『トレスニッチサクラ症候群』
運動機能と共に記憶が徐々に欠落する奇病で最終的には死に至る不治の病。
この難病の実態をカメラに収めるべく、我々は遺族の元へ取材を申し込んだ。
最終更新:2021-05-23 13:00:00
31255文字
会話率:37%
どこか中世のヨーロッパを思わせる剣と魔法の世界。駆け出しの死霊術師である主人公の許に、遺族からの降霊の依頼が舞い込んでくる。
しかし、肝心の死者は既に浄化の儀礼を済ませた後。これでは降霊などできない。そう遺族に伝えた主人公であったが、そ
こを何とかしてくれと泣き付かれる羽目に。行方不明の遺言状が見つからないと、遺族が困った事になるのだという。
自分は――少なくとも自分の主観では――探偵ではなく死霊術師だ。盗難品の捜索は、どう考えても死霊術師の仕事じゃない。そう立腹半分・困惑半分の主人公であったが、遺族の話を聴いてみると……
「デュラハンの首」・「飽食の餓死者」・「化かし合いのダンジョン」・「片腕の証言」と同じ死霊術師シリーズです。二回のみの短編で、今回は少し暗号っぽい話になります。宜しければ前四作もご覧下さい。
R15と残酷描写は保険です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-05-02 21:00:00
4203文字
会話率:65%
誰かが死んだら遺族は色々せにゃならん
最終更新:2021-04-12 21:12:01
1279文字
会話率:0%
死者の骨を噛むことで生前の記憶を追体験できる少女、クイール。
その〈魔法〉を活かし、相棒のロフィンと共に〈葬儀屋〉としての仕事をこなす彼女は、ある日、ひとつの依頼を受ける。
曰く、聖職者である父が領主の城で急死し、遺族の承諾さえ得ずに
火葬されたという。
死者との対面もかなわずに、遺骨となって帰ってきたのは、本当に父が望んだことであったのか。そこを明らかにしてほしいという願いを叶えんと、少女は〈葬儀〉を開始するのだった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-03-28 19:01:33
113257文字
会話率:49%
壮絶なる戦いを繰り広げた極神島事件から、早1年が経過したその頃......
狩人達に追い詰められた1人の青年を美緒が助けるところから物語は始まる。それが結果として、とてつもなく大きな組織を敵に回す事になってしまう。
そんな巨大組織が、富士
の樹海で自殺志願者をスカウトし、遺族への『礼金』譲渡を条件に殺人を行わせている......そんな情報を入手したエマ達は、遂に富士の樹海へ入る事を決意する。
ポールは自殺志願者を装い樹海の深き森へと突き進み、エマは組織との繋がりが疑われる尼寺、『聖経院』へ尼となり潜入を果たして行く。そして美緒と圭一が入り込んだ『マンタ洞窟』......そここそが悪の巣窟だったのである。
この時、誰が知り得たであろうか......自分達が対峙するその敵が、日本国家からの独立を目論む『富士国』の末裔達であった事を。そして更にあの男が黒幕であった事を。
やがてエマ達のアジトとも言える新宿の『BAR SHARK』が、『富士国』の女精鋭部隊『アマゾネス』に爆破される。そんな最強精鋭部隊は、エマの敵であり、また時には味方でもあり......知らず知らずのうちに、エマと心が通じ合っていく事となる......
日本を軍事国家に仕立て上げようと企む最大野党『新党富士』、日本から独立を夢見る『富士国』、更には『自衛隊』、『先進国首脳』までも巻き込んだ壮大なるバトルは、
全33章50万文字に及びます。
笑いあり、涙あり、喜びあり、怒りあり......裏切りあり、別れあり、友情あり、そして恋あり......そんな全ての要素がふんだんに詰め込まれた物語は、とにかく展開が早く、最後まで息つく間もありません。
『傷だらけのGOD』シリーズの第2作目となりますが、1作目とは完全に話が独立しておりますので、1作目を読まれてなくても、すんなり物語に溶け込めるものと思っております。
最後まで長らくお付き合い頂けたなら、この上も無い幸せです。何卒、宜しくお願い申し上げます!
