17歳の高校生、緋山狂士(ひやまきょうじ)。
天涯孤独の狂士は、ある事情から他人に興味が持てず、冷めた目で世の中を見ていた。
その目付きの悪さから、毎日のように絡まれていた狂士は、まるで憂さを晴らすようにケンカに明け暮れる。
夏休みのあ
る日、狂士はガラの悪い男達に報復を受け、ついには海に放り込まれてしまう。
(なんて呆気ない……くだらいな、俺の人生)
薄れる意識の中、死を覚悟する狂士。
しかし、次に目が覚めると、そこは見知らぬ海岸。そして何故か、着物姿の人集りに囲まれていた。
混乱のまま慌てて起き上がると、突然耳に残る大声が響く。
「動かないでっ! もう描き終わるから!」
目の前には、熱心に何かを描き写す一人の少年が。
狂士は少年が描く絵を覗き込むと、まるで死体の様におぞましい自分の姿があった。
軽蔑するような目で少年を見つめ、狂士は無言でそれを破り捨てる。
「あぁぁー! なんて惨いことを!」
「惨いのはテメェだろーが! 人の事、死体みたいに描きやがって!」
「だって、死体なんてなかなかお目にかかれないし」
「死んでねーし! こんなん描く前に助けろや!」
「あぁー、確かに!」
この珍妙な男の名は周三郎(しゅうざぶろう)。
画鬼と呼ばれ、後世に名を残す日本画家となる男である。
現代の荒くれ高校生《狂士》と、未来の有名日本画家《周三郎》は、民衆や《妖怪》までも巻き込んで、江戸の町を賑やかに騒ぎ立てる。
喧嘩上等、ドタバタギャグコメディー!
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-15 21:10:00
26991文字
会話率:49%
公爵令嬢リアナは、社交界デビュー直前に濡れ衣を着せられ、全てを失い紅灯区へ追放された。しかし彼女には秘密があった――前世は国家に仕えたエリート諜報員! その知識とスキルを武器に、遊郭の情報屋"花季"として生きることを決意
する。気弱な錬金術師や訳ありの情報屋を仲間に引き入れ、独自の諜報網を構築。貴族たちの汚職や不正を次々と暴き、自分を陥れた者たちへの復讐と名誉回復を誓う。「覚悟なさい? 私を舐めていたこと、必ず後悔させてあげるわ!」 没落令嬢による痛快成り上がり×ざまぁファンタジー、開幕!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-15 19:00:00
39112文字
会話率:36%
(特に書きたいことはないが……。)
雨と共に消える姫の決意 夜の雨に紛れ、自由を求めて
幼い頃に約束した
「いつか雨の日に外へ出よう」という願い。
今、それが叶う時——だが、それは自由への第一歩だったのか、それとも…。
傘もささ
ずに駆ける、その理由とは——
降りしきる雨の中、姫は幼い妹の手を強く握りしめ、城の門を飛び出した。
傘もささずに駆けるその理由は、誰にも知られてはならない。
追っ手の影が迫り、冷たい雨が行く手を阻む中、二人は「外の世界」で何を見つけるのか——。
逃げた先に待つものは自由か、それとも…。
二人は逃げた先で異世界に迷い込む。
そこにあったのは「紫苑楼」という名の遊郭。
姫は禿となりこの世界で生きながらえるすべを学ぶ。
これは、ある少女の運命を決める分かれ道の話――。
カクヨムに投降した短編の続きを書いています。
カクヨムの方を読んだ方は「雨縁ノ章・壱」(第一章)から読んでください。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-12 09:50:08
1491文字
会話率:30%
人は死んだら何処へ行くのか。
極楽?地獄?天国なんぞありやあしまへん。
人間ちゆう生き物は、大なり小なり罪を犯して生きとります。
罪を背負うた人間は、雁首揃えて地獄往き。
ほうはいうても地獄の座敷も限りがありんす。
そないなら地獄にあぶれた
人間は、その魂はどちらへ行けばよろしいのか。
そんな現し世を彷徨う魂を、人はいつしか。
「鬼」と呼ぶようになりました。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-26 06:53:03
35755文字
会話率:50%
遊郭で生きる女達の物語
キーワード:
最終更新:2025-04-24 12:14:31
3056文字
会話率:0%
勘当されて五年、売れる春画で食いつなぐ少女──雅号方月は吉原遊郭の中見世に居候していた。
彼女は今日も今日とて筆を手にするが、その日はなぜか花魁道中に耳を傾けていた。道中するのは大見世玉屋の高級女郎、秋津花魁である。しかし、どうやら秋津は
陰間上がりの男色専用遊女、つまるところその美人は男だという。方月は女にはない野性的な麗しさに「描きたい」感情がつのるのだった。
歪んだ常識の中で育てられた男女の運命が交差する。
