学生時代、アパートにいた『影女さん』と私。実話。怪異が出るけどコメディみたいな話。
最終更新:2022-08-13 12:42:39
1501文字
会話率:4%
「牡丹さん。僕と一緒になってください。──さもないと、僕は月を落とします」
カメラの録画を切る。基地の中は衣擦れの音すら聞こえない。当然だ。最早この基地には僕しか残されていない。脇に携えたマシンガンを下ろして、震える鳩尾に手を添える。
寒い──はずは、ないんだけどな。
じっとり湿った目出し帽を脱いで顔を拭う。基地の外へ向けて大きく開けた分厚い強化ガラスの向こうには月面の灰がのぞく。それに視線を這わせてさらにその向こう、彼女の住まう地球を眺める。彼女を思う。愛しいとさえよべない彼女を思う。
ここからでは月が見えない。
夜を留める、あの月が。
[テーマを決めて寄稿する、有志さらし文学賞に投稿したものです。URL:https://obog2020.blog.fc2.com/blog-entry-70.html]折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-06-07 22:40:13
14571文字
会話率:39%
学校の怪談、といいますが、この学校では「図書室の怪談」というのがあるようで。
文芸やら人気の書架列はともかく、不人気の書架列では特に注意が必要。
ほら、書架の向こうから衣擦れの音と甘い吐息が聞こえてきた。
行ってみると、女子生徒と男
子生徒がキスをしていた。
それからどうなるか。
その図書室には、読まれもしない妙な蔵書が多いという。
他サイトの競作企画に出展した旧作品です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-01-22 01:12:50
1542文字
会話率:17%