ちょっと疲れた心に、ひと皿の物語を。
「ランチ2人飯」は、仕事や人間関係にモヤモヤを抱えた人たちが、昼休みにふと迷い込む不思議なお店で繰り広げられる物語。
客は1人だけ。
メニューはなし。
そしてマスターも、同じ料理を一緒に食べる――。
心をほぐす料理と、言葉少なめなマスターとの対話。
食後、振り返るとそのお店は跡形もなく消えている。
「誰にでも、そんな昼休みが一度くらいあってもいい」
小さな気づきと、静かな余韻が残るランチタイム物語折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-29 12:40:53
56640文字
会話率:31%
あるクリスマスの夜、男は池袋を歩いていた。
寒風が吹きすさぶ中独り身の自分を嘆いていると、突然後ろから驚きの声が上がり、振り返ると、黒い波打つ球体が浮かんでいる。
驚きも束の間、そこから大量のモンスターが溢れ出し、人間達を襲いだし
た。
男は必死に走り、一つのデパートに逃げ込む。
縮こまり隠れる中で、全世界中が同じ状況に陥っており、未曽有の大パニックになっていることを知った。
同時に、ほとんどの人間が魔法と呼ばれるようになる力を発現していることも。
男は恐怖を感じながらも、夢にまで見たファンタジーが目の前にあることに歓喜する。
まず何をしよう。どうやって楽しんでやろう。
これは一人のオタクが、現代を死に物狂いで冒険する『Real』である。
【第1巻】デパート内攻防戦 編
【第2巻】始まりの地 編
【第3巻】繋がり 編
【第4巻】首都戦争 編
※この作品は賞に応募しようと書いた作品なんですが、途中で、話の内容的に「あれ?これなろうの方が向いてんじゃね?」と思い投稿してみた物です。
ぜひ読んでみてください。
カクヨムにも掲載中
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-29 09:14:27
1870142文字
会話率:51%
「神原さん、ですよね?」
背後から、明るい声が響く。
振り返ると、ピンクのニット帽をかぶった若い女性が、マイクを手に笑顔で立っている。
磯部美琴、22歳。地元テレビ局の新人アナウンサーだ。
彼女の後ろには、カメラマンが無愛想に機材を
構えている。
「初めまして! 杜の都テレビの磯部美琴です! よろしくお願いします!」
美琴は弾けるような笑顔で手を差し出す。俺は一瞬戸惑いながらぎこちなく握手に応じる。彼女の明るさが、場違いに感じるほどだ。
「えっと、今日が初の仙台入りですよね? 地元ファンへのメッセージとか、聞かせてもらえますか?」
マイクを向けられ、奏汰は言葉に詰まる。
ファン? そんなものが、この球団にどれだけいるというのか。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-28 23:04:04
4524文字
会話率:26%
父の代から続く、悲願の魔王討伐を苦難の末に成し遂げた勇者アイル=ラグドール。
だが皮肉にもその功績によって、自分よりも偉大な存在になる事を恐れた王によって国を追われる事となる。天涯孤独の身となったアイルにとってもはや国に留まる理由は何一つ
無かったため、どこか静かなところで残りの余生を送ろうと考える。
そう思った時、自分が旅の最中で書いていた日記を何となく読み返す。それは自分にとってある意味では冒険の書のような存在でもあった。
手帳で自身の過去を振り返ると同時に、思った以上に自分の手元に不要になった冒険の中で手にした道具の数々が自分の手元にある事に気付く。
「これを元の場所に返したり、必要とするところへ渡す旅に出よう。そして、その旅の最中で自分にとって安住の地を見つける事を今後の目的にしよう」
そう考えた時、自然とアイルはつぶやいた。
『そうだ、終活、しよう。』
今、世界を救った勇者アイルのセカンドライフ&エンディングノート作業が始まった。
(※以前に書いた短編の長編版になります。最初の数話は以前の短編に加筆修正した形になります)折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-27 18:22:15
96227文字
会話率:44%
父の代から続く、悲願の魔王討伐を苦難の末に成し遂げた勇者アイル。
だが皮肉にもその功績によって、自分よりも偉大な存在になる事を恐れた王によって国を追われる事となる。天涯孤独の身となったアイルにとってはもはや国に留まる理由は何一つ無かったた
