謀略の末傀儡魔王として玉座に座ることとなったネファリウスが、運命の相手となる勇者トキヤと出会ったことから彼女の冒険は始まった。
勇者トキヤを倒し、いつか自由を手に入れようとするネファリウスは対峙し、その瞬間に勇者という暗殺者の毒によって
倒れる。そこに側近である男の裏切りが発覚。絶対絶命のピンチが襲った。
しかし………そのピンチを救ったのはまさかの毒を用意したと思われた暗殺者だった。神が残したと言われるアーティファクトによって帝国に生き延びた傀儡魔王ネファリウスは毒によって女になっている事がわかる。
そして偽名ネフィアを名乗り、なれない女の体で冒険することしぶしぶ決め。勇者は彼女を護る剣を強く握った。裏切り者を始末するために旅をネフィアは決意したのだった。
そして、彼女はマクシミリアン王国の姫エルミアとの出会い。メイドの真似事による女磨き。黒騎士の魔王として追われ。そして、多くの出来事が彼女にふりかかる。
多くの出来事のなかでふと、護り続けてくれる勇者トキヤが気になり出すネフィア。
そう女の体で護られ続けるうちに……心のなかにある感情が芽生えた。
それは次第に大きく花開く。勇者に好意を抱いてしまう。ずっと護り大切にしてくれる彼に恋をする。そして、無償の愛を知ったネフィアは次第に世界を動かすほどに人々と出会い成長し、魔国内で大きな存在へとなっていき。いつしか魔王に返り咲く。
これは主人公。陽の火を持つ聖女。初代英魔王ネフィア・ネロリリスの物語。彼女の能力で生まれた存在しない白雪翼の英魔の女神ネフィア・ヴァルキュリア。二人の鏡合わせの魔王で唯一女神に勝った物語。
返り咲き魔王となった主人公の戦いの日々。エンディング後の結ばれて物語は完結するが……しかし、その先に彼らは生きており続いている。そう終わる筈の場所から。そこから始まるネフィアの鏡の表と裏の長編物語。
連続で続く生き続ける後日談。結ばれてから始まる機械仕掛けの魔王の物語。ハッピーエンドのその先へ。
この作品は「アルファポリス(後日談無し)」にも掲載しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-09-09 12:33:59
2490291文字
会話率:68%
夜警をしていた騎士エトランは、唐突に戦友であるピティエに呼び出され、そして裏切られる。川に突き落とされもがき苦しむ自分を笑うピティエを、エトランは必ず殺すと誓った。
だが、その復讐心は大きく揺らぐことになる。
なんと翌朝、ピティエは王殺
害のクーデターの主犯として処刑されていた。そしてその理由はなんと、悪魔の末裔である自分を守るためだったのだ。
エトランは真実を噛み締め、そして誓う。
必ず友の仇を討つ、と。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-09-07 14:37:40
3351文字
会話率:50%
あたし、平民のパティは、突如降臨された女神様に『ひろいん』として任務を与えられた。
(女神様によると断るのは不可。断ったら世にも恐ろしい罰が……)
その任務とは、悪役公爵令嬢セラフィーナと婚約中の皇太子の心を奪い、二人を婚約破棄に持ち込
むこと。平民の町娘にそんなこと出来る訳ない! 住んでる世界が違うよ! と抗議するも、実は、男爵様の孫だったことが発覚。外堀は埋められた。やるしかない。
でも、降臨された女神様、めっちゃいい加減。全然この世界のこと知らない。こんな神様の指示に従っちゃって良いの? ほんとにセラフィーナって悪役?
