入社二年目の平凡なサラリーマン筒井(つつい)は、『氷の女王』の異名を持つ美人キャリアウーマンである先輩の浅霧(あさぎり)に、入社以来ずっと片想いをしている。
だが毎日筒井は仕事で浅霧に叱られてばかりで、男女の仲になれる雰囲気は微塵もなかった
。
そんなある日、筒井は官能小説投稿サイトで、浅霧が書いたとしか思えない、こんなタイトルの小説を発見してしまう――。
『キャリアウーマンは性奴隷!? ~オフィスで繰り広げられる、禁断の雌犬調教~』折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-01-19 21:03:43
5010文字
会話率:38%
「リヒャルト様、このフリーダ、本日よりあなた様の妻として精一杯務めさせていただきます。何卒よろしくお願い申し上げます」
「……ああ」
桜の蕾が長い眠りから目覚めたばかりの、麗らかなある日。
広大なバラデュール侯爵家の一室にて、私は今日
から夫となるリヒャルト様に、うやうやしくカーテシーを取った。
だが、リヒャルト様から返されたのは、「……ああ」という素っ気ない返事だけ。
絵画に描かれる魔王を彷彿とさせるような、冷たくも美しい瞳が私を刺す。
でも然程ショックはない。
何せ私はつい先月、婚約者に浮気された挙句、婚約を破棄された身なのだ。
理由はどうあれ傷物となった私と、新たに結婚してくれる人など現れるはずもない。
そんな中唯一打診をくれたのが、何とあの名門バラデュール侯爵家だったのである。
一人息子のリヒャルト様の妻に、私を欲しいとのこと――。
私の両親は大層喜び、二つ返事でこうして結婚の運びとなったのだった。
何故バラデュール侯爵閣下が、私なんかを大事な一人息子の妻にしたがったのかは見当もつかないけれど、当のリヒャルト様からしたら迷惑極まりなかったことだろう。
だからこそ、リヒャルト様のこの態度も当然よ。
傷物の自分をもらっていただいたことに感謝こそすれ、文句を言う権利は微塵もないわ……。
……ん?
その時だった。
リヒャルト様の隣でずっと笑顔で佇んでいた従者さんらしき人が、どこからともなくスケッチブックを取り出し、物凄い早さでそこに何かを書き始めた。
い、いったい何を……?
従者さんはスケッチブックをリヒャルト様の後頭部辺りにそっと掲げた。
そこにはこんな文章が書かれていた――。
『ふわああああん!! 俺のバカバカバカ!! 何であんな素っ気ない返事しかできなかったんだよおお!!! ホントはフリーダのことが好きで好きで堪らないのに!!! 婚約破棄されたって知った時は、「ヨッシャアアアアア!!!!」ってガッツポーズして、速攻で父上に結婚の打診をするように土下座までしたのにッ!! でも、愛しのフリーダを目の前にしたら、緊張して上手く喋れねえよおおおお!!!』折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-11-25 21:01:49
3998文字
会話率:34%
「ゲェ、私の負けかぁ」
「イエーイ、勝ちー!」
「じゃあ約束通り、ちゃんと津島君に告白してよね」
「……わかったわよ」
――!
とある昼休み。
図書室に向かう途中、人気のない科学室の中で、僕と同じクラスの女子三人がこそこそとジャンケ
ンをしている光景を目撃してしまった。
ジャンケンに負けたのは、我がクラスのスクールカーストトップの冬森さん。
誰もが羨むような美貌を持つうえ、実家もお金持ちという、絵に描いたようなお嬢様。
そして津島というのは僕の名前だ……。
こ、この流れはまさか――!
僕は慌てて、その場から立ち去り教室に戻った。
「ね、ねえ津島君、放課後ちょっと話があるんだけど、裏庭まで来てくれない?」
「あ、はい」
教室で一人ボーっとしていると、案の定冬森さんから声を掛けられた。
――そして迎えた放課後。
「つ、津島君、実はずっと前から好きでした。私と付き合ってください」
「――!」
僕たち二人以外誰もいない裏庭で、抑揚のない声で冬森さんからそう告げられた。
いや、正確には僕たち以外にも、先ほど冬森さんとジャンケンをしていた二人も、草むらに隠れてニヤニヤしながらこちらを窺っている。
――噓告白キターーー!!!!(大歓喜)
毎月二十冊以上ラノベを読んでる僕だからわかる!