め、どこか静かなところで残りの余生を送ろうと考える。
そう思った時、自分が旅の最中で書いていた日記を何となく読み返す。それは自分にとってある意味では冒険の書のような存在でもあった。
過去を振り返ると同時に、思った以上に自分の手元に不要になった冒険の中で手にした道具の数々が自分の手元にある事に気付く。
「そうだ。これを元の場所に戻したり、これを必要とするところへ渡す旅に出よう。そして、その旅の最中で自分にとって安住の地を見つける事を今後の目的にしよう」
『そうだ、終活、しよう。』
今、世界を救った勇者アイルのセカンドライフ&エンディングノート作業が始まった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-04-20 15:07:56
13716文字
会話率:42%
大雨の夜、営業終わりのタクシーに、一人の女が飛び込んできた。
全身ずぶ濡れで、震えながら「追われてるの、お願い、走って」と繰り返す彼女に、俺は迷いながらも後部座席のドアを開けた。
行き先は、郊外の小さな坂の上にある学校。
この暴風雨の中、
そんな場所へ向かう理由は説明されないまま、車は静かに発進した。
アクリル板の向こう、彼女の姿は霧に包まれ、次第に見えなくなっていく。
それでも「もっと速く」と、どこか水中から響くような声だけが聞こえていた。
車内にはいつの間にか湿気が広がり、ミラーは曇り、床には水が染み出していた。
背中に冷たいものが触れた時、俺はようやく「これはただの乗客じゃない」と理解する。
彼女は濡れ続けていた。乗車から何十分経っても、服も髪も乾かず、むしろ車全体を濡らし始めていた。
呼吸すら重くなるような圧迫感の中、たどり着いた坂の上で、彼女はぽつりと呟いた。
「ここなら、もう大丈夫」
振り返ると、後部座席には誰もいなかった。
残されていたのは、水たまりと、窓ガラスに貼りついた長い髪の毛だけ。
その直後、無線から市街地が海水で浸水したという緊急速報が流れた。
……もし、あの時ドアを開けていなかったら。
今、俺はここにいなかったのかもしれない。
――乗せた女は、乾くことがなかった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-27 17:00:00
4632文字
会話率:17%
セミが鳴く、夏の午後。
僕たち兄弟は、クーラーのある部屋で寝転んでいました。
すると、兄さんが海に行こうと言いだします。
一週間後、家族で海に行きました。
兄さんはすぐ泳ぎに行ってしまいます。
僕が振り返ると、もう兄さんの姿はありませんでし
た。
皆で探したけど、どこにもいません。
それからのことです。
僕の周りで、不思議な現象が起き始めたのは……折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-27 16:02:06
1436文字
会話率:39%
人前で、笑顔を貼り付け十三年。
少しでも失敗を犯したら鞭で打たれ、最近は平手もおまけのようについている。
今はそんな鞭打ちのお時間。何回されても慣れないこの鞭打ちも、表面上美しい笑顔で耐えてみせる。
(何回やっても、慣れないわね……)
ルーリア・コキリ・セロライハラ。侯爵家の次女であるがメイドのような暮らしをしている。否、メイドより酷い暮らしをしている。
ワンピースに近い薄茶の埃まみれのドレス。埃を被った髪。その髪は血のように赤黒く、それが理由で家族に虐げられていると言っても良い。髪と同様、目も赤黒くて、まさに血塗れなのだ。瞳がルビーのようなんて、そんな綺麗なものではない。ルビーと呼ばれるものは透き通っていて、生き生きとした赤色の瞳のことを言うのだ。
ルーリアの瞳はそんな色ではない。
赤にはドス黒い黒色も混ざっていて、今にも死にそうな目をしている。髪も同じだ。埃を被って少しばかり見えないは見えないが、よく見れば直ぐに分かるということで。
そんなルーリアが鞭打ちの時間が過ぎて窓拭きをしている最中、母であるギュアカーラの聞いたことのないほどのご機嫌な声を聞き、ルーリアは怪訝そうに窓から門前を見る。すると、ギュアカーラの隣でメティーチェイアが上品なカーテシーを披露しているではないか。
その前には男性がいる。誰かしら。そう思ったのは少しの間。姉と母の自室があるこの廊下には、来ないのではないだろうか。
そう思い窓拭きを再開し鼻歌を歌っていた時、話し声が聞こえて横を振り返ると、あの三人がこちらへ来ているではないか。
