ある夏の午後、主人公の川上光のもとに、骨壺を抱えたセーラー服の少女が尋ねてきた。混乱する光に向かって、少女はかつて恋人だった岡崎真由子の娘だと名乗った。少女は真由子が自殺したことと、遺骨を家に置いてほしいということを告げる。
そこから、
光と少女のどこか歪な同棲生活が始まった。
※本作は女性同士の恋愛を主軸にした作品です。
※アルファポリス、カクヨムにも掲載しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-12-30 01:58:12
54662文字
会話率:47%
「疱瘡小屋」と呼ばれた小屋の跡があった。疱瘡、つまり天然痘にかかった病人を隔離した小屋だった。ここに坪井タネ・清子・清一母子が流れ着く。母親のタネは近くの鉱山の賄い婦をしていて、廃鉱により失職した。母子は多くの村人に助けられ、疱瘡小屋の跡地
に住処を定める。タネは農繁期に手伝いに出たり、祭日などに物乞いして歩くことにより、二人の子を養っていた。やがて、二人の子供は就学し、麻也などの友達を得て、交流を深めながら成長していく。
清子が中二の夏、タネは近くの村の祭礼に行き、昔、一時期、同棲した小野寺と再会する。ある組に追われる小野寺は山伏となっていた。
小野寺は、若いころ左翼の活動家だった。指名手配になって逃亡生活に入る直前に清子が妊娠したと知り、小野寺はタネと仲間との関係を疑う。
翌年、春の祭礼にやってきた小野寺は清子に暴行し、妊娠させる。大阪に就職した清子は六月末、睡眠薬自殺する。祭礼前日の清子の様子、身元保証人となっていて、清子の遺骨を持ち帰った麻也の兄の話などから、清一は清子の自殺の原因は小野寺と確信し、復讐を実行したのだった。
中学を卒業した清一は大阪のメーカーに就職し、やがて独立、地元で有数の会社に発展させる。後に、三足村で気ままに暮らしていた母を呼び寄せたことを、麻也は兄から聞く。タネは後半生を幸福に過ごし、二〇二〇年没。翌年の盆に清一は、過疎化でわずか三軒だけとなった三足村に向かった。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-11-12 17:07:22
16116文字
会話率:26%
※GCノベルズにて5月29日に反魂のネクロの第二巻が発売中です。音無透はコールドスリープから目覚めるとスケルトンになっていた。眠っていた五十年の間に、地球と異世界が繋がったからだ。目覚めた場所も病院ではなく、ダンジョンの内部。それも過酷な環
境だった。どうにか人間に戻れないかと悩んだ透は、ネクロマンサーとして自身を復活させる方法を発見する。しかし、魔力がすくないスケルトンには魔法が使えず、魔物を捕食して補おうにもスケルトンは弱すぎた。八方塞がりとなった透だが、スケルトンには魔物の遺骨を取り込むことで自身を強化する特性があった。遺骨を取り込むたびに変異を起こして強くなる透は、ネクロマンサーを目指して最弱から最強へと成り上がる。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-07-30 19:28:18
433657文字
会話率:33%
母とは長いあいだ会っていない。
あの日、訪ねてきた母を追い返したあの日。
母はいったい何を連れてきていたのか。
最終更新:2021-05-07 23:04:30
1746文字
会話率:17%
【T県三十代女性首吊り自殺】ゴミ屋敷での五年間 彼女に何が起きていたのか「夫の死からおかしくなっていた」#週刊Mオンライン
―月―日午前十一時、S駅近くの閑静な住宅街が広がる区画の一軒で、三十代女性のKさんがロープで首を吊り心肺停止状態
になって発見された。
T県警は女性が自殺を図った可能性が極めて高いとして調べを進めているが、遺体の近くに遺書のようなものはなかった。また、Kさんが住んでいた一軒家は近所でも「ゴミ屋敷」として有名であり、近隣住民からも度々苦情が寄せられていた。部屋には外から見てもわかるほど生ゴミやペットボトルが散乱しており、それゆえに捜査の遅れが余儀なくされているという。
