中核病院の外来ナース・白石あかりは、夜勤明けのロッカーで“白い花のマーク”が書かれたメモを拾う。
ただの悪戯と思いきや、同僚や患者の持ち物にも次々と現れはじめ――そして花印が付いた患者が、謎の心停止を起こす。
監視カメラには救命センターのク
ールな夜勤ナース黒瀬玲奈の影。
だが彼女は「私が守る」と微笑むだけで、動機も証拠も掴めない。
花は愛か、死の暗号か。
非常灯が点滅する病棟で、あかりは〈白衣の夜〉の正体に対峙する――。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-23 20:10:00
4585文字
会話率:36%
中原といわれる世界。
かつてそこには『災厄』が存在していたという。
『災厄』がどのようなものであったのか?今となっては定かではない。
ある者は民を苦しめた悪逆の王であったと言い、またある者は異形の化け物であったと語る。あるいは天地が
崩壊するような災害であったと書かれた書物もあった。しかし、そのどれもが明確な確証などなく、今もって判明していない。
その『災厄』を鎮めた者がいた。英雄、義舜である。
義舜は『災厄』を鎮めると、これに協力した七人の仲間にそれぞれ神器と領土を与えた。七人の仲間達はそれぞれの封土に向かい、国を興した。
即ち、印、泉、龍、静、斎、翼、界の七国である。この七国はよく治まり、中原は平穏となった。
それから五百年余り。各国では幾度も乱が起こり、義舜が望んだ安寧な世界は過去のものとなり、神話上の夢物語となっていた。
その七国を巡る、興亡と戦乱の物語。
※別サイトにて試験的にも投稿しております
※当作は著作権を放棄しておりません。無断転載を認めておりません。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-23 19:43:14
1760096文字
会話率:52%
聖女×冷徹公爵による、飯テロ晩酌ストーリー!
「契約の条件に、晩酌もつけて下さい」「は?」
教会で虐げられてきた聖女・ジゼルは、前世の記憶を思い出した。それは、社畜として働きながらも、週に一回の晩酌を楽しみにしていたOLの記憶だった。
働いてもいい。けど、晩酌だけはしたい。出来たら、誰かと一緒に。
聖女の力を欲しているという公爵の元へ嫁ぐことを教会から命じられたジゼルは、その願いを叶えてもらうために、公爵様に直談判! 聖女の力を使う代わりに、三食晩酌付きの生活を保証してもらう契約を交わす。
最初は渋々晩酌に付き合っていた公爵様だったけれど、お酒を通して本音を見せて‥‥‥
串カツ・フライドポテト・チーズフォンデュetc‥‥。美味しいおつまみと共に、今日も晩酌を楽しみます!
※10月10日、カドカワBOOKS様より刊行します!
※ 「カクヨム」で開催された、カドカワBOOKS様主催の「嫁入りからのセカンドライフ」中編コンテストで優秀賞を頂いた作品になります。(こちらでの掲載許可は頂いております)
※「カクヨム」先行投稿
※ハッピーエンド
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-23 19:38:50
190263文字
会話率:53%
・架空世界を舞台にした近未来SFミリタリーアクション作品。全43話完結保証。
・相棒を失ったエースパイロットと戦闘機に搭載された人工知能のバディストーリー。
・仲間たちとの確執を乗り越え、巨大兵器との決戦を通し、相棒を失ったニコルの復讐と人
工知能ジャグの成長を描く物語です。
アストック共和国は、国際協定を破って共同管理地へ進入したデラムロ王国に対して軍事行動を開始するが、王国軍の無人兵器群によって緒戦から窮地に立たされていた。
それから2年。空戦で相棒を失い、新設された航空特殊部隊「アッセンブル・スペシャルオーダー」への転属命令を受けたニコル・バンクロイドは、軍が開発した空戦人工知能“ジャグ”とそのエンジニアであるベルベット・マーベルと出会う。
