夜、その建物の中でポタッ、ポタッと水が滴り落ちる音と足音が響く。
外は雨……ではない。何日か前に降った雨が屋上から下へ下へと染みこんでいるのか、それとも配管から漏れているのか、いや、水道は止められているはずだ。
ここは廃墟。彼の仕事は
そこの巡回。
なんだってこの俺がこんな仕事を……。
という心の嘆きは足音に表れることなく、ただ体の内部で繰り返し繰り返し木霊し続けている。
この社会が、実力主義であることはわかっていた。受け入れていた。望んでもいた。
……自分が一番前を走っている時は。だが、今や若い連中に職を、居場所を奪われ……
「ああっ!」
と、彼はとうとう堪えきれず声を上げた。肩に水滴が落ちてきたからだ。
彼は手で払い、そしてその手もまた、ぶんぶん振った。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-12-31 11:00:00
1621文字
会話率:10%
あたい夢みてるの。
いつかお姫様になれるって。
これはそんな、お肉の夢。
最終更新:2023-11-01 06:00:00
1108文字
会話率:0%
「お前みたいな奴は、何処に居てもお荷物なんだよ!」
毎回そう言われ、毎日違うパーティーを転々と移動するエデンはGランク冒険者。つまり最底辺の初心者Fランクよりも下の、見習い冒険者だった。
エデンの実力は最底辺の中でも下の下。1番弱いと言
われるスライムの討伐にも3時間は掛かる程の強さだった。
上から下へと剣を振り下ろそうするとそのまま剣の重さで後ろへ倒れ、槍を持って突こうとしても槍先がブレて簡単に相手に避けられ、大盾を持って相手の気を惹こうとしても身体の小ささからか無視される、etc……。
そんなエデンが武器にするのは、よく路地裏で捨ててある錆びついた果物ナイフ。
孤児で働き口もまともに無いエデンにとって、冒険者だけが生き残る唯一の道だった。
そんなエデンはある日、ダンジョンの入り口付近で地面の切れ込みに果物ナイフを入れる。誰もが素通りする入り口でも戸惑うエデンだったからこそ、入った切れ込みだった。
果物ナイフが入ると、ダンジョンの床は光を放った。
それからエデンの最強への道が拓かれた。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-01-12 20:09:57
31957文字
会話率:31%
周りからもお墨付きの「変態」こと崎原麻貴は、膝枕に憧れていた。
大学の通学途中、痴漢をされている女子高生を発見する。間に入り痴漢を止めて女子高生の姿を上から下へと凝視すると、綺麗な大腿四頭筋を目にする。
ろくに会話が出来ずに別れてしまったそ
の後、大学で仲良くなった女性の妹ということが判明する。
あの太ももで膝枕をしてもらってから墓に入りたい、そんな動機で崎原はあの時の彼女と会おうとする。しかし彼女は会いたくないようで……。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-08-01 02:22:12
703文字
会話率:36%
吸血鬼、幼児化(5歳位)発狂 欠損 嘔吐 失禁 虚無
上記の描写があるため苦手な方はご注意ください。
あらすじ:元バンドマン、元人間は事故で左腕を欠損後無職に。
アカはコンビニへ買い物の途中、おれと遭遇したらしい。
なんでも、子供に食らい
つこうとしていた間に割って入ったらしい。少し吸われたら大人しくなったところを殴って気絶させたそうな。
血に飢えていた。
理性では死ぬ気だったのに、本能が勝手に血をの止めたのか。こりゃ飢え死するには拘束されなきゃ無理そうだ……。
考え事から現実へ戻り、子供を助けてくれた男を上から下へ初めてきちんとみる。するとどうしたことだろう、男の二の腕から下が無かったのだ。
「おまえ……片腕……。おれが食った?」
「いやいやちげぇよ。こりゃ元からだ」
「そ、そうか……よかった……」
カナタは、安心感からそっと息を吐いた。
「どんだけ安心してんだよ。吸血鬼って血を吸うだけじゃねえの?」
カナタの様子を見て少し笑いつつ、疑問を投げてきた。
「その認識で間違いねぇ」
「じゃあなんて自分が食ったなんて思ったんだ?」
「…………」
