/古代の予言書に、魔王を倒す勇者と予言されている聖騎士・イーヴァン・ホー。「この戦いが終わったら結婚しよう──」恋人である聖女ロクサリアにそう言った彼はいま、ロクサリアの胸に抱かれながら息を引き取ろうとしていた。
/イーヴァンの全身を包む神
の祝福を受けた鎧を打ち破り、聖騎士の体を槍で貫いた魔王がロクサリアに言う。「我が妻になれば、お前の命は助けてやろう」と。しばしの逡巡の後、聖女は頷いた。生きるために。固い決意を込めて。
/イーヴァンが物言わぬ骸となり、魔王の妻となって妊娠したロクサリアが赤子を産み落としたその後。若き騎士見習いセドリックは、顔も性格も違う”弟”と共に、騎士叙勲の資格を得るための試練の旅に出ていた。竜との戦いに赴いて帰ってこなかった聖騎士の遺品を探すその旅の途上で、セドリックは暴虐な王子やライバルの騎士、心優しい行商人の娘と出会う。そして竜が棲むという”黒い森”の中で、セドリックは美しい森の乙女と運命の出会いを果たした。だが、憂いを帯びた顔で彼女はセドリックに言う。「自分は、魔王の娘」なのだと。
やがて森に住む魔女によって明かされるセドリックの出自の秘密。
イーヴァンが魔王を滅ぼすという予言は正しかった。魔王の妻となって子供を産んだ聖女は──。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-16 19:07:09
109322文字
会話率:26%
アフィリア・メルクーリはメルクーリ王国の王女だ。
彼女には成人に合わせて傍付き騎士として叙勲する予定の幼馴染、シン・タキトゥスがいた。
しかし、叙勲を一か月後に控えたある日、シンは叙勲を延期するように申し出てきた。
どうやらシン
には言えない事情があるようで……
────────────────────────────────
婚約破棄のテイストを含んでいるけど、婚約破棄ではない。
アフィリアの活躍と、シンとの関係性を楽しむ物語です。
お付き合いいただければ幸いです。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-28 18:30:00
100508文字
会話率:52%
名門の魔法使いの一族に生まれた少年。彼には、魔法使いの才能は無かった。そんな彼ではあったが、不幸中の幸いか、情けで騎士に拾われ、並外れた騎士の才を露わにし、史上最年少での騎士叙勲を迎えることとなった。が、少年は愚かとしか思えない選択をした。
特別も特別な、王族手づからの騎士叙勲を最後の最後で辞退し、魔法使いになる、と宣言した。絶対なる運命から人を救える可能性があるのは奇蹟だけで、それを行使できる可能性があるのは魔法使いだけだから、と。
◆◆◆
そんな彼は、命を賭して、魔法使いの学園への資格を手にし、自らの夢の為、本格的に足掻き始める。生涯の一番の親友となる気弱な少年を助けたり、生涯の伴侶となる絶対なる孤立と滅びの定め持つ少女を掬い上げたり、そんな特別な二人以外でも目についたり気づいたら彼は頼まれなくとも勝手に助けていく。手段は問わない。未熟な魔法だけでなく、騎士の技も躊躇なく使って。がむしゃらに足掻き続け、気づけば結ばれていた数多の絆は、彼をも変えてゆく。彼はもう、独りじゃあ、ない。
◆◆◆
彼の傍には、伴侶たる彼女がいて、一番の親友たる彼がいて。それ以外にも、たくさん。人に囲まれるようになって。中心になった。だから、彼は救われることになる。彼自身、自覚していなかった、生まれたそのときから仕組まれていた、彼の絶対たる破滅と絶望を、彼が掬い上げて救った全てと共に、今こそ、相対する。
◆◆◆
そうして、彼は彼女との子供を抱き、一番の親友たる彼や、救った数多に囲まれながら、ふと幸福を感じて、ハッピーエンドで物語は終わりを迎える。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-01-29 00:23:49
506370文字
会話率:33%
シャンディはシンデレラの話が嫌い。
だって、不幸ありきの大逆転なんて、おかしいでしょう。
不幸の原因は自分でよけて、運命は自分で引き寄せたい。
ちょっと強い女の子の話。
最終更新:2023-09-18 12:00:00
8184文字
会話率:71%
リンドス伯爵家長女として生まれたセシリア
伯爵とはなばかりの貧乏な家で
ある程度裕福な商家より貧乏だった。
清貧を良しとしている訳ではないが