軍内から召集されたエースパイロットたちはジャグを軽視するが、ベルベットの訴えを容れたニコルはジャグと和解。以降はコンビを組んで、困難な戦況を打開していく。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-23 19:32:11
125098文字
会話率:23%
大都会でアンティーク雑貨店を営むルカ・ドウォーク。
父方の祖父が遺した田舎の一軒家を掃除していると、黒い手帖を発見する。
開くと、そこには百年前のスキャンダルが記されていた。
だが、それは隠蔽された不祥事である。
町の周辺を調べるうち、
縦穴に吸いこまれてしまって――。
――目覚めた先は、百年前だった。
そこで手帖の持ち主、先祖のカルバン・ドウォークと出会う。
百年の虚実に葛藤する若者たちの物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-23 19:06:42
30821文字
会話率:31%
――世界最大サンドボックスに閉じ込められた俺、核と神話とクソ仕様で詰みました。
【このゲームで死んだら、現実のあなたも死にます】
そう、ログイン時に告げられた謎のメッセージ。
一瞬の読み違いが、俺の人生を「地球最終戦争」へと変えた――
。
文明クラフト×人生シミュ×戦争ストラテジーが融合した世界最大の神ゲー『マイピ』。
アドオン検証中にログインした俺は、チュートリアルもなく核攻撃を食らい、古代時代で霧の牢獄に閉じ込められた。
しかも「KIWAMI(極)」モード。
チート無効、ログアウト不能、モンスター無限湧き、NPC全員イエスマン。
情報ゼロ。味方ゼロ。癒しゼロ。
ただし、俺には“あるもの”がある。
――ソロプレイランキング3冠、VTuber登録100万、
自作の国家運営用チートマップ『ミルマップ』と『圧縮建築理論ミルフィーユ農村』だ。
この世界で、一人のプレイヤーが文明を築き、神話を覆し、天使と悪魔を焼き尽くす。
「創造」か「崩壊」か。選ぶのは、お前じゃない。俺だ。
これは、ひとりぼっちの王が
絶望のゲーム世界で、『神話超えの御技』を手に入れる物語――。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-23 19:00:00
10977文字
会話率:10%
【【目覚めた時、俺は“空白”だった――
かつて俺がいた街は、地図から“消滅”していた】
記憶喪失で目覚めた少年は、滅びかけた村と、意味不明な「警句」と出会う。
『世界はすべて偽りである』――奇妙な紙切れ。
手が勝手に動く謎の技術、反射に
違和感のある鏡、水面に映らない真実。
村人の目は怯え、審問では異端者として裁かれかけるが、彼は持ち前の“無自覚な才”と、消えた記憶の断片を頼りに、生き延びる術を探す。
■転生か? 転移か? それとも・・・
■剣でもない。魔法でもない。“認識と記録”こそが、この世界の真理をひもとく鍵。
■量子てなんだ? 世界てなんだ? 記録てなんだ? 観測なんだ?
村の祠に残された破壊痕痕と、“黒い灰”――
それが偶然ではなく、意図された“封印破壊”の痕跡だと知った時、彼は決意する。
この歪んだ世界の裏側に隠された真実を解き明かすため、封印の謎を追い、次なる地へと歩みを進める。
量子の魔法、解析眼、記憶再構築――
世界の設計図に隠された「観測されざる存在」の真実とは?
世界が偽りであっても、そこに誰かの“希望”の光が灯るのなら――彼はその輝きを、世界の“設計図”に深く刻む。
たとえ自身が孤独に苛まれ、存在そのものが“消滅”の運命にあったとしても。信じる“真実”がある限り、彼は立ち止まらない。
仮初めの現実を剥がし、封じられた過去をあばけ。
観測不能の少年が、崩壊する世界の真理を解き明かす、観測と記録、量子と記憶が交差する異世界科学ファンタジー!
