ある日の深夜、ごくふつうの中学二年生・閑麗香(ひま れいか)の元に兎の耳と尻尾の生えた可愛らしい少女が現れた。少女は問う。
――もしも、目の前で困っている人がいたとしたら、君はどうする?
――助ける? それとも、見て見ぬふりをする?
その時は答えられなかった麗香だったが、いざ自分が窮地に陥った時に少女にもう一度問われ、「助ける」と選択する。答えに満足した少女は麗香を助け、にゅにゅにゅと一夜(かずや)を探しているのでその手助けをして欲しいと頼んだ。一夜の説明によれば、にゅにゅにゅとは、現代の呪術師で、霊感体質の人間に呪いをかける超人だという。
少女はにゅにゅにゅに呪われた一夜の肉体を探している。が、少女の正体が実は青年であったことを彼の何気ない一言から判明した。少女だと思っていた兎の子は、麗香より一回り以上も上の男性・一夜の霊体。その愛らしい姿は呪いによるものだった。
にゅにゅにゅ打倒のため、一夜の肉体捜しのため、一夜との特訓の日々が始まる。
元教師と女子中学生による、ファンタジックラブロマンス。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-06-30 16:39:49
69938文字
会話率:38%
時は戦乱の世。
同盟の証として隣国へ嫁いだ初音だったが、夫の章継《あきつぐ》は戦の遠征中ですれ違いの生活が続く。
ようやく戦から凱旋しても、祝勝会にすら呼ばれない。
夫の顔だけでも拝んでやると、勢いのまま宴の席にこっそり忍んで行った初
音は、偶然夫である章継と出くわす。
とっさに身分を偽りやり過ごすが、なぜか気に入られてしまい、妻ということを伏せたまま章継と親しくなっていく。
夫としての章継は一向に初音を求めず会いにも来ない。
憎いはずの夫は、会えば優しく接してくれる。
その落差に悩みながらも、初音は徐々に章継に惹かれていく。
章継も初音の天真爛漫さに安らぎをおぼえ、愛の言葉を囁くようになる。
__「俺のものになれ」なんて言われても、私はすでにあなたの妻。
気持ちに応えられないと何度伝えても、章継は初音を口説くのをやめるどころか、ますます情熱的に迫ってくる。
初音は困惑しながらも彼に惹かれていくのを自覚し始める。
__正体を明かせばこの関係は壊れてしまう。
罪悪感に耐えきれず、一度は身を引こうとした初音だが…?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-12-28 22:53:45
9580文字
会話率:46%
暗くざわめく夜の森、主人公は送り狼の大上さんと出会う。
……あらすじと言われましても、特別書くようなことはありません。
毎夜主人公が森へと行き、妖怪の送り狼と歩きながらただ会話をするだけの作品です。
いえいえ! なんの面白みも無いと思っ
たそこのあなた! この2人の会話を侮ることなかれ!
自然とニヤついてしまう圧倒的な会話劇が自慢です!
読んで良かったと思える作品だと、自信を持って宣伝します。
9月21~9月30日の夜に毎日更新していました。
毎夜1話ずつ読んでいくと、長く面白く楽しめる作品となっております。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-09-30 21:00:02
34207文字
会話率:44%
すでに婚期を逸した権大納言家の二の姫 結子。ただひっそりと家族の影で暮らす彼女の心の中には未だ、八年前、まわりからの反対によって手放し、失った想いが後悔と共にくすぶり続けたままだった。そんな彼女に訪れた、思いもよらぬ再会───
ジェイン・オ
ースティン作『説得 Persuasion』をもとに、日本の平安時代へと舞台を移して書いた翻案物です。2015年6月7日、完結いたしました。
しばし、平安の恋の物語をお楽しみいただければ、と思います。(カクヨムの方にも掲載させていただいております)折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-06-07 08:46:13
235436文字
会話率:40%