もう限界だった、営業車で向かうのは自殺の名所と名高い樹海。
その薄暗い闇を見詰めるうちに、とうとう決意は固まったのだ。
そこへ唐突に現れた普段着すぎる自称・樹海の聖女から売りつけられたのは、玉ねぎぐらいの球根だった。
拍子抜けして日常へ
戻って数日後。
帰宅すると部屋で待っていたのだ。
心安らぐインテリアグリーン、自宅で楽しめる観葉植物。
……の筈だったが?
それは伝説の毒草、マンドレイク。
そのうえとんだパチモンだった!!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-12-25 00:10:04
31615文字
会話率:41%
賢者ヨグが唱えた全にして一である『アイン』。それは不平等な世界を嘆いた彼の理想、精神的融和を意味したが、有機物も無機物も融合させる触媒『ズァイン』の発現により、崇高なる理念は現実世界を『アイン』に変えるという、狂気に満ちた思想に変貌していく
。とは言え、世界を『アイン』に変えるには、『ズァイン』の絶対量が圧倒的に足りなかったのだが。狂気の思想も戯言でしかなかったのだが……。
ひとりの赤子の中に『ズァイン』が凝結した時、狂気の歯車は音をたててまわり始める。――――「手に入れたぞ。成長する『ズァイン』だ」 「人間の操れる代物ではない」 「滅却せよ。かけらひとつ残らず」 「黴の生えたじじいども。おまえ達はいつもそうだ」 錯綜する思惑。彼らは理解しているだろうか。『ズァイン』として生まれようと、心は育まれることに。名前を持ったひとりの人間であることに。――――「名前を呼んで」 「名前を呼べ」 「我を呼べ」 黄金の光と共に。『ヴォルドルーン』ここに開幕。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-01-26 22:49:52
89239文字
会話率:26%
定時制夜間部教師、春菜は、12年前爆発事件にまきこまれた。その時助けてくれたクラスメート、コガタリを探していたが見つけられない。ところが、クラスに自分と同じ年の青年「古語(コガタリ)」が入学してくる。彼はあのコガタリなのか。そして可愛がって
いた野良猫が、春菜に言った。「おまえのせいで地球はおしまいだ」春菜は地球に来ていたすべての宇宙人から命をねらわれる存在になったのだ。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2009-09-18 20:32:38
124838文字
会話率:46%