遺体の近くには五年前亡くなった涼子さんの夫である隆二さんの遺骨が散らばっていたが、Kさんの死に関係しているのか、ただ散らかっていただけなのかもいまだ不明である。
学生時代は活発な性格から大勢に好かれていたという彼女を、何がそうさせてしまったのか。本記事は、家族と死に別れた女性の姿を追うことで現代の闇の一端を――≪簡単なアンケートをご記入頂くと、本記事の続きが表示されます。≫
※「ごみ屋敷より愛を込めて」(作:裏切りのグルテン)としてカクヨムに投稿しておりましたが、思うところがあってアカウントごとすぐに削除しました。その原稿に大幅な修正を加えてこちらに掲載しております。ご了承ください。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-05-04 15:43:41
36334文字
会話率:11%
とある殺人鬼にトランクケースの中身を問われた男は、「妹の遺骨と旅をしている」と話す。
彼の目的と旅の終わりにはいったい何があるのだろうか。
※本小説は小説投稿サイト『プロローグ』に投稿する予定の為、2000文字という制約の元制作されており
ます。至らない点も多々あると思われますが理解した上で楽しんで下さい。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-04-11 21:46:41
1861文字
会話率:54%
人類がこの銀河を脱出してから、どれくらいの時が経ったのだろう。
家族も、友人も、戸籍も、何も無い私のような『持たざるもの』は、無情にも人類から置いていかれた。
それでもこの星で一生を終える気は全く無い私は、最後の船に乗るために、ポイントと
なる元素を集める。
これは、そんな私の、始まりのお話。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-04-06 13:00:00
5142文字
会話率:37%
IT企業に勤める原千草は親に援助してもらった分不相応のタワーマンションで新婚生活を初めて半年。誰もが羨む美貌の夫を射止め幸せを謳歌していた。会社のバイト社員が噂していたAI搭載のラブドールも自分たちには関係のない話だったはずだった。
ところ
がその最愛の夫が、あろうことかAI搭載の新型ラブドールtypeⅩと焼身自殺したという一報が入る。当初男女の心中事件と報じていたマスコミは、女が人間ではないラブドールだとわかると面白おかしく原夫妻のプライバシーまで侵害し始めた。とりわけホットダイナミックヌーンショーは執拗にこの事件を追っていた。
夫の遺体確認に両親とともに北茨城を訪れた千草は変わり果てた夫と対面してショックを受ける。遺骨を東京に持ち帰り葬儀を行ったが、コメントを取りたいマスコミは千草に執拗に取材攻勢をかけてくる。千草は精神の危ういバランスをやっとのことで保ちながら、typeⅩ被害者の会を結成しようと決意する。
この作品は、アルファポリス、ノベルアッププラス、カクヨム、二十代から中高年のための小説投稿&コミュニティにも掲載しております。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-04-04 12:59:39
126144文字
会話率:45%
死者の骨を噛むことで生前の記憶を追体験できる少女、クイール。
その〈魔法〉を活かし、相棒のロフィンと共に〈葬儀屋〉としての仕事をこなす彼女は、ある日、ひとつの依頼を受ける。
曰く、聖職者である父が領主の城で急死し、遺族の承諾さえ得ずに
火葬されたという。
死者との対面もかなわずに、遺骨となって帰ってきたのは、本当に父が望んだことであったのか。そこを明らかにしてほしいという願いを叶えんと、少女は〈葬儀〉を開始するのだった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-03-28 19:01:33
113257文字
会話率:49%
だって、遺骨って、孤独なもんでしょ?
