アメリカ赴任中の新妻・巴ちゃんに代わり、妻の愛猫・チャンプの面倒を見ている僕。
そんなある日、チャンプが人間の言葉を話し始め、しかも一日一回のクイズで勝負することを持ちかけられる。テーマは巴ちゃんについて。負けた方は買った方の命令をきかなく
てはならない。
しかもチャンプは、シンガーソングライターとしてプロになりたい僕に作詞作曲の指導までしてくるようになる。
勝負の結果は――?
全五話。基本、ほのぼの系。
家紋武範様主催、「知略企画」参加作品。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-01-18 18:00:00
9993文字
会話率:58%
化け猫ってのは、常に不安定に生きている。
まあ、獣道っていうやつだ。独りよがりだし、暗い道をのそのそ歩く。そして、そのあとを誰かがついてくる。
俺——化け猫の任猫ランモは、そのついてくる方だ。
「まあ、お金なんて、なんとでもなるよ、
ねぇ兄貴ぃ?」
異常なくらい天然で、あほで、間抜けな我が愚妹、任猫オーミ。
こいつはたしかにあほだが、その馬鹿げた力を持って、どんな窮地だろうと乗り越えて見せる。
「……とりま、えろげ、やろ」
そして、俺たち化け猫のお世話役、言氏千堵世は変人だ。
酔狂とも、物好きとも、お人よしともいう。
とりあえず、何にも考えずに突っ込むような、あとさきを考えない性格だ。いいやつではあるんだが、もう少しその一途な情熱をちゃんとしたベクトルに直してほしい。
でも、なんだかんだ、俺を救ってくれていることに間違いはない。
「んで、これからどうしようかぁ、兄貴ぃ」
「……しばらく、バス、暮らし」
でも、ひょんなこと———ではないな。
だれかは無駄に課金するし、誰かはあとさき考えずにパチスロに金捨ててくし。
そりゃ、借金かぶるのは当たり前だ。
(さすがに、これ以上、こいつらに任せっきりじゃいかん。)
そう思いつつ、俺は布団を頭からかぶるのだった。
大丈夫なのかなぁ……この道。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-02-22 20:32:58
33441文字
会話率:37%