立て、竹筒を伝って水をせき止め、石を滑らせて隠し扉を開くなど、自然素材を活かしたパズル要素が豊富に用意されています。また、夜になると姿を変える「夜行きの径(よいきのみち)」では、満月の光を頼りに足元を照らし、幽玄な雰囲気の中で慎重に進むスリルが味わえます。
キャラクターカスタマイズでは、地元の鍛冶屋で手に入る竹製の矢筒や、山里の薬草師から譲り受ける回復アイテムなど、里山文化を感じさせる装備を自由に選択可能。スキルツリーでは「精霊と交信する術」「竹細工の達人」「古文書解読」など、里山探索に特化した能力を習得し、探索の幅を広げられます。
さらに、オンラインマルチプレイでは、仲間と協力して巨大な「根霊樹(ねだまき)」の迷宮に挑戦。根が絡み合うダンジョンでは、地中に潜む妖樹の化身が待ち受け、連携プレイが鍵を握ります。協力して罠を解除したり、精霊の加護を集めてボスに挑んだりと、白熱したバトルが楽しめます。
里山の静寂と神秘、そしてそこに潜む未知の脅威を描き出す「里山ダンジョン」。自然と人間の共生をテーマに、懐かしさと新しさが交錯する冒険の世界をぜひ体験してください。あなたの一歩が、古(いにしえ)の伝承を紐解く鍵となる──。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-10 22:21:33
1156文字
会話率:35%
とある村に、神様が住む小さな祠があった。その神様は村人たちの悩みに耳を傾けたり、時には願いを叶えたりして、昔からとても大切にされてきた。
ある日、一人の青年がその祠を訪れ、気安い調子で話しかけた。
「なあ、神様。どうしてこんな小さな村
にずっといるんだ? 都会に行けば、もっと有名になれるだろうに」
折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2025-03-23 11:00:00
657文字
会話率:39%
山奥にある小さな祠に祀られた、小さな神様にまつわるお話。今やその祠を訪れる者はもう居ない。
※こちらは『いつか勇者になるために』という作品の中のお話を一部改稿し、短編として投稿したものになります。
最終更新:2025-03-20 22:15:06
1294文字
会話率:12%
私はイルド国第一王女、クリス=サーガティア。
幼馴染で婚約者のシーインと視察に出かけ、私はふと目に留まった小さな祠に足を踏み入れた。
そこには古びた鏡があり、「願いを映す鏡」という不思議な言葉が刻まれていた。
軽い気持ちで鏡を覗き込み、
私は「昔みたいに戻れたらいいのに」と、ぼんやりと願う。
すると鏡からまばゆい光が放たれ、意識が遠のいてしまった。
そして、気がついたら────
体が縮んでしまっていた!!
こんな姿をシーインが見たら、最悪婚約破棄をされてしまうかもしれない!?
私の運命は一体どうなってしまうの……!?
小さくなっても気持ちは同じ。
天真爛漫の十八歳。
彼への愛に、いつも一筋!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-16 22:17:49
7345文字
会話率:26%
特に特筆するようなドラマも無く
ただただ当たり前の日常を過ごしていたマイペースな大学4年生の主人公葛野 徹(かどの とおるは)
卒業間近の春休み、不思議なカラスに誘われ、綺麗な桜の一木へと誘われる
その桜の木の根本にあったのは小さな祠で、何
の因果か参拝する事になるのだが...
その日を境に、主人公の人生は大きく変わる事となる。
突然胸を抉るような苦しみに襲われた主人公は意識を無くし、
目が覚めたら、そこは男女比が1:500という
価値観の大きく変わったパラレルワールド!?
自身は7年前の中学卒業を控えた姿で、更に驚く程に容姿が整った姿になり
困惑するが、一度死という世渡りを経験した事で
やり残した事や、後悔の残らないように生きようと決め、
沢山の女の子に囲まれて、ハラハラ、ドキドキしつつも
一生懸命に人生を謳歌しようと奮闘する物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-10 00:39:20
102060文字
会話率:53%
大学生の僕は、ある日小さな祠を見つけ、願い事をする。帰宅すると見知らぬ少女が座っており、少女は自分を神様だと名乗る。
最終更新:2025-01-14 19:10:44
2801文字
会話率:68%
家の裏山には、何百年も前から祀られているという、小さな祠がある。小高い丘に上ると、まるで降リ注ぐような星空が、キラキラと瞬いて兄妹を包む。そしてその手には「星の欠片」と言われる宝石の原石のような美しい塊が握りしめられていた。人生について悩み
始めた兄は、ある時を境に星の欠片集めに没頭し始める。小さいころ、初めて見た石の輝きに心を奪われ、2人はお互いの石を交換して、大切にしまい込んでいた。何かに取り憑かれたように、星の欠片をかき集める兄は、裏の祠へ向かったきり、消息を絶つ。残された妹は、兄の面影を求めて旅立つ決意をするのだった。折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2024-12-04 18:58:56
6984文字
会話率:22%
17歳の少年「アレン」はある神を信仰する小さな村で平和に生きていたが、ある日突然「神の遣い」と名乗る者たちからの攻撃を受ける。逃げこんだ先の洞窟で小さな祠を見つけ、そこで魂として封印されていた神「ヴァルド」と出会う。ほかの村人たちの全滅を知
ったアレンは、村の皆を生き返らせてもらうことそして神の遣いへの復讐を目指し、ヴァルド復活の手掛かりを探す旅に出る。その旅の助けとしてアレンはヴァルドからスキル【HOPE】を授けられる。その能力とは、自分が殺した相手の能力を奪うというものだったが、心優しいアレンに人殺しなどできるわけもなく...