疑問満載で始まった、あたしの新米令嬢ライフ。どうなりますやら。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-09-04 03:14:47
325373文字
会話率:41%
ある大国の子爵令嬢アイラ・リースタイン。彼女には周りの人々と違うところがあった。それは、前世の記憶があるということ。ただ、記憶は一部しか思い出せておらず、特に特殊能力があるわけでもなかった。が、ある日、神様と出会ったことで気づいていなかった
特殊能力が発覚し、それは前世の記憶とともに呼び覚まされていく。これは、前世の記憶とチートと呼べる程の能力を持ちながらも、自分なりに人生を楽しもうとしながら、いつの間にか最強へと至る、ある転生者のお話である。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-09-01 02:15:29
1341401文字
会話率:50%
カレーを作ると現れる、不思議な神様。
グツグツ鍋が煮える間だけ現れるそいつは、50歳を過ぎたおっさんにしか見えない。
無駄に長い睫毛と大きな瞳からは、無邪気さを感じるが、声は酒焼けしたおっさんのソレだ。
ある日、彼氏の亮太の浮気が発覚する
が…折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-08-31 17:59:35
1383文字
会話率:54%
増え過ぎた主人公の元カノ達だけで"元カノ戦隊"を結成する動きが表面化する中、秋葉原でスーパーヒロインを皆殺しにする計画が発覚。阻止に奔走する主人公の前にマルチバース制服の野心を抱く悪の女幹部が出現。すんでのトコロで計画は阻止されるのでした。
最終更新:2024-08-30 18:55:12
9900文字
会話率:68%
秋葉原セレブの間で評判の霊媒師が殺されます。捜査線上に、霊能者にスガる様々な人間模様が浮かびますが、結局、痴情のモツレから夫殺しの発覚を恐れた妻の犯行と判明するのでした。
最終更新:2024-03-23 16:31:17
22005文字
会話率:69%
ある日、聖都アキバに発生した"リアルの裂け目"!
異次元人、時空海賊、科学ギャングの侵略が始まる!
秋葉原の危機に立ち上がる美アラサーのスーパーヒロイン。
ヲタクの聖地、秋葉原を逝くスーパーヒロイン達の叙事詩。
ヲトナのジュブナイル第1
63話「元カノ戦隊」さて、今回は人類史上主義者によるスーパーヒロイン殲滅計画が発覚、ヒロイン達に戦慄が走ります。
計画は、旧ナチスの超科学が生んだ特殊ガスによるものと判明、弾頭にガスを載せたミサイルは発射されますが、ヒロインの活躍で無力化されるのでした。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-12-24 19:06:16
12526文字
会話率:69%
高校一年生の真尋(まひろ)は大のゲーム好きで小さい頃からよくゲームをしていた。そんな真尋に一報が入る。なんとフルダイブ型のMMORPG「デスティニーオンラインRPG」が出ると知る。当然ゲーム好きの真尋がその情報に無関心なわけはなく、発売日当
日にゲームをプレイする。初のフルダイブ型のMMORPGに真尋はドはまりをしてしまう。しかし、どうやら真尋の選んだ魔法使いは厳しい立場にあるようだった。一度作ってしまったキャラクターはセーブデータを消さないと作り直すことができなかった。だが、そのことが発覚したのはなんと発売三日後。MMORPGでは三日の出遅れが命取りになる。そんななか真尋はある事を思いつきその方針にもとずいてキャラクターを育成していく。果たして真尋はMMORPG人生をより良いものへと出来るのか。この物語は一人の魔法使いが試行錯誤の末、大魔法使いへと成り上がる物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-08-28 15:34:58
1273文字
会話率:26%
主人公、竹田千春は何故か命を落とし異世界と思われる場所で目を覚ます。
生前の記憶が曖昧なまま王様に魔王を倒して欲しいと言われるも、勇者として手に入れた能力は半透明になるという中途半端且つ役立たずの力だった。今の勇者が死なないと新しい勇
者が召喚出来ないという理由で命を狙われる千春。
殺意満点の騎士、裏切りの仲間、を何とかやり過ごし、そして妹、千冬の登場でこの世界がゲームの世界だということが発覚する。しかし、ゲームのバグかログアウト出来ずに閉じ込められる千春。
インフィニットオーサー。無限の作者と名付けられた、この攻略法がないゲームを千春はクリアし無事現実世界に戻ることが出来るのか?そして、千春をこのゲームに閉じ込めた本当の犯人、その動機とは?