浮世絵で引き寄せられた二人が『普通』を手にするまでの話。
※作品はフィクションです。
※当方日本史に疎く、時代考証は完璧ではありません。江戸花街のような場所を舞台としたファンタジーとしてお楽しみください。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-19 08:00:00
2835文字
会話率:35%
売られた女は箱庭で体を売る。逃げ出したいと、素敵な人と結ばれたいと、そう夢を見はするものの、希望を持てずにいた。
しかしある日、彼女の前に現れたのは春のような印象の男。抱きもせず、憐れみからお喋りが始まるが案外それは女には楽しくて、そんな穏
やかな春に惹かれていく。
※この作品はPixiv、カクヨム、アルファポリスにも掲載しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-27 20:00:00
4308文字
会話率:49%
遊郭に来た客と花魁、見習いの新造のやりとりを描いた掌編時代小説。
最終更新:2025-03-27 12:04:14
755文字
会話率:47%
強力な治癒能力を持つ孤児の少女・春ノ助は、治癒に長けた名家の長男にも関わらず能力が開花しなかった日登清冬と婚姻させられる。長年姿を見せなかった清冬が初めて姿を見せたのは、春ノ助の力を奪い、己が治癒能力を使えるようになってから。「能力を奪った
今、お前は用済みだ」と離縁を突きつけられた春ノ助は、無理やり能力を取り返し屋敷を後にする。その後、血眼で探す清冬は、なんと遊郭で働く春ノ助を見つけてしまい…折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-23 18:40:00
28711文字
会話率:61%
京都の古い町家に暮らす藤原重蔵は、平凡な日々を送る五十過ぎの男だった。しかし、ある夏の日、骨董市で手に入れた緑の勾玉が彼の運命を変える。勾玉の不思議な力に導かれ、抑えきれぬ情欲が目覚めた重蔵は、夜な夜な遊郭へと足を運ぶようになる。そこは、
夏の暑さと欲望が絡み合う、淫靡な世界。遊女・彩花との出会いが、重蔵の体と心を狂わせていく。絶倫の男と遊女が織りなす、熱く激しい一夜の物語が、今、幕を開ける――。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-23 01:34:37
1944文字
会話率:37%
朱座(あかざ)遊郭に黒い遊神の魔手が忍び寄る。
「かくし閭(ざと)」を滅ぼすという黒い遊神。
黒幕は徳川の旧幕府か明治の新政府か、それとも——。
幕府滅亡により武家社会が崩壊し、身分解放を訴える者が現れる明治初期、時代は確実に変容しようとし
ていた。
とはいえ制外者(にんがいもの)への差別はまだまだなくならない。
黒い遊神の目的は制外者の排除なのか……。
運命を受け入れようとする者、抗おうとする者。
理由(わけ)有り者の吹き溜まり「かくし閭」でそれぞれの理由を胸に秘めながら戦う者たち。
十人十色の生き様が己の居場所を守るべく動き出す。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-02-21 07:03:11
193665文字
会話率:53%
遊郭に売られたら跡取りにされ、一生「制外者(にんがいもの)」として生きていく羽目になった。
遊女や役者などが制外者として人別帳(戸籍)から除外されていた時代。
幼い頃に姉とともに遊郭へ売られた勇次は制外者とされ、非人と同等の扱いを受けてい
た。
彼らが住む遊郭は非公許であり、遊神(ゆうじん)の張る結界によって新政府の目から隠されている「かくし閭(ざと)」。
勇次はとっとと借金を返して遊郭から抜け出し、平人に戻ることを目指していたが、妓楼の息子が家出したことで跡取りにされてしまう。
このままでは一生俺は制外者だ。
鬱屈した日々を送っていたある日、貧しい百姓の美少女に一目惚れ。
平人の彼女と一緒になりたいと切望し、なんとか身分差を乗り越える方法はないものかとあれこれ模索する。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-05-10 07:03:37
191151文字
会話率:44%
華やかな遊郭、その裏に潜む闇と陰謀——
徳川綱吉の時代、幼い綾乃は家族に売られ、遊郭で過酷な生活を余儀なくされる。
だが、花魁との出会いが彼女の人生を大きく変えるきっかけとなった。知恵と美しさを武器に、遊郭で成り上がった綾乃は、やがて大奥へ
と足を踏み入れる。
将軍をめぐる陰謀と謎の毒殺事件、そして彼女の運命を翻弄する美しき武士との再会——。
運命に抗いながらも、時代の波を生き抜く綾乃が最後に見つける真実とは?
