都会の喧騒と人間関係に疲れ果て、過去のトラウマを抱える新卒司書・西川絵美。彼女が職場として選んだのは、人里離れた山奥にひっそりと佇む私設書庫「月読文庫」。そこは、スマートフォンも圏外、外部との連絡は一台の黒電話のみという、まさに陸の孤島だっ
た。
「心身ともに強健にして、孤独を愛せる者」――奇妙な募集条件と破格の給与に惹かれ管理人となった絵美を待ち受けていたのは、膨大な未整理の古記録と、書庫の奥に存在する「開かずの間」、そして前任者が残した「決して深入りするな」という謎めいた警告だった。
静寂に包まれた書庫で、夜ごと聞こえる微かな物音や、謎の「彼女」の気配を感じ始める。
書庫に眠る『山守の日誌』、『異境遍歴記』、そして初代館主が遺した『月読文庫縁起覚書』。次々と紐解かれる古い記録は、彼女を深淵へと誘う。消えた万年筆、届けられた和歌と鳥の羽根、記憶を呼び覚ます花の香り――。彼女からの不可解なメッセージは何を伝えようとしているのか?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-07 07:40:00
10602文字
会話率:10%
『アウロラ写本』
それは紀元前を生きた者達の歴史と世界の成り立ちが語られている一方で、未完の神話としても有名だった。
「六百年もの間、途絶えることなく続いた『災禍戦争』の時代――それを神々の争いと呼ぶのなら、きっとその人にとって神話た
りえるだろう」
死の島に漂着した青年は、聖書に語られていない空白時代を知っているという隠者と出会い、物語は語られる。
青年は息も静かに居住まいを正した。
己の人生においてなにか変化をもたらすだろうことを感じ取ったのだ。
「さて、どこから話すべきか……そうだな、やはり黄昏の女神アーミラから始めよう。
苛烈を極めた時代を生きた、彼女達の物語――」
❖ ❖ ❖
異世界の空気感を表現するため文体を硬くずっしりしたものにしています。
戦闘描写や伏線も盛りだくさんなので是非読んでみてください。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-06 06:20:00
187595文字
会話率:27%
都の西、学問の中心たる白虎府。秋の深まる宵、右京大夫の聡明な姫、紫月は、類い稀なる書の才を認められていた。その筆跡は歌に込められた感情を鮮やかに描き出すが、彼女の心には、父の友にして既婚の陰陽師、千早への秘めたる想いが深く根を下ろしていた。
二人の出会いは、千早が解読を依頼した古き陰陽道の秘術が記された写本を巡るものだった。夜を徹して写本に向かい、墨の香りの満ちる部屋で言葉を交わすうち、理知的で彼女の才を尊重する千早に、紫月は心を奪われていく。ある夜、写本を返す際に触れ合った指先が、禁忌の情を鮮烈に紫月の心に刻みつける。その夜、彼女は叶わぬ恋の切なさを綴った和歌を密かに書き記し、文箱の奥へと仕舞い込んだ。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-25 08:39:19
5300文字
会話率:16%
「源氏物語」にたった一つだけ、“本文が存在しない章”がある――その名前は『雲隠』。
現代の女子大学院生・楠木遥は、古本屋で奇妙な写本を見つけたことをきっかけに、1000年の時を越える謎に巻き込まれていく。
なぜ『雲隠』は語られなかったの
か?
光源氏の最後に何が起きたのか?