キーワード:
最終更新:2021-03-13 12:58:20
557文字
会話率:0%
うちの可愛いアリュシアちゃんは、天災級の魔法使いにして好奇心旺盛な魔導具士。小さな頃からそこらの草や虫を魔法で煮詰めてゲテモノ茶を作ったり、村を襲ってきた盗賊でキャンプファイヤーしてきゃっきゃと喜んだりする業の者。え、ところでお前は誰かっ
て? 俺はですね、行き場のないゲテ茶を自らの胃の中へ流し込んだり、盗賊の遺骨を裏山の犬に持って行ったりと専ら跡片付けを担ってあげてる、妹想いのおにーちゃんです。いやだって毎回アリュシアちゃんが泣きついてくるんだもん……。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-02-15 19:38:16
8857文字
会話率:43%
今日ニュースで原爆の後遺症で亡くなった方の遺骨が
長い年月をかけて家族のもとに届いたと聞いて
浮かんだ詩です。
ドラマと言うか、その出会いを想像したら
泣いてしまいそうです。
長い長い年月をかけて、その方を探していたのは
実は遺骨になっ
てしまった方なのだと、私は感じました。
悲しい思い出を、もう繰り返さないように、遺骨の方が
生きている家族を探していたのかもしれませんね。
悲しいことが起こらないように祈るのみです。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-11-27 00:07:19
342文字
会話率:0%
辺境の家屋に暮らす錬金術師ライリー。
二年前、彼は吸血鬼の妻を病で亡くしていた。
最愛の人物を失った彼は、悲しみに暮れながらも思い出の家で過ごしていた。
そんなある日、ライリーの家屋に数人の傭兵が現れる。
突然の襲撃を前に為す術もなく、ラ
イリーは撃たれて致命傷を負う。
傭兵達の目的は、莫大な価値を持つ吸血鬼の骨だった。
火を放たれた家屋の中で、ライリーは苦痛に悶えながら息絶える。
死んだはずのライリーは白い空間で目覚めた。
そこで妻の幻と再会し、自らが後天的な吸血鬼に変貌していたことを知る。
彼の身を案じた妻による能力だった。
一命を取り留めたライリーに対し、妻は平穏な日々を送ることを望む。
しかし、ライリーはその考えを断った。
彼の中に渦巻くのは、強烈な復讐心。
妻の遺骨と思い出を奪われたライリーは、傭兵達への報復を決心していた。
「絶対に許さない。妻の骨を取り返さなくては」
吸血鬼として蘇ったライリーは、焼け落ちた家屋を後にする。
心優しき錬金術師は、冷酷無比な復讐鬼へと変貌したのであった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-09-20 12:14:00
119504文字
会話率:14%
ブラックに近いグレーなペット火葬会社のアルバイトを勤める『京谷レオン』は支店長『奈良』に得たいの知れないコンプレックスを抱いていた。
ペットの火葬、念仏、遺影作り、仏壇。
骨を砕いて遺骨ペンダントを作る。
奈良はなんでもこなす。
京谷はいつ
バイトをクビになるかとビクビクしていた。
そんなある日。本店の『村上』は二人へ特別な依頼人を紹介する。
ペットの思い出、飼い主の過去からベストな選択を奈良が導き出す。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-08-07 20:47:03
9592文字
会話率:44%
女神に愛されて『加護』を受けたために、元の世界から弾き出された主人公。
「元の世界へ帰られない!」
だったら死ぬまでこの世界で生きてやる!
その代わり、遺骨は家族の墓へ入れてよね!
女神は約束する。
「貴女に不自由な思いはさせません」
異世界へ渡った主人公は、新たな世界で自由気ままに生きていく。
追伸
・2018年12月15日より『カクヨム』でも投稿を始めました。
内容はこちらとほぼ同じです。
(一部加筆修正等あり)
・2019年3月25日より『アルファポリス』でも投稿を始めました。
内容はほぼ同じです。
番外編
『旅日記』
完結しました。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-04-02 10:00:00
647933文字
会話率:27%
意に添わぬホラー体質の主人公、谷本新也(たにもとあらや)。 彼は友人や知人に誘われるまま、様々な場所へでかけて行っては、いろいろな怪異に見舞われて……
最終更新:2020-03-12 12:39:44
1918文字
会話率:28%
最低最悪の人間だ、私は。
※少しグロい表現があります※
最終更新:2020-01-27 01:01:34
3869文字
会話率:20%
舞台は室町時代の岡山県にある、新庄村(しんじょうそん)を中心としています。
