私の妹はすぐ人のものを欲しがるという悪癖がある。今日欲しがっているものはなんと私の婚約者であった。そのお願いに薄情な私はこう答える。「私は別にいいけど」私はすでに働いていて安定した収入がある。結婚にはそれほど興味がなかった。適当な私。わがま
まな妹。文句を言いに来る婚約者。癒し担当ミリア様(友情出演)。我が家の婚約者騒動をとくとご覧あれ!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-08-15 16:31:38
10233文字
会話率:56%
私には婚約者がいるのだが、それがもう問題人物で…。「婚約破棄だ!」ほら今日もまたアイツの鳴き声が聞こえてきた。今日は王族主催の大きなパーティーなのに勘弁してよ。これはある日に行われたパーティーの夜の話。山も谷も落ちもない、意味のないお話。
最終更新:2024-08-07 15:22:47
7121文字
会話率:39%
一七七〇年五月十四日、コンピエーニュの森にて。
アントワネットは自分の夫となる少年をすぐに見つけた。それは道行きに女官長から「ベルサイユ人らしからぬ王太子」と聞いていたからだった。
ずらりと整列した青年貴族は、みな派手な格好をしていた
。
白い髪粉をふりかけた鬘《かつら》、大げさな飾りのついた帽子、白粉を塗りたくった化粧。その誰もが軽薄な笑いを浮かべている。その中に、静かな眼差しがひとつ。
金糸でふちどられた青の上着をさらりと着こなし、アントワネットを無表情で見つめる少年がいた。彼は髪粉もかけず化粧もしていなかった。
花嫁と花婿の目が合ったことに気付いて、ルイ十五世は機嫌良くこう言った。
「王太子、王太子妃に挨拶を」
アントワネットも女官長に促され、歩みをすすめる。アントワネットは目をまるくした。
────マリー・アントワネットとルイ・オーギュストの出逢いとはじまりの物語。
★この作品はカクヨムにも掲載しています。(R15と残酷な表現ありは保険として入れました)折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-02-04 20:00:00
9670文字
会話率:31%