これは、語られなかった物語をめぐる、文学と記憶のミステリー。
古典が苦手でも楽しめます。物語が好きなすべての人へ。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-04 08:00:00
5357文字
会話率:34%
その光は、祝福ではなく呪いだった。
修道士ギヨームは、聖なる書の写本を任される傍ら、夜ごと祈りの声に耳を塞いでいた。彼は幼き日、教会の祭壇の奥で「光」を見たという。それは神の輝きとは異なる、あまりに鋭く、あまりに人間的な目をしていた。
時は十三世紀。教会と王権が拮抗し、神の名のもとに人が火刑に処される時代。
ある日、辺境より一人の少女が連れてこられる。彼女は何も語らず、ただ“見る”ことで人々を震え上がらせた。目を合わせた者は、次々と口を閉ざし、懺悔をはじめ、ある者は命を絶った。
ギヨームは次第に、少女の視線の奥に、かつて自身が睨まれたあの光を見出す。
それは神の裁きか、人の罪か。あるいは、真実という名の、誰にも語られてはならぬ焔だったのか。
彼は禁忌を破り、彼女の素性を探るうち、自らの信仰の根を掘り崩すこととなる。折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2025-04-11 16:50:54
270文字
会話率:0%
英雄に憧れる少年クロ・クロイツァーは、悪魔の少女エリクシアと出会い「不死」になる。クロは不死身になってはじめて自分の才能を知る。手負いの獣のように、致命傷を負えば急激に強くなるスキル「死力」。本来なら使えばすぐに死んでしまう才能だった。しか
し、不死身になったことで、成長とは無縁のはずのそのスキルが、クロにとてつもない力を与えていく。
――それは、不死身の体で強敵と闘い、弱さのドン底から這い上がっていく少年の、泥臭い英雄譚の幕開けだった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-02 02:39:42
892758文字
会話率:27%
太平洋上に建造された、世界最大の写本(グリモア)研究機関、学術都市。
全ての写本(グリモア)の原点。世界を創りし七冊の『原典』を読み解くという目的のために、人々は学術都市へと集う。
16歳の少年、楠木雪斗もその一人。
ある特異な体質を抱
える雪斗は、現代医療では救えない義妹、夏希を助けるために、“生命”の『原典』を読み解くべく都市へ足を踏み入れた。
※カクヨムでも投稿しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-12-08 21:36:34
124584文字
会話率:46%
三日連続の投稿で、アイデアの枯渇に悩む筆者
しかし作品はそんなこと関係ない幸せなラブストーリー
架空の日本を舞台に意地悪な女子と文系男子が
ハッピーエンドを迎えるショートストーリー
最終更新:2024-11-26 14:02:53
1460文字
会話率:65%
ジャウハラ王国の王女アイフェは、魔術師を探していた。アイフェの弟であり、王太子であるバーティンが、何者かによって呪われているのだ。アイフェには、バーティンを助けるために、魔術師が必要だった。
写本のために、アイフェの叔母を訪ねてきたライルと
いう青年は、魔力があるのに、自分は魔術師ではないという。写本師五人分という報酬で、アイフェはライルを魔術師として雇った。
そして呪いに対応するため、アイフェはライルと、情報を集めはじめる。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-10-02 12:00:00
99043文字
会話率:53%
この世には、悪魔の書と呼ばれる魔導書が存在する。
書は選ばれし者の前に現れ所有者に人智を超えた強大な力を与えるが、同時に破滅をもたらすとも言われている。
遥か五百年の昔。
天空の王国・イーシュファルトにおいて、王兄の息子レオンハル
トが王国秘蔵の魔導書『蒼天のグリモワール』を盗み出した。
強大な力を手にしたレオンハルトは王国に石化の呪いをかけて国を丸ごと石化させると、忽然と姿を消した。
こうしてイーシュファルトは地上の人々から忘れ去られ、その歴史から姿を消すこととなった。
そして五百年の後。
突如、王国の姫・エリン=イーシュファルトの石化が解ける。
レオンハルトへの復讐と王国の再起を誓ったエリンは王国最奥部の秘密の宝物庫に赴き、そこに隠された悪魔の書を手にする。
それこそがレオンハルトの持って行った儀式用の写本ではない、悪魔の王が封じられた本物の『蒼天のグリモワール』だったのだ。
王国イチの超絶美少女にして武芸も魔法も超一流、悪魔と契約し、絶大な力を入手したエリンの復讐の旅が今始まる。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-09-29 06:05:58
115531文字
会話率:36%