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-03-07 00:00:00
566704文字
会話率:37%
時は江戸時代、三代将軍家光の治世のころ。一人の外国人剣士が長崎の平戸に下船した。彼の名はダリル・バスケス。バスク人で傭兵として世界を渡り歩いてきた。その途中、海賊対策に雇われたオランダ商船で、日本人の奴隷の若者トウジと知り合い、友情を育ん
だ。
海賊船に襲われたとき、トウジの剣技に魅せられたダリルは、それ以後熱心にトウジと剣の鍛錬に励む。ところが、それから間もなく、トウジはマラリアに冒され帰らぬ人になってしまう。トウジの遺品である日本刀を遺族に渡そうと決意したダリルは、ジャカルタから日本行きのオランダ船に乗船する。
日本の剣術に魅せられた外国人剣士は、相棒の通訳の侍とともに日本中を旅し、剣士として、人間として成長していく。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-02-16 20:07:19
147883文字
会話率:60%
林ゆきの勤める葬儀場には、遺族の希望により"お別れビデオ"を作成するというオプションプランがある。
故人の好きな曲・所縁のある曲に生前のエピソードが添えられる”お別れビデオ”。
お別れビデオの為に遺族から聞く故人との思
い出に心を動かしながら、大切な人を優しく送る為の最後の映像を作成する ゆき。
尊敬する先輩や気の置けない仲間達のいる職場で奮闘する ゆきには、哀しい過去があったー
※この作品は「星空文庫」に掲載中の同作品を加筆・修正したものです折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-02-02 21:21:33
30331文字
会話率:25%
西暦2414年。
若きアンドロイド工学博士、タロー・K・タチバナは、彼の姉であるロボティクス企業の大手、ルナウイングス社のCEO、アヤ・R・タチバナに、研究開発部門をまかされ、ひたすら最新のアンドロイド研究に没頭する日々。
あるとき、1
5年前から計画が進んでいた「ピグマリオン・プロジェクト」の本格始動に伴い、彼が開発した、人の心に限りなく近い動きを再現できるAI「ガラテア」を組み込んだ新作アンドロイドの開発が姉より依頼された。
人に限りなく近い体をもち、心をも再現できるこの新作アンドロイドの脳核に組み込まれるデータは、既に亡くなった人物の記憶や経験を元にする脳のデータ。生前の本人の了承または、遺族の了承を受けたドナーから提供されるものだった。
このプロジェクトの最終目標は、亡くなった人間をオーダーメイドでアンドロイドとして復活させること。そしてそれを商売にするプロジェクトだった。
オーダーメイド契約の他には、個人情報を封印したこのアンドロイドを量産型の「都合のいい恋人」の代わりとして風俗産業に供給するという目的もあった。
この依頼にあまり気乗りがしていなかったタローだが、提供されたドナーリストの中に偶然、彼のかつての初恋の人の名前を見つけてしまう。
男性しか愛することのできないG指向のタローが、学生時代に憧れていた、家庭教師クライブ・ラングフォード。
若くしてこの世を去った彼のデータがドナーリストの中にあった。
かつての初恋の人の脳のデータを試作品に使うことに決めたタロー。
そこにはある想いがあった。
かつて叶わなかった恋を、新たな形で成就させるという望みが。
かなりぬるいSF風BLです。(SFとしては突っ込みどころも多いのでSFっぽい何かといったほうがいいかも)
一応、BLですがガチの恋愛というよりはブロマンスに近いかも。お互いの心の繋がりに重きを置いたテーマとしていますので、性的に過激な表現はありません。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-12-17 22:00:00
54472文字
会話率:37%
憎き愛する人。父の死までも軽い思いしかなく、父の遺族年金と労災でぬくぬくと生きている。
