とある会社の一室。彼は無数のモニターをぼんやりと眺めながら、大きなあくびをした。
きっちり締めたネクタイも、しっかりと羽織ったスーツも、この部屋に入って数分も経たずに脱ぎ捨て、肌着一枚のだらしない姿になった。職務への熱意は欠片もない。
だが、誰も咎めはしない。この部屋には彼しかおらず、会社全体を見渡しても、生身の人間は彼一人だけなのだ。
折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2025-02-22 11:00:00
2510文字
会話率:57%
「えー、これからうちの相撲部屋は養豚場も兼業することになるから。そういうことで、よろしく」
おれは驚いた。以前、親方がおれたちにそう言ったときは、いつも気難しそうな顔をしているのに、うちの親方もなかなか面白い冗談を言うんだなぁ、と思った
。しかし、まさか本当に豚を育てることになるとは。
なんでも知り合いから良い豚を安く手に入れたらしい。うちの相撲部屋はおれ含めてたった四人しか所属しておらず、最高位は幕下。それも先輩一人だけという、自他ともに認める弱小相撲部屋だ。ゆえに後援会の援助も期待はできず、金に困っていたのかもしれない。養豚場の話は我々を豚だと揶揄した皮肉とさえ思ったが、ある朝、稽古場を乳離れした八頭の子豚がうろついているのを目にし、さらに親方から豚たちを家族のように扱えと言われ、これは夢でも何でもなく親方は本気なのだと、おれたちは思い知った。
折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2024-08-12 11:00:00
1742文字
会話率:15%
「……私は神だ」
椅子に座り、膝の上で手を組んでいるその男は、表情を一切緩めることなくそう言った。唯一神、それがこの部屋に――
「……いや、私が神だ」
「何を言っている、私こそが神だ」
「バカな。神は私だ」
「おいおい、神は私だよ」
「おれが神だ」
「私が神だ!」
「神は僕ですよ」
「おお、我こそが神……」
「神! 神! おおおお私の中に神がおられる! あああぁぁぁぁ!」
十人もいた。
ここはとある研究施設。
ここで主に精神療法を研究している博士は、別室のモニターで神を自称する男たちを眺めていた。
博士は、彼らが本物の神などとは微塵も思っていない。彼らは皆、精神異常者。家族や警察などに依頼され、ここに集められたのだ。一度に十人集まったわけではない。ここでそういった自称神の男たちが集められていると噂を聞き、『では、うちのも引き取ってください』と全国から送られてきたのだ。
しかし、一向に治療が進まず、博士は頭を悩ませていた。そして、ある時ふと思いついた。彼らは皆、自分が唯一無二の神と主張している。話し合いをさせ、自信を失わせることができれば、治るのではないか、と。
もっとも、思った通りに事が運んでも最後には一人だけ神が残るだろうが、まあ、心配しなくてもそこまでうまくは行かないだろう。良くて二、三人治ればいい。また、自分は本当に神なのだろうかと僅かでも疑念を持つようになれば、彼らの妄想症を取り去る糸口になる。博士はそう考えていた。
『では、じっくりと話し合ってくれ』
部屋の天井に設置されたスピーカーを通して博士はそう言った。もっとも、彼らはすでに話し始めていたが。
折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2024-08-01 11:00:00
3066文字
会話率:76%
主人公の炭咲、タンサキは幼い頃、父親の野望によってママと妹を失う。タンサキは両腕が木炭になったまま、一人だけ生き残る。その影響でタンサキは、その後自分を捨てた父親に復讐するために生きる。
タンサキが14歳になり、センター試験を受ける当日
に寄ったコンビニでとある少女と出逢う。初対面の少女はタンサキをパパと呼び、試験所まで付いて来る。タンサキは少女に捨てられた子共と言う意味で「ステラ」と名付ける。
試験所に謎の案山子が現れ、タンサキと少女の命を狙う。木炭の両腕に宿った炎に火をつけてカカシを倒す。しかし蘇ってきたカカシがタンサキの首を大きなハサミで切り落とされる。
妙齢の女性、こひなに助けれたタンサキは新吉原で身を隠す。タンサキは炎を使った副作用で大量の血を吐き出す。治療のために身内の香月がいる病院まで新吉原から移動する。
病院で健康診断を受ける間にまた追っかけてきたステラが、株式会社ミドリエ製薬会社の関係者に拉致される。ステラを取り試すため、実の父親と対面する。後ほど拉致を依頼した各務アリマと七日間、家族として一緒に暮らしすることを依頼される。
翌日、アリマの望みで動物園に訪れる。楽しい時間を過ごしたが、いきなり無理したせいで4日目の朝に風邪に引く。契約を移行できないことでタンサキとアリマが大喧嘩する。二人を止めようとしたステラがタンサキに怒鳴られたショックで家出する。ステラを捜す途中にステラの能力を知る。タンサキはステラを本家に送り、部屋に閉じこもる。