この流れは、ラノベの定番中の定番、『噓告白』だッ!
最初はドッキリで付き合っていたスクールカーストトップの美少女と、スクールカーストドベの陰キャボーイが段々と心を通わせていき、やがて本物の恋人同士になるという、ラノベ界の王道オブ王道!
盛 り 上 が っ て ま い り ま し た。
……お、おっと、一人でズンドコしてる場合じゃない。
ここは噓だとは気付いていないフリして、何にせよ告白は受けないとね!
「あ、うん、ぼ、僕なんかでよければ、喜んで」
僕は敢えて声を震わせ、オドオドしながらそう返事した。
「あ、ありがとう、とっても嬉しいわ」
微塵も嬉しくなさそうな、引きつった笑顔を向ける冬森さん。
それに反して草むらに隠れている二人は、満面の笑みでハイタッチを交わしている。
「……じゃあ、早速二人で帰りましょ」
「そ、そうだね」
さてと、見せてやるとしますかね、ラノベ主人公の力ってやつを(倒置法)。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-11-04 21:12:57
4736文字
会話率:44%
魔法が科学のように超発達した地球文明が、資源不足から異世界侵略を計画した。
人工的な転生により【転生兵士】が侵略の為に送り込まれていった。
だが、その異世界は様々な歴史を経て、平和を享受しており
【転生兵士】達の姿など微塵も無かった。
その異世界の少年【マシュー】は、幼馴染の【レベッカ】と共に、成人の儀に挑んでいた。
そこでスキルを何個か授かって、大人として認められるはずだった。
しかし、マシューが授かったスキルは異常な数で、しかもそれが殆ど使えない状態。
さらに、マシューは己の中に、別の人格が存在することに気付くのだが……。
その騒動の中で、世界の変革を求める、危険な思想集団も介入して、マシューの運命は大きく動転する。
その世界の中で、異世界侵略の転生者は一体どうなったのか?
全ての謎は【リンカネティックエンカウンター】に帰結する。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-01-07 00:00:00
135113文字
会話率:44%
突然だが私は転生者である。名は一番合戦桜花(いちまかせ おうか)。幼き頃に前世を思い出した訳だが……例えそこが前世で見知った創作物の世界であっても、何か物申す余地など微塵も介在しない圧倒的暴力が支配する倫理を投げ捨てた名門中の名門武家に生ま
れ変わりっていた。そして地獄のような修練に明け暮れること幾年。ついに【一番合戦流氣功術皆伝】を賜るにまで至っていた。羅刹悪鬼のごとく生きた賜物であろう。であるならば――この世界でなすがまま武をふるうのもまた一興と思っていたのだが……ふと気づくと今度は魔法の世界【バルバロード】に転移していた。なんだろう、この節操のない人生は――折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-01-03 00:39:59
77659文字
会話率:20%
悪逆の那須藻(ナスモ)。放浪の搾菜(ザーサイ)。裏切りの松竹(マツタケ)。そして早漏の背信者(ダーティー)。定職にも就かず、悲劇を撒き散らかす4人の男たちの風俗行脚の旅から10年。神をも恐れぬ傾奇者4人が煩悩まみれの娑婆を彷徨う。
偶然に
も遭遇した獅子座流星群を鑑賞した4人はふとしたすれ違いから殴り合いに発展。離別の道を選択する。
パーティー解散から30年が経過。生活費が底をついた背信者(ダーティー)は気の向くまま思い付きで近くの村落を襲う。子供が1人もいない老いさらばえた小さな村であった。哀れみから背信者(ダーティー)は村人を全員虐殺。村人の生活跡を物色する背信者(ダーティー)。村人の日誌から、かつての仲間の1人那須藻(ナスモ)がこの村に流れ着いていたことを知る。30年前に袂を別った仲間の行方など微塵も興味もなかった背信者(ダーティー)はこのとき初めて感慨に耽る。悪逆の通り名を冠する那須藻(ナスモ)が村に残した足跡は悪逆の限りを尽くさんとするが如くのものだった。背信者(ダーティー)は決意する。
「よし!那須藻(ナスモ)と、搾菜(ザーサイ)、それから松竹(マツタケ)。この3人を探し出してこの手で殺してやろう!」
かつての仲間であり、かつての友を追い求める背信者(ダーティー)の旅がここに始まった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-12-29 16:00:54
459文字
会話率:20%
ねえねえ、死亡フラグって、何なん?
