仕置屋。御上じゃ晴らせない恨み辛みを、金を受け取って晴らす職人集団。
その歴史は古く、奈良時代まで遡る。他にも調査や裏取りを代行する『裏取屋』。記憶操作や廃棄物処理をする『清掃屋』があり、全て裏稼業。
今日も誰かが依頼料を持って、秘
めた思いを打ち明ける。
その仕事、受けましょう。けれど嘘はイケマセン。依頼内容に偽りがあれば、お分かりですね。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-07-26 00:20:00
115062文字
会話率:35%
この物語の主人公は、越後の百姓の倅である。
本当は跡を継いで百姓をするところ、父の後釜に邪険にされ家を出たのであった。
江戸に出て、深川で飛脚をして渡世を送っている。
歳は十九、取り柄はすけべ魂である。女体道から女観音道へ至る物語である。
慶応元年五月、あと何年かしたら明治という激動期である。
その頃は、奇妙な踊りが流行るは、辻斬りがあるはで庶民はてんやわんや。
これは、次に来る、新しい世を感じていたのではないのか。
日本の性文化が、最も乱れ咲きしていたと思われるころの話。
このてる吉は、飛脚であちこち街中をまわって、女を見ては喜んでいる。
生来の女好きではあるが、遊び狂っているうちに、ある思いに至ったのである。
女は観音様なのに、救われていない女衆が多すぎるのではないのか。
遊女たちの流した涙、流せなかった涙、声に出せない叫びを知った。
これは、なんとかならないものか。何か、出来ないかと。
……(オラが、遊女屋をやればええでねえか)
てる吉は、そう思ったのである。
生きるのに、本当に困窮しとる女から来てもらう。
歳、容姿、人となり、借金の過多、子連れなど、なんちゃない。
いつまでも、居てくれていい。みんなが付いているから。
女衆が、安寧に過ごせる場を作ろうと思った。
そこで置屋で知り合った土佐の女衒に弟子入りし、女体道のイロハを教わる。
あてがって来る闇の女らに、研がれまくられるという、ありがた修行を重ねる。
相模の国に女仕入れに行かされ、三人連れ帰り、褒美に小判を頂き元手を得る。
四ツ谷の岡場所の外れに、掘っ立て小屋みたいな置屋を作る。
なんとか四人集めて来て、さあ、これからだという時に……
てる吉は、闇に消えたのであった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-04-29 22:05:25
143797文字
会話率:76%
明治維新。口減らしのため身売りされ、舞妓ちゃんを目指すことになった胡桃。
置屋におる姐さんら、綺麗なおべべ着とるさかい立派に見えるけど、中身足りひんし考える力あらへんの。そやさかい芸だけやのうて春を売っとる――そらもう遊女やえ。いっぺん下の
世話してもうたら、飼われることしかできひん。
そうならへんためには芸と教養の両方が必要やと気付き試行錯誤する。
* * *
ボイスノベルを楽しめるよう、キャラごとに声を分けています。耳で楽しんでいただけると幸いです。
https://novelba.com/indies/works/937878折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-03-07 08:00:00
9332文字
会話率:28%
置屋の主人(あるじ)である小銀(こぎん)は、肺病で入院している友人を見舞いに行った帰り、電車の中で、気持ちの悪い女が口の中で酸漿(ほおずき)を鳴らしているのを見る。
それに気分が悪くなり、途中下車して、蕎麦屋で天ぷら蕎麦を口にするのだが、そ
の時、酸漿を呑み込んだと思い込む。
澁澤龍彦が三島由紀夫との対談で、「気持ちの悪い話」だと語り、三島もそれを聞いて、「ああ恐い(笑)」と返している、奇妙な短編小説。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-07-16 10:17:41
5996文字
会話率:42%
久しぶりに一座の興行先を訪ねようとして乗った列車を乗り越してしまったトオルは、温泉町芸者置屋に泊めてもらうことになる。
一泊だけのはずが、踊りの実力を見込まれ宴会の余興を引き受けることになるが、そこで、男が毒殺されそうになる事件に出会う
。その場で救命処置にあたったコンパニオンに興味を魅かれたトオルは、いつものようにウマとおりんの力を借りて事件の真相解明にのりだすが、さらにそこには、死事件以上に不思議な人間模様がまっていた。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-01-05 12:19:10
20146文字
会話率:37%
ある男の独白。
置屋で出会った少女との顛末。
最終更新:2019-12-31 04:11:12
5181文字
会話率:25%
殺人事件の捜査を芸者として解決していると、ある日、週刊誌記者が広美の前に現れました。広美の捜査が気に入らない週刊誌記者は広美と喧嘩していました。やがて人気No.1の売れっ子美人芸者が広美だと知り、刑事の顔と全く異なる為に、本当の広美を知る為
に、置屋の慰安旅行を取材しました。その慰安旅行中に広美達は殺人事件の第一発見者になりました。広美は刑事としてではなく、目撃者の立場から、現場刑事にヒントを与えて、事件を解決に導いていきました。そんな中、週刊誌記者の妹が事件に巻き込まれて重傷を負い、週刊誌記者と広美が急接近して、更に週刊誌記者の妹が広美にお兄ちゃんのお嫁さんなってほしいと依頼した事から、お互いに意識するようになりました。そんなある日、広美が同僚刑事と帰宅途中、週刊誌記者の妹に結婚の事を確認され、噂が広まり、やがて二人は結婚しました。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-08-24 13:24:20
48128文字
会話率:1%
置屋に生まれた林広美は、3歳の頃から芸者の修業をしていました。そんな広美が中学生の時に、暴漢に襲われ、近くをパトロールしていた刑事に助けられました。これが切欠となり、将来刑事になる夢を抱き、やがて京都府警の刑事になりました。芸者として犯人を
油断させ、事件を解決していました。そんな中、広美の芸者仲間が誘拐されて、芸者の広美が現金の受け渡しに指名されました。犯人逮捕時、他の刑事達に、人気No.1の売れっ子芸者が広美だとばれてしまいましたが、誘拐された芸者は無事救出しました。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-06-29 09:11:39
51984文字
会話率:1%
花街の着付師の世界へ飛び込んだ拓馬はやがて置屋社会の理不尽な慣習へと引き込まれていく。
挫折を繰り返してきた現世との軋轢とは何だったのか。
その答えは不意に訪れる。売れっ子舞妓・千秋と逃亡を企てることだった。
最終更新:2017-07-31 07:22:42
33850文字
会話率:58%
後に江戸末期と呼ばれる時代。
「尊皇攘夷」に沸く日の本の活気とは別に、「人にあらざる者」……「闇の者」と呼ばれる者達が跳梁跋扈する京、島原。
人に仇為す「闇の者」と相対するは、島原の誇る「闇の華」。
置屋のお母さん、百花。その置屋に住まう芸
妓、水菊。置屋の男衆、銀彌。そして水菊付きの禿、あやめ。
新撰組隊士、永倉新八をも巻き込んで、彼らは「闇の者」の脅威を払う。
「人から堕した闇の者よ。貴様の止まった時間は、死を以って再び動かすと良い」
この物語は当然ながらフィクションです。実際の人物、団体とは一切関係ございません。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2012-08-06 14:53:57
86279文字
会話率:39%