後日、牡丹と一緒に尋ねた各務家の屋敷でステラの死を目撃する。タンサキが気絶した間に、バベルにアリマが逮捕される。ステラの遺言であるアリマを救うため、タンサキはバベルに向かう。
そこで、バベルの神である陽と遭遇する。タンサキはアリマが犯した罪を贖いとして代わりに死ぬ。タンサキは、身代わりに死んだ後、復活して青い炎を地上に落とす。タンサキとアリマは帰り道にコンビニに立ち寄り、2人で秋入学を考える。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-02-20 14:36:09
142479文字
会話率:49%
颯希が飲み会で目を覚ますと、一人だけになっていた。心にしまいこんでいた、かつての部下を呼び出し、状況を整理していく。そこで知ったのが一人だけで惑星にいたことだった。別の宇宙へ足を踏み入れたとき、それまでいた宇宙が突如、消滅したのだった。飲み
会で飲んでいた仲間の行方や消滅の真相を知るべく、その部下と全宇宙の旅へ出ることにした。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-02-17 21:19:37
4619文字
会話率:57%
一ノ瀬 裕と桜木 美咲は幼馴染だった。
お互いに好意を寄せているのにも関わらず、長い月日一緒に居た事でそれを恋愛感情だと気づかずに過ごしていた二人。
そんなある日、一ノ瀬 裕は塔の最上階に一人で居る少女の夢を見るようになる。
何度も何度も見
続ける夢……そんな夢が鮮明に映ったその日、一ノ瀬 裕と桜木 美咲はクラスメイトと共に異世界へと飛ばされてしまう。
一人だけ別の場所へと飛ばされてしまった裕は夢で会った少女と出会う。
そして、王都で美咲を魔王に連れ去られてしまう。
引き離されてしまった二人――だが、そんな事になったのは前世に原因があって……?
果たして、裕は無事に美咲を魔王から取り戻す事が出来るのか?
これは険しい道を歩き、前世に決着を付け、半身とも言える幼馴染を取り戻す物語折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-02-13 09:00:00
749948文字
会話率:43%
フェデルマ帝国の皇帝と皇后が、ある日火災で事故死した。
皇太子リューベルトはただ一人だけ、それが本当は何者かによる暗殺であった事実を知ってしまう。
見えざる敵に怯える少年は、婚約者と手を取って現実に立ち向かう決意をしたが、弑逆者が仕掛けた罠
に落ちてしまう--
これは帝都を追われた皇太子と、彼を取り巻く者たちの物語。
「遠国の魔導士と呪いの宝石」と同じ世界の過去が舞台ですが、物語自体は別個になっているので、これだけを読んでいただいて問題ありません。その場合、序章は前作との繋ぎ部分となっておりますので、流し読みにして(もしくは飛ばして)ください。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-02-13 08:34:17
589988文字
会話率:39%
結婚式と広縁が終わって案内されたのは豪奢な公爵邸ではなく少し離れたところに建った小さな家だった。
キャローナと侍女三人がその家に入ると外から閂が降ろされてしまう。
窓、ベランダには鉄格子がはめられていて、他の出入り口を確かめてみても扉は開か
なかった。閉じ込められたもののキャローナはそれほど慌ててはいなかった。
いざとなったら家を燃やしてやればいいと考えていた。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-02-07 17:00:00
36164文字
会話率:36%
ここは異世界っ!!魔法が使える!ダンジョンだってある。そして魔女や勇者もいるしドラゴンだってエルフ、亜人、ドワーフ、サキュバス、そして魔王。そんなワクワクドキドキなハッピーライフ!…な物語ではない。
夢や希望、生きる意味を持っていれば訪れる
ことのない場所…。
才能がなくて夢も希望もないもの、才能があっても生きる意味がないもの…そんな人間たちが集まる学園。
その理由はこの学園を卒業できたのならなんでも一つだけ願いを叶えてくれるから!
ただし!!…卒業した学年の中から一人だけ…。だから生徒たちは争いあう。最後の一人になるまで!!
そんな学園に入学してきた龍崎司。彼もまた願いを叶えてもらうためにやってきた人物。
だが彼の背後には巨大な闇が隠されていた。
この物語は争い蹴落としあい…だが時には協力もして…裏切られたりもして…色んな思いが交差する!!
だけどそんなことに無関心な能天気な子もいて…!?
今ここに学園ロワイヤルが開幕する!!