ルーリアはバケツとタオルを置いて曲がり角まで逃げた。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-23 19:46:21
97715文字
会話率:44%
王宮の中庭にひっそり佇む古井戸には、婚約破棄で身を投げた令嬢の霊が出るという噂があった。ある深夜、伯爵令嬢リエージュ=ブリュッセルは、その噂を確かめるため、興味本位で禁じられた中庭を訪れる。
真夜中0時。井戸を見つめていた彼女の背後から、
不意に男の声が響いた。振り返ると、そこには黒髪の青年が立っていた。古風な貴族の装束を纏い、どこか影のあるその男は、自身を“幽霊ではないが、体を失った存在”と語る。
彼は王宮内で命を奪われ、体を隠されたのだという。魂だけがこの世界に留まり、自分が“見える者”を探し続けていた。リエージュが初めての存在だったのだ。彼には記憶が一部欠けており、名すら名乗れないという。
リエージュは警戒しつつも、青年の必死な願いに心を動かされる。「なぜ私に?」という問いに、「他に誰も見えないから」と答える彼の姿は、悲しくも真摯だった。
やがてリエージュは口元に笑みを浮かべ、「明日、またここで。条件はそのときに話す」と言い残してその場を後にする。
それは偶然の邂逅ではなく、運命の始まりだった。井戸の底に眠る真実が、今静かに目を覚まそうとしていた――。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-22 01:40:00
22754文字
会話率:34%
ある頃から、戦場に現れては戦死者の死体を連れ去る魔女の噂が流れるようになった。
曰く、激しい籠城戦が行われた日の翌朝城から死体が消えた。夜明け前に畑作業に出た農夫が、道を一人歩く女を見かけ不審に思い声を掛けたが笑い声を残し女は掻き消え、その
後をいくつもの死体が呻き声を上げながら連なり歩いていた。
曰く、平原で両軍が激突し何千人もの死者を出した翌朝死体が消えた。停戦協定を結び両軍の死者を回収に向かった部隊が、打ち捨てられた武具を残し連なり歩き去る死体を見た。追いかけたが日が昇り始めると女の笑い声と共に掻き消えた。
曰く、夜中に馬車を飛ばす商人が道なき道を歩く女を見かけその後に続く死者の大軍を見た。商人が死者の大軍に驚いていると背後から女の笑い声が聞こえ振り返ると誰もおらず、再び死者の大軍を見やると女と共に掻き消えていた。
噂である、しかし見た。と言い出す者が後を絶たず、ここ数年続く戦争の地で死体が消えるようになったのも事実であった。
茨の魔女である。誰が言い出したのかは不明だが、死者を引き連れ消える女は茨の魔女と呼ばれるようになっていた。
そして茨の魔女の噂に、新たに騎士が加わる事となった。
妖馬の背に乗り、魔剣を振るう騎士である。
かの魔女に仕える騎士が現れ、魔剣によって城を、砦を、大軍を打ち砕く。死者は茨の魔女が連れ去り、騎士は次の得物を求めて妖馬を進ませる。
骸の騎士である。
これは骸の騎士と呼ばれるようになった少女と、その従僕が茨の魔女と交わした契約の物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-19 23:50:00
44359文字
会話率:36%
夢が──私を絡め取っていく。
見慣れたはずの駅の、見知らぬ路線。
ただ静かに、発車の時を待つ列車。
行き先も知らず、あてもなく、私はひとりきりだった。
乗らなければ──そんな衝動とは裏腹に、胸の奥にある薄気味悪さを拭えない。
「この列
車には乗らない方がいいですよ」
振り返ると、見知らぬ男性が立っていた。
そうして緩やかに目覚め……ようやくそれが夢だったと気づく。
夢の感触はまるで現実のように生々しく、私の中に居座り続け──再び、夢は私を迎えに来た。
これは、夢に囚われかけていた私と、夢の中で出会った“彼”との、ささやかな記憶の話。
* * *
全2話完結(本日夜完結)折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-19 21:37:42
5332文字
会話率:13%
この世界には、「ケーキ」と「フォーク」が存在する。 ケーキ──甘美な香りと味を持つ、極上の存在。 フォーク──何らかの理由で味覚を失い、ケーキを“美味しい”と感じてしまう人間。 ケーキは自分がケーキであることに気づけず、フォークとの出会