ちょっと誰か…、教えてくれよ。
最終更新:2023-11-30 20:00:00
4415文字
会話率:8%
【リードグリーン】二人は今、幸せだったから。
婚約破棄されたエミリーはある人に会いに行った。
<>
リードグリーン 色言葉
カクヨムにも投稿
最終更新:2023-11-24 17:00:00
1897文字
会話率:52%
昏倒から覚めると、そこは戦乱の只中。
男は着の身着のまま、状況は不明。救う者も無い状況で戦国時代に歩み始める。
戦場から命からがら逃げる際に一人の少女を救い出すという、些細な拾った手柄で迎え入れられたのは、かの有名な「織田家」……なら
ぬ「小田家」であった。
一抹の不安を抱きながら当主に会うと、そこには戦場で助けた少女の姿。
そう、この少女こそが百戦百敗の迷将「小田氏治」である。
外交駆け引きなど微塵もできず、戦に出れば必ず負けて、その癖家臣の諫言なんて一つも聞きはしない戦国屈指の暗君愚将。
仕える男は器用貧乏で平々凡々の特徴ない若人。夢と浪漫の戦国時代に足を踏み入れるも、その日を生きるので手一杯。物語の様に甘くない現実と常識の違いに四苦八苦する。
しかし、少女には一つだけ誰にも劣らない能力があった。
それは、戦国屈指の絶大な「人気」である。
男は大きな歴史のうねりに相手にされずとも、必死にもがいて目の前の問題を解決し続ける。夢や理想と乖離する戦乱と謀略、味方の中の敵、気難しい武士の人間関係に揉まれながら、少女の「人気」を生かしていずれ来るお家滅亡を回避するべく文字通りの悪戦苦闘を切りぬけていくのである。
※貨幣流通に関して、研究資料に解明されていない部分は現在資料で読み取れる延長線上の範囲で独自解釈等を加えている部分もあります。
※軍事チートやらチートNAISEIの類は使用しないリアル路線です。故に物語の流れは遅めです。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-11-19 22:40:36
2602917文字
会話率:49%
幼い頃に突然家族を亡くした悲しい過去に囚われて
ひっそりと暮らすレイア・オルゼット。
望まず、夢は見ず、誰かのために生きるのが贖罪だと思い込んで生きてきた。
しかしある日、友人に誘われて「侯爵家の侍女」になることに。
人目につかない森の
中から、国の中心地へと踏み出すことで、
見るはずの無かった景色・出会うはずでは無かった人々・知るはずの無かった話など
多くの“初めて“の経験が、彼女の人生に彩りを与えていく。
侍女として仕えることになった若き侯爵様は冷酷無慈悲と噂される人だった。
しかし、噂なんて微塵も知らず、日々ひたむきに働くレイア。
彼女の優しさに、純粋さに、侯爵の凍った心が溶かされていく。
2人が出会うことで、世界の運命は大きく変わろうとしていることなんて
未だ誰も知る由もない。
自分は二の次に、誰かのために奔走する彼女の純粋な心が人々の心を救っていく
恋愛ファンタジー。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-11-19 20:08:08
193027文字
会話率:24%
神の領域を侵した・・・
その存在になって、なぜ未然にふせげなかったのだろうと思わせた。
『機械と人間の統合の研究』。
そのための『新薬』の開発。
生き延びるために始まったその研究は、簡単に言うと大衆にこう思われた。
「そこまでして、生きて
いていいのか?」
生体の部分を微塵も持たない、蘇りし精神。
『リジェネ・スピラー』。
自然的精神を謳い、不老不死を夢見る研究は、その危険性を公には曖昧にしていた。
まるでそれが『当然』かのように。
これはリジェネ・スピラーになった19歳の男子〈セージ・サクト〉が主人公のお話。
お話の始まりには少し時間がかかりそうです。
序章の前に、人種表と余興があるので。
これは現実世界にそんな存在を作らないための危機感を描いた作品。
もちろん、エンターテイメント性を含んで。
※この作品はSFのジャンルを選んでいますが、ファンタジーの類いかもしれません。
「こんな作品は絶対的に必要だけど、
こんな作品に出てくるような現実は絶対にいらない」と言われたいです。
作者的には、機械と人間の線引きについて『装着』が限度であると思っています。
開発中のはずの『ソフトメカ』について、です。
機械との統合は、誰も望んでいません。
