心霊写真家・中村正文、三十四歳。借金まみれのうだつの上がらない男。
そんな彼が、ポストの上で歌う“死んだアイドル”と出会った――背中にナイフを刺したまま。
「写真撮ってもいいけど、条件があるの。私を●した犯人、見つけてくれない?」
成仏でき
ない地縛霊アイドルと、人生どん底のオッサンが挑む“未解決事件”。
背後に迫る真相、笑いと涙とちょっぴりの切なさ。
地縛霊と心霊カメラマン、いびつなバディの捜査線が今、交わる――!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-06 18:48:44
20281文字
会話率:50%
男性は背中をこちらに向けている。
その背中にはナイフが刺さっていた。
痛くないのだろうか、何かあったのだろうか。
そんなことが頭に浮かんでは消え、一つにまとまる。
答えは一つ。とりあえず救急車を呼ぶべきだ。
最終更新:2023-07-27 08:10:49
3690文字
会話率:58%
「カスタリア=ベルギル侯爵令嬢、私はそなたとの婚約をここで破棄し、へラリー令嬢と新たに婚約することを発表する」
学園の卒業パーティーで第三王子のカナディークがこう宣言した。
破棄されることをずっと予想していたカスタリアは素直にそれを
受け入れて、急いで家へ戻ろうとした。
何故なら卒業の日に自分が強盗犯に殺される運命を知っていたので、修道院へ入るためにさっさと荷物をまとめようと思っていたのだ。
それなのにアクシデントが起こり、帰宅が遅くなって強盗と遭遇してしまった。慌てて防御しようとしたのだが、犯人が狙っていたのは妹だった。
とっさに妹を庇って背中にナイフを突き立てられたカスタリアは、妹に主犯と思われる人物の名前を告げて事切れた。
実はカスタリアはやり直しの人生を送っていて、前回も強盗犯に刺されて死んでいたのだ。
今度こそ愛する殿下と幸せな結婚をしたいと願っていた。それなのに、失敗を恐れて極端な行動をとったせいで、婚約者の王子に嫌われ、やり直しの人生の方が、過去よりもむしろ悲惨だった。
望んだわけじゃないのに何故ループしたの? もうこんな思いをするのは嫌! そう思ったカスタリアだったが……折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-05-20 14:00:00
106272文字
会話率:15%