百済に生まれた少女、佳熙(カヒ)。
彼女は百済の名門である沙宅氏(サテク)の娘である。佳熙は百済の王后になるために教育を受けて育った。
国内は王弟である扶余季(プヨ・ゲ)と宣公子(ソン)親子らが王位を狙っており、貴族たちの意見も割れていた
。
そんな中で王子である璋(チャン)に佳熙は嫁ぐ。
璋は逆境を覆し国王、武王(ム)に即位するも、王后の座は敵国の公主、善花になってしまう。佳熙は側室という身分になるも、屈辱を覚えていく。
次第に佳熙は全てにおいて冷淡になっていく。その彼女に恐れを感じながらも一介の奴婢であった階伯(ケベク)は惹かれていった。
善花公主が義慈(ウィヂャ)を産むと武王はあからさまに佳熙を遠ざけようとする。だが、彼女は懐妊していた為か蔑ろには出来なかった。
佳熙が翹岐(ギョギ)を産むと沙宅氏を始めとする大姓八族は武王に翹岐を立太子するように上奏する。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-02-20 10:30:05
23138文字
会話率:48%
「悲しいことは昨日まで♪ 今日はきっと良いことがあるわ♪」
目下、継母ブルチャスカとその娘アンジェルに、芋の皮剥きやら食器洗いをさせられている私、ユキファールム。
「こんなことも出来なければ、将来とっても困るわよ」
「そうよ、ユキファー
ルム。私達は貴女のことを思って仕込んでいるんだからね」
うぬぬ、2対1では流石に勝てない。
けれど彼女達は、意地が悪い訳じゃないの。
ただ家事をさせられるだけなの。
その様子を見て、執事アーントや侍女のバタフライは目を輝かせていた。 “素晴らしい教え方です” “本当に良いタイミングでした。姫様は私の言うことは聞かないのです。 「バタフライがやってよぉ」 と甘えてくるのです。可愛いくて駄目なのよ” とか言いながら、ブルチャスカの方を向いている。私が頑張っているところは、目に入らないのかしら?
まあいいや。この2人はもう高齢で、私から見たら祖父母に近い年齢だから、今さら文句も言わないわ。孫のように可愛がって貰ったもの。
それにしても、私に家事なんてさせてどうするつもりなんだろう。目玉焼きさえ焦がすし、味付けはいまいちだし、彩りも美味しそうじゃないし。まあ、何とか煮炊きは出来るようになったけど。
お掃除はハタキをかけて、箒で床を掃いて、水ぶきするのよね。
後はお洗濯。水仕事は指先が荒れるから苦手なの。ささくれとひび割れが酷いわ。洗ったものは重いし、干すのも大変だもの。
どうして私にさせるのかしら?
「お嬢様、私共はここでお別れです。ここから先はお一人で行って頂きます」
「私達はここで敵を迎えうちますから、お嬢様はこの先にある家で一人で隠れていてください。屋敷には生活用品が、庭には野菜も植えてありますから。庭にかかっている網は外しては駄目ですよ。動物避けですからね」
にこやかに笑っているアーントとバタフライだが、彼らが着ているのは鎧だった。
「なによ、その鎧は? 貴方達はもうお年寄りでしょう? 一緒に逃げましょうよ」
私は彼らも一緒に行こうと誘った。
けれど、首を振りここに残ると言う。
「姫様の幸福だけが私達の願いです。その幸せを壊さないで下さいませ」
「さあ、行くのです。必ず迎えに行きますから」
「あぁ………きっとよ、迎えに来てね」
私は真剣な様子の彼らに逆らえず、城裏のずっと奥山にある、二人の言う家屋を目指した。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-08-19 20:08:46
11376文字
会話率:19%
その日、極東の王后は十六歳になった。
東洋の真珠とうたわれるこの国が、外交と貿易を開くようになり、五年の歳月が経つ。
その間、列強と渡り合う少年帝のとなりに、嫡妻の姿はなかった。幼さを理由に、公の場から遠ざけられていたのである。
年
の初めに帝が二十歳を迎え、摂政から行政権の返還を受けた。彼は名実共に皇国の支配者となる。そして今日、王后の成年式が行われることとなった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-12-08 20:00:00
9364文字
会話率:31%
「教えてくれ。俺は――誰を信じればいい」
景泰《キョンテ》三(一四五二)年五月十四日、朝鮮。
半月程前から床に臥せていた王が、崩御した。
父王の死を受け、王位に就いた少年、イ・ホンウィは、王の死因を調べる調査官の指摘により、父の死
因に不審を抱く。
調べを進める内に容疑者として浮かんできたのは、よく知る、しかもホンウィが心から信頼を寄せる人物で……!?
王宮に吹き荒れる権力争いという名の嵐の中、孤独な戦いを強いられた少年王が出会う、愛と裏切りとは。
※本作は、李氏朝鮮王朝時代の史実を元にしたフィクションです。
実在の人物・地名その他が登場しますが、一切関わりはございません。
※〔〕内は、注釈です。
※本館サイト、エブリスタにも同時掲載中です。
©️和倉 眞吹2018-.
禁止私自转载、加工 禁止私自轉載、加工
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207960文字
会話率:53%
嘉靖《カチョン》十五(一五三六)年、陰暦十一月。
時の世子《セジャ》イ・ホの側室選びである、後宮揀擇《フグンカンテク》に参加したユン・イノは、側室最高位・良娣《ヤンジェ》として入宮する。
現王妃の姪という縁故から、反対する臣下もあ
り、一時は入宮も危ぶまれたが、無事に初夜を迎えた。
だが、肝心の世子からは、「妹以上には思えない」とはっきり告げられる。
失意の日々を送るイノを慰めるのは、王妃である叔母と、幼い従弟妹《いとこ》たちとのひと時だった。
そんな折、イノの入宮に際して企みを持っていた叔父・ウォニョンから、とんでもないことを頼まれて……!?
※この物語は、朝鮮王朝時代の史実を元にしたフィクションです。
実在の人物、地名などが登場しますが、一切関わりはありません。
※『ヤンジェ』の『ジェ』の字は、女偏に弟と書きます。環境依拠の漢字ですので、表記されない場合もあるかも知れません。ご容赦下さい。
※エブリスタにも同時掲載しています。
執筆期間:2018.09.18.~09.20.折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-02-03 18:15:20
7841文字
会話率:35%
技術大国ヌネイルで、『発条王』と渾名される恐妻家のエヴァンスランスは、今日も今日とて悪妻アンリシャンテにどやされる日々。
王后の怒声が響き渡るヌネイルの宮廷は、妾腹のエヴァンスランスを王に担ぎ上げた『宰相派』と、その甥グロウワットを擁する『
大公派』とに割れていた。
王の器ではないと自覚し、趣味の機械いじりに没頭していたいエヴァンスランスは、国政を宰相に牛耳られているのを良いことに、その娘であるアンリシャンテに操縦されるままになってきたのだが――。
ままなならぬ人生が生む宮廷事変。
※自サイトにて掲載中の作品を転載しています。カクヨムにも転載有り。
※若干の残酷描写を含みます。R15は念のため。自サイトではPG12指定です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2016-05-26 17:05:47
27633文字
会話率:50%