それを大前提にこのお話を公開します。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-11-11 09:53:24
144593文字
会話率:40%
指輪物語の作者が、戦争で捕らわれた白人の
伝聞で黄色人種をモデルにゴブリンを描写したと
聞いていますが、よくゲームや映画やファンタジーなどで
悪者の群れとして退治されているゴブリンですが、
モデルは戦時中の黄色人種だと思うと、どんなに悪に
見えても
相手にも正義があって魂があるかもしれない事を忘れないように
したいものだという、よくある「お説教」のような感慨になったり。
ゲームなどを遊んでいて食料を確保のために、
そこに住む動物達を狩りつくすようなゲームで遊んでいたり。
ちょっと前までは野菜やフルーツしか採取せず、動物系は
偶然当たったりや近くにいたら近接武器で狩るというスタイル
だったのですが、動物系の肉を食べないと火力が出ず、
火力を上げるために必要以上に見つけたら、狩りつくすように
なりました。肉はアイテムとして保存され腐りもせず、
動物も時間がたてばリポップで、また出てくるので、
ゲーム内なら何の罪悪感もなく狩れるのですが、
現実だと狩りつくすと全滅していなくなるはずなのですが、
現実の人間全員にそんな知恵が備わっているかというと、
生活が困窮している人は、楽してお金や肉が得られるならと、
他人に奪われるより先に自分が狩ってしまおうとなる人がいて
全滅させないよう取り締まったり、ゲーム内ではそんな配慮の
あるゲームは、まだ見た事ないなあ。
ゲームでは、遊びのように動物を狩り、肉を得てストック
するため、一見効率的な行動をしているように感じますが、
傍目には遊びで動物を狩りつくす、本人がそれに全く
気付かなければ、リアルでやっても全く気付かない。
そんなゲームで遊ぶことによる虐待への不感症を増すような
ゲームが、任天堂やら大手でさえこんな感じで、自分だけなら
注意して感性を削られないように気に留めておく事もできるのですが、
ほとんどのゲーマーはそんな事を微塵も感じずに感性を削られて
遊んでいるのではないかと、心配になったので書いたエッセイです。
ゴブリンスレイヤーや他の弱いモンスターを圧倒して狩りつくす
ような娯楽が流行っていますが、気持ちよさだけに流されず
自分を俯瞰してリアルと比べる精神修行的なものを良いゲームとして
自分は評価したい。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-10-08 11:41:25
1648文字
会話率:0%
吉田兼好の書いた徒然草。日本三大随筆と呼ばれる本著は国語の授業で目にした事があるでしょう。
でも皆、中身までは知らないはず。誰もが口を揃えてこう言います。
「何となく難しそうで読みづらいし、よくわからない」
そんな事は微塵もあり
ません。徒然草は今で言う所の「おっさんの偏屈ブログ」なのです。
社会への愚痴いっぱい、下ネタ満載。今の日本社会にそのまま通じることが出来る、とっても身近なものなんです。
この作品「徒然ww2」はそんな徒然草の各段を中学教師、卜部兼好を主人公に再構築した学園ドラマです。
思わず草が生えて、そして泣ける。そんな新感覚の徒然草をどうぞ。
原文は吉田兼好著、徒然草より引用しております。
【お知らせ】
前書きに徒然草の原文を、後書きに現代意訳を載せてあります。徒然草に初めて触れる方でもするりとお読み頂ける様になっております。
本作は京野うん子が書いた「徒然ww」の続編になります。本作のみでもお楽しみ頂けるようにしておりますが、前作をお読みいただければより一層お楽しみ頂けます。是非「徒然ww」もあわせてお読みください。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-10-08 09:00:00
65909文字
会話率:49%
エリート街道へ足を踏み出した大卒新米女神のガヴリルに、先輩女神のハニエルよりとある指令が下る。
何でも昨今自ら人生の幕を引く日本の若者が増えており、そんな彼らの中に生前読み漁った物語のような異世界転生を希望して駄々をこねる者が多く実務の
障害となっているという。そこでいっそ彼らの望み通り実際に異世界へ転生させてみて、その結果転生先の世界に治安良化など一定の効果が見込まれるかを確認しようという計画が上層部によって立案されたため、その監督者として選任されたとのこと。