謎が謎を呼ぶ王道異世界ファンタジー物語!
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-12-01 12:00:00
23125文字
会話率:68%
私は、八年も付き合っていたオトコに振られた、三十五歳のOLだ。
久しぶりに参加した合コンも不発に終わり、夜の帰り道に、小さな祠でお祈りした。
私だってモテたい。誰にでも一度はモテ期があるっていうのに!
すると、祠の台に黒い宝石の指輪があるこ
とに気付き、それを嵌めると、ついに人生初のモテ期が到来ーー!?
※『夏のホラー2024』参加作品です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-08-12 12:10:00
6988文字
会話率:5%
社会人として毎日会社勤めをしている主人公(聖也)。
その平凡で理不尽な生活に「このままでいいのか?」と悩み始める。
ある日、休暇を取った聖也は学生時代の楽しかった合宿生活を思い出し、思い出の地へと旅立った。
そこで見たものは廃墟と化
した宿泊施設。時代の流れに憤りを感じつつ施設の
周りを探索すると、目に飛び込んできたのは小さな祠であった。聖也は祠に手を合わせて帰ろうとした瞬間、気を失い倒れてしまった。気付くとそこは見慣れぬ景色。
「江戸の世界」へと迷い込んでしまった。
江戸の町で偶然出会った町娘(お菊)に助けられ無事に過ごしていたが、お菊の周辺では不穏な事が続き悩んでいた。命を救ってくれたお菊の為に、今度は聖也が立ち上がった!
しかし、調べを続けていくにつれ、隠されていたお菊の過去や取り巻く環境が判明していく。
共に江戸の世を駆け抜けたお菊は次第に聖也に心惹かれていくが、未来から来た聖也にとってどうしていいか分からない。
だが、このタイムスリップには、ある人物が大きな鍵を握っていたのだった。
折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2024-08-11 21:54:40
145714文字
会話率:72%
山のなかの小さな祠で、しゃべる狐を拾った蓮希。狐が怪我をしているのを見て、手当てをしようとした蓮希だったが、そこで何者かに襲われる。人の姿に変化した狐が助けてくれたものの、どうやら蓮希は、厄介な事情に巻きこまれてしまったようだった。
冥月と
名乗った狐は、自分の主(神社の神様)が狙われていることを語る。冥月を助けたことで、その神様を狙う何者かに、蓮希も目をつけられてしまったようで――?
口は悪いが人一倍優しい冥月と、物怖じしない蓮希の、ひと夏の出会いの物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-08-08 14:11:49
58287文字
会話率:36%
8月8日8時8分に学校の裏手にある、何を祀っているのかわからない小さな祠に願い事をすると、それが叶うまでずっと8月8日をループする、らしい。
最終更新:2024-08-08 08:08:06
2660文字
会話率:0%
ネットで噂にあがるパワースポット。そのなかに地方の町の古めかしい祠があった。そこで拝むと幸運が訪れるという────。
しかし‥‥その小さな祠は、土地の人々にとっては触れてはいけない場所だった。
公式企画「夏のホラー2024うわさ」
の投稿作品となります。
※ この作品は、夏のホラー2023帰り道のリメイク版となります。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-07-28 15:03:38
5607文字
会話率:15%
現代、古都の外れの紅葉神社。その河原に祀《まつ》られる小さな祠《ほこら》。
数百年前にかつて実在したと言われる最後の鬼は「鬼姫様」と親しまれ観光客にも人気スポットだったが、その祠は台風の濁流に飲まれそうになる。
祠を守ろうと一緒に流さ
れた地元消防団の男たちを現世に蘇り救った鬼姫は、気が付いたらなぜか異世界に泳ぎ着いていた!
「それにしても腹が減ったの! なんぞ食えそうなもんはないんかの!」
これは古都を騒がせた妖怪退治をしてきた巫女の鬼姫が異世界に蘇り、魔物を討伐しながら、なぜ自分は異世界に来たのか、日本に帰る方法はあるのか、かすかな記憶をたどりながら自分探しをする旅の物語。
※最終回まで毎日投稿!
※カクヨムでも連載折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-05-17 17:00:00
278734文字
会話率:53%
気がついたら小さな祠の前に座り込んでいた、山茶花(さざんか)と笹鳴(ささなき)。
謎の手紙と不思議な祠と人ならざる力。
自分たちは一体何者なのか?
稲荷神としての役目とは?
しっかり者の女稲荷山茶花と、マイペースな男稲荷笹鳴の時代を超えた
ほんのり恋愛譚。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-01-03 19:15:55
1688文字
会話率:33%
リオにとって一番の友達であるジャージ姿のチサが、同じくジャージを着たまま地元の田舎町を全力疾走しているヤイチを無理矢理に食い止めていた様子を偶然にも発見する。そのまま二人は小さな祠の方へと仲良さげに向かっていく。
リオはそんなチサとヤイチの
後ろ姿を追い掛ける。
気配を殺して、他の誰にも悟られないように。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-07-31 22:22:14
3030文字
会話率:55%