「僕は美しい物が好きなんだ。どうせなら、美しい娘を産んでみないか?」
何を言っているのだろう、この人は。
美しいも何も、何人産んだとて、今まで生まれた子と大差なんて出ないだろうに。
そこに耳を疑う言葉が、私アニエスの上に降り注がれた。
「僕の精子と傾国と言われる女性の卵子を、人工受精させて君の子宮に戻すんだ。君が産めば君の子だし、僕の精子であれば我がイクセント家の子に違いはない。………産んでくれないかなぁ?」
悪びれもせずに笑顔で囁く、金髪碧眼の麗しい顔かんばせの夫ロビンソン。
私達には息子も二人いるし、娘も一人いる。
もう子供は必要ではない今、人工受精など無用の長物なのに。
彼はただ言外に、私以外の女の子が欲しいと言っているのだ。それも美しい子が欲しいと。
その夜、私は泣いた。
声を殺して泣いていた。
夫は私のことを好きだと思っていたのに…………
私はすごい美女とまではいかないが、富裕階級の娘としてはそこそこ綺麗だと自負している。
勿論青色髪で薄桃色である私が、夫の美貌に太刀打ちなどは烏滸おこがましく、結婚も家格のバランスでなったものだ。それでもこの家の嫁として、妻として、母として尽くして来たつもりだ。
それなのに…………
この日から私は、夫のことを嫌いになり始めた。
それでも夫に逆らうことは出来ず、彼の指示する産科の門を叩くのだった。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-07-29 17:47:28
8839文字
会話率:19%
16年前に失踪した妻の子ども勇を児童養護施設から引き取り、異父兄弟の兄の幸司、勇と血縁関係はない幸司の父親である広、そして勇の3人での暮らしが始まる。
この作品には、おねしょやおもらしの表現が度々出てきます。
閲覧の際は、十分にご注意くだ
さい。
この作品は、pixivに投稿したものを加筆修正して投稿しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-09-11 00:00:00
69616文字
会話率:46%
男が男の寵を得て成り上がる貴族社会――
時は平安時代末期、院政期。内大臣の長子である桔梗は、元服直前に母から、自身が帝の落とし胤であることを知らされる。
それから三年後、誰にも露見することなく平穏に過ごしていた桔梗の元を訪れたのは、幼少の
頃から可愛がっていた弟の藤だった。
弟に、父内大臣に言いつけられたくないのなら、自身の情人になれと脅された桔梗は、許されざる関係をもってしまうが、弟の元にはいとこの姫との縁談が舞い込んでいて……。
執着攻め×儚い受けの平安貴族兄弟BLです。
※フィクションです。ファンタジー要素は少なめ(当時の常識としてのもののけ程度)。
※近親相姦で弟×兄です。攻も受もお互い以外と肉体関係を持ちます。
源氏物語が好きで、大河ドラマをちょっと見た程度の知識ですので、時代考証が十分ではなく、突っ込みどころが多いかとは思われますが、大目に見て下さると幸いです。
pixiv、カクヨムにも掲載しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-04-14 22:00:00
27482文字
会話率:58%
京都の短大に通う「わたし」篠崎千晴。二回生の秋、就職も決まったある日、伯母からかかってきた一本の電話に、彼女は驚いた。ずっとその存在を知らされていなかった伯母の異父兄弟、すなわち「叔父」が、実はすぐ近所に住んでいると言うのだ。
彼に届けも
のをしてほしい、と頼まれて出逢った「叔父」、そこから始まる風変わりな人々との日々。やがて就職したホテルで聞いた奇妙な「怪談話」、それをきっかけにまた新しい出逢いが訪れる――京の街を舞台に、孤独な半生を送ってきた少女が再び人生を取り戻す。(著作権者・富良野 馨)
※2018年内にポプラ社さんのポプラ文庫ピュアフルより書籍化予定です
※なろうに掲載していた『雨音は、過去からの手紙』(旧題・雨に似たひと)マイナビファン文庫より書籍化しています 折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-07-09 00:47:18
352857文字
会話率:36%
母親から虐待を受けて育った異父兄弟。性的虐待を受け十六歳で子供を産んだ女とその子供。親と死に別れ引き取られた先で家畜以下の扱いを受けた女児。
共に凄惨な過去を持つ彼らが家族となったとき、幸せな人生を歩めるのか、否か。一章2006年二章200
9年作折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2013-03-21 16:20:21
58349文字
会話率:61%
俺はここにいるのが本当の家族だと思っていた。
しかしそれは偽りの家族だった。
妹は異父兄弟で、本当の父親はどこなのか
探し出すことを決意した。そこで俺が得たものは―――
最終更新:2012-10-12 09:10:58
6255文字
会話率:34%
猫背で猫目で猫毛の59。真琴と少年の不思議な関係。過去から始まる、不思議な話。59とは誰なのか?これはあくまで津浦の創作です。感想、評価、注意は評価、感想の欄にてお願い致します。
最終更新:2009-04-05 00:37:13
5599文字
会話率:56%