街角の小さな図書館で司書のバイトをしているヴィルマ。そこに老貴族ヴォルフガングが写本を依頼し、彼女の仕事ぶりに感心する。
ヴィルマが「ここの本は全部読破しちゃったんで、もっと大きい所で働きたいんですよね」とこぼすと、ヴォルフガングはニヤ
リと楽し気に微笑んで「それなら良い働き口がある」と持ち掛ける。
中央通りの大きな図書館に通えるのかと意気込んでヴォルフガングと共に向かった先はなんと、王侯貴族が通う魔導学院付属の大図書館だった――。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-09-12 20:01:25
262898文字
会話率:33%
「僕は2か月後に死ぬ。そして君はその2日後、僕に殺されるんだよ」//
国境の修道院に母親と共に捨てられた、王の妾の子――王女・ヴィオレッタ。
彼女は母親が病で臥せってからは、一人で写字塔に閉じ込められるような毎日を送り、写本技師として
一生を終える覚悟をしていた。
そんなヴィオレッタの元に、近づく戦火のために修道院周辺を警護することになったという、美貌の神殿騎士が現れる。
彼は修道院に大金を積んで彼女を技師として指名し、「迫る戦いの前に、免罪符ならぬ免罪書を書いて欲しい」と依頼する。
ヴィオレッタは仕事として告解される罪を綴っていくが、偽名を使う彼が語る罪である過去は、自身と交錯していたことを知る。
そして彼の目的には、修道院の調査と、何よりヴィオレッタに自由を与えることが含まれているとも。
やがて免罪書の制作が終わりに近づいたとき、戦火が修道院に忍び寄り……。
この作品はカクヨムにも掲載しています。
お題「『君を逃がさない』系ヒーロー」で書きました中編です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-09-01 07:24:44
59842文字
会話率:40%
「バニーガールは巨乳だよな!」
「デカくて腕が二本じゃ足りないか」
「追加しようぜ」「二本でいいか?」
「「気持ちよくしてやるぜ!!」」
現代日本で戦死した妖怪と忍者のハイブリッド、二人で一体となる『合体怪忍』の少年忍者『灯夜《とうや》』
と座敷童の『紬《つむぎ》』。
あの世で忍者の女神に選ばれ、チートスキル『写本シン・萬川集海』を授かり、剣と魔法と怪物の異世界『エイブリア』に転移する。
「神様を誘惑するなんて悪い子たちだ。ご褒美あげるけど、手加減できないかも。死なずにガンバってね?」
「それって」「追試じゃん!」
「合格って」「言ったのに!」
「やめとく?」
「「ヤラせて下さい!!」」
二人に課せられた使命は、忍者の妊娠活動『ニンカツ』を行い、くノ一ハーレムを作って、失伝した忍者を復興させるコト。
それ以外にも何か裏がありそうだが、現代へ生き返るのを条件に、女神の依頼を引き受けた二人。
『迷宮学園ラビデミア』に入学し、ダンジョン攻略の冒険者ライフを満喫しつつ、くノ一ハーレム実現のため、王国の裏社会で暗躍を開始する。
二人で一体、全身を変形増殖させる究極の変型怪忍『ホワイトシャドウ』の特異能力と、古今東西の忍術忍法を網羅し伝授するチートスキル『写本シン・萬川集海』で異世界無双!
「エイブリアって、アチコチにダンジョン作る魔王が居るもんな。最深部に魔界とのゲートが出来るんだっけ?」
「そそ。マナの地下深くの空洞に転移門を作って、魔王がやってくるんだ」
「で、世界征服を企むと。《オレたち》が何とかすりゃいいのか?」
「それならおねーさん、隠さず言うと思うんだけどなー?」
くノ一ハーレムを作り『ニンカツ』三昧、《オレたち》の成り上がり学園迷宮ラブコメ!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-08-11 19:00:00
93130文字
会話率:59%
五月のある日、初夏は同じ秘密結社 空中楼閣に所属する男子高校生 鈴木と佐藤と山本と共に秘密基地でエロ本を読んでいた時、突然イツとゼンという美少女が現れた。彼女達は魔女であると名乗り、「フルール・ド・リスが持っているシューニャの魔導書を写本
した。」と頼んできたが、四人は知らないと答えた。
しかしその夜、初夏は亡くなった祖父がやっていた古本屋の二階に行くとしゃべるメデゥサの生首があった。初夏はメデゥサにフルール・ド・リスは出張中の父親でありシューニャの魔導書の所有者だと聞かされる。だがメデゥサは言う。シューニャの魔導書は危険なので誰にもばらすなよ、と。
初夏は言われた通り、黙っていようと思うが魔女たちによる探りと罠が次々と襲い掛かる。更に謎の美女 撫子が初夏たちの前に現れる。
果たして少年たちはシューニャの魔導書を守ることが出来るのか……。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-03-10 09:53:58
101176文字
会話率:58%
