十三段の階段を登った、私。十三の色の記憶とともに育てた禁断の果実は、収穫の時を迎えた。
最終更新:2010-09-03 22:22:22
3437文字
会話率:28%
ある求人情報をもとに、メーカー指定運送会社の契約ドライバーになった稲田久志。その日に連絡を受け、業務仕様通りにトラックを運転し、指定の倉庫に家電品を運ぶ、そんな深夜労働である。倉庫の主は清水仲道と言った。久志に気安く接するが、倉庫の中に通
すことはなかった。ある夜、巡回中の警官からトラック襲撃事件の話を聞き、久志はあるアイデアを得る。それは業務仕様にある「検閲」の実態を知るために思いついたものだった。折しもその夜、久志は倉庫に入る機会を得、外箱に不自然な凹みがある家電品が置かれているのを見る。思いついた仕掛けは早速三日後に試されることになる。
三日後、久志はいつもより三十分早い検閲と納品の指示を受けていた。卸売を受け持つ倉庫では買い付けも行われる。この日はその買い付けに立ち会う名目で久志は呼ばれたのだった。豊川勢至と名乗る買付人は曰く付き品の専門。それらを買い叩くように取引を進めていく。不正ではないが、久志の疑問は大きくなる。自身の運転で生じた不具合ではないことを示す必要もあるが、清水が買い叩かれずに済ませるためにも重要だ。しかしながら、仕掛けによって得られた証拠は不十分な結果に終わった。
久志は再度仕掛けをセットし、業務に臨むが、その日の検閲では不審な動きは確認できず、空振りとなる。だが、収穫はあった。
先のパトロールで会った女性刑事、森下若葉は襲撃事件の真相を追っていた。久志はそれに乗る形で、証拠の獲得に万全を期す。台風が近づく夜。業務を終えた久志はトラック車庫に戻り、仕掛けを確かめようとするが、何者かによってすでに見破られてしまっていた。すると、記録済みの証拠を取り戻そうと、見覚えのある車とともに男が現れた。事態は一気に緊迫する。
久志がこの仕事に就いたきっかけ、二年前の台風の夜の事件、そして真の黒幕とその隠された理由などがこの嵐の夜に明らかになっていくのだった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2010-07-30 22:15:19
15018文字
会話率:62%
数年に一度しか、実を結ばない樹木が珍しく収穫祭を迎えるという今年。少女と少年が新発見を目指して小さな島を訪れる。グラビアアイドルをミニチュアにしたような体型の少女カッパーと、少しだけ背が低い少年チェシャの会話。カッパーから見るチェシャとチェ
シャから見るカッパー。
美しい世界として浮かび上がるだろうか。カーニバルに舞う大人たちに後押しされながらも解放されていく心を描く。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2009-12-14 20:31:26
2523文字
会話率:32%
少年と離れて一年が過ぎようとしていた。アウラはランディーの勧めで学園生活を送っていた。しかし、アウラの心には埋めようのない寂しさがぽっかり穴を空けいている隙間は一時たりとも埋まる事はなかった。窓の外をぼんやり眺め溜息を吐く日々を送っていた。
「傍にいる」と言った癖にあの少年は今何処に……。そんな日々を送っていたアウラの前にある日、少年が学園に入学して来た。初夏が近づく頃に開催される第二の故郷シュベルクを今年の主催地とし収穫祭恒例の催し物の過酷なレースに備えプラムの訓練と野宿を想定した放牧に一人で出るアウラ。放牧先でアウラに盗賊の一味が襲い掛かる。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2009-03-29 17:13:31
228166文字
会話率:41%
妹を愛するあまり狂気に取り付かれる兄の捕食的物語
最終更新:2009-01-12 23:04:25
7203文字
会話率:48%
伊藤農場で作る超高級野菜は飛ぶように売れる。収穫を感謝して仙台フルキャストスタジアムを借り切り、農場の収穫祭が開かれた。一弥と共に表れたのはなんと!・・・・
最終更新:2007-07-19 18:43:01
2429文字
会話率:82%
農政局長から罵倒された一弥が憤然と新たに手掛けたのは、南米ペルーより種を取り寄せたじゃが芋。丹精込めて育て収穫し調理すると、これがベラボウに美味い・・・
最終更新:2007-07-19 18:10:07
5048文字
会話率:97%
僕は旅をしている。「恐いのよ」と彼女は言った。「またパンクするのが?」「そうね。またパンクして職場から三十分の道のりを歩くのが」くたびれた軽トラック。降りてきたのは白髪頭で色黒のこぢんまりとしたおじいさんだった。
最終更新:2006-05-26 18:05:57
7841文字
会話率:43%