「死体が、笑っていた。
その顔が、私だった気がした。」
高校に通う秋月しおりは、ある日“自分の死体”らしい夢を見る。
夢の中の死体は、顔がぼやけ、名前も記憶も曖昧なまま、ただ制服だけが“自分”を思わせた。
悪夢として片づけようとするしおり
だったが、その夢は繰り返し訪れ、やがて現実を侵し始める。
恋人の朝凪みつきは、しおりに微笑みながら、少しずつ彼女の生活や外見を“真似”し始める。
「おそろいだね」「これが、愛だよ。ね?」──愛情を囁くその声はやさしくて、どこか冷たい。
一方、親友の篠森灯花は、しおりの異変に気づきながらも何も言わず、ただ傍に居続ける。
夢に見た死の光景。
それが“未来”なのか、“過去”なのか、しおりにはわからない。
ただ確かなのは、何かが少しずつ狂い始めているということ。
やがて、夢の中で見た“死体の構図”が現実に重なり始めるとき、
三人の関係は愛と執着と狂気の果てに、静かに、確実に崩壊へと向かっていく──。
すべてが重なったとき、最後に聞こえるのは、
あのやさしくも残酷な囁き。
「これが、愛だよ。ね?」折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-03 06:00:00
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「なあ琴葉(ことは)。俺さ、前世の記憶あるんだよなー」
恋人の敏樹(としき)から急に言われて、あたしは戸惑った。でも、前世の正体はその比じゃないくらいヤバくて、恐ろしくて、信じられなかった――若い女性ばかり狙っていた殺人鬼の、生まれ変わり
だなんて。
彼の前世が成仏しきってないせいで、敏樹は時たま衝動的な殺意に襲われかけるとか、なんとか。あいつが誰かを襲う前に、殺人衝動が理性で抑えられなくなる前に、守ってやるんだ。大切な恋人を。手がかりが欲しくて、あたしは敏樹の前世が起こした事件について調べ始めた。
――まさか、敏樹自身が襲撃されるなんて知らずに。
※この小説は『カクヨム』にも掲載しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-01-25 19:19:55
2484文字
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