沖縄の離島で悠馬は謎の石版を発見する。碑文は日本神話に似ているが、記された神々の名はムー語。地元の民俗学者サラや少女ナギサの協力で調査を進めるが、石版を狙う謎の組織の影もちらつく。悠馬は夢の中で古代ムーへと“飛ばされる”体験を繰り返すように
なる。
夢の中で悠馬はムー王国の巫女アマテや王子ラグナと出会い、滅亡寸前の王国の混乱に巻き込まれる。現実世界では、新聞記者カナエや恩師・佐伯の協力を得て、石版の解読とムー文明の痕跡を追う。ムーでは内乱軍のカグツチが反乱を起こし、王国は崩壊の危機に。アマテは神託を受け、ムーの記憶を“東の地”へ託す使命を帯びる。
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島の朝は、静寂とともに始まる。波照間島の東端、まだ人影もまばらな浜辺に、悠馬はひとり立ち尽くしていた。潮の香りが鼻腔をくすぐり、遠くでカモメの鳴く声が響く。彼の足元には、昨夜から気になって仕方のない岩場が広がっていた。
「……ここで間違いないはずだ」
悠馬は呟き、リュックからスケッチブックと手袋を取り出す。昨日、ナギサが興奮気味に語った“変な石”の話。最初は島の子供らしい無邪気な作り話かと思ったが、彼女が描いた絵には、明らかに人工的な幾何学模様があった。
「お兄さん、ほんとに来てくれたんだ!」折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-29 06:30:00
114789文字
会話率:41%
表の顔は、微笑を絶やさぬ受付嬢。
裏の顔は、ギルド全体を影から統べる“黒の女帝”。
冒険者ギルド《オルディナ》──それは無数の冒険者が集い、任務をこなす都市最大の組織。
その受付で日々冒険者の相手をしている女性、クラリス・ノワールは、一見
ごく普通の職員だった。
だが誰も知らない。
彼女こそがギルドの裏組織《ノクターナル》を操る影の支配者であり、情報、資金、暗殺、魔導のすべてを手中に収める"闇の支配者"だということを──。
かつて「処刑人(エグゼキューター)」と恐れられた過去を持つクラリスは、ある日、ギルドに持ち込まれた“奇妙な依頼”から世界の深層へと再び足を踏み入れる。
それは、神々の名を騙る謎の宗教団体《アステリア会》と、古の災厄を封じた禁断の遺物《断罪の石版》に繋がっていた。
──「これは受付嬢の仕事の範囲外です」
そう言いながらも、今日も彼女は静かに立ち上がる。
世界を、影から守るために。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-19 11:42:10
866文字
会話率:36%
魔族と人族の七百年続く終わらぬ争い──その戦争終結に向け、魔王アズはその命を賭して一手を放つ。
人族の希望たる勇者と共に、彼は冥府へと旅立った──はずだったのだが、目を開けると誰かに抱えられながら逃走している最中。
何が起こっているのか分か
らないうちに、魔王アズは自身の体が幼いものへと変わっていることにも気がついた。
状況把握が出来ないうちに、もう一人の子供と共に転移魔術陣に置かれ、抱えて走っていた誰かの手から離れて──転移した先は、どこかの玉座の間。
つい癖でその玉座へと座ってしまった魔王アズは、ダンジョンマスターに選ばれてしまう。
自律する石版と、一緒に異世界転生をしてしまったらしい勇者と共に、ダンジョン運営に挑むこととなる。
のんびり自堕落に過ごしたい魔王アズ。
その願いは叶うのか──!