まるで気乗りしない仕事だが、生来の山よりも高い負けず嫌いなプライドが災いして、半ば売り言葉に買い言葉で軽々しく任務を引き受けてしまったガヴリル。
しかし、この転生希望者というのがどうにも世間知らずで夢見がちな者たちばかりのようで――
「ヴァッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッカじゃないの!」
女神ガヴリルの魂の籠った罵倒(シャウト)が、今日も木霊する。
二十万時未満での早期完結の予定ですが、もし好評のようなら続編考えます。
また、本作には異世界転生モノをディスっているかのような描写が散見されますが、決してそういった作品を扱き下ろすようなアンチ的な意味合いを含んだ作品ではございません。
(寧ろ作者は、そういう作品大好きなクチです)
あくまでエンタメや娯楽の一環として、お楽しみください。
また、この物語はフィクションであり、作中に登場する固有名詞や状況などは実際の人物や作品などとは全く・微塵も・一切合切関係ございません。(ゲン●ウ除く)
何か癪に触ったとしてもそっとブラバするだけで、間違っても苦情やアンチコメなど書かず静かにお楽しみください。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-08-19 08:00:00
165969文字
会話率:46%
「世の中にはこんな言葉が存在します」
黒髪の女が言う。
「号泣するほどの感動は、誰かの死があることによりうみだされる。もう一つ紹介しますと、素敵なハッピーエンドや純情な愛は誰かの犠牲の下に成り立っている。」
……それらは本当に正しいので
しょうか。
「人間でない私には、少し難しいようです」
「それはそうだろうね。君にはこの言葉の素晴らしさは微塵も理解できないだろう」
何処からともなく現れた道化師が言った。
「素晴らしさはわかっていますよ。英雄の死。恋慕った愛人の死。それはとても美しいと思います。しかし、人が死なずとも美しいものが作れると思うのですが?」
「確かに作れるが価値がほとんどないだろう?それに比べて、死による感動は、例えるとダイヤモンドと同価値だ」
「そんなに疑うのであれば、一つ見せてあげようか。とびっきりの美しい作品を」
そこから物語が始まった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-08-05 04:10:35
2494文字
会話率:29%
エレメナは世界を救った。
その命を代償に。ーーーーーー そのせいで世界を再び危機に落とすことになるなど微塵も思わずに。
◇◇◇◇エレメナが災厄を倒した300年後、彼女は再び1人の人間に生まれ変わった。白魔法使いだった前世の力は全く無く、周囲
に絶賛された美貌すら今生では無い平凡な容姿だが、エレメナはこの平凡で平和な暮らしを気に入っていた。今生では、何事の責任も背負わずのんびり暮らすのだとウキウキとギルド近くのカフェでアルバイトをしているのだが、毎日やってくる幼馴染と話していると、近くにいた旅の冒険者が話しかけてきて......。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-05-30 01:29:17
13260文字
会話率:34%
当校の生徒と言う自覚を持つから始まり、寄り道をしないなどを付け加えてから最後に清き交際などが書かれた校則はどこ吹く風。
主人公、貝沢智将は人と違うと自覚しながらも、人と同じと見られることが嫌で一度も校則を破らないまま真面目な中学校生活を
終えた……と言えば聞こえは良いが、何かに熱中したことも、何かに対しても勇気を持っているわけでは無かったから。
そんな顔見知りたちと離れたいから通学時間がかかる高校に入学したわけでも無かったし、だからと言って高校デビューをしようとは微塵も思っていない。
それに伴う責任を負わされることを理解していたし、その中に見え隠れする学生の本分が続くことを知っていたから。
ただ、行動範囲が広がることが楽しそうと期待を寄せていた智将は、それに伴って知識が広がることも期待していたし、その広がる行動範囲が人生を(自分)を幸せにできる可能性があるとも思っていた。
