この物語は、世界を救わない。ただ、ひとつの腕輪と槍と少年である。遺物は語らず、獣もまた沈黙する。名もなき男ヴォルトが拾ったのは、呪われた腕輪を身に着けた少年リオだった。助けたのではない。取引だった。ただそれだけの始まりが、終わらぬ旅になった
。男は槍を携え、言葉を削り、必要なときにだけ動く。少年は最初、荷物だった。やがて動き、盗み、交渉し、肩を並べるようになる。それでも男は語らない。感情を晒すこともない。ただ戦い、守り、火を起こす。その背中を見て、少年は選ぶ。「俺はこの人と行く」と。血も信仰も通わぬこの時代で、語られぬ絆が確かにあった。腕輪は少しずつ少年を蝕み、その力に世界の残滓が蠢き始める。だが彼らは振り返らない。理由も使命も口にしない。ただ、生きるために進む。今日も、何も語らぬまま。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-15 12:59:44
12520文字
会話率:8%
これは、新米解呪師と呪物コレクターを自称するやばい幼女が手を組むまでの出来事を描いた物語。
最終更新:2024-01-18 12:01:47
6688文字
会話率:48%
クレインズ魔法学院を卒業し、召喚術師見習いとなったキャロルは今日もお師匠さまの下で修業中。でもやっていることは従魔召喚ではなく、なぜか傀儡操作の修行。その上、お師匠さまの師匠の命令で、危険な山岳地帯へ千年前の戦争の遺物探索に向かうことに。
いや、せっかくだから実戦のひとつでもしてこいとか、そんな「ちょっと蜜柑買ってくる」みたいな気軽さでいわないでくださいよ。
いやいや、お師匠さま、なんでそんなはしゃいで、え、帝国にいる姉弟子へのお土産を買いに行く?
いやいやいや、ちょ、待って、待ってくださいお師匠さま! お師匠さま!?
いったい、キャロルの修行はどうなるのか?
え? あたし、従魔召喚術は門外漢だよ。
え”っ!?
い、いったい、キャロルの修行はどうなるのか?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-06-29 12:00:00
178442文字
会話率:38%