ある日、冬眠に失敗をした月の輪グマが、山から下りて来てしまいました。同時に山の麓の近くでは、新庄村に住んでいるお父さんとその娘が、新たな蹈鞴(たたら)を建設する為
の偵察をしに、山の麓へ立ち寄っています。そんな親子が帰ろうとした矢先に、お腹を空かせた月の輪グマと鉢合わせ。お父さんは娘を庇って熊の餌食となり、帰りの遅い二人を心配したお母さんが迎えに来た時は既に遅し。急いでお母さんは食い散らかされいるお父さんを時間の稼ぎとして、娘を抱いて新庄村へ帰りました。
いち早くお母さんは村長へ報告をします。同時に遺骨を回収したい意見を申し上げたところ、ある一人の豪族に却下されました。それと同時に、その豪族の妾となるように契約を交わされます。それでも契りを交わす代わりに、夫の遺骨を自分一人だけで取りに行く許可も何とか取る事に成功。
翌朝にお母さんは夫の遺骨を回収しに足跡を辿りながら、月の輪グマの巣へ向かいます。無事に遺骨を回収して、娘と二人でお父さんの弔いをしました。村の外れで火を起こしていると、熊の習性の一つである、自分のものを奪われたら取り返しに来る習癖によって、つまり、お母さんも襲われます。奪いに来ただけなのですが、男の味よりも女の方が脂肪の含有量が多いために、巣へと持ち帰って食べようとします。娘は全力で逃げて、豪族である新しいお父さんへ助けを願います。しかし、新しいお父さんは、お母さんを用済み扱いして助けにいきません。娘は怒り狂って、熊の巣へ向います。そして、お母さんのあばらの骨を何本か奪って、新しいお父さんの枕元へ置いてしまいました。
数時間もすれば、新しいお父さんは熊に襲われて即死。熊も村の者に殺されました。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-12-12 06:40:10
10582文字
会話率:48%
脳裏にこびり付いた彼女との思い出を隅の方に追いやって生きていた青年の元に届いた一通の手紙によって彼の中で止まっていた時間が動き出す。彼は彼女の命が残りわずかな事を知ったがそれでも約束を果たそうとする。しかし彼女の身に起こっている事を知った彼
は絶望する。
そんな彼に彼女が残した物は・・折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-10-31 17:01:39
3606文字
会話率:15%
かつて日本人町が栄えたタイ王国・アユタヤに、大阪出身の未帰還元日本兵が暮らしていた。利田銀三郎さんという。わたしは親しみを込めて「銀さん」と呼んでいた。
銀さんは敗戦直後、仲間と捕虜収容所から「脱走」した。
彼は命を助けられた寺で学
んだ漢方薬を使い、母なる川、チャオ・プラヤ沿いにあるスラムで貧しい人々の医療に従事し、細々と暮していた。
戦争に無理やり駆り出したにも拘わらず、行方不明になった元日本兵を捜そうともしなかった日本政府。そして、戦後幾星霜が過ぎ去った。
一九八六年(昭和六十一年)になり、タイに生存していることがわかった銀さんを、戦友らが一時帰国させようと、関係者に働きかける。銀さんは娘で看護師のマリワンとともに、四十三年ぶりに祖国ニッポンの地を踏む。
兄である銀さんを捜し続けた弟の大作さんは既に亡くなり、姉のとし子さんは寝たきりの病院暮らし。銀さんは大作さんの妻、敬子さんと息子、朋靖さんの自宅に身を寄せて、日本での短い日々を送る。二人は再びタイに戻って行った。
それからさらに二十六年の星霜が過ぎ去り、わたしは以前から気になっていた銀さん親娘のその後を知りたいと思い立ち、取材を始めた。
ところが、歳月が立ちはだかっていた。関係者の多くは他界し、取材ノートの電話番号も古くなり、連絡がとれない。
ようやく大作さんの三女、文子さんとコンタクトが取れたが、一時帰国した時、銀さん親娘を一番身近で世話していた朋靖さんは既に亡くなっていたことがわかる。
その頃、タイ・バンコクにある日本人会から返信が届き、銀さんも亡くなっていたことがわかった。娘のマリワンを何とか捜し出そうとしていたところ、文子さんの夫、秀信さんがタイ出張の際、彼女と再会を果たした。彼女はわたしのことをよく覚えていることがわかった。
わたしはマリワンから銀さんの一時帰国以降、亡くなるまでの人生を取材するため、再びバンコクの地を踏んだ。
取材後、姉妹にお願いして、バンコクにあるマリワンの姉の家に安置されている銀さん夫婦の遺骨を拝ませてもらった。
時の日本政府が「集団自衛権」を根拠に自衛隊の海外派兵の道を開き、再び戦争の道を突き進むのではないかと懸念される中で、自衛隊員が戦地から遺体で帰国したり、行方不明になることのないように願い、銀さんの軌跡を辿ってみた。(重複投稿)
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-09-11 10:22:23
39481文字
会話率:41%