存在証明を懸けた戦いが、今、幕をあける――。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-23 18:35:59
162700文字
会話率:22%
天才貴族将校VS孤児革命家
「直観・アキエース」、その力は神に祝福された者の証。
「ウーシア」という新物質による世界変革の中で、二人の青年が大戦へと巻き込まれていく。
エチカ・ミーニア。その16歳の少年は天才貴族将校として、「皇帝直隷
第21班」を率い、帝国戦記編纂業務に努める。その内実は、ウーシアに極度に適合した「アキエース部隊」の少女たちを率いる特選部隊であった。
1人は反政府結社『民主神聖同盟』に所属するアクトゥール・アウリウス、18歳。
故郷を帝国軍から解放した英雄として、各地での反乱に参加していく。
立場の異なる二人の人生が、今、交錯していく。
※カクヨムにも掲載中
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-23 18:02:48
136998文字
会話率:42%
何もかもうまくいかなかった私【浦々一依-うらうらいちい-】は、ある日高校の文化棟で幽霊に出会った。
同じ学校の制服を着ている。
なんとなく仲良くなった私は、彼に【カゲ】と名前を付けて、自分の生きた証にしようと学校七不思議を作ることにした。
最後の不思議は、カゲが考えてくれるらしい。
それ以外は私の担当だ。
私は不思議を作っては、学校の掲示板へ貼り出し、生徒たちの反応を見ることにした――。
*****
・この話は、他サイトでも同様に連載しています。
・一人称視点のお話です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-23 18:00:00
86913文字
会話率:52%
戦いに敗れた氷原の蛮族、“北爪谷の民”の娘エリサは、和睦の証として“町”へと引き渡されることに。
けれど、掟に縛られた氷原で育った彼女にとって、女が剣を取ることを許され、好きな男と結婚してもいいと言われる“町”の暮らしは驚きと戸惑いに満ちて
いた。
それならと戦士を目指すも、すぐに自分には適性がないことがわかってしまう。
落胆するエリサは「向いているかもしれない」と言われた野伏の見習いとなり、半妖精の師とその相棒である雪豹に鍛えられながら、少しずつ自分らしい生き方を見つけていく。
※月面でオムニバス的に連載したお話の、全年齢話を改めて加筆していきます。
※恋愛成分は薄いかなと思います折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-23 18:00:00
55358文字
会話率:42%
目が覚めると異世界の貴族ザクスノートの体を乗っ取っていた主人公。しかし、ザクスノートの記憶を継承していない主人公に貴族は無理と判断され、貴族籍を剥奪され平民ザックスとして生きることになる。
そんなザックスに貴族の父は言う「ダンジョンを攻略し
て、貴族に戻って来い!」
異世界シュピルフィーア。そこはダンジョンに侵略され、徐々に人類の生活圏が削られて衰退し始めた世界。主人公は伝承にしかない力、複数ジョブと聖剣を武器にダンジョンを攻略する。
何番煎じか分からない定番のダンジョン物です。聖剣は強すぎるので切り札として温存し、コツコツ攻略して強くなっていくので展開は遅めです。新しい魔物やジョブ、スキルが登場した時は色々検証しますが、単純作業となった場合は描写をカットしていく方針です。
ジョブに関しては定番物から、変わった物まで色々取り揃えております。商人とか遊び人なんて育てても意味なくね?と感じるかもしれませんが、使えるかどうかじゃないんです。取り敢えずレベルを上げて、その先が見たいだけなのです。
カクヨムの方で先行公開しています。(2021/12/24時点で114話、18層攻略中)追いつくまでは毎日更新、その後は月、水、土曜の週3更新を予定しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-23 18:00:00
686418文字
会話率:29%
消えゆく記憶をかき集めた私の生きた証。
最終更新:2025-07-23 18:00:00
7568文字
会話率:0%
消えゆく記憶をかき集めた私の生きた証。
※この小説はフィクションです。
最終更新:2025-07-22 18:00:00
7553文字
会話率:0%
わずか3年でS級にまで駆け上がったパーティー【名称未定(アンノウン)】アバンテールの町で最強格の一つとして名を挙げ続けていた。そんなパーティーのリーダーである俺は一つの大きな悩みがあった――どうして俺はリーダーなのに仲間の顔も素性も知らねぇ
んだ!?素顔はおろか素性も性別年齢種族全てにおいて不明。唯一はっきりしているのは強いことだけ。これって信頼されてないって証拠ですよね?それとなく解散の危機ですよね?