時代劇×恋愛×ミステリーの豪華絢爛(けんらん)な物語がここに始まる!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-01-12 21:48:21
5232文字
会話率:15%
大陸南部に栄える強国、マドラプタ神聖帝国支配下の小さな港街、平楼京東都は『夜の街』として名が知れていた。
遊郭〈夜鷹〉の用心棒として主からこき使われる日々を送っていた少女ヒバナは、ひょんなことから、美貌の青年を拾い、何故か『旦那様』と慕われ
る。
美しく、嫋やかな黒髪赤目の『幸運の鬼』には秘密があって――。
「愛しい愛しい旦那様。貴女がわたくしを救ったように、今度は、わたくしは貴女の命を守りましょう?」
カクヨム様にも掲載しております。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-01-12 10:46:22
71471文字
会話率:31%
現代に作られた遊郭、〝吉原〟。
ハロウィンのイベントが行われている吉原の街で、明依は二年前に死んだはずの友の姿を見た。
その正体を知る為に、さらに深い地獄に足を踏み入れる。
最終更新:2024-11-19 16:08:48
178068文字
会話率:34%
幕末の長崎。出島の通詞・天草朔夜と丸山遊郭の遊女・花柘榴は、禁じられた信仰を守りながら、密かな愛を育んでいた。しかし、その愛の結実である胡蝶が生まれる直前、二人は信仰の露見により、永遠の別れを迎えることになる。
五十年の時を経て、天草で
静かに暮らす胡蝶の前に、一通の古い手記が姿を現す。それは処刑される直前の父が残した魂の記録と、母が遺した日記だった。受け継がれる祈り、導かれる出会い、そして養女・雪路との新たな絆。
月の光に照らされた古い数珠が、いま静かに語り始める。時代を超えて受け継がれる、祈りと魂の継承の物語。明治から大正へと移りゆく日本を背景に、新たな時代の光の中で、永遠の愛の記憶が今、よみがえる――。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-11-14 09:00:00
30259文字
会話率:37%
タイトルの通り、遊郭の覇者が現代に来る話。
結局のところ、ある程度のリアクションを堪能すれば後はただのラブコメになってしまいそうなためボツ(おまけに、ヒロインの過去を掘ったら死ぬほどシリアスになった)。
ただ、個人的にこのヒロインが気に
入っているので闇に葬らずここで供養。いつか別の作品に転生することを期待。折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2024-11-13 21:14:08
6527文字
会話率:70%
江戸吉原一の遊女である咲耶太夫は、ある日血まみれの男を助ける。復讐のためだけに生きる男に咲耶は手を貸し、江戸で起こる様々な出来事に巻き込まれていく。訳ありの生臭坊主、町奉行も巻き込み、活気溢れる江戸の闇に踏み込んでいく。
最終更新:2024-11-07 21:06:55
660189文字
会話率:39%
吉原の小見世に売られてきた十三歳の農民の子、しず。
初音という名前で禿をやっているが、毎日楼主や若い衆に折檻され、新造の小町には嫌がらせを受けて、絶望的な日々を送っていた。
そんなある日、憧れていた玉屋の太夫、花香に出会い人生が一変する。
一方の花香は姐であった朝霧、紅玉の後を受けて玉屋のお職として看板を背負う立場となっていた。
花香と初音。全く立場の違う二人が出会ってからの日々を描いた遊郭の物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-11-01 12:00:00
81153文字
会話率:32%
終戦翌年の昭和21年5月・・
九死に一生を得て命からがら 酷寒の満州から 祖国日本に引き上げてきた
しかし焦土と化した 故郷
祖国の地に再び戻ることができたが 復員兵の多くがそうであるように
二人の復員兵は 失意のどん底に突き落とされた
これからどんな希望をもって生きて行けと言うのか・・
物語はそこから始めます 長編小説になる予定
他の小説の執筆も愉しみながら ゆっくりと書いていきます(^-^)折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-10-26 08:50:18
5213文字
会話率:33%
浅見直隆は、かつて誇り高い武士だった自分が、人力車夫として家族を支えるどころか、最愛の娘を救うことさえできなかった無力感に打ちひしがれた。彼は自分が時代に取り残された存在だと痛感し、何度も己の過去を振り返ったが、どの選択肢も今の自分には届か
ないほど遠いものに感じられた。
それでも直隆は、娘志乃を救うための手段を模索する決意を固める。遊郭に連れ戻すためには、彼にはもはや力も財もないが、家族のために一度捨てた誇りをもう一度取り戻し、何かを成し遂げる覚悟が必要だった。
その一方で、志乃は遊郭という苛酷な現実の中で生き延びる術を模索していた。彼女の心には、家族を救うための犠牲と、迫り来る残酷な運命の狭間で揺れ動く葛藤があったが、彼女もまた、浅見家の一員として決して屈しない精神を持っていたが…折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-10-15 23:15:46
5202文字
会話率:13%