最終更新:2020-12-03 08:23:42
313文字
会話率:0%
郡山は二人を殺したが、刑法39条によって無罪となった。被害者遺族の猪口は、復讐のため郡山を拉致する。
最終更新:2020-11-01 19:20:22
3002文字
会話率:45%
海上自衛隊幹部が調べる、第二次世界大戦末期に行われた神風特別攻撃隊による真実と深い悲しみの混じった、TOKKOKA(特攻花) に関する悲しき繋がりの話
物語の始まりは鹿児島県鹿屋市にある海上自衛隊鹿屋航空基地。海上自衛隊幹部候補生課程
を修了したばかりの新米3等海尉小野井武士が見た基地の周りに咲き乱れる黄色い鮮やかな花。その花がこの物語の主人公である。古き習慣だと言われ上官からこの黄色い花の正体を調べると、以外な事実が明らかに
やがて小野井は、"特攻"というあってはならない軍事作戦の壁に直面する。同じ海を守る防人として、その当事者であった戦争を知る数少ない生存者と、面会を重ねる。亡くなった神風特別攻撃隊の遺族にも面会した。そして、小野井は1つの答えを出す。未来の日本の防衛を担う現場の隊員としては、感情移入し過ぎなのかもしれないが、それでも小野井は戦争とは何かという事に向き合う事になる。一撃必殺だった筈の神風特別攻撃隊(通称カミカゼ)その内容は驚く程ずさんで、アメリカ海軍の猛烈な反抗により成功率は20%を切るか切らないかという所だった。
旧日本海軍の伝統を色濃く残す海上自衛隊。戦前は陸軍と海軍が政治を仕切り失敗した反省から、自衛隊員には政治的な干渉は許されておらず、専守防衛の旗印の元、文民統制(シビリアンコントロール)で陸海空各自衛隊は運用されている。
戦争を知る世代は高齢化し、現役世代は戦争の惨禍を知らない。それが何を意味するか。またあの惨禍を繰り返してはならない。そう胸に誓い小野井は電子探索機EP-3に乗り込む。
これは、海上自衛隊鹿屋航空基地で繰り広げられるヒューマンドラマである。
※この物語はフィクションです。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-10-31 00:14:21
60376文字
会話率:60%
被害者を優先に考え、加害者の心からの反省と更生、被害者救済のための法律を一新。
日本の法律が「目には目を」で有名なハンムラビ法典のような、同害報復を基本とするものに変わった。
ある事件の被害者遺族となった男性が、今後の社会のために自らを筆頭
に体験談を集める。
同害報復は善法なのか?悪法なのか?
被害者、加害者の体験談から彼らの体験と思いを考える。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-09-14 20:15:11
13499文字
会話率:33%
仲間を失いながらも、人を助ようとするも完璧に助けられず、遺族のやり場の無い怒りをぶつけられた男は夢を見れなくなる。荒れる素行に業を煮やした新しい仲間も恋人も男との縁を切る。男の持っていたものは全てを虚構、偽りの宝だったのだ。
こうして物事を
悪いようにとらえるようになった男は故郷に帰る。そこで男は何を思い生きていくのだろうか。男はなにを知るのだろうか。
時間制限をもうけて作ったので、形てきには書き上げたんですが、満足のいくようにはできませんでした。
これからもまた投稿するかもしれません。
よろしくお願いします。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-07-05 15:58:45
9252文字
会話率:16%
世間がクリスマスで騒いでいる12月25日、日本では復讐法が施行された。
重大な犯罪を犯したものに対しては、その被害者や遺族が死刑を適用するか否かを決めるものであり、主人公の名前である『私』もまた復讐法の波に呑まれていく……
最終更新:2020-04-23 00:10:31
4238文字
会話率:9%
