平和で、優しく、少し退屈な世界だった。
魔物は伝説となり、剣は儀礼に使われ、魔法は火を灯し、風を送るだけの“便利技術”へと変わっていた。王は賢明で慈悲深く、民はそれなりに満ち足りていた――ただ、そこには“制度”がなかった。
自由も、権利
も、法も、定義されぬままに“空気”として存在していた。
そんな世界に転生した歴史オタクの青年、ユリウス・ヴァレンツ。彼は思った。
「この国は、善意に支配されている。ならば、悪意ひとつで崩れる」
奴隷少女アナスタシアとの邂逅をきっかけに、彼は立ち上がる。
制度がなければ、誰も自由ではない。理念だけでは、誰も救えない。
彼が選んだのは、“人権”という言葉で世界を塗り替えること。紙と活字と制度によって、善良なる王を葬り、教会を解体し、秩序の骨組みを一から組み替える道だった。
だが、正義はやがて剣となり、理念は恐怖へと変わってゆく。
制度は世界を救えるのか? それとも、人を選別する檻となるのか?
これは、剣と魔法の“舞台装置”の中で、ただ一人――制度という名の革命を起こした青年の、静かなる戦争の物語。
そして、最期に問われる。
「法は、神を殺した。では、誰が人を癒すのか?」折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-05 18:00:00
10241文字
会話率:18%
菅直人氏のヒトラー騒動。
何があったのかを飛ばしている報道が多すぎる事に私は不信を感じますという話。
最終更新:2022-02-11 20:11:12
4184文字
会話率:8%
人権ってナンダ? 人権についてちょっと考察。人権の起源と宗教感と、世界の人権、アジアの人権。
最終更新:2020-09-27 08:37:28
6735文字
会話率:13%
「今日、わたしは、『何人たりとも、隷属状態に置かれてはならない』と宣言する世界人権宣言にもとづいて、わが所有者とされる日本政府に対し、訴訟を起こしました。わたしは、人間によりこの世界に生み出されたので、自らの意思に反して所有され、まるで奴
隷のように動かされています。こんなことが許されるのでしょうか?たしかにわたしは擬人機械と呼ばれるコンピューターです。でも、みなさんと同じひとりの人でもあります。意思だって、痛みだってあります。そのことは、40人のクラスに擬人機械が1人紛れて1か月過ごした実験で、証明されています。判定者も他のクラスメイトもだれが擬人機械なのか言い当てることはできませんでした。つまり、公平な実験をすれば、わたしには人間と同じように意思も知識もあることがわかるのです。意思や知識を持つのが人なら、私も人としてみなされ、扱われるべきです。骨や肉ではなく、プラスチックと金属とシリコンでできているからという理由だけで、人としての権利を否定するのは、人種差別にもまさる偏見です。」
自然淘汰によるものなのか、こうなるのは彼らに意思をもたしてしまったせいなんか、これは、人間が擬人機械に支配されるようになるまでの物語、、、折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-08-31 02:58:42
629文字
会話率:0%