保健室の扉を開いた先には、まるで彫刻のような少女がいた。
純白の肌に流れる金色の髪の毛。
こちらをにらみつける十字に割れた瞳は金色に輝き、思わず見とれそうになり――背を向け扉を締める。
ふぅ、いいものを見た。
これも俺の日頃の行
いがいいからだろう。
ありがとう神様。
あとから考えれば、この時俺は先程の光景を反芻するのではなく、脱兎のごとく逃げ出すべきだったのだろう。
ガシャン!
すぐ後ろで扉が勢いよく開く音が聞こえ、振り向けば顔を真赤にして震える少女の姿。
「貴方に決闘を申し込むわ」
問答無用で発動された魔法は、俺を暗闇に包み込む。
「やあ少年、こんなところに何用かな?」
暗闇の中、石の柱が円形に立ち並ぶ荘厳な建物、神殿と呼ぶのがふさわしい場所で彼は俺に問いかける。
彼の正体はカオス、かつてすべての神の元になった存在だった。
カオスさんからの祝福を得て、俺は冒険者としての第一歩を踏み出した。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-06-30 21:00:00
99752文字
会話率:36%
雨の日の学校帰り。クラスメートと一緒に下校していた友達は、奇妙なカエルを目にする。
そのカエルは「鳴き袋」を膨らませながらも、その時には開かないはずの口を、しばしば開けていた。
その口の端からはカエルが食べていたと思しき、羽虫の残骸がのぞき
……。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-06-23 22:26:14
3987文字
会話率:15%
「俺が落としたものは——」 そう吐き捨てる。
俺の胸元で悲痛な叫びが、声にならない絶叫が、反芻する。幼子は胸元への衝撃に呆気にとられ、暗闇へと姿を消していく。年老いた者は自ら火の粉と散って姿を消し、若い娘の信頼は木の葉のように踏み躙られ、
形を失い、落ちてゆく。
そう、俺の手によって。
果てには。物語を綴るものだけが残され、一つの物語は完成を迎える。
俺は役者と踊り、役者として最後を迎える。
そんなものは面白くない。
だから、紡いでやろう。綴ってみせよう。
終わりを迎えた物語を。
カクヨムでも投稿しております折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-05-29 21:49:05
4384文字
会話率:7%
厳格な高校教師だった老いた夫の看病をしながら、私は日々を習慣化して余生を過ごしていた。
共に過ごした長い時間の中で起こった小さな変化と変わらないものを反芻しながら。
最終更新:2018-02-14 03:44:24
1594文字
会話率:20%
影が薄めでおざなりにされがち。
髪色目の色のせいで異端というレッテルを貼られている。
その上運に恵まれない第二王女、リッカ。
それでも毎日、めげずに姉姫のストーキングに勤しむ幸せな日々。
しかしそれは突然瓦解して、自身の王たる素質が故
に一国の主として君臨する。
王子フェイスの幼馴染や、雰囲気で童貞を殺す友人、自称ツンデレメイド、女たらしの騎士団長、絶対攻略不可避な歴史オタク。
そんな愉快な仲間達と、どうにかこうにかやっていこうとする女王リッカ。
彼女の才覚は、最初から王であるべき人間だったかの様に花開く。
いつしか小さな少女は氷の女帝と謳われるまでに成長し、玉座の上でにたりと嗤う。
「本当に欲しいものは手に入らない」
誰かのいつかの言葉を反芻しながらも、その白い手を血に染め続ける。
それでもリッカは止まれない。
王という名の化け物である限り。
結構シリアス大体コメディ。
ラブは少なめ、ある意味婚約破棄物語。
華麗でなくとも開幕開幕。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-12-30 16:59:28
50201文字
会話率:30%
結婚を間近に控えた私は自室の片付けをしていた。すると古ぼけた財布が見つかった。私はおじいちゃんの手に惹かれて出かけた、あの日の夏の思い出を反芻する。
最終更新:2017-08-11 00:56:32
1159文字
会話率:44%
今日のことを思い返してみるお布団のなかの出来ごと。
最終更新:2017-03-10 23:08:17
790文字
会話率:0%
歯磨きをしながら男は意味のない自問自答をしています。
最終更新:2017-03-05 01:49:29
641文字
会話率:91%
「夜カラスが鳴くと不幸が訪れる」。ある朝 “私” はとあるきっかけから、幼い頃の田舎での思い出を紐解き、祖母の呟いた言葉を反芻するのであった。
最終更新:2016-12-19 04:17:20
2772文字
会話率:59%
人間だろ。
俺はいっつもんなことはいてる。
最終更新:2016-07-23 22:54:29
1702文字
会話率:19%
短編小説
人は死んだらどうなるの?死ぬ時何を思うの?