2019年、東京。大学生の高島 春来(タカシマ ハルキ)は、ひょんなことから殺人事件現場を目撃する。過去に両親の遺体を目にした彼にとって忘れたい光景だったが、同級生で仲のいい宮尾 藤花(ミヤオ トウカ)と岬 千弦(ミサキ チヅル)は、事件
の捜査をしようと言い出す。気が済むまで捜査をさせて、危なくなったら引き返せばいいか、と軽く考えていた彼だったが、担当する警察官である米村 奎吾(ヨネムラ ケイゴ)より、その事件は猟奇的連続殺人の一部だったことを知らされる。
そして、この一連の事件は10年前、彼の両親が殺害された事件と大きな関わりのあるものであった。新薬による医療事故、開発企業の倒産、被験者たちの死亡、恨みを抱く遺族たち、そして、その新薬の開発者である鈴石 初穂(スズイシ ハツホ)の狂気……すべてが絡み合い、いつしか生まれた殺人鬼は、徐々に彼らを追い詰めていく。果たして、その目的とは。そして、彼らの未来は――――。数奇な運命に囚われ、必死に抗う彼と、その仲間たちを描いたミステリー系サイコサスペンス。
あなたは、この結末に耐えられるか。
※「カクヨム」、「ノベルアップ+」各サイトにて同時連載折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-03-28 22:11:50
433906文字
会話率:49%
童話好きのマザコン男が恋をして母親から自立する話。
あるいは、交通事故被害者遺族と加害者家族の話。
あるいは、神戸の地元民的観光案内。
1話大体2000字前後、エピローグ・プロローグ含め全30話予定。
※グリム童話の心理学的解釈は、河合
隼雄『昔話の深層』あたりがベースになっているはずですが、ちゃんと確認していません。
正確な情報ではないという認識でお願いします。
※タイトルはフィーリングでつけました。あまり深い意味を考えないでください。
※実は『【悲報】シンデレラの王子に転生しました』(https://ncode.syosetu.com/n5529fv/)
スピンオフ作品。向こうでそれ言うと殴られそうだから(爆)こっちでだけ言っておきます。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-03-05 18:27:41
92702文字
会話率:25%
一之瀬比奈には友達が居ない。どんなに努力しても友達は出来ず、いつしか比奈はリストカットを繰返すようになっていた。その比奈に葵という名の友が出来た。だが葵は、『天空の楽園に導いてくれる七色の光』について教え、『唐獅子』の根付けを比奈の手に残
して、死んだ。
葵の後を追おうとして樹海を彷徨っているうちに比奈は克代と出会う。
克代は夫と二人で懸命に働いて功成り名を遂げ、仲睦まじく暮らしていたが、突然夫の愛人奈緒美から離婚を迫る手紙を受取った。晴天の霹靂であった。ショックのあまり夫を殺した克代は死ぬ気で樹海を彷徨うが、死を目前にして、山ほど居る友の中に、真の友が一人も居ないことに気づいて愕然とする。
死体と遭遇した比奈と克代は命からがら樹海を抜け出し、克代の従兄弟徳次を頼って故郷に逃げる。そこで克代は夫が死んではいなかったことを知り、離婚届に署名して送る。子供の居ない克代は、死んでしまえば生きた証など何一つ無く、ただ虚しく朽ちてゆくだけの自分があまりにも惨めで情けなく、せめて誰かの役に立ってから死にたいと思ったのだ。
克代が幼い頃、故郷の村には戦地から引きあげてきた兵士がいた。ガダルカナルの激戦で大勢の戦友を失った兵士は、戦友達の遺族に其々の戦友の最期の様子を知らせる為にあちこちを行脚し、最後にこの村に落ち着いたのだった。霊媒師から兵士の世話を頼まれた徳次は兵士が亡くなった時に、天空へ昇っていく七色の光を見たという。
拒食症で痩せ細っていた比奈は、克代と一緒に暮らすようになってふっくらと元気になっていった。比奈から「父は既に死に、母は私が邪魔」と聞かされた克代は、せめて比奈が元気になるまで助けてやりたかった。だが一緒に暮らすうちに比奈が普通で無いことに気がつく。死霊が憑いているのではないか?