カクヨム様にも同時投稿しております。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-21 18:15:56
59910文字
会話率:31%
あらすじ
七夕で年に一度の星降りの夜、ユキとコウタは偶然幼い兄妹が橋から落ちるのを目撃してしまう。それを見て慌てたコウタは兄妹を助けるために暗い七夕川へと何も考えず飛び込んでしまった。そしてコウタを心配したユキもその後を追って七夕川へと入
っていった。川で消えた二人は銀河の世界、黒いうさぎクリラ、超特急の彗星ハリーとして人間の頃の記憶をなくして銀世界の住人となっていた。クリラは銀世界では唯一黒い色で常に劣等感を感じていた。そんなとき北斗の星をもつクマ五郎から光玉を触ることで色を得られることを教えられる。光玉は年に一度星降り祭りの夜に天の川の漆黒の裂け目から現れるそれは美しい光玉だった。クリラはクマ五郎から貰った不思議な力を持つ七色石版と☆型の石を譲り受け、光玉を手に入れるべく彗星ハリーと共に天の川の漆黒の裂け目へと向かった。途中南十字星などで不思議な体験をしながら天の川へと向かったクリラは無事漆黒の裂け目に到着し、そこでハリーと別れ一人で光玉を探すことになった。クリラは漆黒の裂け目の番人、牛頭馬頭に導かれて、邪な魂がなるという子鬼を見て心を痛め、幼い兄妹兄との別れに大きな声を上げて泣くことになる。そして人間の頃の記憶に残る最も会って見たかった青い目をした少女に出会う。少女のあまりに尊い行いにクリラは感極まり、とても大切な事を学んだ。それと同時に光玉の正体を知ることになる。光玉とは清らかで尊い真っ白な人の魂そのものだった。その事実を知ったクリラは光玉をとることを諦め漆黒の裂け目でその命を絶つことを決めた。その時ハリーが現れクリラに一緒に銀世界へ帰ることを提案する。一度は帰ろうとしたクリラだったが自分のなすべき事ことを思い出し踏みとどまった。そう決意したとき黒いうさぎクリラと超特急の彗星ハリーは人間の記憶を取り戻し、人間の姿に戻っていた。二人はまさにあの七夕川で消えたその時に戻っていた。ユキはその身を全て捧げて黒い邪な魂を全て救うとコウタに告げる。コウタは止めたがユキの決意は決して揺るがなかった。それなら一緒に行こうと懇願するコウタを諭しユキはコウタを人間界に返した。そしてユキはその身を捧げ魂までもキレイに燃え尽くして消えていった。後に残ったコウタはユキのことを思い出し、きっと僕も良いことをして生きてくとユキに誓った。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-01-30 10:55:00
49965文字
会話率:45%
「汝は本当に知っているのか?
古代アゴラでの出会いが、未来を変える。」
大学生のリナは、人前で意見を言うのが苦手な哲学専攻の三年生。夏休みの短期留学で訪れたギリシャ・アテネの遺跡で、不思議な石版を拾った瞬間、古代アゴラへとタイムスリップ
してしまう。そこではソクラテスをはじめ、プラトンやアリストテレスと出会い、問答法を体験するうちに「真に知る」とは何かを問い続けることの大切さを学ぶ。再び現代に戻ったリナは、かつての自分から一歩踏み出し、対話を通じて“生きた哲学”を探求しはじめる。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-12-30 23:28:19
9602文字
会話率:31%
かすみ商事の専務と社長。ある日社長が会社の敷地で石版を見つけました。
キーワード:
最終更新:2024-11-29 07:53:47
11180文字
会話率:73%
田舎の役立たずな村娘マナミは、遠い昔、世界を脅かした魔王を倒した勇者の子孫だった。戦う術を持たないマナミだったが、勇者が遺した石版により、魔王を倒す旅に出ることとなってしまう。王女ヴィルトリエ、傭兵セレン、謎の少女ヌイと出会い「勇者一行」
として進むことになったマナミは、彼女たちに助けられながら、勇者と魔王、そして世界の真実へと迫っていく。
これはマナミとその仲間達の、ともに歩いた旅路の物語。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-08-13 00:07:25
140584文字
会話率:65%
王族を裏切り逃げ出した転生者、朔間丸。
同じく王都から逃げ出した貴族、エリアムアンベールと出会う。
二人はひょんなことから、自らの魔力や体力のパラメーターを操作できる石版を見つけてしまう。
立場が違えど二人の目的は同じ。石版を使ってパラメー
ターを「改ざん」するのだが……。
まさかまさかの連続、転生ファンタジー。
二人は王族や貴族、その他諸々の機関を騙すことはできるのか。
チートもない。救済もない。波乱万丈の人生が幕を上げる!!
