近未来、初代量子コンピュータ技術の成熟に伴い、AI(人工知能)は爆発的な発展を遂げた。AIが人類の基礎科学を推進するにつれ、人類は徐々に地球を離れ、火星に殖民地を築き上げた。
火星殖民地の設立とともに、新たな産業が興隆を迎えた。それが地
球と火星間の貨物輸送業務である。
そして私は、その中の一隻である武装輸送船の船長だ。
私の名は凌風(リンフウ)。私の父は星際輸送会社を経営しており、傘下には3隻の武装輸送船がある。私と妹の凌雪(リンセツ)はそれぞれそのうち2隻の輸送船の船長を務め、残る1隻は父が船長として指揮している。
なぜ輸送船に武装が必要なのか?それは、火星と地球間の輸送航路の確立とともに、もう一つの産業が繁栄を極めたからだ——星際海賊である。
しかし、最大の脅威は海賊から来るものではない。次第に我々は、運命に引きずられるようにして星辰大海へと向かうことを余儀なくされていった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-13 00:35:46
19385文字
会話率:37%
世界から戦争を失くすにはどうすればいいか。
有史以来、常に人類史に付きまとう問題。
偽善的な回答。現実的な回答。解はないとする考え方。様々なものがある。その中に明確な回答はない。すべてが夢物語。
だが、人類は気づいてしまうことにな
る。その答えは、人類史に多く転がっていたことを。
突如として、世界から戦争が消えた。消えざる負えなかった。侵略者が現れたのだ。
地球の半分を侵食された人類。もう滅ぶしかないと思われたそのとき、天啓が舞い降りる。
太陽嵐が地球を直撃。パラズメアの進行が突然止まった。
研究者は、再びパラズメアが活性化するのに十五年かかると計算した。その間に、各国はパラスプラズマを殲滅する兵器の開発に努め始める。
それから二十年がたった。いまだに、パラズメアは小康状態を保っていた。
そんな時代に生まれた青年、織井永一郎。今日もいつものように問題を起こしながら、パラズメア用自律兵器である双葉とともにパラズメアを駆除していく。
小康状態とはいえ、感染するものはいる。それらを生業にする組織『自警団』に所属する永一郎は、無気力に毎日を送っていた。
ある日、日頃のツケで受けさせられた護衛部隊でテロリストの襲撃を受ける。世界から戦争はなくなったが、諍いはなくならなかった。
カソックに身を包む男達の襲撃に身構えるが、いとも簡単にあしらわれてしまう。
「キミは未熟」
そんな言葉を男は残し、去っていった。
エンジニアとの運命の出会い。カソックの男である蟹江真澄の自警団襲撃。世界がいま、永一郎を中心に目まぐるしく変わろうとしていた。
そんな中言い渡された蟹江真澄の暗殺計画。パラズメアを駆除することが目的の自警団が、同じ世界に生まれたはずの人間を殺す。
その事実に、永一郎は葛藤していくことになる。
その戦いに身を投じる最中、永一郎は様々な秘密を知ることになる。
パラズメアという存在にまつわる陰謀。
双葉たちのような、パラズメア用自律兵器『マギナ』の謎。
死した幼馴染の行方。
それらを追いかけつつ、自分の生き方・存在意義を模索する。
――いま、青春を忘れた少年の時が動き始める。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-11-12 12:12:33
62826文字
会話率:39%
太陽嵐がもたらす電波障害によりレーダーや無線、コンピューターの使用が不可能になった近未来。人間自身が制御する兵器が最も進んでいた第二次世界大戦中のものが復元され使用されるようになっていた。その兵器運用のために絶対必要な石油を求めて世界は三
度世界開戦へと突入することになる。
帝國海軍の十二月晦日眞悠子中将は空母赤城艦長として真珠湾奇襲作戦に出撃してから一度も敗戦を喫したことがなく連合艦隊司令長官五十幡十六夜大将からの信頼も一方ならぬほど篤い歴戦の名提督だった。しかし五十幡の戦死後は一般市民や下級兵士たちから絶大な人望を集めていたことを軍中枢や貴族たちに疎まれ主力機動部隊の司令長官の地位を追われ最前線の激戦地を転々とする日々を送っていた。十二月晦日自身も一部の特権階級だけが貴族として安全な地下シェルターでのうのうと暮らす世の中に疑問を感じ、敵との早期和平の道を探っていた。
そんなある日、榛名、金剛からなる高速戦艦艦隊を率いて出撃中、敵の大規模な進攻作戦が察知された。その作戦は支持率が凋落した敵国の大統領が名だたる十二月晦日を破って国民からの人気を上げ支持率の回復を目論んで発動させたものだった。政界への進出を企む軍令部総長新見智恵奈大将はこれを機会に目障りな十二月晦を排除しようと不利な戦いの指揮を執らせ、敗戦の責任を負わせることで失脚させようと謀った。
空母を一隻も持たない艦隊で敵の大機動部隊を迎え撃つため十二月晦は知略の限りを尽くしてゆく。
第10回MF文庫Jライトノベル新人賞二次落ちの投稿作の改稿作です。
ラノベとしては中身が難解という評価でしたがミリタリ好きな方から見ればこれくらいはまだまだ序の口じゃないのかなと試しにこちらへ投稿させていただきました。
よろしくお願いいたします。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-03-26 17:14:00
177617文字
会話率:61%
そう――それは、ほんの些細な好奇心と探究心からだった。
機械仕掛けの神≪デウス・エクス・マキナ≫の存在証明をするには、神を冒涜する他無かったのだ。
空想想定科学小説――〝人は誰しも何かを誇れるオタクであれ〟
【キーワード】
―
―時空を超える〝タイムマシン〟 ――相手の脳を読み取る〝思考盗撮〟 ――太陽フレアにより引き起こされる〝太陽嵐〟 世界を裏で支配する〝300人委員会〟 ――FBIに押収された幻の〝テスラ・レポート〟 ――狂科学者≪マッドサイエンティスト≫が描いた〝世界≪ユグドラシル≫システム〟。
※超絶不定期連載予定。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-12-18 02:56:41
2692文字
会話率:43%