それはまた、誰かの人生も幸せにできる可能性があるのではなかろうか? とおぼろげに考えたこともあったが、そんなたいそうな考えこそどこ吹く風。そんなことはそんなヤツらに任せておけば良いこと。
そんな内気だが内面はこじらせている系男子のお話。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-05-06 14:36:48
8786文字
会話率:27%
はるか遠い未来、もしくは、気の遠くなる程の昔。
世界は核大戦により一つの終焉を遂げた。それから幾らか時は経ち、生き残った人々は新しい世界を創り上げていく。
限りある物資を求めて争う者たち、巨大に繁栄した国々。争いの絶えない日々の最中、
主人公の少女は理想郷の存在を耳にする。そこでは争いなど微塵も存在せず、圧倒的に平和なユートピアが広がっているという。
少女たちは旅に出る。様々なものを得て、奪い、失い、それでも平和の秘訣を求めて。
冒険ファンタジー & SF。平和の秘訣とは何なのか。人は、平和を実現させることは出来るのか。その旅の先に、答えはあるのか。これは、新しい世界を創り出す、希望と光へ託す手紙。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-04-29 15:55:10
138221文字
会話率:45%
はるか遠い未来、もしくは、気の遠くなる程の昔。
世界は核大戦により一つの終焉を遂げた。それから幾らか時は経ち、生き残った人々は新しい世界を創り上げていく。
限りある物資を求めて争う者たち、巨大に繁栄した国々。争いの絶えない日々の最中、
主人公の少女は理想郷の存在を耳にする。そこでは争いなど微塵も存在せず、圧倒的に平和なユートピアが広がっているという。
少女たちは旅に出る。様々なものを得て、奪い、失い、それでも平和の秘訣を求めて。
冒険ファンタジー & SF。平和の秘訣とは何なのか。人は、平和を実現させることは出来るのか。その旅の先に、答えはあるのか。これは、新しい世界を創り出す、希望と光へ託す手紙。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-10-30 13:50:39
137898文字
会話率:45%
幼い時は病弱だったマリエッタは、痩せ過ぎていた事などを理由に婚約を白紙にされてしまった。好きだった婚約者と白紙になりマリエッタは、食べる事で心を満たしていた。お腹が満たされていくと、比例するように心も癒された。そして、卑屈だった彼女は身体が
膨よかになるにつれ、色々と逞しくなっていったのである。
そう、逞しく育ったのは胴回りだけでなかった。周りに何を言われようが右から左へ流せるくらいに成長していたのである。
しかし、男はゴリゴリ。もう結婚はイイやと諦めていた彼女に、なんと求婚する人物が現れたのだ。
その方のもの凄い美貌に驚きはしたけど、胸は微塵もときめかなかった。
だって、彼もまた屑だったのだもの。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-04-21 12:00:00
42129文字
会話率:29%
『思考洞察』、それは他人の仕草や行動から相手の思考を読み取る能力である。
そんな才能を持った天才候補、東信二はボランティア活動として、何でも屋を営んでいた。
別に、自分にしかできないことをしたいとか、誰かに才能を見せつけたいとか、ましてや
人の役に立ちたいなど微塵も思ってはいない。
ただ、政府からの条例によって、天才は必ず自分の才能を活かしたボランティア活動を行う必要があったからだ。
ある日、そんな信二の下に1件の依頼が舞い込んできた。
それは同じクラスメイトである嘉山ミライからのものだった。
「私の考えてること、教えて欲しいんです!」
そのあまりにも奇怪な内容に信二は断りを入れようとするが、ミライの真剣な表情から信二は依頼を引き受けることを決める。
それはミライが話の途中に見せた暗い瞳の理由を知るためでもあった。
これは、才能に恵まれた少年少女たちが繰り広げる葛藤の物語である。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-04-16 18:28:16
14303文字
会話率:45%
その皇帝は類い稀な力と魔力を持ち、人智を超えた戦闘力を発揮する帝国で一番の強者である。
