畠山の息子は産まれ持った心臓の病気と不慮の交通事故で半身不随であり、闘病を余儀なくされていた。心臓移植をしないと助かる見込みはないと宣告。妻は焦燥感のまま、病院帰りの公園で偶然にも息子の交通事故の原因ともなった同級生と遇う。抑えられない衝
動に思わず少年の首を絞め、死に至らせた。殺してしまったと思い、我を忘れその場を逃げだした。ところが死んでおらず、意識を失くし気絶しただけであった。
その行為を物陰から見ていた男がいた。少年が偶然に公園へ来たのではなく、誘拐による金目当ての為に呼び出したのだが、意識を取り戻した少年を黙らせる為、つい絞め殺した。結果的に畠山の妻に殺人犯の罪を被せることにした。少年を絞め殺したと思い込んでいる彼女を強請り始める。畠山の妻は殺人と言う途轍もなく大きな過ちを犯してしまったと思い込んだまま日に日に追い込まれていく。警察へ自首するなど息子のことを考えると到底出来ない。人殺しの子供と世間から非難を浴びれば間違いなく病気治療なんて有り得ない状況になる事は判っている。
妻の異常な塞ぎ込みように畠山は当然不審を抱き始める。最初は息子のことで追い込まれているものと思っていたが、刑事が会社に来て探りを入れてきたこともあり、まさか妻が米沢氏の息子を殺害したのでは、と警察からの追求も含め、疑いを抱き始めた。畠山自身も妻に言えない体調不良を抱えており、診断結果を貰いに出向いた病院での宣告は、末期状態の膵臓ガンで余命短いと。
そのまま自宅に戻り、失望と感慨に浸る中、最悪の事態が起きてしまった。妻が一時自宅療養と帰宅した息子と無理心中を図ろうとしたのだ。寝室に飛び込むと行き場を失った妻が息子の首を絞めているではないか。驚愕しつつ、妻の悪魔的行為を阻止した。事態を回避できたと思いきや妻自身が一人で自殺してしまった。
畠山は今できる最後の決断を下す。妻の死、何れ自分も死ぬ。そうなれば残された息子の面倒、これからの人生は誰が見てくれるのか。頼れる人が居ないならばと考えた挙句、妻の犯人としての疑いを揉み消す事。自分の手で息子を殺し、自首して全ての事実を隠し通す。
障害を背負う親とは一体どんな想いで日々を送るのだろう。もし、自分が病に侵され快復の見込みがないと告知された場合、いったいどのような決断をするのか。障害の子供を持つ親は苦悩し、局面での決断と行動。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2012-04-14 21:39:03
152785文字
会話率:35%
ある幸福に飢えた男は、焦燥感に浸っていた。
最終更新:2012-03-20 23:00:00
5858文字
会話率:64%
明確な夢が見つからないことに焦燥感を感じる「私」は、宇宙好きの幼馴染との関わりの中で少しずつ変わっていきます。
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最終更新:2011-07-09 22:30:13
3708文字
会話率:28%
高校生の克彦は、誘われてジャズのライブハウスでギターを弾き始めるようになった。
常連客のれーこは、そんな若い彼を羨ましげに見るばかり。
バンマスである大針の元へ、バークリーへ留学中のギタリスト杉本が訪ねてきてから、克彦の周りにはきな臭い事件
が多発するようになり…。
ジャズに取り憑かれた大人たちの焦燥感と、若くまだ名もない、しかし才能ある見習いミュージシャン克彦の音楽への思いを感じていただけたらと思います。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2010-08-27 10:09:48
34617文字
会話率:42%
達也は愛器である銀のアルトサックスとともに海へと沈んだ。
兄のように慕っていた良は、「プロのミュージシャン」になりたいと願いつつもなれぬ焦燥感に取り憑かれてしまった人々の思いとともに、彼の死の真相を探して歩く。達也の妹であり、良の恋人でもあ
る美奈子の笑顔の真意は…。
銀色に輝くアメリカン・セルマーがモチーフの青春音楽小説。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2010-01-18 10:12:58
9538文字
会話率:26%
ロリータ女と暴力男の日常風景。
現代日本の片隅にいそうな変なカップルのお話。
少女のままでいたい願望。大人になる方法がわからない焦燥感。
危うい関係のまま、当たり前に日常を送るバカな若者ふたり。
*軽いDV表現があります。
最終更新:2010-05-19 02:38:32
5717文字
会話率:38%
A子の本当の腕とは…
最終更新:2009-10-03 19:46:21
169文字
会話率:0%
終戦を迎え、十年の歳月が過ぎた日本国。《感染者》として《療養所》に押し込められた一人の少女は、今まで見たこともないような悲しみ、焦燥感、狂おしい程の絶望を知る。しかしそこに、彼女の運命を嘲笑うかのように一人の青年が現れた。李焔と名乗るその彼
は、酷くゆっくりと、しかし確実に恭子の心を支配していった。名もなき《感染者》たちの奏でる哀しみの音は、ほら、こんなにも歪んでいて――――…折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2009-07-30 02:54:31
23452文字
会話率:26%
恋に傷付き恋愛に臆病になってしまった主人公。親友に彼氏ができ、孤独と焦燥感にかられる。そんな時一人の男に出会う…。もう恋なんてしない。…と閉ざしていた心が次第に開けて行く…ー。だが、過去のトラウマから一歩が踏み出せない…ー。また傷付くのが怖
い…。主人公の心に光わ差し込まれるのだろうか…ー折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2009-06-07 23:41:25
311文字
会話率:0%
「愛なんて嘘で、夢なんか無い」ごく普通の女子高生、黒江凛子は、日々を過ごしながら慢性的な虚無感と悲壮感を抱えている。優秀な両親と、高校一人気がある昌治を彼に持っていながら、数学教師の青木と関係がある。心の空白を妄想で満たす対象は、バイト先の
常連客の男「コラン」だけだった。一方、その「コラン」立木祐平はただの大学生で、卒業を間近に焦燥感を漠然と抱いて生活している。モラトリアムにしがみつく二人が出会って、心通わせるが、やがて凛子と青木の関係がバレてしまって―折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2009-04-12 23:20:42
39922文字
会話率:30%
ばらばらに置いてある日常の情景を積み上げて憧憬へ。さもCDを聴くような感覚でショートショートな文章を。
最終更新:2009-02-26 04:30:06
423文字
会話率:0%
振り返るといつも彼女の笑顔があった気がする。単調な毎日を送る僕には焦燥感だけがしかなかった。そんな時、彼女は僕の前に突然現れる。眩しすぎるくらい彼女は輝いていた。スポットライトを浴び目標に向かってただひたすら走り続けていく。そんな彼女の背中
を僕はただ見つめることしかできなかった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2008-11-17 22:28:45
7997文字
会話率:16%
美しい肉食魚である『彼女』の餌として買ってきた、幼い金魚のデイーと接しているうちに、冬来の胸にはいつしか、正体不明の焦燥感が宿るようになっていた。
最終更新:2008-09-28 03:19:28
3881文字
会話率:43%