1年前の2月14日。三枝葵と高坂詩織はN大学の図書館で行方不明になった。三枝先輩からチョコを貰うはずだった青柳信之はあきらめきれず、一年後の同じ場所。同じ時間。落ちていた同じ本と魔導書を用意し願った。「あの二人に会いたいです。女神様、お稲荷
様、誰でもいい」と。
ノブユキは転移した。二人が来た世界へ。しかし、勇者召喚によって呼び出されたが、勇者じゃない。と言われ、女神からの加護も魔法属性も「無」さらに王様から処刑宣告され、何とか回避するも、なぜかギルドの臨時職員に。城で手に入れた魔導書【ナコト写本】の中ではお稲荷様のフォックスと悪魔ラプラスが対峙。エルフのあんなシーンや獣人とのこんなシーンはあるのか。お約束の奴隷商での出会いは。
「いつになったらあの二人に会えるのか」
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-02-15 03:00:00
12015文字
会話率:57%
第7王子ルーカスは幼少時、殺人鬼に誘拐された。一命は取りとめたものの重い傷を負った。自分は平民女性だと主張するが精神疾患とされ、北の修道院に送られてしまう。
それから8年。王国を疫病が襲い、後継を失った王は第7王子を呼び戻す。修道士となった
王子は復帰に気が進まない。城では嫌がらせにあうが持ち前の鈍感力と才能で切り抜ける。見た目は天使、中身は女子力高めの写本オタクは義姉や異母妹らに影響を与えていく。最後はラブなハッピーエンド。全15話。アルファポリスにも掲載。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-02-03 23:52:56
30530文字
会話率:47%
男爵家のリリーは人と話すのが苦手なので、人と関わらないで済む図書館写本部で働きたかったが試験に落ちてしまった。困っているリリーに公爵領図書館の館長が声をかけた。
最終更新:2023-12-28 07:23:15
1000文字
会話率:35%
ルイス・フロイス著『日本史』は、『信長公記』と並び、織田信長研究の際の第一級資料として名高い。その原本は1835年に散逸してしまったが、ほぼ完全な形の写本がそれより以前の1742年に製作されていて、こんにちでは主にそちらを底本としての研究
が盛んだった。
しかしこのたび、日本国内のある個人宅において、新たな写本が発見された。その写本は、炭素測定の結果、おそらくは1600年代前期頃の製作とされ、1742年の写本製作の時点で既に散逸していたと思われる補遺や幕間の存在が明らかとなった。これらの文書群が失われた経緯は判然としないが、内容の特異性から、日本の一般的な習俗を紹介するという使命を負った文章に相応しくない特殊な出来事を執筆者であるフロイス自身が添削した可能性が指摘されている。
当文書は、古ポルトガル語で書かれたその文章を、サミュエル・D・ルバートンが生成AIを用いて英語訳したものを、奥健秀が更に和訳したものである。文章中の表現においては、出来得る限り古ポルトガル語の原本とルバートンの英訳本を対照しながら、生成AIでその整合性をチェックしつつ日本語の適当と思われる表現に変換している。しかし、場合によっては古ポルトガル語の語感を残した方が良いと思われる部分も有り、その点についてはルビ等を利用しつつ、原文の雰囲気を再現することに努めた。
なお、文章中の文語「的」表現もまた、原文の雰囲気の再現を企図したためである。本文書は一般向けの流通が行われる予定のため、一部の部分には意図的に現代語を併せて用いることで物語としての「分かりやすさ」を損なわないようにすべしとの生成AIの提言があり、彼との協議の上で、敢えてこのような表現を行うこととした。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-06-26 13:22:58
3409文字
会話率:85%
室町後期、日本の田舎の摂津の山奥の(高い山にあるお城で高山城だ)小領主飛騨守様が新入りの左衛門に奥方の安産を祈願するためとかの理由で聖典経本を取ってこいと命じる。領地の村で同行者を募るがことごとく断られ、一人で紀伊に行き船を手に入れ南蛮国を
目指すが黒潮に押し戻されて頓挫、なぜか対馬に流れ着いてしまう。仕方なく朝鮮に渡り徒歩でのローマ行きを目指すが、宗家のご領主から聖書の存在を知り和訳写本を借りて読んでみたところ、聖典は聖地で写本するものと勘違いしなぜかイエルサレムへ行くことに。
途中で出会ったチョーセンの天才貧乏人の子と中国の武芸百般の食いしん坊太っちょ、ロシアの野生少女を連れて、まるで西遊記の珍道中
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-04-11 13:15:15
29010文字
会話率:58%
おじいさんはある日、可愛らしい仔犬のようなものを拾いました。
仔犬のようなものは、筋肉隆々とした堂々たる偉丈夫に成長しましたが……。
とにかく下ネタ注意です。
最終更新:2023-01-04 15:34:43
1657文字
会話率:12%