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-03-20 20:58:05
4466文字
会話率:18%
夢の中に現われた不思議な石版。その石版に触れたことで、宗方秋斗はアナザーワールドへダイブする権利を得た。何かを成し遂げるため、彼はアナザーワールドへダイブする。そしてやがて彼はアナザーワールドとリアルワールドの狭間で生きていくことになるのだ
った。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-02-12 18:00:00
1159634文字
会話率:39%
そこは神が実在するとされる世界。人類が危機に陥るたび神からの助けがあった。
神から人類に授けられた石版には魔物と戦う術が記され、瘴気獣と言う名の大敵が現れた時、天成器《意思持つ変形武器》が共に戦う力となった。
狩人の息子クライは禁
忌の森の人類未踏域に迷い込む。
灰色に染まった天成器を見つけ、その手を触れた瞬間……。
この物語は狩人クライが世界を旅して未知なるなにかに出会う物語。
果たしてクライは変わりゆく世界にどう順応するのか。
※カクヨム様にも投稿させていただいています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-02-05 01:00:05
719142文字
会話率:33%
眠りしかつての兵器。
さまよう怪物。
生える植物も全て宝なり。
――〈始まりの地の石版〉より、一部抜粋――
人にとって全てが宝となり得るものが眠る場所、迷宮。
多くの危険が待ち受ける中、多くの迷宮探索者〈ラビリンスチェイサー〉
が夢を抱いて挑戦する。
その一人である駆け出しの少女〈シャーリー〉にも大きな夢があった。
最高位の迷宮探索者であるお母さんのようになることだ。
しかし、パーティーに入れてもらえるようにお願いするもののどこからも断られる。さっそく躓いたシャーリーはロビーの片隅で落ち込んでいた。
そんな中、シャーリーは一つの本と出会う。不思議なことにそれは人の言葉を話す奇妙な存在だった。
これは家族の反対を押し切り、夢を抱いて迷宮探索者になった少女の物語。
不思議な本と共に、最高位〈五つ星〉の迷宮探索者を目指し頑張る女の子の物語である!
◆◆◆◆◆
この作品は〈カクヨム〉〈アルファポリス〉にも掲載しております折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-11-29 08:26:55
75202文字
会話率:44%
眠りしかつての兵器。さまよう怪物。生える植物も全て宝なり。
――〈始まりの地の石版〉より、一部抜粋――
人にとって全てが宝となり得るものが眠る場所、迷宮。
かつてその迷宮に挑んでいた元迷宮探索者こと便利屋の社長ラフィルは滞納家賃に
頭を悩ませていた。
これは、ダメダメ社長である少女とその部下である無骨なヒューマノイドが賑やかに厄介な依頼を達成していく物語。
そしてこれは〈金色の剣姫〉と恐れられた花好きの少女が、迷宮や世界を様々な花で彩るために何もかもに全力で取りかかる物語でもある!
◆◆◆◆◆
この作品は〈カクヨム〉にも掲載しております折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-01-21 11:08:24
25766文字
会話率:43%
眠りしかつての兵器。
さまよう怪物。
生える植物も全て宝なり。
――〈始まりの地の石版〉より、一部抜粋――
人にとって全てが宝となり得るものが眠る場所、迷宮。
多くの危険が孕む中、迷宮探索者(ラビリンスチェイサー)シャーリーは
滞納した家賃を支払うために調査クエストを行っていた。
その迷宮の最深部で、ガラスの棺の中で眠る少女を発見したのだった。
◆◆◆◆◆
※この作品は『迷宮探索者〈ラビリンスチェイサー〉 ~石ころ大好きシャーリーの時を越えた約束~』を改稿したものです
※構成を変えておりますが、エピソードは基本変わりません折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-04-23 07:41:23
173203文字
会話率:42%
「世界が滅びの危機に陥る時、《百獣の王》が立ち上がる日が来る」
予言された伝説が実現を迎える時、遥か太古の時代から封印された本当の地球の歴史が明らかになる………!