地獄の淵まで追い詰められ、危うい処で助かったのは比奈のお陰と感謝する克代は、なんとかして比奈を死霊から守りたいと願う。
二人は老人ホームで働くようになるが、或る日、比奈は泥棒の濡れ衣を着せられて絶望し、再び野山を彷徨う。「虐められる人間は、いつでもどこでも虐められる」と嘆く比奈を、「虐められるのは、むしろ素晴らしい人だからだ」と諭す。克代は比奈に、死霊に打ち勝てるよう強くなって欲しかった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-01-22 16:21:01
63123文字
会話率:33%
それは、北海道が初夏を迎えた頃の夜のことだった。永浦和宏の家族――妻と息子と娘の三人――が、彼ひとりを残し、不慮の死を遂げたのだ。大きなRV車との車同士の衝突事故。そう――彼はあの日にすべてを失い、あの日からすべてが始まったのだ。その後の刑
事裁判で彼は遺族代表として出廷することとなるが、否応なしに巻き込まれる人間模様についに嫌気がさした彼は――。
(なお、この物語は実際の事件を一部参考にしたフィクションです。交通事故やひき逃げ事件に関する表現が出てきますので、お読みになる際にはご注意ください)
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-01-20 22:00:00
43671文字
会話率:27%
「ライト・ディジョン。バリュー・ヴァルハルト。────貴殿らに、最後の任を命じる」
その日、栄誉ある称号を持つ二人の騎士は、彼らの主たちから大切な任務を受けることになる。
「レイジ・アベのロケットを遺族の元へ届け、城まで帰還せよ。……ま
た、この指令をもって、貴殿らを騎士から解任する」
尊敬している大切な親友……レイジ・アベを戦火から守り切れず、目の前で失っただけでなく、"戦争の首謀者"という謂れのない汚名を晴らすことすら出来なかった彼らに与えられた任務。
それは、レイジがお守りとして持っていたロケットを、遠く離れた遺族の元へ届けること。
……そして、その任務を最後に、彼らは騎士の任を辞することとなっていた。
これは、守る者として生きてきた彼らが、様々な困難を乗り越えつつ、時折過去を回顧し、広い世界で己の在り方を見つけ、騎士を辞めるまでの流離譚である。
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本作は戦闘が話の2〜5割を占める、シリアス調短編完結型ハイファンタジーです。
浪漫武器、蒸気機関、爆発、エルフ、ジャイアントキリング、謎解き要素、お色気シーンetc
これら全てを詰め込んだ欲張り小説なので、何かしらの琴線に触れるのではないでしょうか……!
是非、御一読のほどよろしくお願いします!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-12-31 19:00:00
787140文字
会話率:42%
佐々木は、過去、自分の親、兄弟を強盗に目の前で殺された男である。
事件からすでに13年が経ち、普通の生活を送れるようになった今でも、あの時の犯人の顔を、空気を思い出し恐怖に震えることがある。
犯人の目、圧倒的な暴力、そして醸し出されていた恐
ろしい殺気。
それは、今でも彼を蝕んでいるのである。
そんなある日、犯人の男が捕まったという情報が入る。
事件後も逃げ回り、他にも空き巣や強盗等、小さい犯罪を繰り返していた男は、些細な事で、あっけなく捕まった。
そのことを知った佐々木は、自身の伝手を使い犯人である男との情報を集める。
そして、そこには、かつての暴力、殺気を微塵も感じさせない、哀れな中年の男が実像が存在するだけであった。
牢の中で理不尽な扱いを受け、周りに薄ら笑いを浮かべながら卑屈に媚び諂う男の情報が集まっていく中で、佐々木は自身の中の虚像が砕け、トラウマが昇華されていくことを実感する。
しかし同時に、それは佐々木の中に新しい感情を生み出していくこととなった。
犯罪被害者、遺族である佐々木の目から見る犯人の実像と、感情の変遷の流れ。
それは、彼の中でどのように昇華され、折り合いをつけていくのか。
そして、佐々木が最後に出した回答とは。
・2019年 9月11日 序章投稿
・2019年 9月11日 第二章投稿
・2019年 9月18日 第三章投稿
・2019年 9月18日 第四章投稿
・2019年 9月25日 第五章投稿
・2019年10月 8日 第六章投稿
・2019年10月30日 第七章投稿
・2019年11月 6日 第八章投稿
・2019年11月27日 第九章投稿
※2019年11月 6日 一部、話の矛盾箇所等の訂正折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-11-27 01:47:42
34074文字
会話率:21%