魔属という生物が存在した頃、一人の人間の男を愛した可哀想な女の魔物がいました。女は自分のせいで魔王の傀儡となった人間の男を守るべく、崇拝していた魔王を裏切りその手で殺めたのです。ようやく終わったはずの戦いでしたがそこには愛した男も忠誠を誓っ
た魔王も、誰も残っていませんでした。
「どうして!?私では、誰も救えないのっーー」
精根尽き果てた魔物は、自分の命が経たれる最後の瞬間に願いました。誰も傷つかない世界を、そして愛する人達が笑い合う世界に、自分という悲劇の元凶が生まれないことを。
時は何百年も経ち、小さな村に生まれた少女・アナベラはある日、とある出来事をきっかけに気づいてしまった。
「うそ…私があの『呪われた私を見つけて』の悪役シェリー…?」
自分の前世が今世では大人気ラブストーリーとして語り継がれ、しかも恋人関係の魔王と人間の男の仲を引き裂いた恋敵のシェリーだなんて…。
いやいや!人間の男と良い関係にあったのはシェリーで、むしろその仲を引き裂いたのが魔王なんですけど!!話変わってません!?
でも前世は前世!アナベラの人生とは関係ないから悠々自適に生きますね!って思ってたんだけどーー
今世に生まれたアナベラと前世のシェリーが残した願いが絡み合いながら恋をして、恋い焦がられて、気づけば溺愛されている、そんなお話です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-09-14 19:00:00
88138文字
会話率:41%
『僕の玩具になりなよ。君の願い、叶えてあげる』それは少年にとって願ってもない甘い囁きだった。手には消えそうな最愛の人。この少女を消さないための甘い誘惑。『その代わり、君は僕の玩具。傀儡になってもらうよ』少女の救うために、少年は誘い手の―――
敵であるはずの魔王の手を取った。少女と一緒にいるために………魔王の対価は勇者を殺すことと魔王の退屈しのぎ。少年は少女を胸に、魔王に遊ばれながら勇者を追い詰めつつ、ゆっくりと殺しに行く。はず。………すべては、魔王の退屈しのぎだ。※見切り発車のノロノロ運転です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-04-30 23:41:56
293322文字
会話率:47%