重い鉄製の扉を開けるとわたし向かって吹いてくる穏やかな風。顔を上げれば、見渡せる夕焼け空。錆びたフェンス越しから見下ろせる校庭。そして、いつもと同じ先輩の背中。この屋上はわたしにとって大好きな場所だった。
最終更新:2009-05-03 13:47:05
946文字
会話率:33%
「私の身体から血の匂いがしたら、逃げて」――かつて死神の子と呼ばれた女はそういった。鼻を掠めるように消えた錆びの匂いは、春一番が運んできたものなのか。※特に残酷な描写はないとは思いますが、念のためR15指定にいたしました。
最終更新:2009-02-14 08:31:00
4970文字
会話率:39%
いつも煙るタバコのむせるような臭いに混じって、鉄が錆びたような臭いが僕の鼻をつく。僕の汗腺は全て開き切り、冷たい嫌な汗が滝のように背を伝っていた。僕は取り返しのつかないことをしてしまったらしい………
最終更新:2008-01-29 17:55:31
1663文字
会話率:7%
私の家の風呂は、一風変わっている。多分、こんな風呂、どこの家にもないだろう。といっても、別に浴槽が広いわけでも、深いわけでもない。地下から温泉を汲み上げて使用しているとか、名湯をわざわざ有馬からトラックで運んできてそれを使用しているとかいう
訳でもない。床が大理石とか、砂利がしきつめてあるとかいう訳でもない。見た目は、ごく普通の風呂だ。青いタイル張りの壁に、白い浴槽。小さな鏡と、いつも水が溜まっている石鹸置き。高い位置にある格子のついた窓には、錆びかけた銀色の枠。カワックもジェットバスも、それどころか湯沸かし器すら付いていない。けれど、私の家の風呂は特別だ。何故かって?それは。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2005-08-31 15:46:48
7731文字
会話率:12%
主人公ユウを主点として綴られる普通の高校生が過ごす普通じゃない毎日とそれを囲む事件の物語。
最終更新:2005-08-30 21:06:42
4456文字
会話率:58%
故郷の村に、無事到着した二人。村に、飛び交う喧噪に、涙ぐむ氷魚だった。少しずつ、軋りながら、錆びついていた目覚めの歯車が、今、動き始める!?
最終更新:2005-02-17 19:51:44
2239文字
会話率:63%