領地の民衆からの信頼は厚い
しかし元々平民の祖母が叙勲されて得た地位で
領地経営手腕もなく低迷
の一途を辿っていた。
それでも何とかやりくりして領地を経営していたが
去年の不作と疫病の流行で遂に財政が破綻した。
元々貧乏な暮らしをしていたので
爵位を返上するのに抵抗は無かったが。
国に領地を返上した場合に隣接する領主が
ことごとく横暴で領民が苦しむのが目に見えていた。
一応年頃で見た目もそこそこ良い(当家比)は
自分の結婚を対価に莫大(等家比)な支度金を要求した。
その要求を了承して私との結婚を望んだのは
ブラッド伯爵家のヴァレンタイン伯爵当主で
噂ではかなり年配で見目も酷く人前には一切顔を見せないそうだ。
私は、若い身空で中々素敵な人生を歩む事を覚悟した。
覚悟はしていたつもりだった。
まさか自分の旦那になる人が我が一族の宿敵とは思いもよらなかったのだから折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-04-09 07:01:48
10836文字
会話率:28%
主人公(ボク)は王子様(シンユウ)を護るために偽装令嬢(ボディガード)になる選択を選んだ。
主人公、メリル・ウォルブラッドは新生の叙勲騎士家のたった一人っ子の長男。騎士として王族護衛、王族の敵対者の始末が主なお仕事の未来を期待された
若者だった。
そんな彼の初めての仕事は王子の護衛。年も近い王子と自然と仲良くなり親友までなり幼少期を共に駆けていた。
しかし、そんな二人は学園入学年齢になると状況は変わる。王子は王に一番近いため、主人公(ボク)も敵を屠って来た結果、多くの敵を持っていた。多くの暗殺失敗で敵は手段を次第に選ばなくなる。
そして、一番近い護衛として活躍していた主人公(ボク)は偽装工作で肉体を変える。失踪した親友の妹として学園に潜入し遠くから見守る事になった。しかし状況はおかしな方向へ向かう。
王子様(シンユウ)が主人公(ボク)を気に入ってしまい。ちょっかいをかけ、親友の妹として大事にする。
しかし、それはゆっくりゆっくり僕(ワタシ)を追い詰めていく。
知らず知らずに親友と仲良くする王子様(シンユウ)とそれを邪険し、親友(ボク)と気付かれないようにしながらも親友に甘い主人公(ワタシ)の物語。
※この作品は他の投稿サイトにも掲載します。
※この作品はTS(女体化)物です。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-12-02 19:20:50
51764文字
会話率:67%
名門六貴族に名を連ねるロワール家の末っ子ソミュアは、『加護』の魔術しか授からず一族からお払い箱となった。
それでも政略結婚の道具くらいにはなるだろうと、同じく名門六貴族ファルマン家の末っ子アラドと無理やり縁談が組まれる。聞くところによれ
ば、騎士号叙勲を控えたアラドも極端に低い魔力しか授からず、最弱の騎士候補として一族から冷遇されているらしい。
「私たちって似た者同士みたいね」
アラドとの顔合わせで、ソミュアはたまらずそうつぶやいて笑いをこぼす。親の決めた相手だが、妙に気が合うのは境遇が似ているからだろうか。
この人となら一緒になりたい――そんな気持ちを抱き始めた頃に、いよいよアラドの騎士叙勲式が行われる。アラドはその式典で弱々しい魔術を披露し、笑い者にされるのだという。
そんな仕打ちが許せなかったソミュアは、こっそりと加護の魔術を使って周囲を見返してやろうと提案する。そうしてアラドの不幸な運命を変えてしまったソミュアは、己の力をアラドに捧げ、二人で幸せになろうと決意した。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-09-24 19:05:03
100068文字
会話率:33%
名門六貴族に名を連ねるロワール家の末っ子ソミュアは、加護の魔術しか授からず一族からお払い箱となり冷遇されていた。
それでも政略結婚の道具くらいにはなるだろうと、同じく名門六貴族ファルマン家の末っ子アラドと無理やり縁談が組まれる。聞くとこ
ろによれば、騎士叙勲を控えたアラドも極端に低い魔力しか授からず、最弱の騎士候補として一族から冷遇されているらしい。分相応の相手と言うわけだ。
「私たちって本当に似た者同士ね」
アラドとの顔合わせで、ソミュアはたまらずそうつぶやいて笑いをこぼす。親の決めた相手だが、妙に気が合うのは境遇が似ているからだろうか。
