この物語は、世界を救わない。ただ、ひとつの腕輪と槍と少年である。遺物は語らず、獣もまた沈黙する。名もなき男ヴォルトが拾ったのは、呪われた腕輪を身に着けた少年リオだった。助けたのではない。取引だった。ただそれだけの始まりが、終わらぬ旅になった
。男は槍を携え、言葉を削り、必要なときにだけ動く。少年は最初、荷物だった。やがて動き、盗み、交渉し、肩を並べるようになる。それでも男は語らない。感情を晒すこともない。ただ戦い、守り、火を起こす。その背中を見て、少年は選ぶ。「俺はこの人と行く」と。血も信仰も通わぬこの時代で、語られぬ絆が確かにあった。腕輪は少しずつ少年を蝕み、その力に世界の残滓が蠢き始める。だが彼らは振り返らない。理由も使命も口にしない。ただ、生きるために進む。今日も、何も語らぬまま。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-15 12:59:44
12520文字
会話率:8%
「またね」シリーズのひとつ。時系列は「行方」の後。
土井の部屋。幸美は土井に質問を投げかける。アイヴズの曲が流れる。
* * *
── 世界は不思議で満ちている。
── そして疑問でできている。
「ねえ、私
はどうしてここにいるのかしら?」
「また突然だなあ」
疑問に対する答えはあるのか?
1990年前後のお話。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-09-11 12:07:21
41772文字
会話率:25%
──あらすじ──
自分の部屋に「閉じ込められた」僕は、得体の知れない「スズメ」という少女とチャットを始める。
彼女が言うには──僕は異世界に転移してしまった!?
さらには、僕は異世界で、しかも自分の部屋から出ずに「安楽椅子探偵」をやら
なきゃいけないらしい。
意味が分からない……!
しかし、僕の理解が追いつかないままに、僕とスズメと仲間達とのちょっとエッチ(に今後なっていく予定なんですが、なかなかなりません……)な仲は深まっていく……
しかし、その裏には陰謀が──?
*
この小説は元々ウルトラジャンプの漫画原作コンテスト「エロ×異世界」に投稿するために書いたものでした。
でも、描きながら動きの無さに絶望し、漫画は無理だから小説にすることにしました。
既に原稿用紙100枚分くらい書き溜めてあるので、少しずつ放出していきます。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-07-24 20:28:03
16477文字
会話率:28%