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-02-03 22:34:09
2691文字
会話率:49%
二十年前にエジプトのナイル川で起こった船の衝突事故。
僕一人だけが生き残り、妻と息子は帰らぬ人となった。
愛してやまなかったエジプトを僕は去り、
二度とこの地を踏むことはないと思っていた。
しかし、偶然、僕の家の家政婦になった二十歳のシング
ルマザー美豊に
毎日引っ掻き回され、再びエジプトの地を踏むことに…。
灰色だった毎日が、美豊のおかげで少しずつ色づきはじめるのだった。
※この物語はフィクションであり、実在の人物・団体とは一切関係ありません。
しかし、ツタンカーメンの墓を発見したのは、考古学者ハワード・カーターで、
彼を支援したのはカーナヴォン卿であったことは紛れもない事実です。
また、ハワード・カーターとカーナヴォン卿の娘イヴリンとの悲恋も
事実だったようです。
この物語は、そこから発想を得たフィクションであることをご了承ください。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-01-29 22:40:00
125076文字
会話率:70%
神乃勇人はある日、女神ルミナによって異世界へと転移させられる。
しかしまさかのまさか、それは誤転移ということだった。
身勝手な女神により、たった一人だけ仲間外れにされた挙句の果てに粗雑に扱われ、ほぼ投げ捨てられるようなかたちで異世界の地
へと下ろされてしまう。
そんな踏んだり蹴ったりな、凡人主人公がおりなす異世界ファンタジー!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-01-26 19:20:00
112589文字
会話率:66%
愛する女性は一人だけ
キーワード:
最終更新:2025-01-23 12:35:02
4231文字
会話率:10%
西暦2600年。
400年ほど前に宇宙人の存在が公に認められて協力関係となってから……悔しいけれど、人類の文明はとてつもない速度で成長することとなった。
少し前からは、ぼく(16)でも地球から遠く離れた星に一人暮らしすることが当たり前にまで
なった。
ぼくが移住した無人星。一人だけの楽園!大変だけど楽しい生活がこれから始まるはず、だったんだけど……なんとぼくと同時に着陸した宇宙人がいるんだ。
これはぼくとinv星人の、日常の物語……だった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-01-15 23:02:46
12844文字
会話率:45%
孤独な天文学者が見つけた未知の天体。誰も信じてくれない中一人だけ信じてくれて…。たった1つの発見が紡ぐラブストーリー
最終更新:2025-01-12 12:30:00
1502文字
会話率:13%
今年5周年を迎える爆発的人気を誇るVRMMO『Lost Fantasy Online』略してLFO。
待望の5周年大型アップデートを迎え、様々な新コンテンツにプレイヤー間の熱気は最高潮に達し未だ留まるところを知らない中。
一人だけ5周年を
迎えた新しい世界ではなく、異世界に飛ばされる魔族RPプレイヤーが居た。
「不具合?」「あれ、おかしい・・・・」「ん、いい匂いがする」
転移先の世界は魔族が絶望的に追い込まれ、生存圏すら危うい世界。
魔族プレイヤーは生粋のレズであり、百合世界をこよなく愛する世界ランカー。
「そんなことより可愛い子とイチャイチャしながらのんびり生きたい!」
それなりに暗殺、時々国落とし、たまにはメイド。 ・・・・・もしかしたら、英雄殺し。
目的のために手段を選ばない魔族が理想郷を創るため奮闘する、これはそんな異世界のほのぼのダーク百合物語。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-01-09 21:10:00
1044735文字
会話率:30%
私はこのラノベ村の冒険者ギルドの受付嬢エリーナ。小さなギルドなので受付嬢は私一人だけ。
受付嬢になったら、いい出会いがあるかと期待して5年前に就職したけど、ろくな冒険者来ないのよね。
でも、すごい美少年がギルドに入って来た!これって、恋の始
まりかも……
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-01-05 15:35:40
613文字
会話率:34%
異世界のグラウエン王国に召喚された主人公は、魔王討伐のために選ばれた6人の勇者の一員として異世界での生活を始める。しかし、他の美男美女たちと異なり、彼一人だけが王国から送り返されることに。王様の命令で、主人公は日本に戻され、異世界での経験は
無かったことのように感じる。異世界での仲間たちや自分の役割について悩む健一は、再び現実の世界で歩き始める決意を固める。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-12-30 12:00:00
6445文字
会話率:41%
異世界中に男は一人だけ!?世界を股にかける女の子だらけの冒険譚ここにあり。個性豊かな女の子たちとの出会いがあなたを待っている。世界が誰かに改変されている?世界を渡って世界に何か起こっていたか読み解け!