この人となら一緒になりたい――そんな気持ちを抱き始めた頃に、いよいよアラドの騎士叙勲式が行われる。アラドはその式典で弱々しい魔術を披露し、笑い者にされるのだという。
そこでソミュアは、恐ろしいアイディアを思いついてしまった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-08-28 18:06:16
9250文字
会話率:27%
叙勲したばかりの新米騎士に初めて与えられた任務は『光の魔力保持者の娘、アリア・レイクフィールドを王都の王立魔法学園まで護衛すること』だった!
一目惚れではないけれど、どこか気になってしまう少女。
だが、問題はこの騎士、ラルフ・ヴォルテクス
は鈍感過ぎることだった!
ラルフは自分の気持ちをちゃんと認識して恋愛まで発展させることができるのか!!
※『乙女ゲーのヒロインに転生したけど攻略する気はありません!』https://ncode.syosetu.com/n1998hf/ の登場人物で、主人公の相手となった、『あの丘へ君と共に』で主人公を王都まで護衛するが名前すら出てこない騎士ラルフ・ヴォルテクスが主人公の話になります。
乙女ゲー~の方を読んでからこちらを読むことをお勧めします。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-09-19 20:27:19
15788文字
会話率:24%
ダンジョンから溢れ出て街を襲おうとしたモンスターを一人で討伐したオデュッセウス。
彼は英雄と呼ばれるようになり、叙勲もされた。
だが国王は、平民であるオデュッセウスをただの道具としてしか思っておらず……。
「出て行ってやる!!」
とうとうパワハラに耐え兼ねたオデュッセウスは逃げてしまう。
並の場所ではすぐに見つかってしまうし人間不信にもなってきていたオデュッセウスは隠れ家にと、寂れた観光地となっていたダンジョンを選ぶ。
オデュッセウスはそこへ住み着き、道中で買ったスクロールより小間使いを召喚した……はずだった。
されども偶然の産物で『おかん』は召喚され、オデュッセウスを甘えさせて自堕落な生活へと変貌させていく。
「ニート最高♪」折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-05-26 16:08:00
2939文字
会話率:27%
苦節八年。フォルク・ファーランドは、念願の騎士になった。
ところが、叙勲の儀式で神から授けられたのは、戦闘スキルではなく育成スキルだった。
戦闘スキルを持たない者は、騎士として認められない。
フォルクは一日で、騎士の位を剥奪されてしまった。
フォルクは消沈したが、その育成スキルは前代未聞のユニークスキルで――。
この物語は、育成のユニークスキルで、既存の世界秩序を破壊してしまった男の軌跡である。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-04-14 21:25:03
37809文字
会話率:40%
日本語で”騎士”を称される存在は、おおむね4種類あります。
それは、
叙爵制度の騎士爵。
叙勲制度の騎士勲章。
修道士会としての騎士団の団員。
騎兵としての騎士。
です。
残念ながら、これらが一つの”騎士”という言葉でまと
められている為、日本人が騎士、および騎士団について調べようとすると、非常に混乱する事になります。
全ての原因は、複数の意味を持つ”騎士”を混在させている事にあります。よって、ここではそれらを区別して、順に説明して行きたいと思います。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-04-06 19:25:58
14329文字
会話率:3%
隣国と百年間続いた戦争をその凄腕の剣技で収めた騎士アトスは叙勲の際、好きなことを何でも一つ叶えると王から告げられた。
その問いに、人々は今後の彼の活躍を期待した。しかし、彼が望んだのは。
「俺、魔法が学びたい」
という、誰もが予期せぬ
ことだった。
そして隣国の魔法学園に入学することになったアトスは、その酷な現実を直視することになる。
学園は純血至上主義であり、混血であるアトスは蔑まれ、更には戦争を繰り広げていた隣国出身であることがバレると完全に孤立してしまう。魔法を練習しようにも魔法の才すらあまりなく、アトスは最弱、の称号をつけられてしまう。