これは正体不明な仲間からより深い信頼を勝ち取り『真の最強パーティー』へと至る付与士の悪戦苦闘の日々である。
※不定期更新です。
※カクヨムでも投稿しております。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-23 18:00:00
131935文字
会話率:41%
「──この秋を繰り返している。そう言ったら、信じる?」
十七歳の少女・日比谷愛理は、声が出せない障がいを持っていることから、他人と関わらないようにしていた。ある日、ひょんなことからミステリアスなクラスメイト・来栖直央と関わるようになる。来栖
は唇の動きから言葉を読み取る力・読唇術を身につけており、その誠実さと優しさで愛理の心を温かく包み込んでいった。しかし、度重なる不思議な出来事から、愛理は来栖にある疑いを抱く。それが確証へと変わった日、二人は引き返せない道を歩き出していた。
「──全部、君のことが何よりも大切だから」
声を失った少女と、ある秘密を抱えた少年の、さいごの秋の物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-23 17:59:47
1226文字
会話率:8%
目覚めた瞬間、断罪中。
ヒロインにありとあらゆる嫌がらせをし終えた後の令嬢ですか?
証拠有り、逃げ道無し。
このまま行けば、牢に入れられ没落そして追放エンド。
「こうなったら八つ当たりしかないよね?いいよね?やっちゃっても……」
ゲ
ームの知識を利用して、断罪中から始まる嘘八百。こっちも人生かかってますから。
……そして、断罪後も続く乙女ゲーム。
いやむしろ続編?隠しルート?に入ったの?
「そのゲーム知らないんですけど……」
ここからは予備知識無しのリアル乙女ゲームですか?隣国に行っても私は悪役令嬢なんでしょうか?
「私はスローライフを送りたいだけなんですぅぅぅぅ」折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-23 17:30:00
277787文字
会話率:31%
それはある未来の話。
突如この世界に破滅の雨が降り注いだ。
それから数十年が経ち、見付けられた少年。
のちに大きな力を、未だ科学では証明されない不思議な力、魔法を扱う事となる一人の少年はこう名付けられた――― ジェードル
これはジェードル
と仲間の少女、フリュリニーナ(通称:リニ)が辿るクラゲとの戦いの日々。
※本作品は「ノベルアップ+」「小説家になろう」「ネオページ」「pixiv」にも掲載しております。
※第三章は異世界転移要素が深く関わります。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-23 17:20:00
56331文字
会話率:45%
ある日、小さな町工場を、大きな衝撃が襲う。自社の薬品製造用機械部品が「軍事転用のおそれあり」として、経営陣が逮捕されるのだ。
経営陣の娘であり工場の広報営業担当の木賊彩花は家族や会社の無実を訴えるが、個人にとって警察の力は強大だった。「国家
が危機に関わる問題」を謳いつつ「組織的保身」を目論み追求の手を緩めない公安七課の面々。
さらにSNSでは売国企業などと非難され、無実を訴えるも自由を奪われ続ける彩花の父と祖父。「人質司法」の壁を前に、いよいよ追い詰められる彩花は、かつてネット炎上事件に巻き込まれたという女性の存在を知る…。
果たして、町工場の無実は証明されるのか…! 女弁護士・九印葉桜が、東京地検特捜部エースの竜崎薫子と東京地裁で激突する!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-23 17:02:12
48064文字
会話率:50%
バセレシウ王国。神テアディースが最初の人間を創ったとされるテアディース大陸の大部分を支配する王国は今、大きな火種を抱えていた。
バセレシウ王国の国教であり、神テアディースを唯一神として崇めるテアディース教の教会が内部分裂を起こし、そのうち
の一つである原理主義派が台頭、王政への発言力を強めてきたのである。
王族派はそんな教会原理主義派の力を削ぐため、神テアディースが与えたとされる三つの恩恵のいずれかの不存在を証明しようと考えていた。
