ヘアーサロンのガラスに映る、精彩を欠いた厭世主義者のような男――
それは、営業成績が振るわず、上司や同僚から毎日のように叱咤激励を受ける私だった。
そんな私をバカにするカラス。実家地方に伝わるカラス料理の「『カラス田楽』にしてやる!」と息巻
くが、カラスは全く動じない。それどころか気持ちを逆なでするようにバカにしてくる。その鳴き声のする方を見ると、小さなお堂が目に入る。毎日通勤する道にも関わらず、今までそこにお堂があることには全く気付かなかった。八咫烏が神武天皇を導いたと言われる伝説のように、これもカラスのお導きなのか?
これも縁と思い、お堂―弁天堂―にお参りする。「営業成績が上がりますように……」。お参りが日課となって一ヵ月経つが成就されない。そんなある日、目の前に弁天様が降臨した。弁天様特有の姿である『びわ』を持って。弁天様に会ったのは晩夏だが、まだまだ夕陽の強い夕方。左脚に少々ハンディキャップをもつ70代女性。買い物袋を重そうに持っている。亡き祖母と姿が重なる。その買い物袋に、前から来た青年の運転する自転車が接触してし、そのはずみで袋を落としてしまう。何事も無かったかのように拾い上げた瞬間、今度は持ち手部分が切れて、再び袋を落としてしまう。悪いことに今度は袋が倒れ、買った商品が歩道に散らばってしまった。
その落ちて散らばった商品を拾い集めることから、私の妄想ヒーローが始まる。荷物を助けたおばあさんは裕福そうだ。そして物事は私の都合の良いように展開していく。見返りを求めないのがヒーローなのでは? 多くの人のヒーロー像だ。しかし、私は見返りを求める。ギブ・アンド・テイクであってこそ私の求めるヒーロー体だ。
そんな妄想が「営業マンさん」の言葉の一撃をくらい、現実に引き戻される。そこには、今助けたおばあさんがいた。普通のマンションに住む、普通のおばあさんだった。
マンション入口に着くや否やババ友からお茶に誘われる。おばあさんの手には、お茶受けのため、スーパーで買った『びわ』があった。
『びわ』を持つ女性……。弁天様なのか? おばあさんの背中から溢れる西陽は光背のようだったが。
この作品は「第14回銀華文学賞」に応募したものを加筆修正しています。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-10-26 00:00:00
16133文字
会話率:36%
いつも私の妹は美人なのを鼻にかけて姉の私を地味眼鏡とバカにしていました。
取り巻きたちと私をバカにする姿は魔法学園の皆が知っていました。男好きの妹は女生徒の婚約者を盗り、仲を破局させるのを趣味としていたのです。私は女生徒たちにあれを何とかし
ろと怒られる日々で大層迷惑していました。
そして私の婚約者の王太子殿下まで盗り、私と婚約破棄すると舞踏会の日に殿下が宣言し、怒った私が妹と殿下にした復讐とはなんだったのでしょうか?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-05-22 20:25:17
1974文字
会話率:23%
直ぐに私をバカにするこの男は、なに!?
私の職場に、何故なのか、、、?
私だけを! バカにしてくる男がいる、、、!!!
この男の名前は 『金子 進』33歳、何時もはチャラチャラした軽い
感じなのだけど、仕事は出来る男! でも私だけを、バ
カにしてくる!!!
私の名前は 『杉山 琴音』 23歳、控えめで大人しい感じを出していたのに!
この金子 進のせいで! 私の本性がバレてしまったじゃない、、、!?
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-10-24 03:00:00
2027文字
会話率:45%
地味で誰からも相手にされない主人公、喪田さん(29)。
部長にはいつも自分にだけ無茶な仕事を押し付けられ、同僚にはバカにされる日々。
嫌われるような事はしていない筈なのに、どうしてか人間関係はうまくいかない。
社会の荒波に揉まれ、喪田さんの
腹の中は常に妬み嫉みの黒い感情が渦巻いていた。
「リアとか非リアとか関係ない、私をバカにするやつはみんなぶっ殺してやりたい」
そんな過激な事を思いつつも行動に移せるわけがないのだが、ある日突然、妬み嫉みの思いが暴走して……!?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-02-17 20:53:06
1100文字
会話率:33%