10年前そう聞かれて僕は思い出を反芻しながら幽霊になると答えました。
中学生でやった問いを、10年間の知識や考えを詰め込んで、詩の間際に、死的に綴ってみようと思います。
願わくば、届
きますように折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2016-04-05 03:10:54
676文字
会話率:8%
『わたしとはおそらく認知できぬほどの微細な「わたし」の集合であり、また惰性であり、反芻なのです。ということ。』
わたくしの星空文庫のページにも掲載しています→ http://slib.net/52650
キーワード:
最終更新:2015-11-27 20:59:04
3492文字
会話率:17%
他界した父、時屋がかつて営んでいた「隼川時計修理店」を継ぐ息子、拓海は、元々この店でアルバイトをしていた飯田涼介に特別な思いを抱えている。が、涼介は時屋にずっと想いを抱き続けていた。時屋が亡くなった後も店に顔を出しては時屋との思い出を反芻し
ている涼介と、その様子をそっと見守る拓海。そんな変わった関係を続けていた二人であったが、ある時涼介は店に行くのを止めると決意する。それを聞いた拓海は、互いの関係が離れるのを恐れ、涼介が大切に持っていた懐中時計を使って大人げないことをしてしまう。
叶わない想いを抱え続ける二人の切ない? 短編小説。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-06-02 20:08:03
7534文字
会話率:42%
焦れば焦るほど物事は悪い方に転がってゆく。これは多分、真理であろう。山田もそう思う。というか、そう信じているのだ。そんな山田にはトラウマとも言うべき、いつも思い出しては声を上げてしまうような出来事があった…
最終更新:2015-05-18 19:46:54
4037文字
会話率:20%
「すし、焼肉とは言わないけれど・・・お母さんのキンピラ食べたい」
報告書の文字を見た瞬間、私(・)の(記憶が正しければ)29年と5ヶ月の記憶が俺(・)の頭にダッシュで駆け巡った。
そして、結論。
これ、乙女ゲーの世界じゃん。
多分、私
(・)がやってたやつ。
「閣下、いかがなさいましたか?」
部下が声をかけるまで、俺は(多分)前世の記憶を反芻していた。
記憶が正しいとしたら、これは私(・)がやっていたゲームで俺(・)の弟は主人公のお相手キャラの一人だったはずだ。
弟についての記憶は私(・)と俺(・)の記憶が一致しているので大丈夫なはずだ。
問題は・・・弟は一人っ子だったはず。ということは、俺は誰ですか?!折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2015-05-02 21:42:09
423文字
会話率:17%
ある年老いた老父が夏に縁側に座り、一人で夏の風情を楽しみながら、昔の思い出を反芻していく。
最終更新:2015-02-04 10:31:40
1100文字
会話率:0%
馬~ウマ科、ウマ目の動物の総称。四本脚で牛や鹿の遇蹄目の様な二つに別れた蹄でわなく、蹄の数は一本の脚に一つである。これは指の数の違いで、遇蹄目は指が二本、馬指は一本だからである。
牛と違い反芻はしない。個体差や種類別で差はあるが、脚は長く走
る姿が優雅である。長い鬣、尻尾は長い毛に覆われ、ポニーテールの由縁である。比較的小さい種類のポニー。重種のシャイヤー、軽種のサラブレッドやアラブ、中間種のクオータホースなど種類がいる。大体の種類が走るのが得意で、人を乗せる程力があり、人に対して寛大でとても頭がいい。社交性もあり、比較的群れで生活する。私は、馬が好きだ。専門的知識は無いが馬が好きだ。だが、ひとつ言いたい。『気がついたたら、馬(推定)になってました。』
頭に角が生えた馬が馬と呼べるのか?
この物語は作者の雲猫の妄想で出来た話です。馬の専門的知識はありません。
駄文だからと言って誹謗中傷はお控え下さい。m(_ _)m
ただいまキャラが暴走を始めました。
そして、主人公がチートに目覚めつつあります。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-01-30 16:01:55
80567文字
会話率:40%
丁半博打に挑む心情と媚薬的反芻効果について。
最終更新:2015-01-25 10:28:37
959文字
会話率:6%
僕はある日家出をした。これは僕の、とても個人的な話だ。だけど、君は聞いてくれるだろうか。
目の覚めている間は逃げ続けて、眠っている間は追い続けた。
いまはわかる。逃げることも追うことも僕にとって大切だった。
君は、聞いてくれるだろ
うか。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2014-08-07 17:57:41
67985文字
会話率:29%
古の神様が現代に蘇った?!
失恋少女朱音の元にニートな神様が蘇った?!
ハチャメチャ東洋怪奇譚始まります。
この小説には色々なパロディが含まれております
カナリ偏った世界観をしております
様々な東洋の妖怪伝説を偏った解釈で書いております
それでもよければゆっくりしていってね^^
ムシャムシャしてやった。飯なら何でもよかった。今は反芻している。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2013-05-31 22:00:00
33909文字
会話率:64%