※この物語はフィクションであり、実在する人物・地名・団体・国とは一切関係ありません。
※この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません
※カクヨム様、ノベルアップ+様でも連載させて頂いております。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-08-24 11:45:29
393297文字
会話率:57%
冴えない陰キャオタクの高校1年生である俺、近藤卓には、中学時代に一時期付き合っていた元カノがいた。
名前は五十鈴五花。俺とは名前からして華やかさが違う彼女は、元カノで、超絶美少女で――超絶ビッチだった。
中学時代、彼女にベタ惚れしていた
俺は、彼女にいくら性的に弄ばれても、懸命に努力して彼女に好かれようとした。だがある日彼女の手帳をうっかり覗き見た俺は、彼女が複数の男子と浮気している事を知ってしまう。
「わたしはさ、女王蜂なんだよ。キミ達男子は、オス蜂だね。必死に女王蜂の気を引こうとダンスして、選ばれた男子だけが交尾できるの。わたしはそれを上から眺めているのが、とっても好きなんだ」
俺は彼女の競争に打ち勝つ気力も湧かず、そうこうしているうちに彼女に飽きられて振られてしまう。
それから数か月後、俺は彼女と同じ高校に進学を決めていた。
そんな中、片親だった俺の母親が再婚した。
おめでとうと祝福していると、再婚相手の連れ子が、元カノである五十鈴五花である事が発覚する。
そう、俺は元カノと義理の兄妹になってしまったのである!
そんな俺の気も知らず、義妹になった元カノビッチは思わせぶりな事を言って、彼女の逆ハーレムに俺を加えようとするが――
俺は義妹で元カノな超絶美少女の超絶ビッチな誘惑に、耐えられるのか――!?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-08-23 18:10:00
93299文字
会話率:32%
瑛璃と大喧嘩して家を飛び出した戦姫ユリアはフェンリルの姿に変身してダンジョンに身を隠していたのだが、女の子に襲い掛かるイレギュラーの魔物を発見。
『私の憂さ晴らしの相手になってもらうわっ!』
ストレス発散のサンドバックにするのだが―
―
『なんだあの白いもふもふ!?』
『見た目は子犬なのに、イレギュラーのガルム種を瞬殺なんだが?』
『S級の探索者でもなければ不可能なレベルだぞ!?』
『なんでもいい、紗雪を救ってくれてありがとう!』
『白いもふもふ、可愛い!』
女の子は人気のダンジョン配信者で、ユリアが暴れる姿は配信されていた。このままだとフェンリル=戦姫だと発覚してしまう。それを恐れたユリアは女の子のフェンリルの姿のまま女の子の家に持ち変えられることに。これはモフモフと人気配信者のちょっとズレた物語。
*カクヨムにも投稿しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-08-23 17:50:00
111175文字
会話率:45%
希代の天才として魔術学院に招かれたフィオナは未来に希望を抱いていた。属性がなくて魔術が使えないと発覚し、落ちこぼれの烙印を押されるまでは。
期待が大きかったこともあり、無属性の能無しとクラスメイトから馬鹿にされる。
だが、フィオナに
属性がないわけではなかった。六属性すべての光が合わさった結果、自然光と同じように白い光となっていたのだ。
属性が相殺しているせいで魔術は使えないが、魔力の純度は間違いなく世界最高。その価値を知る少女と契約し、フィオナは魔法少女となって成り上が……
「――って、魔法少女ってなに!? あたし、魔術師を目指してたんだけど!?」
フィオナはそこで意外な事実を知り、思ってもない運命に巻き込まれていく。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-01-23 20:03:52
8016文字
会話率:65%
地球侵略を企む宇宙人 ゾンアーク。それから地球を守るために、母なる意思、ガイヤの加護を受けて誕生した、特務戦隊ゴヨウダー。
一年にも長きにわたり地球を守り切った彼らは最終決戦で見事敵首領を倒すことに成功した。
だが、力を使い果たした守
護ロボットマックスキングゴヨウダーは、彼らを中にいれたままその機能を停止。7人はその中にに閉じ込められてしまった。
脱出を図る過程で発覚する色んなめんどくさい人間関係に辟易しながら、地味で目立たないポジションのグリーンは、脱出のためにひたすら翻弄させられる。折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2024-08-21 23:40:05
20097文字
会話率:52%
ある有名人の不倫発覚記事。
その記事に嫌いな人の名前を書いてXに投稿すると、どうやら呪い殺してくれるらしい。
そんな噂に翻弄された、一人の女子高生の物語。
~夏のホラー2024出展作品~
最終更新:2024-08-19 19:00:00
22472文字
会話率:38%
大阪の曾祖母が死んだ。うちの家系の最後のクリスチャンだった。
曾祖母は【先祖の墓に、両親や亡き旦那と同じ墓に入りたい】と遺言(メッセージ)を残してこの世を去った。
でも寺の墓は数年前の墓荒らし事件の後、誰の遺骨も入っていないということが発覚
している。曾祖母が言っている墓とはいったいどこの事?