いで初めて己の本質を知る。 だがその瞬間は、時に“捕食”の危機でもある。 社会人1年目を目前にした雪白 恋(しらゆき れん)は企画開発部で働いており、天然ドジな新入社員と部署内で可愛がられていた。 そして鬼上司として恐れられる烏羽 尊(うば たける)主任の下で、叱られながらもひたむきに頑張っていた。 しかしある朝、通勤電車で“ソレ”は起きた。 突然見知らぬ男に腕を掴まれ、耳元で囁かれる。 「……君、ケーキだよね?」 必死に抵抗するも力では敵わず、もうダメかと思ったその時、駅員に引き離され間一髪で助かった。 それが原因で遅刻した雪白は、職場の廊下で仁王立ちする主任の烏羽と鉢合わせる。 「お前が遅刻とは珍しいな。正当な理由があるなら聞くが」 雪白は怯えながら頭を下げるが、烏羽は怒るどころか襲われたことを心配してくれて 意外な優しさに触れたその瞬間から、雪白の中で主任の存在が変わり始めた。 ──その後 出張先のホテルで、烏羽が風呂に入っている間に一人ベッドに転がりながらスマホでドM受けのBL漫画を読む雪白 頬を赤くしながら「…俺もいつか…こんな…」と妄想に耽っていたその背後に、不意に聞こえる声。 「へぇ……雪白、こういうの見るのか」 驚いて振り返ると、バスローブ姿の烏羽が立っていた。 スマホは、彼の手の中 ──この日を境に、二人の関係がほんの少しずつ、変わり始める。 “捕食”の運命に抗いながら始まる極甘・背徳SMラブ折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-19 20:29:19
118207文字
会話率:24%
昔から考えていたことをちゃんと書いてみようシリーズ第2弾。書くのに苦しむくせに後で振り返るとただの愚痴であるというのも実によくある話。一応この作品が暇庭宅男の最新作ということになる。
キーワード:
最終更新:2025-07-16 22:19:02
853文字
会話率:0%
あらすじ
夜風が肌寒い。酒場の喧騒から離れ、バザンと勇者時代の仲間たちは、月明かりの下を歩いていた。1年前、勇者が魔王を打ち倒し、世界に平和が訪れた。しかし、その平和は脆く、魔王の残党が再び暗躍しているという不穏な噂が流れ始めていた
バザンはかつて勇者を夢見ていた。しかし、その道を諦め、今ではスカベンジャーとして日々の糧を得ている。世界各地に突如として現れた地下ダンジョンに、ただの暇つぶしで足を踏み入れたのが始まりだった。偶然にも金目のものを手にしたことがきっかけで、彼はこの危険な稼業にのめり込んでいったのだ。酒場の片隅でいつものように時間を潰していたバザンは、聞き覚えのある声に振り返るとあの3人がいた
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-08 10:18:58
7861文字
会話率:33%
仕事で「海に沈んだ村」の噂を追う主人公は、蒸し暑い田舎の電車に揺られ現地へ向かっていた。
クーラーもない車内、汗と湿気がまとわりつく中、イヤホンのバッテリーが切れ、耳栓代わりに着けたまま海の輝きを眺めていると、突然イヤホンから水泡のよ
うな不気味な音が響く。気にも留めず窓に目をやると、トンネルの暗闇に映る自分の顔の隣に、ずぶ濡れの老人が現れる。青白い顔、ギラつく目、腐臭を放つその姿に凍りつくが、振り返ると老人は消え、代わりに一人の女性が立っていた。安堵したのも束の間、彼女は冷たく「それは、未来の貴方よ」と告げ、不気味な笑みを残して去る。
動揺しつつ席に座ると、びしょ濡れの座椅子の冷たさに驚き、車内が異様に静まり返っていることに気づく。乗客は消え、全ての座席が水浸しで変色し、床には水滴が滴る。再びイヤホンから響く水泡の音。今度ははっきりと「こっち…おいで…」という声が聞こえ、振り返ると、そこには痩せこけた自分の姿をした老人が立っていた――。
「海に沈んだ村」の謎が、主人公を恐怖と不可解な現象の渦へと引きずり込む。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-03 22:26:34
1120文字
会話率:38%
青柳柊は理亜のきれいな幼馴染だ。
カースト上位の女子に柊への想いを問われ、「嫌い」と言ってしまった理亜。しかも、それを柊に聞かれていてーー!
話もできぬまま半年がたった下校中。
横断歩道を渡っていた柊に、車が突っ込むのを理亜が目撃する。
叫んでも、間に合わない。
気づいたときには、救急車とパトカーの音。
道路は血だらけ。
「……理亜ちゃん」
声をかけられて振り返ると、そこにいたのはさっきひかれたはずの柊だったーー!
