――あらがえ。戦え。女神を名のる無慈悲な力に――
獣人族の少女ササカを中心に、過酷な女神が支配する異世界で繰り広げられる命を懸けた魔法戦。雪と氷のバトルファンタジー。
(以下は、結末までのネタバレを含みます。純粋にストーリーを楽しみたい読
者の方は、以下は読まずに本編にお進みください!)
主人公のササカは、ケモノ耳を持つ獣人族の少女だ。毎年冬に開かれる「星選式」のため、北の聖地にやってきた。星選式とは、世界を統べる「星の女神」が毎年開催する生贄の儀式。
儀式の前夜。聖地の宿でササカは、魔法を自在に操る異種族の王子レグナと出会う。彼もササカ同様、「星選候補者」として聖地に来ていた。翌朝、雪原に立つ星の門の前で、星選式が開かれる。その年の「星選者」に選ばれたのは、「大図書都市」出身の司書補の少女、ユメだった。連れ去られていくユメを、ササカは意図せず助けてしまう。レグナもササカに加勢し、三人は転移魔法で辺境の荒れ地に逃れたのだが――
直後に、星の女神本人を名乗る少女が、圧倒的な力で三人を急襲。だが、ササカの投げた短剣が当たると敵は消滅する。未知の魔力を帯びたその短剣は、ササカが旅に出るとき村の長老から授かったものだ。剣の導きで別地に転移したササカは、超常的な魔力を誇る「緑の女神」と初対面する。彼女は地上世界の創造者のひとりで、ササカの属する森の民の守護神。ササカはその女神から、星の女神の秘密を聞く。
星の女神の実態は、異世界出身の利己的な魔女だ。美名のもとに魔女が行う星選式は、命をつなぐ捕食に過ぎない。星選の大魔法陣がすでに発動した今、星選者のユメが三日以内にその地に戻らない場合には、魔法陣は暴走し、星の女神は滅びるだろう。
様々な策を駆使して猛追してくる魔女の攻勢をかわしつつ、ササカとユメとレグナは、独立都市国家ウルザンド、大図書都市と呼ばれる巨大城塞都市、ナギドの丘に立つ世界樹ユグドラシルの周囲に展開する魔法暴風圏へと、逃避と転戦を重ねる。度重なる戦闘の結果、魔女側も魔力を消耗し、幼児化退行が止まらない。最終的に魔女の干渉を排除し、魔法暴風圏内に逃れ、そこに身を潜めるユメとササカ。ササカはそこで、滅びゆく幼い魔女と最後の対話を行う。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-08-07 12:41:18
119604文字
会話率:45%
ここではない別の惑星。極北のユルスク雪原に置かれた天体観測室で、二人の少女が暮らしている。キルスティン・イコラは筆頭調査官として星空を見上げ、ミルッカ・ハララはレンジャーとして雪原を駆け回る日々を送っていた。異なった背景のもとに育ってきた二
人は、その差異故に惹かれ合い、生活のなかで心を通わせていく。雪と氷の世界が舞台の、ビルドゥングス・ロマン。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-10-10 21:00:00
107714文字
会話率:45%
ナズナ、スズシロ、セリ、一人の少女と二人の少年、彼らが挑むはゲームなんかじゃない、リアルモンスターハント。時は西暦2075年、ターゲットは本物の重ドラゴンだ。
太陽フレアの極大延伸によって昼側を焼かれた地球の気候変動激しく、おりしも開発され
ていた生物兵器「タイプス」と呼ばれるモンスター達の、跳梁跋扈する世界へとなり果てていた。食物連鎖の最下層にまで落ち込んだ人類の文明レベルは極限まで低下、彼らにできることはただ一つ。逃げて、逃げて、逃げまくるのみ。
果たしてナズナは親の仇を取れるのか。ぬいぐるみ型小タイプスの亜種、アグリッパ、少女型サイクロプス、ナインも加えた三人と一体と一匹、彼ら竜退治の道行きを描いた、サイエンスファンタジークロニクルの始まりです!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-08-22 07:04:41
117775文字
会話率:54%