そんな中、認知症の祖母が喚く。
『16番目のオラショに皆眠っている』
カクレキリシタンの隠されたお墓を探しに行くミステリー。
〜春の推理2024出展作品〜
(※全てフィクションです。『はじめに』を読んで、納得された方のみ本編にお進みください)
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-05-15 17:00:00
32259文字
会話率:59%
本が好きな少学4年生の少女、綾崎梨菜はある日自身の運命を変える1冊の本と出合う。
その後、彼女は不思議な夢を見ることになる。
夢の中に見知らぬ少女が出てきて助けを求めてきたのである。
梨菜は最初、こんな夢を見るのは疲れているからだと考
えた。
だが、それが夢ではなく紛れもない現実だということが後々発覚するのである。
そして異世界で出会った3人の仲間たち。
梨菜は彼女たちと共に成長していき、そして……
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-08-19 07:07:47
64326文字
会話率:10%
妹の身代わりで、蛮族の国と蔑まれる軍事大国マルク大王国の王太子アレクセイ・フョードロヴィチに輿入れしたオストライヒ王国の王女ハンナ・アマーリエだったが、結婚式の後すぐに身代わりであることが発覚してしまった。そのまま投獄されてしまった偽の花
嫁はどうなってしまうのか。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-08-19 03:27:40
16407文字
会話率:61%
高級ブランドのアウトレット店で働く絵里と莉愛葉。ふたりは恋仲関係にある。だが、人を喰ったような態度の絵里に、莉愛葉は翻弄されてばかり。
ある日、ふたりは中学二年生の悠人に出会う。たまたまカフェで隣同士になっただけだが、絵里におちょくられ
、莉愛葉にはストーカー扱いされ……と、散々な目に遭う悠人。それでも日々は平穏だった。
しかし、その晩。悠人の彼女である凛から掛かってきた「あのね。私ずっと前から悠人のお父さんに脅かされてて」という電話により事態は急変。凜の妊娠が発覚する。
運命を捏造し、父親の殺害を自らに課す悠人。妊娠した凛の思い。若いふたりのアイデンティティは絵里と莉愛葉をも巻き込んだ凄惨な事件へ発展していく。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-08-16 03:36:12
43260文字
会話率:24%
主人公の親友がとんでもない奴、田中に恋をしていると発覚。
親友の素敵な初恋を守るため、主人公は田中に身を引くように消しかけるが、邪魔が入ってしまう。
決戦はダンスパーティー。
最終更新:2024-08-15 00:04:58
6566文字
会話率:38%
黒魔術師の素質があるとわかったリーザ。
処刑は免れたけど、魔物だらけの『白の領域』に捨てられてしまう。
なんとか他国に逃げたものの、黒魔術師としては力が弱すぎて、仕事につくこともできず、唯一できるだろう採取で生きていこうと思います。
でも黒
魔術師の素質が弱かったからこそ、特殊な採取ができることが発覚。
異国の地で平和に暮らしていきたいリーザが、冒険者と仕事をしたり、魔物と関わったりしながら幸せになるお話です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-08-08 22:46:03
85738文字
会話率:29%
汐見の妻の不倫をきっかけに、7年以上も汐見に片想いし、すれ違っていた佐藤と汐見の関係が急展開していく……
※他投稿サイト様にて、トレンドランキング・BLジャンル日間3位を獲得させていただきました。そちらでお読みいただいた方は、ありがとうご
ざいました。
芸能人並みのイケメン佐藤甘冶(32)は出会った頃から汐見潮(34)に友人以上の感情を抱いていた。
