昔々、海には人知れず人魚がおりました。
彼らはとても珍しい生き物だったので、陸の人間に狩られないように深い海の中でひっそりとくらしておりました。
そんな人魚達の中でも、特に好奇心旺盛だった一匹の人魚は、海を出て地上に行き、人間と恋をして魂を
得る事を夢見ておりました。
一方、地上では一人の貴族の青年が魂の実在を確かめる為に崖から身を投げようと考えておりました。
結局、いつも地上を見つめていた人魚に運良く助けられた彼は、他の方法で魂が実在する事を確かめる為、人魚に協力する事にしたのです。
「まず一つ、"中国語の部屋"と言う実験があってな……」
"喜び、悲しみ、および欲望には、したがってまたそれらから合成されたすべての感情、あるいはそれらから導き出されたすべての愛、憎しみ、希望、恐怖などには、我々を刺激する対象の種類だけ多くの種類がある。"ーバールーフ・デ・スピノザ
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-09-23 17:26:18
18423文字
会話率:45%
代々、特殊な能力を受け継ぐ家系に生まれた孤独な貴族のアリオン・クリフォードには、受け継がれる特殊な能力以外にも、能力がありました。
彼はその能力により、いつか出会う、唯一の相手を来る日も来る日も待ち続けていました。
ある日、その唯一の相手
と出会った瞬間、すべての感情が湧き上がり、彼女を溺愛するように。
甘やかしたい(出来れば、監禁したい)彼と、何とか仕事をさせて欲しい彼女が夫婦になるまでの物語。
この物語は、『御都合主義の怠惰な奥様は、永遠に夢の中。』のアリオン視点です。
読んでいなくても、分かる仕様になっている…はずです。宜しければ、そちらもご覧ください。
色々、膨らませたい部分があるので、改稿するかもしれません。もしくは、別で、短編を作るかもしれません…御承知おきください。
※設定はゆるめに、大目にみてください。
※ブックマーク、評価、誤字脱字報告など、いつもありがとうございます。励みになります!宜しくお願いいたします☆折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-02-06 00:50:02
9800文字
会話率:39%
※本作品は『カクヨム』様、『LINEノベル』様でも掲載しております。
二〇一九年。日本の年号が変わった最初の夏。梅雨がやってこない、高低差の激しい町での物語。
町には水害の影が迫る。空模様はよくとも、みな、言葉にならない不安を抱えてい
た。それでも忙しい中高生には日常という時間が押し寄せる。
そして世界には、技術的特異点――シンギュラリティの時が迫っていた。それは世界の分岐点。人類が生き残れるかの瀬戸際だ。
人類を凌駕する人工知能。それを搭載した機械生命体。それらが席巻する世の中では人類は排除されるかもしれない。それを阻止するためには、人類の価値を示さなければならない。
人類が持つもっとも価値のあるものは『心』だ。見て、聞いて、感じるすべてのもの。すべての感情。ありのままのそれらすべてを、機械生命体に埋め込む。そうすればきっと解る。人類には生存するだけの価値があると。
どこにでもいる少年少女。ひとりの天才。そして機械生命体。
彼ら彼女らの日常が、『物語』として語られるとき。その幸福が、苦悩が、激情が、愛が。未来の支配者たちの『心』にどう影響を与えるか。
人工知能と人類との共存を描く、近未来SF。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-02-26 01:46:18
83178文字
会話率:50%
僕は君の心なんだよ。
僕はある事があってから、すべての感情を失くしてしてしまった!
両親と弟が火事で亡くなったんだ!
それからの僕は、感情がない!
いつか、、、? 僕は感情が戻るのかな、、、?
最終更新:2018-08-03 03:00:00
1537文字
会話率:36%
投げ捨てた卒業アルバムが開き止まったページには、縦に四列、横に八列に並んだ小さな正方形のマスの中に将来への希望に満ちた笑顔を浮かべたクラスメート達が収まっていた。だがそのマスの中になんの感情も読み取れないひとりの男子生徒がいた。それは親友の
青山幸雄だった。そこに写る幸雄の顔からは人間が持っている喜怒哀楽すべての感情がそぎ落とされていた。いま改めて見ると、その写真は幸雄の人生そのものを表しているようだった。写真撮影の一週間後に幸雄はこの世を去った。親友がこの世を去ったときから、怜音が見る景色は、はっきりと変わった。人と接する時、目の前で笑っているこの人も明日突然消えてしまうんじゃないかという恐怖を感じるようになった。今から四年前、一緒に卒業するはずだった親友は、何を想い、どんな景色を最後に見たのだろう。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-03-08 12:00:00
12773文字
会話率:27%
死ぬ事に救いを求めて1人の女郎が海に飛び込んだ。痛み、苦しみ、悲しみ、、、すべての感情に別れを告げるため
しかし女郎は生きていた。戸惑う女が顔を上げて驚愕する。そこには見たこともない世界が拡がっていたのだった、、、
最終更新:2017-02-20 04:17:10
1720文字
会話率:23%
この作品の語り手の少年はクローンの人間である。作中に出る「あの頃の僕の日記」は実は彼自らではなく、彼のコピー元の亡くなった少年が書いたものである。亡き少年が自分の記憶をクローンの彼に残すべくして毎日細かく書いた生命記録がその「日記」である
。そして、クローンの主人公にまだ予備のクローンが用意されてある。彼、クローンは、いずれ自分が死んだら、元の少年が書いた「日記」のみならず、クローンの自分がその日記を読んだ時の感想、という自分が生み出したアイデンティティをも次のクローンに伝えるために、元の日記に「解説」を書き加えた。この「日記」と「解説」を合わせ、彼ら2人の視線に観察されたもう一人の、彼らと似た状況にある、クローンに記憶を残そうとする、「ヒメ」という名の少女の生き様を書き記した。
ヒメは3年間をまたがる膨大な計画を巡らせ、少年の殺意を煽りヒメ自らを殺すように計らった。自らの死と同時に体内の核融合炉を暴走させ殺人者の少年を道連れにした。目的は「殺したいほどの憎しみというもっとも激しい感情と、殺人を起こしたあとの我が身を案じる恐怖が、少年の日記を辿ってクローンに伝わるかどうかを確かめることである。そして、自分の科学者としての使命感と、弟の少年を翻弄さ悲惨な最後をと遂げさせた罪悪感が、クローンに伝わるかどうかを試すという同時進行のもう一つの実験例でもある。」
それから、そもそも全ての計画の首謀者ー彼らの父親には、クローンに記憶を残す形で寿命の制限を越える新しい人類の祖となるべくして育んだ二人の絆を深まらせるのと同時に、彼らの持ち得るすべての感情を身内に一度体験させ、他の人間の思惑に惑わされ難いように仕立てる意図もあった。
斯くして二人は殺し、殺され、死に、蘇る、というような過程を辿り、強化された兄弟の絆を得る。それからは国際的なテロリスト集団を束ね、技術の進歩に伴わず停滞した道徳倫理に未だに支配されている世の中を急進化させて行くのである。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2014-07-23 04:38:18
44820文字
会話率:59%