しかし人らしからぬ強さに周りの者達は陰でこう呼んでいた・・・魔人王と。
その魔王は魔物が扱えない力を有しており、全ての魔物を一掃する力を持つ剛の者であ
る。
だが魔物らしからぬ属性と優しさを持つ王を魔者達は陰でこう呼んでいた・・・聖魔王と。
【脳内報告】
警告音ピィィィィィィィィヒョロロロロロロロロロロ
※※※Initial Setting Start※※※
飄飄と揺蕩う、転生者たちの異世界見聞録
これは人魔の法や神の摂理さえ無視して行動する一行の話である。
異端の神の眷属となったのは、つい最近お互いが転生者と知った魔王と勇者だ。
異世界に落胆し、特別な力も無いままに仲間に支えられて今の力を手に入れた二人だ。
そんな2人を従えたのは、転生者狩りを済ませた”アルジ”と呼ばれる者だった。
どの世界も差別は酷く、全ての種族で力の無き者達が苦渋を受けていた。
しかし、差別をしている方は自分達の世界が平和だと思っている様だ。
どの種族も、いつの時代も同じである。
だが差別を無くそうとは微塵も思わない。
何故ならば、”それこそが自然だから”である。
自然に手を加えるのは良くないが、下界に存在する生物の都合に関係無く好き勝手に行動する事にしたのだ。
だから下界の種族を進化させる為にこんなのも面白いかもしれないな・・・
【元魔王が治める人間の帝国と元勇者が治める魔王国が作る第三国だ】
勿論正体は秘密だ。
進化とは種の発展の過程であり環境に適合し次世代を残せる個体に変化させる事だ。
その原理となるのは天災である。
この物語の異世界の定義は自分たちが生活している“現実世界”とは異なり、かかわりのない世界で物理的に一切つながりが無く、移動手段も確立されていない世界を指します。
これは人外の者が異世界を見て回る物語です。
主人公は自称旅人です。
冒険者じゃ無いよ。
あらすじはナレーターが語るものとし、声は故人であるHalDouglasのイメージです。
英語じゃないけど・・・あくまでもイメージです。
みなさまの柔軟な想像力に感謝します。
日本の|成人《おとな》であれば必ず映画で聞いた事のある声優さんです。
表題変えました。
関心がございましたらブクマと評価お願いします。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-02-28 17:00:00
321399文字
会話率:44%
グローバルに活躍する反社会的勢力マーロウ一家のボスの秘蔵っ子ロッタは、一人前として認められるため、王太子暗殺という初の大仕事に臨んでいた。
ところが、いざターゲットであるヴェーデン王国王太子クロードと目と目が合ったその瞬間――お互いが前
世で関わり合いのあった相手であることを思い出す。
「せ、先生……ご無沙汰してます……」
「……ああ、バイトちゃん……君か……」
前世の日本において大学生だったバイトちゃんことロッタは、先生ことクロードの弁護士事務所で事務のアルバイトをしていたが、それが原因で不本意な最期を遂げていた。
結局、暗殺任務は失敗。ロッタは、空いた王太子妃の椅子に半強制的に座らされることに。
その一方、前世に引き続き煽り体質を発揮して、敵を作りまくりつつ我が道を行くクロード。
おかげで、今世もまた安らかな最期を迎えられる気がしなくて、来世に望みを託すほど諦めの境地に達したロッタに、クロードは自分の言葉が否定されるなんて微塵も思ってもいない、いっそ憎たらしいほど晴れやかな顔をして宣った。
「バイトちゃんのことは特別に思っているんだよ。前世では何人も人を雇ったけれど、最後まで俺のもとに居てくれたのは君だけだったからね。ねえ、こうして新たな人生で再会したことに運命を感じないかい? ちなみに俺は感じる」
前世では単なるアルバイトと雇い主でしかなかったはずなのに、やたらとスキンシップが激しかったり嫉妬深さを見せたりする相手に戸惑うロッタ。
前世に引き続き胃袋を掴まれつつ、クロードに振り回されたり逆に振り回したりしながらも、王太子としての今世の彼を支えて過ごしていたが、やがて共有している前世の記憶に齟齬があることが判明して……折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-02-18 12:07:21
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会話率:32%