時は2031年、近未来。
太平洋沖に出現してから数十年が経つも未だ謎に包ま
れた大陸グェナヴァシアの開拓が進み、未来都市が建設されて人々を集う動きが出ている頃、精神疾患を持つ庄野誠矢は、誤って近くの裏山の頂上付近へ到達寸前に落下した先にあった麓で、謎めいた石版に巡り会う。
「かのモーセが日本に託した"十戒"」
それは胸の痛みを癒すエネルギーを持つと同時に、長きにわたって大地に負のエネルギーを流し続けてきた大企業だけが知る秘密の潮流と関わりがあることを知る。
そして迫りつつある、この地球に起こる全生命を禊ぐ「浄化の日」。
禊ぎの真相を知った一人の青年、冨永勇治は、内なる声"ヴォイス"に従い、かつて超古代文明の時代に託された《百獣の王》としての自身の可能性を開くべく、この危機に立ち上がる………!
今、人類と地球の命運を左右する戦いの幕が、上がる。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-09-09 12:36:02
34745文字
会話率:48%
昔、夢の中で神様にサイコロを振れと言われた。
カラン 光飛び散り空に回る。
『1、ひとつ望みを言いなさい』
助手である彼が発掘された石版や鏡を前にし、しかめっ面の私に問うてくる助手の彼。
最終更新:2021-12-26 19:18:23
1000文字
会話率:47%
お金のない、貧しい国で「石版」が見つかった。書いてある文字は誰にも読めない。
なろうラジオ大賞3の参加作品です。
最終更新:2021-12-14 06:00:00
289文字
会話率:34%
人並み外れた能力を持った青年、モーセ。神から与えられた十戒の石版を解くため、モーセは杖アロンと共に真の自由を知る旅に出る。これは、律法の世が創られる前の長い物語の序章である。
最終更新:2021-11-19 08:27:58
754文字
会話率:18%
████年に起こった兵器製造会社ルイニングと、その直属の精鋭部隊でありながら反旗を翻したディワンの“一週間戦争”は、ディワンの勝利で幕を閉じた。
ルイニングは壊滅し、ディワンは表舞台から姿を消した。
時は経ち――████年。
ニア
・カプスネァリィ大公国の下層にあるカフェの上に、一軒の店がある。
その名は“何でも屋『ディワン』”。
そのディワンに、ある日依頼が舞い込んできた。
「石板を探して欲しい」、と。
かくして石版探しに奔走するディワンだったが……。
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( ・ヮ・)
*高校の頃に書いたSSをリブート?してるから、更新速度はクッソ遅いよ。
多分次書くの再来年以降になるかもね。知らんけど。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-10-31 11:07:03
781文字
会話率:0%
神が創りし世界。太陽も星も風も大地も神が創造した世界。 世界は丸ではなく、平面世界となっている。 海の先は、滝のように真下へ流れていて、行き着く場所は 時間も、物質も存在しない無限地獄。 母体神に創られたエブ族。 力感シリーズと、色彩の能力
。そして覚醒者。 宗教を礎に、物語は続いていく。 創造神クロノスによって創られた、暗黒の種族ラピ。 世界が創られた〝意味〟が刻まれた石版。 そして反乱分子となっていく若者達。 世界を統一した、ベルング王朝だが 今、その世界が、混沌に飲み込まれていく。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-06-15 06:42:10
3083文字
会話率:39%
この世界に君臨する魔王ガルディア・グレイは
魔王城で平穏に暮らしていたのだが、ある日のこと、幹部のルシファーを中心に反乱を起こしてきた。
ガルディアは抵抗するも、圧倒的な数の前に屈してしまう
そこで、ガルディアは最終手段として、先代の魔
王が残していった、『時の石版』という石に魔力を注ぎ込んで、分からぬうちに100年後にタイムスリップしてしまう
草原で気絶していた時に、とある少女に拾われて、その少女とともに新魔王軍に復讐していく
物語折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-02-14 19:00:00