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-21 10:29:20
5038文字
会話率:25%
※加筆修正は頻繁に行っておりますので、ご了承ください。
※作者の名前が急に変更する場合がございます。あらかじめ連絡致します。
【登場人物】アニエス・・・主人公『魔力無し』の公爵令嬢
セオドリック・・・国の王太子
エ
ース・・・アニエスの義弟。ロナ家跡取り
アレクサンダー・・・アニエスの唯一無二の腹心の従者。子爵家養子縁組が決まってる。
ロナ公爵・・・アニエスの父。名家中の名家『ロナ』家公爵
本編抜粋→
「・・・随分、仲が宜しいご様子ですね。」
若干、ひんやりする空気をまとい、アレクサンダーが、口をすっと挟んだ。
二人が振り返ると、公爵とエースもこちらを見ている。それに、アニエスは、慌てて、
「殿下は、私がお世話になるタニア様の兄君であらせますから、多少は世間話を交わします。が、特に仲がいいわけでは決して・・・。」
それに、セオドリックはうんうん頷きながら
「そうですね。おびえた彼女に胸を貸し、落ち着くまで背中を撫でて励ましたりしましたが、決して言うほど親しいわけではありませんね?」
「・・・っっな!!!」
アニエスは引きつった青い顔で、セオドリックの涼し気に微笑む顔を凝視した。
「で、殿下!そ、その言い方は中々に誤解を招きます!!」
「そうですねえ、では、貴女があられもない姿で僕の前に現れたという話もしない方がよいかもしれませんね?」
「っっ事故!あれこそ事故です!!いい加減に、ふざけるのを止めて頂かないとさすがに私も怒りますよ!」
その反応を見て、セオドリックは自分の腹を抑えだした。
「では、この腹を『また』殴りますか?」
「ア、アニエス!殿下をお殴りしたのか!?」
その発言には、さすがのロナ公爵もぎょっとして、身を乗り出した。
「え、それはその、しました・・・け・・・ど、もともとはセオドリック様が・・・!!」
「・・・いったい殿下が、何をしたの?」
エースが静かに聞くと、アニエスは無言でテーブルのグラスをさり気なく倒した。
「・・・まあ!!大変!テーブルが!!!ボーイさん直ぐに来てください!!テーブルにこぼしてしまったわ!」
「・・・・・・・・・今、わざと倒したよね??」
・・・おかしい!!最初は静かに食事していただけのはずなのに、
(『19、食事会と残念な一人娘』より)折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-11 20:15:09
846698文字
会話率:45%
6月22日の会期末を前に巷では立憲民主党が提出するのかしないのか? そして衆参同日選挙はあるのか? と言う事がニュースになっています。
今回は「内閣不信任案」の制度を振り返ると共に実際に実現可能性はどの程度あるのかについて個人的な考察
していこうと思います。折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2025-06-06 17:48:39
4106文字
会話率:2%
長嶋茂雄氏が25年6月3日亡くなりました。今回は長嶋氏の活躍を振り返ると共に「巨人 大鵬 卵焼き」時代と令和時代の決定的な違いについて語っていこうと思います。
最終更新:2025-06-04 18:26:56
4839文字
会話率:1%
池田大作創価学会名誉会長が23年11月18日に死去されました。
今回はこれを機に、約60年にわたる自公関係の歴史を振り返ると共に、
「政教分離とは何か?」について考えていこうと思います。
それと共に、今の選挙制度の問題点にも見てい
こうと思うのでどうぞよろしくお願いします。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-11-19 17:30:55
7857文字
会話率:3%
「この学校に出るんだって。願いを叶えてくれる幽霊が。」
転校生でクラスに馴染めない僕はその噂を聞いて、放課後のある時間にその場所へと向かう。
期待して行ったがそこには何もなかった。残念に思った僕は外の空気を吸おうと階段を登る。
後ろから気配
がしてふと振り返ると
今にもなくなってしまいそうなほど透明な姿の女の子がいた。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-12 23:33:34
4281文字
会話率:33%
高3の夏、クラスメイトが失踪した。
不可解な失踪が気がかりだった駒形恵(こまがた めぐみ)は高校卒業後、警察官になった。
警察官になったとはいえ、クラスメイトの失踪の真相を調べられるような立場ではなく交番勤務で地域の安全を守るべく走り回って
いた。
ある日、交番に女子高生が駆け込んでくる。
公園で暴れている人がいる。
現場に急いだ恵は該当人物が倒れているのを見つける。
「お巡りさん。その人死んでるよ」
恵が振り返ると失踪したはずのクラスメイトが立っていた。
現代風サイエンスファンタジー。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-25 21:12:09
3729文字
会話率:37%
〜カネとは他者を信じる気持ち、わかるかね?〜
日本一の金運神社と呼ばれる得経山(えるふやま)神社。
スーツ姿の主人公が手を合わせるその瞬間、声が響く。「ならば学べ。」
振り返ると、そこに立っていたのは、長い時を生き知恵と経済を司るエルフだっ
た。
カネとは何か、世界とは何か、そして「生きる」とは何なのか。
エルフとの対話を通じて、主人公の価値観が大きく変わり始める。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-21 22:25:50
54941文字
会話率:90%