このままの足れ死ぬと思ったあの時、あの瞬間――。
カニバリズム(人肉嗜食)衝動が芽生えたからだ。『人間を食べたい』と確かにそう思った。
アカが割り込まなかったら、おれは子供を食っていたんじゃないか――。
「オレァもともとバンドマンだったんだ。んで片腕失った時にやめた」
アカは一向に喋らないカナタにしびれを切らしたのか、沈黙を破った。
「そ、そうなのか……」
片腕を失ったからやめざる負えなかったのか……。
「んでその時稼いだ貯金で食ってる。いま無職」
あっさり身の内を話すアカの口調は、過去をまるで引きずっていないように感じた。
「つーか普段は義手つけるぜ。カッケーやつ」
続いてアカが言った。
スムーズに装着する場面まで見せてくれたそれは、能動義手というものらしい。腕にピッタリとフィットした義手はオーダーメイドで作られたようで、確かにカナタが遭遇したよりも前からそうであったことをうかがわせた。
「そえばおれ、おまえに血、吸われたんだけど。たしか……吸血鬼って人間も同族にするだっけ? え、俺、人間じゃなくなった?」
「……いや、人間だ。吸血鬼は同族を作れる。自分の血を分けたらな」折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-11-15 23:14:21
17762文字
会話率:35%
軽く上から下へ目を通すくらいで大丈夫です。
キーワード:
最終更新:2017-10-12 20:16:12
231文字
会話率:0%
スマホ片手に車に跳ねられ亡くなった高校生、高月神威(たかつきかむい)
目が覚めると目の前には自らを神と自称するバスローブを羽織ったオヤジが…
そしてひょんな事から神威はそのバスローブ神により異世界へと転生させられる。
向かった世界は「ヴ
ァロニア」と呼ばれる世界。
そこは電気も車も無いが魔物は居る、現代人には過ごし難い世界。
そんな世界でどうやって生きていくのか…
これは、そんな彼の冒険(じんせい)を斜め上から下へ急降下して平行線な描いた物語である。折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2017-08-16 05:33:18
2558文字
会話率:49%
それは突然の出会い。
ある日の退屈な授業中、窓の外を眺め暇を潰していた主人公「稲荷 廉太郎(いなり れんたろう)」の前に、その少女は現れた。
非現実的な出会い。少女は上から下へと……飛び降り自殺をしたのだ。
廉太郎はその異様な光景に
驚き、すぐに窓を開け地面を確認するも……そこに少女は居なかった。
これは現実だったのか、幻だったのか。この数奇な出会いは、廉太郎のその後を大きく変える事となる。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2014-05-08 13:03:39
4548文字
会話率:48%
はるか遠い未来の地球の話。大陸での戦争を避けるため太平洋の中心に『タワー』が建てられた。それから更に月日が流れ、王族、上層市民、下層市民に分かれた人々が平和な生活を享受していた。
しかし、このタワーは唯一の欠点があった。王族、上層、下層
で使われる文字が全く違う。そこで、『翻訳士』と呼ばれる人々が、全ての文字を理解し、文書を翻訳することによって、上から下へ、下から上へとの情報伝達を担っているのだ。
主人公、シリル=オースティンは、幼いころからの憧れ『翻訳士』を、友人や恩人と共に目指していく!
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2013-09-23 14:25:28
4066文字
会話率:46%
「私たちが普段認識している世界を、テレビの1chとしよう。ではその“普段認識している世界”が“1ch”だと定義してくれるのは誰なんだろうね?」猟奇殺人事件に巻き込まれた親友の死を追った先に、遺された彼が何を見て、何を観たのか。 chはそのま
ま。三流ドラマの開幕です。どうぞ右から左へ、上から下へ御視聴ください。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2013-05-02 12:40:18
7182文字
会話率:40%