私はいわゆる、乗組員といういうのであろう。宇宙船に乗っている。他の乗員は生命維持ポッドの中で眠り続けている女性が一人だけだ。
それからコンピュータの人工知能〈ハル〉。彼は船での私の活動のサポート役であり、同僚であり、何よりの話相手でもあ
った。
ただ、私の頭の中には宇宙船に乗る前の記憶がなく、どこを目指しているのかすら、いまだに知らなかった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-11-22 10:00:00
15233文字
会話率:42%
鬼怒川の堤防が決壊したその日、二日酔いの私は大雨特別警報を理由に会社を休み、その後ろめたさから極めて迅速な避難行動をとった。最初は斜に構えていた私は、避難所で可能な限り善人たるよう振舞うが、周囲の信じられない行動により次第にパニックへ陥って
いく。
作者の体験に基づいたノンフィクション小説。近年の水害を鑑み、2015年の私の体験を記録することは極めて重要であると思った。当時のストレスを思い出しこのような形にメタモルフォーゼしてしまったことは大変に遺憾なことではある。不謹慎?そんな言葉はリボンをつけて返品しよう。バカにされなきゃ逃げ遅れは減りやしない。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-07-16 18:08:37
10958文字
会話率:23%