そこで、アトスは煮えたぎる激情の元、何としてでも学園から混血への差別をなくすことを決意する。
これは最強の騎士が、魔法学園で最弱と言われ成り上がっていく物語である。
【幽焼けさんの企画したデスゲームに参加させていただいてました】折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-12-06 22:14:26
122305文字
会話率:49%
騎士になる事を志す見習い騎士のシドはある任務中、森の中で魔獣に襲われている子供を発見する。
激闘の末に魔獣を退治し、その功績から騎士叙勲の許しを得る。
そして騎士となる為の最終試練を受ける為、王都に住む叔父を尋ねるが――不幸な勘違
いから叔父の娘であるステラ嬢から不審者と間違われてしまう。
前途多難な自分の未来に不安を感じながら、シドの王都での生活が始まっていく。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-09-28 17:00:00
17229文字
会話率:31%
手野グループはその巨大さゆえに、特別措置が取られる。
最終更新:2019-12-01 00:00:00
587文字
会話率:0%
仕事辞めたい系主人公の自由な雰囲気でアットホームな社会人百合です。
軍に所属し研究や国防に努める魔術師、通称『宮廷魔術師』。国中の魔術師たちが憧れる、国家最高の魔術師集団。
主人公リザはその宮廷魔術師の中でも「若き国家の至宝」と呼ばれる。
二十五歳の若さにして大公から授かった十二の褒賞は、二百五十二年の歴史の中でも歴代最多の叙勲数を誇る。
そんな彼女の今月の手取り、二万三千円(日本円換算)。
今週の主な仕事、ネズミ駆除。
住んでいたアパートメントからも追い出され、後輩フィオの家に居候することが決定。
「こんな鼠退治ばかりやらされるのが、私の憧れていた宮廷魔術師だったのか……」
憧れと現実のギャップに、本気で転職を考える日々。
そんなおりに出会った一人の身寄りのない幼い少女。その少女には、なにやら秘密がありそうで……。
リザとフィオ、そして謎の少女。三人の家族ごっこのような、奇妙で暖かな日常が幕を開ける。
カクヨムにも同内容で投稿しています折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-12-21 22:15:22
100648文字
会話率:41%
生まれ変わったら異世界だった!?
そこは、地球と同じ物理法則が支配する、けれど魔法が存在する異世界。
そこに【俺】は、前世の知識を有したまま生まれ直した。
だから、【俺】はこの世界で生きていく。この世界を知る為に。
これは、前世の記憶を宿
したまま生まれ変わった【俺】が、冒険者となり、騎士となり、国の滅びを見届け、新たに国を興すまでの物語。
一話あたり文字数2,500~3,000です。
注:この作品は、PC横書き環境に最適化しております。その為縦書き形式やスマホなどでの閲読の場合、多少の不都合が予想されます。またブラウザごとの特殊環境は想定しておりませんので、予めご了承願います。
作者の活動報告は、画面最下部左「作者マイページ」よりお進みください。
本作の有効成分:
第一章:自惚れた主人公、孤児院改革、異世界技術、迷宮単独踏破
第二章:ケモ耳ヒロイン、技術革新、事件発生、旅立ちの準備
第三章:二人旅、他の地球人の噂、事件、迷宮攻略(二つ)
第四章:戦争、叙勲、決闘、船旅、学園、第二の転生者
第五章:逃亡、国家の滅亡、興国への決意、知識と教育、異世界産業、第一章again
第六章:再会、戦記、一騎打ち、経済戦争、測量、「地球を舐めるなファンタジー」、教育
第七章:竜、山、冒険、国造り
第八章:建国、戦記、旅立ち
次世代篇『拝啓、姉上様~異世界でも、元気です~(n4012ep)』及びその続篇『前略、親友殿~いつまでも、かわらずに~』(n2396gb)、現在連載中です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-12-13 03:00:00
954109文字
会話率:37%
異世界転生し、律法術(ゴーレム使い)師として、騎士(ナイト)への叙勲を目指すお話
最終更新:2017-10-12 20:58:10
40041文字
会話率:45%
和の文化は、地球外のものでした。
フツーの男子中学生が「従六位下」に叙勲されます。
子育てのためです!