4396文字
会話率:44%
2019年夏、私は冬になると小さなスキー場になる小山を登り頂上近くまて辿り着き一服した。林の奥に青い沼を発見、その沼に足を滑らせたが、水中に落ちることなく下へ下へ落ちていった。
しばらくして目が覚めたが、周りは熱帯の山に変わっていた。裾野
は段々畑ではなく高層ビル群に変わっていた。それらのピルは荒れ果てて、人は誰もいなかった。そのビルの礎石版には2170年と刻まれていた。
ビルのデジタルカレンダーは2190年で止まっていた。
情報スペースのモニターから2020年から2190年の日本の気象の変化を知ることができた。
突然、奥のドアから7~8歳くらいの女の子が現れ、私をチューブの場所へ引き入れ、地底都市へ案内した。
私は地底都市の代表から、地球温暖化による異常気象により日本列島の気候は温帯から熱帯に変わり、一部の日本人は地底に潜り都市を築いた。また、地底都市の人たちは、二酸化炭素の吸収を強化する苔を作り出し、それを過去の地球にばら蒔けば、異常気象は避けられ、熱帯化することもなくなることを聞かされた。私は、この人たちの考えに賛同し、協力することにした。
未来の人たちと私は、時間移動の機能を持たせたチューブを使って、2019年の世界に移動し、勢力的に苔の胞子をばら蒔いた。
その時点から、地球は苔の胞子を蒔いた世界とこれを蒔かなかった世界の二つのパラレルワールドが発生することになった。
この計画が終了した後、私は2019年の元の世界に戻り、生涯地球温暖化に対する環境活動を行った。
二つの世界に分かれた地球はそれぞれの世界で同様に進歩し、日本列島では人々は地方の風光明媚な場所に高層ビル群を建築した。しかし、いずれの世界でも地球の気象が元に戻ろうとする力、つまり1万7000年ほど続いた間氷期から氷期に向かう自然の摂理により、両方の世界は徐々に寒冷になってきた。
熱帯の日本列島では、人々は熱帯を避けるため地上の高層ビル群から地下に潜った。温暖化が継続されたもう一方の日本列島では、氷期が近づいていることを知った人々は。寒冷化を避けるため地上の高層ビル群から地下に潜るようになった。
こうして二つに別れたパラレルワールドは、地球の気象の自然な摂理によって再び一体化したのである。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-07-01 12:12:42
6912文字
会話率:9%
エスタリア大陸の南西部、レオポルド国とスパーダ国を隔てるライン山脈の麓。
レオポルド国内で唯一、魔領を残した地に囲まれた邸宅の地下室より物語は始まる。
望まれて産まれた男は、人では無く、また魔物でも無かった。
魂を込められた人形と呼べば
良いのか、将又、化け物と呼べば良いのか。
だが、そんな事はどうでもいい問題であるし、男にとってもどうでも良かった。
ある望みを託して産まれさせられたのは間違い無いが、男にとってはそうでは無い。
むしろ、何故この様な場所に居るのか、何故この様な身体なのか、疑問だらけであった。
外に出れば見た事の無い、正確に言えばゲームでしか見た事の無い生物が居て、魔法が有って。
兎に角、男にとってこの世界は、不思議で満ち溢れていた。
夢か現か、それすらも定かで無いが、動かなければ何も始まらないと、男は動き出す。
この不思議な世界で、一先ず生きて行く事を決意して。
言葉も通じないまま、この世界の人々と交流を持った。
男は、時に奴隷になり、また時には冒険者にもなった。
この不思議な世界は一体何なのか?
どうして自分はこんな世界に居るのだ?
どれだけ歩めど、男の疑問は尽きなかった。
ある地点に辿り着き、その地にあった石版を読むまでは。
この物語は、望まぬ生を受けた男が、後に世界の救世主となるまでの物語。
決して平坦では無く、受難も多い、あまりにも理不尽な物語。
だが、男がこの世界に産まれた瞬間から、一つの運命の歯車が動き出す。
ある者達の悲願が、ある者達の解放が、そしてある者への断罪が、それぞれの歯車が動き出した。
全てのモノは、「運命」から逃れる事は出来ないのである。
この男が産まれた瞬間から。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-03-01 17:56:57
33378文字
会話率:56%