時を同じくして、王都ヴァシーリオにある三つの大学のうちの一つであるヴァシーリオ学術大学に通う少年、アスティニース・イオルもまた教会によって人生を大きく狂わされようとしていた。
史上最年少で難関と言われる試験に合格した彼は、学術大学でテアディース教から危険視されている天文学を専修していた。ある日、同級生の友人であり、王国第四王子でもあるソフィロス・バセレシウからとある頼み事をされる。アスティニースはその頼み事を解決するため、持ち前の知識を使い王都の詳細な地図を作成したのだった。
ソフィロスからの頼み事は無事解決したが、この地図作りによってアスティニースは教会から狙われることになる。強硬な手段を使われ次々と居場所を追われていく彼を、その能力を見込んだ王族派が呼び出し密命をくだす。
「テアディース大陸の地図を作れ」
王族派は神テアディースが与えた三つの恩恵の一つである”正円の大陸”が存在しないことを、アスティニースに地図を作らせることで証明しようと考えたのだ。
アスティニースは世界の真実を知るため、仲間と共に長い大陸地図作成の旅に出る。
そして、旅の中で彼らは想像をはるかに超える真実に出会う。
王国の成り立ち、大陸の歴史、神テアディースの存在。
これは、一人の少年が「世界を作る」物語である。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-23 15:53:49
119773文字
会話率:49%
庶子として蔑まれ、肩身を狭くして生きる王子リアムは親戚の公爵令息テオドールの婚約破棄騒動に巻き込まれて謹慎させられた。
謹慎を破り悪役令嬢ソフィアと共にテオドールと自分の婚約者エミーリエとの不貞の証拠を掴むものの南溟の海賊諸島へと売られてし
まう…。
この話にBL要素はありませんが、この話の過去編「自由を取り戻した男娼王子は南溟の楽園で不義の騎士と邂逅する」はBL要素があります。この話単体で読むことができます。カクヨムにも同じ物を投稿しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-23 15:40:16
428879文字
会話率:45%
★“道具”になりたい薄幸少女とお嬢様とメイド達で送る、ダンジョン経営ライフ!★
「ファイさん! わたくしのエナリアで、働いていただけませんかっ?」
「うん、いいよ、ニナ」
「即答っ!? よ、よろしいのですか? わたくしのエナリアは今も
絶賛、経営難。いわば沈みかけの船……。いえ、泥船なのですがっ!」
「うん、大丈夫」
「迷い無しですわっ!?」
そんな、何とも締まらないやり取りで始まる、異世界人2人によるダンジョンの経営。
ファイとしては、自分を“道具”で居させてくれるのなら誰でも良く、ニナに至っては、
(ファイさん! 顔が……いいえっ! 存在が、天才すぎますわぁ~~~! はい、採用っ!)
ただの思いつきだった。
しかし、そうして始まったそれぞれの“幸せ”を探すその日々は、2人にとってかけがえのない思い出になる――。
●あらすじ
白髪金眼の剣士『ファイ』。幼いころに誘拐されて戦闘の道具として育てられた彼女は、幸せだった。必要としてもらえる。生きていて良いのだと言ってもらえる。それだけで、ファイは心の底から幸せを噛みしめることができた。自身を誘拐した人々でさえ、ファイにとってはかけがえのない“恩人”だった。
しかし、ある時。『エナリア』と呼ばれるダンジョンの中で、彼女はそんな恩人たちと離れ離れになってしまう。
戦闘しか能のない自分は、これからどうなってしまうのか。このままでは、何もできない“人間”に戻ってしまう。そんな彼女の前に現れたのは、エナリアを管理していると名乗る異世界の少女――『ニナ』だった。
彼女は、自身のエナリアを「ウルン人とガルン人の両方が幸せになれる場所にしたい」と夢を語り、その夢にファイを巻き込もうとしてくる。
本来、両者は狩る・狩られるの関係であり、共存など不可能だ。
しかし、ウルンで最強の証である白髪のファイと、能力を持たない最弱種――人族でありながら最難関のエナリアの経営を任されているニナ。そして、2人を支える個性豊かな使用人(メイド)たち。
彼女たちの力が良い感じにまとまりさえすれば、夢物語も現実になる……かもしれなかった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-23 15:32:26
699298文字
会話率:41%