だが、鈍感な汐見はそんなことに全く気づかず、佐藤と出会って5年目の春に出会った美貌の女性と結婚してしまう。
汐見を諦められない佐藤は時折、苦しくなるほどの嫉妬に駆られながら、汐見の親友であろうとし、職場でのみ汐見と会えることを生き甲斐に日々を過ごしていた。
一方、汐見の方は妻・紗妃の態度に不安を感じつつ結婚2年目を迎えていた矢先、妻の不倫が発覚する。
佐藤と汐見、その妻・紗妃の間に起こった出来事が積み重なり、紗妃の不倫がきっかけで、7年以上すれ違っていた佐藤と汐見の関係が急展開していく。
◆イラスト制作は©️ヤマダカオリさま >> https://x.com/koizam
※無断転載・自作発言等、著作権を侵害するような行為はご遠慮ください<(_ _)>折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-08-06 21:05:50
467075文字
会話率:43%
ソフィアは父の爵位返上に伴い平民となった。そのため彼女は愛していたレオナルドとの婚約を解消せざるを得なかった。現在は弟のルーカスとともに市井で暮らしながら、王妃殿下の侍女として仕えている。
ある日、レオナルドは親友のエマを愛していることが
発覚する。ソフィアは彼を忘れ、前に進もうとするのだが……。
そんな時、隣国から王太子とその側近たちが訪れ、事件が起こる。そして、レオナルドの企みは明らかになるのだった。
ご都合主義です。なんでも許せる心の広ーい方に読んでいただけたら嬉しいです。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-08-06 12:08:35
26937文字
会話率:50%
四月。八尾時生は通う高校の並木道、桜の木にキスをする一ノ瀬海里に出会う。時生は思わず、手にしていたカメラでその光景を撮影した。そしてそのシャッター音に気づかれて、彼女に逃げられてしまう。海里は高校の新入生で、まるで気位の高い猫のようだった。
入学式を終えた一ヶ月後のある日、時生は海里の落とし物を拾う。それは演劇の台本だった。
台本を届けに来た劇団の練習スタジオで、時生は斉藤海咲に声をかけられる。
「これからも、海里ちゃんを見守ってあげてね。」
海里の姉のような海咲は時生が一人暮らしするアパートの上の階、上田喜一の恋人だと後に発覚する。
台本を届けたことをきっかけに、時生と海里はゆっくりと打ちとけていく。
授業をサボって逃げた先の、野良猫の集会場。
海里が初主演を務める演劇の開幕。
海咲と喜一のカップル、海里と時生の四人で行った海水浴。
そして、それは夏祭りのこと。キスを、した。
だけれど、海里と恋人同士にはなれない秘密が時生にはあった。
喜一に相談に乗ってもらう海里に嫉妬する、相反した自分がいることに時生は気づく。それは暴力性を孕んだ感情だった。
次の演劇の主演を得て喜ぶ海咲に、喜一は言う。
別れよう。
海里ちゃんを好きになった。
…ごめん。
突然の決別に、海咲の感情が弾けた。
「死んでいますね。」
喜一を殺めた海咲を、時生は冷静に見つめていた。
「私も死ぬ」「死ぬまで、傍にいてくれない?」
海咲の最期を、時生は見守った。
連絡の取れなくなった海咲を心配する海里と劇団の団長に向かって、時生が口を滑らせた。
「海咲さんなら、アパートの上階で死んでますよ。」
「僕と一緒に、逃げてくれる?」
時生にはもう会わないと言う両親との約束を破り、海里は彼と電車に乗って逃避行に向かう。
終着駅に着き、疲れた二人はラブホテルに宿をとった。ベッドで寝ながら、愛について語り合う。
「大嫌いよ」
微笑む海里の嘘が朝日に溶けていった。別れを決意した二人の、それは愛だった。
了折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-07-31 22:08:17
106262文字
会話率:52%