高校生活も終わりに近づき、どうも自分は世に馴染めないと感じていたら、どうやらそれなりの理由があったらしい。私は空に属するのだという。生まれながらにそうなのだという。しかも世界の大半は土に属しているから、空の面々は孤独に陥りがちなのだという
。
ある時、奇妙な緑色の生き物が、使者としてそれを告げに来て、私をどこか奇妙なところに連れて行った。神殿のような研究所のような奇妙な建物の中で、直感で仲間だと知る者たちと出会い、奇妙な老人から与えられるべき知識を与えられ、私は生まれて初めて、心の底から幸せだと感じた。
ただし、その幸福を覚えていられるのは、奇妙な緑色の生き物が私の傍にいるたった1日だけのことで、その後は私が空の種族であることも、出会った仲間たちのことも、学んだことも、全て忘れてしまうのだ。そして再び孤独の中で、土の人々のふりをして生きるのだ。
私は、ふとしたことから、たまたま、あの変な生き物のことを思い出した。だから急いでその記憶をここに綴ることにする。おそらくは苦しんでいるはずの私の同朋が、これを読んで何かを思い出さないとも限らないから。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-05-17 21:00:00
34958文字
会話率:49%
300字挑戦シリーズ第二弾(若干オーバー)
百合は表現欲との戦いだったので厳しかった(小並感)
最終更新:2016-03-03 23:59:35
328文字
会話率:45%