飛鳥國は、もう一億年続いている王朝で11111代目の女皇が国を治めています。
最終更新:2016-12-24 17:04:42
27501文字
会話率:28%
トリスタン侯爵家の嫡男ウィズワルド。
努力に見合った順当な騎士叙勲を済ませ、美人な婚約者との婚姻を待つばかりという順風満帆の人生を送っていたが、彼には一つ大きな悩みがあった。
不幸過ぎる妹シャルロットである。
自分だけ幸せになるわけにはいか
ないと、婚姻前に妹と向き合う覚悟を決めたのだが……。
「悪役令嬢の記憶を思い出した妹を観察してみる」企画
企画者:舞加様
http://ncode.syosetu.com/n4418ct/折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-07-18 22:04:16
5482文字
会話率:36%
帝国大元帥を務めるアントン・ラグラスの娘マルトーは偉大なる父の助けとなることを目標に帝国騎士を目指すが、各地方を巡察し、そして帝都の変貌を目の当たりにして、帝国を覆う問題が極めて深刻であること、父が難しい立場に立たされていることを知る。マル
トーが晴れて帝国騎士叙勲が決まった日、幼馴染みの騎士ギムナス・アールセンと再会し、親睦を深めるが彼が
「王党派」と呼ばれる急進的な若手騎士達の指導者であり、アントンとは敵対する存在だと聞かされる。父を信じ、改革の成果が出るのを待って欲しい、とマルトーは訴えるが、話は決裂してしまう。ギムナスが王党派であることは秘密にすると誓ったマルトーだったが、直後に父のアントンから帝国騎士内の急進的な勢力の動向調査を命じられる。マルトーは即答して引き受けるが、内心ではギムナスを裏切るのか、父を裏切るのか、の二択に困惑し、己の無力に愕然とし自己嫌悪に陥っていく。
それでも騎士としての責務を果たしていたマルトーは、任務中に賊の子どもを殺めてしまい、五日間の休暇を言い渡される。悄然としながら家に戻ったマルトーに大貴族の令嬢からお誘いが届く。叙勲祝賀会で知り合い文通相手となっていたユーリシアからの誘いだった。お茶会の中でユーリシアの既存概念に囚われない自由奔放な考え方に感銘を受けたマルトーは、ギムナスともう一度向き合い、彼の性急な考えを止めることを決意する。だが、彼女の想定よりも早く、事態は動き始めてしまう。貴族の肝いりに新設された都衛士隊が帝都の新月地区を焼き討ちする事件が起こり、これが引き金となり王党派の騎士達は決起し、主要市庁舎の占拠、という行動にでる。次々と状況が進展していく中で、マルトーはもっと早く行動を起こさなかったのか、ギムナスが背負っていた苦悩を一緒に分かち合うことをしなかったのか、と自分自身を責め、無念さに慟哭する。その葛藤の中でマルトーはギムナスのことを想う自分自身の気持ちに気がつく。王党派の決起が不発に終わり、反乱軍として追い込まれている事を知ったマルトーは、ギムナスのために王党派への合流を決意する。新月地区にてギムナスと再会し、彼に自らの想いを伝えたマルトーは、ギムナスの命を助けるために帝都脱出を提案する。重傷のギムナスを逃がすため、囮部隊を率いて出撃したマルトーは、奮戦するも数に勝る正規軍に圧され、最後は自ら川に身を投じる。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2014-06-26 01:00:00
102089文字
会話率:44%