遥か未来の人間である主人公がすべての
世界に迫る危機を解決するため異世界を飛ぶ。しかし、各世界の事情が主人公の目的に複雑に絡み合い妨げる。それに立ち向かい仲間を増やしていく王道冒険譚。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-12-28 17:42:32
186495文字
会話率:49%
偶の休日に、暮らしの住処であるアパートの近辺にある喫茶店に行くのが好きだった。
老人が一人でやっている物静かなその場所は、私にとっては安息の地であった。日頃の喧騒から離れて、そこで静かに読書する。それが私の楽しみだった。
「いらっしゃいま
せ、お一人様ですか?」
「ええ、そうですが……」
しかしそんな私の日常は、一瞬にして崩れ去ることになってしまった。
老人が一人だけでやっていたその喫茶店には、店員が増えていた。それも、ここには似つかわしくないと思ってしまうような、明らかに染めた金髪の派手な女性店員である。
日常において、彼女の存在というものを咎めようなどとは思わない。個人の趣向に、文句を言うつもりはない。それは自由にすれば、良いと思っている。
ただ私が思う理想の静かなる休日には、彼女の存在というものはない。
見るからに明るく天真爛漫である彼女は、この喫茶店を華やかに――悪く言えば騒がしくしている。コーヒーを飲みながら読書をする場所として、ここは相応しくないと思ってしまう。
こうして私の安息の地というものは、なくなってしまったのである。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-12-23 19:12:06
6851文字
会話率:51%
これは正統な王家の血を引くヴィルヘルミナが、革命により国を取り戻し女王として返り咲く物語。
ナッサウ王家が治めていたドレンダレン王国は穏やかで平和な国だった。しかし、ベンティンク家によるクーデターにより、ナッサウ王家の者達は皆殺しにされて
しまった。ベンティンク家による恐怖政治が始まり、ドレンダレン王国は地獄のような国に成り果てた。
クーデター時、ナッサウ王家の者達は皆殺しにされたと言われていたが、実は一人だけ生き残りがいた。それがヴィルヘルミナである。当時赤ん坊だったヴィルヘルミナは密かにナッサウ王家から逃がされ、エフモント公爵家の養女として育てられた。ヴィルヘルミナの出自を知っているのは自身とエフモント公爵家の家族のみ。
義兄であるラルスとマレインはいつもヴィルヘルミナを守っていた。ヴィルヘルミナはそれに対してありがたさと申し訳なさを感じていた。
家族から聞いた国の現状、そして実際に見た王都の現状。ヴィルヘルミナはこれらを憂い、ドレンダレン王国を変えることを決意する。
毎週火曜更新です!
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-12-23 17:00:00
102536文字
会話率:39%
学校の文化祭用で書いてた長編作品です。
が、メンバーが締め切りになっても作品を提出せず。終わらなかったから伸ばしてくださいと言われて第二締め切りも設けたにも関わらずまた提出せず。
文化祭一ヶ月前にやっぱ辞めます、と。(製本の時間も考えると一
カ月はギリギリです)
五人いて出来上がったの私だけです。結局文化祭用で作れませんでした。一人だけなので。ピャー
色々ムカつくしせっかくなので作った作品ここで消化させてください。
学校用だったのでルビなど振られていません(印刷の都合上ルビの/《》が使えなかったからです。今になっては意味ないですが)かぎかっこ表記になってます。
読みにくいかも知れませんが、どうぞお手柔らかにお願いします。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-12-11 16:00:00
73163文字
会話率:55%
学校から失踪したはずの秋野 憲一は、トルメル城に謎の転生をしていた。廃墟と化したトルメル城で、ライラックの両親から、突然、白の騎士の国の更なる北から襲撃してきた魔族と戦ってくれと懇願される。
二つ返事で承諾した秋野は、一人だけで北へと向か
うのだった。
これはトルメルの勇者と呼ばれる青年の物語。
作者は異世界転生まだ二回目です汗 誤字脱字加筆修正、改稿など、度々致します。本当にすみません汗
超・不定期更新になる場合があります汗
本編には出番のない秋野の冒険譚です。多少、ネタバレがあるかも知れません。お暇つぶし程度にお付き合いくださいませ汗
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-12-09 20:48:24
13387文字
会話率:32%
溶かされた氷塊の海。真っ赤な日差しで照らされた錆びた鉄の街。所々にある建物に取り付けられた鋼鉄の風車が今にも暴れ足りない風を受けて回っている。
この街には老人が一人だけ住んでいた。
なんでも、よぼよぼの齢90だそうだ。
他のみんな
は、すでにこの街はもう駄目だと言って去って行った。
老人だけが、たった一人この街に残っていた。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-03-24 17:23:05
1440文字
会話率:19%